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本州の最北端の青森県 発酵の特徴は「じっくり熟成型!?」 美味しさの秘密は気候にあった♪

青森のイメージと言えば、「リンゴ!!」と思われる人も多いかと思います。
甘くておいしいですよね!

そんな、リンゴのイメージが強い青森県ですが
実は、あまり聞きなれないおもしろい発酵料理があるのです。
その土地独自の発酵料理は、なんだかワクワクしますね!!

寒さの厳しい青森県は、発酵にも特色があります。
発酵に欠かせないものと言えば温度調整、一定の温度があることで発酵が進んでいきます。

寒冷の地である青森県は、発酵に時間がかかるため、ゆっくりと熟成させていきます。ゆっくりと時間をかけることで、旨味もアップしていくのです。

その土地のものを食べると、その土地の環境も感じることが出来ますね。
それでは、そんな魅力に包まれた青森の発酵料理についてご紹介していきます♪



1.青森県の気候

青森県は三方が海に囲まれ、奥羽山脈が県内を分けているため、地域によって気候が大きく異なります。全体が豪雪地帯とされていて、南部ほど内陸性気候の為に寒さが厳しく、北部は海洋性気候の為に寒さはそれほど厳しくなく、日本海側沿岸は温暖な気候で過ごしやすい特徴があります。

年間の平均気温は11度で島内では寒い地域に当たり、また台風が少ない地域でもあります。冬は冷たく湿った空気が山脈にぶつかって大量の雪が降りますが、太平洋側は山脈が障壁となって晴天の日が続きます。
日本海側と太平洋側で随分と気候も変わってきます。

そんな寒い青森県では「長期熟成型」の発酵方法が取られています。発酵は一定の温度が必要になります、そのため寒冷の地では、じっくりと発酵させていく必要があるのです。

それでは、青森の発酵食について詳しくお届けしていきましょう。


2.青森県のお醤油の特徴

青森県のお醤油は本醸造方式で作られて、やや甘口なのが特徴的です。
青森県産は大豆と小麦の生産量が少なく、大豆は国内で取り扱いされている中で2.3%、小麦は0.3%と貴重な素材となっています。

青森県は寒い土地柄もあり、その環境状況を活かして、寒い冬の時期から仕込み、はじめはゆっくりと熟成させて発酵が徐々に始まってきたら攪拌をして空気を送り込んでいきます。
こうすることで旨味を引き出していくのです。


本醸造方式
最も一般的な方法で、日本で流通している80%のお醤油がこの方法で造られています。

作り方
①蒸した大豆と煎った小麦を混ぜる
②種麹を加えてこうじを作る
③塩水を加えて発酵させます

麹菌や酵母菌の力を借りて、ゆっくりと自然熟成させていきます。時間がかかる分丁寧に熟成が進み、色や香りがよい醤油となるのが特徴的です。


・混合醸造方式
本醸造の諸味に微生物の力ではなく、アミノ酸液(または酵素分解調味液または発酵分解調味液)を加えて、化学的に短期間で熟成させる方式です。

大豆などのたんぱく質原料に濃塩酸を加え、加水分解して作られたものをアミノ酸液といいます。
本醸造醤油に比べアミノ酸のうまみがプラスされるため、混合醸造の醤油が好まれ、使われている地域もあります。またアミノ酸液のかわりにこれらのものも使われています。

・タンパク質分解酵素を用いたものを酵素分解調味液
・小麦グルテンを発酵解したものを発酵分解調味液


・混合方式
生醤油(生揚げ醤油)に、アミノ酸液を混ぜ合わせて作られた醤油で、撹拌調合、加熱処理する方式です。しょうゆ本来の風味を持ちつつ、アミノ酸の力で旨味を出しています。


3.青森県の味噌の特徴

青森で食べられるお味噌は赤色の中辛~辛口の米みそです
魚をよく食べる青森では、魚臭さを取るために赤色辛口の味噌が食べられていました。お味噌を使う郷土料理では「じゃっぱ汁」や「貝焼き味噌」などが有名です。

土地柄として、寒冷な気候で発酵熟成がしにくい環境にあるため、長い期間の熟成が必要になります。糀の割合が6割と低く、塩分濃度が13%と高めなのが特徴的で、熟成されることで塩分が抜けてまろやかな味に変わっていきます。

江戸時代に入って近江や越前から来た商人が津軽で糀屋を始めたのがきっかけで、その後軍需の備蓄のために多くの糀屋に営業を許可をして、お味噌が販売されるようになりました。1671年頃には、南部地方の大豆を原料としてお店で味噌が販売されるようになっていきました。


4.青森県の発酵料理

青森の発酵料理には、聞きなれないものが多く存在します。
料理の特色は、もち米を使ったものや、アケビなど、その土地独特の材料が使われていて、世界的に見ても稀なモノもあります。


