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「体温」と健康。発熱って何度から?病院に行くタイミングって?薬はのんだほうがいいの?4つの過程と気をつけるポイントをお伝えします!!


感染症の流行により、発熱に対して以前よりも敏感になっている方が多いです。熱が出ると頭痛や倦怠感などの症状が出てつらくなるので、できれば避けたいもの。

一方で、カラダを守る大切な働きがあるんです。発熱とは何度以上をさすのでしょうか?どのような過程を経て、どのようなことに気をつけるべきでしょうか?今回の記事を参考にしていただければと思います。



理想的な体温とは?


体温ってなに?

体温とは、文字通り人のカラダの温度のこと。代謝の過程で発生した熱は、血液によって全身から心臓に運ばれます。心臓の温かい血液が全身に送り出されることにより、全身が温かくなるのです。

体温は、熱産生と熱発散のバランスで決まります。体温が高すぎても低すぎても健康を損ねてしまうので、私たちのカラダには、体温を一定に保つ調節機能があります。

代謝とは?

生体内で生じる全ての化学変化とエネルギー変換のこと。 さまざまな栄養素が合成・分解されていく過程を指します。代謝の過程で熱が発生します。


平熱とは?

日本人の平均体温は36.89度(±0.34度)。意外と高めなんです。一般的に、平熱の正常範囲は35.5~37.5℃と言われています。低体温には明確な定義はなく、平熱以下である35.5度を指すことが多いようです。

平熱には個人差があり、年齢ごとにも違いがあります。さらに、季節や一日のうちの時間帯、活動内容などによって変動したりもするんです。ご自身の健康状態をみるために、ふだんから平熱を把握しておきましょう。



発熱とは?


発熱の定義って?

発熱とは何らかの原因で、体温が平常より1℃以上高くなった状態のこと。日本の感染症法では「37.5℃以上を発熱、38℃以上を高熱」と定義しています。

ただし、平熱には個人差があります。平熱が低めの方は、37.0℃でも辛さを感じるでしょう。37.5℃を目安に自分の平熱と変化を把握しておくといいですね。


なぜ発熱するの?

発熱の原因のほとんどは、ウイルスや細菌の感染によるもの。発熱することで免疫系を活性化させ、感染の原因微生物(病原体)の増殖をおさえます。

感染以外には、熱中症のように体温の制御が不能になって熱が高くなることもあります。


発熱することのメリットとデメリット

できれば発熱を避けたいですが、ちゃんと大切な役割もあるんです。メリットとデメリットを分かりやすくまとめてみました。

メリット

〇ウイルスや細菌などカラダに悪影響のある微生物の増殖を抑える
〇白血球の殺菌力や免疫機能を高める

デメリット

〇カラダがつらい(頭痛や倦怠感など)
〇体力を消耗する。
〇脱水症状を引き起こす
〇 心臓に負担。がかかる
〇ひきつけ発作や精神障害を誘発することがある



発熱したら?


発熱は、次のような経緯をたどります。各段階で注意するポイントがあります。

①前兆期
②上昇期
③ピーク期
④下降期


①前兆期

白血球は、体内に細菌やウイルスなどが侵入したのを発見すると、攻撃をはじめます。同時に、中枢神経に侵入者の情報を伝達します。

中枢神経は免疫力を活性化させるため、発熱の指令を出します。それを視床下部の体温調節中枢がキャッチして、体温を上げます。

前兆期は、カラダが体温を上げようとして悪寒やふるえが出ます。この時期は、保温と休息に努めましょう。


②上昇期

体温調節中枢の指令に従い、体温が上がります。発熱に集中するためカラダの機能が20%ほど低下し、頭痛やだるさを感じます。

上昇期とピーク期は免疫細胞の働きが活発になり、ビタミンCが通常の5倍近く失われます。ビタミンCを補給するようにしましょう。


③ピーク期

体温調節中枢の設定温度と、実際の体温が一致した状態です。免疫細胞が活発に活動し、外因性発熱物質を攻撃します。


④下降期

免疫細胞がウイルスや細菌を退治すると、体温調節中枢が平熱に戻そうとして発汗します。汗をかき始めたら、そこから熱が下がっていくでしょう。

体温が平熱に戻ると発汗も止まります。大量に汗をかくと脱水症状になる可能性がありますので、必ず水分補給をしてください。このとき、利尿効果のあるカフェインは避けたほうがいいです。

スポーツドリンクについて

ミネラルを補給するためにお子さんにスポーツドリンクを飲ませる場合は、子ども専用のものが良いです。大人用だと濃度が濃すぎてかえって脱水症状を起こす場合があります。

衣服が汗でぬれたままだとカラダが冷えてしまいます。新たな感染症にかからないように、こまめに着替えるようにしましょう。この時期は、次の2つの方法で解熱を補助することができます。

〇カラダを冷やす
〇解熱薬を服用する


〇カラダを冷やす
カラダを冷やすことで、体温調節中枢が平熱に戻すことを助けます。頭を冷やしているのをみかけますが、脇や首筋などの動脈が通っている場所や、太もものつけ根を冷やすと効果的です。

〇解熱薬を服用する
この時期になると、発熱による生体防御反応はほぼ完了しているため、解熱薬を使うことも方法の1つです。


解熱後は?