①アケビのなれずし

漬物の一種で、アケビやヤマブドウなど植物だけで作られた熟酢というのは世界的にあまりないものです。

乳酸菌がたっぷり アケビのなれずし | レストラン自然食研究所のブログ
参照:https://search.yahoo.co.jp/

材料
熟したアケビとヤマブドウ、もち米、砂糖、塩
作り方
1.あけびは種などを取り出して皮だけにして、熱湯に浸しておく。
2.炊いたモチ米が冷めた後で、山ブドウの粒と塩と砂糖を入れて混ぜて、皮に詰めていく。
3.残ったもち米のごはんの半分を桶の底に敷いて、その上にアケビを重ね、その上に残りのもちを乗せて、蓋をして発酵させていく。
4.ヨーグルトの乳酸菌はほとんど胃酸で死滅してしまうが、植物の乳酸菌は腸まで届きます。


②すしこ

津軽地方の日本海側でよく食べられて、ごはんの漬物と言われ、蒸したもち米や赤紫蘇やキュウリ、キャベツなどを混ぜ合わせて乳酸発酵させた食べ物。体力が必要な稲刈りの時期には体力回復のために食べられていたと言われています。乳酸発酵の進んだものは、酸味が強くなり、もち米がドロドロになるまで寝かせることもあります。

青森の美味しすぎる郷土料理『すしこ』は見た目も群を抜いている ...
参照:https://search.yahoo.co.jp/

材料
キャベツ、 きゅうり、食塩 (下漬け用) もち米、赤しそ、食塩、
砂糖、お酢
 作り方
1.キャベツとキュウリを切って、ひと晩塩漬けにする。
2.みじん切りにした赤しそを塩で揉み、出てきた黒い汁を捨てる。  
何度かその作業を繰り返した後に、赤い汁に変わってきたらクエン酸を振って紫蘇を絞る。
赤い汁は取っておきます。
3.もち米を蒸しておき、酢・砂糖・赤い汁を混ぜ合わせます。  
下漬けしてしておいた野菜を絞り、2の赤しそと一緒に混ぜ合わせ一晩置いておきます。


③ごど

納豆に麹と塩が混ざり合った究極の発酵食。
「ごど」が出来た経緯は、自家製納豆を作ろうとした時に失敗をしてしまった納豆に麹を入れたのがはじまり。発酵がそこまで進んでいない時は納豆として食べて、発酵が進んでドロドロの状態になったものは、醤(ひしお)として食べられます。

ごど』のつくりかた。青森県十和田の納豆×麹×乳酸発酵食レシピ | 発酵 ...
参照:https://search.yahoo.co.jp/

材料
納豆:180g 麹:40g 塩:5〜8g
作り方
1.麹をほぐしておく
2.納豆に麹と塩を入れてよく混ぜる
3.タッパーなどに入れて、室温で一週間ほど発酵させる
4.全体的にドロドロの状態に溶けてきたら冷蔵庫に入れて保管する。


〇乳酸菌とは
乳酸菌とは、人の体にとって有益に働いてくれる善玉菌で、腸内環境を整えてくれる効果があります。炭水化物などの糖を消費して発酵の力によって酸を作り出す細菌の総称です。
ヨーグルトやチーズなど、それらを食べることで身体に取り入れることが出来ます。ただ、人の腸内に住み着く菌の種類や数は決まっていて、ずっとそこに定着することは出来ないので、継続的に摂る必要があります。

乳酸菌の3つの作用
・コレステロールを下げる
コレステロールには「善玉コレステロール」と「悪玉コレステロール」があり、悪玉コレステロールは動脈硬化や心筋梗塞などを引き起こしやすくなるので注意が必要になります。

・整腸作用
乳酸菌を摂ることで、糖を分解し乳酸を作ることで、腸内環境が酸性となり悪玉菌が住みずらい環境となっていきます。そうすることで、腸内が活発に働き便通も良くなっていきます。

・免疫力アップ
乳酸菌の一部には、免疫力をアップさせる効果もあります。ウィルスや細菌などから体を守ってくれる役割を担ってくれています。


5.まとめ

  • 青森県の気候
    青森県は三方が海に囲まれ、奥羽山脈が県内を分けているため、地域によって気候が大きく異なります。
  • 青森県の醤油の特徴
    本醸造方式で作られて、やや甘口の醤油が特徴的です。
  • 青森県の味噌の特徴
    青森で食べられるお味噌は赤色の中辛~辛口の米みそです。
  • 青森県の発酵料理
    青森の発酵料理には、あまり聞きなれないものが多く存在します。もち米を使ったものや、アケビなど、その土地独特の材料を使った発酵食品はとても面白いです。


6.おわりに

青森県独自の発酵料理はあまり聞きなれないものも多く、想像する楽しみも増えますね。
寒い土地柄もあり、発酵モノはお味噌をはじめ、じっくりゆっくりと熟成させていくものが多いです。ぜひ一度、青森産の美味しい発酵料理を堪能して下さい。

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