「解熱後」は、細菌やウイルスとの戦いによって体力が消耗している時なので、できるだけゆっくり休養しましょう。また、胃の機能が低下しているため、食事は消化の良いものを選んでください。

熱が下がってから最低3日は、体育や部活動などのスポーツや体力を使う仕事、無理な残業、飲酒は避けましょう。

37℃台の「微熱が続く」場合は、肺炎・肺結核、白血病、ガンなど重大な疾患が隠れている可能性もあります。微熱だからとあなどらず、すぐに医師の診察を受けてください。


解熱剤について

解熱剤には2種類あります。ひとつは脳にある体温中枢に作用して熱を下げるもの。もうひとつは炎症を引き起こす原因物質が発生するのを抑えるものです。

処方時に「38.5℃以上の発熱を目安に使用してください」と指示されることが多いです。ちなみに解熱剤は病気を治すものではなく、一時的に症状を抑える対症療法だと覚えておきましょう。

発熱する理由は、侵入したウイルスや細菌をやっつけるため。むやみに解熱剤を使うと、その働きが弱まることがあります。ただし高熱は体力を消耗させるため、我慢できないときには無理せずに解熱剤に頼りましょう。

また、熱が下がらないからといって短時間の間に解熱剤を立て続けに飲むと肝臓などの臓器に負担をかけてしまう恐れがあります。



発熱時の生活について



発熱時に日常生活で気をつけることはあるのでしょうか?いくつか注意すべきことを挙げました。


①入浴

高熱時にお風呂に入ると、体力を消耗してしまうので避けましょう。お湯の温度が高かったり長湯だったりしても体力の消耗につながるので注意が必要です。

入浴する際は脱水症状にならないよう、入浴の前後に水分を摂ってください。湯冷めしないようにお風呂から上がったらカラダを冷やさない工夫をしましょう。シャワーはカラダが冷えやすいので、あまりオススメではありません。


②食事

発熱するとエネルギーが大量に消費されるので、高エネルギー・高たんぱく質の食品がオススメ。胃の機能が低下しているので脂肪分の多いものは避け、消化の良いものを食べましょう。

わが家では、卵がゆや果物を用意することが多いです。また、食欲のないときに無理に食べると嘔吐や下痢になる可能性があります。

脱水症状になりやすいので水分はしっかり摂ってください。

なぜ経口補水液やスポーツドリンクを飲むの?

水よりも体液の組成に近く、身体に吸収されやすいこと、効率よく水分およびミネラルの補給ができることが理由です。


③飲酒

お酒には利尿作用があるため、脱水症状になりやすい発熱時は避けた方が良いでしょう。飲酒は体力も奪います。また、服薬中に飲酒をすると薬によって副作用が出たり、効果を弱めたりすることがあります。


④運動

無理な運動は体力を消耗してしまいます。発熱時はカラダを休ませることを優先しましょう。



こんな時は注意が必要です!!


発熱中に次のような症状がみられたら注意しましょう。状況によっては、救急にかかることが必要です。高齢者や持病のある方は、発熱したら病院にかかることをオススメします。

〇数日間高熱が続く
〇意識が遠のく
〇震えが止まらない
〇明らかに血圧が下がっている
〇著しく呼吸が苦しい
〇部位を問わず、 激痛がある
〇立ち上がれない
〇水分や食事が取れなくなった
〇尿が出なくなった



ふだんから気をつけること


①平熱を把握しておく
②免疫機能を高めておく
③体力をつけておく


①平熱を把握しておく

平熱には個人差があります。体温の高い人と低い人とでは、「発熱」に対する感じ方が違います。体調管理のためにも、ご自身の平熱を把握しておきましょう。

体温は、環境や熱を測る時間帯、年齢などによって変動します。こちらの記事もぜひ参考にしてくださいね↓↓

健康管理に大切な体温。平熱とは?体温計の選び方って?計測で気をつけるポイントもお伝えします!! 


②免疫機能を高めておく

免疫がしっかり機能していれば、発熱に至つ免疫力細前に菌やウイルスを撃退することが可能です。免疫力を上げるために大切なことは次の4つ。生活習慣を整え、できるだけストレスをためないようにしましょう。

①健康的な食事
(腸内環境を整える、免疫細胞を活性化させる)
②良質な睡眠
(自律神経を整える)
③運動・入浴
(代謝・体温を上げる)
④ストレスをためない


③体力をつけておく

万一発熱したときでも、体力があれば重症化しにくいですし、回復も早いです。今一度、生活習慣(食事・睡眠・運動)とを見直しましょう。当たり前のことばかりなのですが、ふだんからの意識が大切です。



まとめ


  • 体温とは?
    人のカラダの温度のこと
    熱産生と熱発散のバランスで決まる
    日本人の平均体温は36.89度(±0.34度)
  • 発熱とは?
    体温が平常より1℃以上高くなった状態
    日本の感染症法では「37.5℃以上を発熱、38℃以上を高熱」と定義している
  • 発熱の原因は?
    ほとんどが最近やウイルスによる感染
    体温の制御が不能になって熱が高くなることも
  • 発熱のメリット
    〇ウイルスや細菌などカラダに悪影響のある微生物の増殖を抑える
    〇白血球の殺菌力や免疫機能を高める
  • 発熱のデメリット
    〇カラダがつらい(頭痛や倦怠感など)
    〇体力を消耗する。
    〇脱水症状を引き起こす
    〇 心臓に負担。がかかる
    〇ひきつけ発作や精神障害を誘発することがある
  • 発熱の経緯
    ①前兆期②上昇期③ピーク期④下降期
    →それぞれの段階に注意するべきポイントがある
  • ふだんから気をつけること
    ①平熱を把握しておく
    ②免疫機能を高めておく
    ③体力をつけておく



おわりに



発熱すると頭痛や倦怠感などの症状が出てつらいため、忌み嫌われることがほとんど。ところが、防衛反応という大切な役割を担っているんです。

今回は発熱について詳しく説明しましたがいかがでしたか?いくつかのポイントもお伝えしましたので、ぜひ参考になさってください。

発熱から重篤な状況に変化することもあります。ただの熱だと自己判断や過信をせずに、おかしいと思ったら病院を受診するようにしましょう。

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