炊飯器を使って!一日でできる『おからで作る味噌』発酵したかどうかの見極めは?食べごろって?そんな疑問にお答えします!!

健康ブームもあって、発酵食品が注目されています。手軽に取り入れることが出来る味噌汁は特に人気。味噌を手作りする人が増えているんです。「発酵食品を自分で作るなんて、ハードルが高そう…」と思っていましたが、いざ始めると意外に簡単。そして楽しいです!!

今回紹介している 『おからで作る味噌』 は、炊飯器やヨーグルトメーカーを使って発酵させるので一日でできちゃいます。しかも大豆のかわりにおからを使うことで、さらに時短に。欲しいときに欲しい量をつくれるので、ますますお手軽になりました。

ところで、手作りし始めると迷うのが出来あがりの判断。市販品と違って、個人の判断に委ねられているからです。どのような状態が食べごろなのか、今回の記事でお伝えしていきましょう。

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一日でできる『おからで作る味噌』って?


通常は、数ヶ月から一年間熟成させて完成する味噌。どうやって一日でできるのか、不思議ではありませんか?そのヒミツは炊飯器を使って作ること。麹菌の適温に合わせて発酵を促進するから、早く仕上げることができるんです。

一日でできる『おからで作る味噌』。材料は大おからと豆乳、米麹と塩の4つ。作り方は次の3ステップです。

〇おからと豆乳を混ぜ
〇米麹と塩を加えて
〇発酵させるだけ!!

レシピについては『一日でできる『おからで作る味噌』の作り方。簡単!早い!3ステップでできちゃいます!!』をご覧ください。

大豆で作る味噌は、 ①大豆を一晩水に漬けておき、②それをコトコトやわらかくなるまで煮て、③ブレンダーやフードプロセッサ―を使ってペースト状につぶす…という行程を経て作ります。おからで作ると、3つの行程のかわりにおからと豆乳を混ぜるだけ。グッと時短に!!

通常の味噌作りと異なる点は、短期間で発酵させるために米麹の量が多いこと。そのため、よりマイルドな仕上がりとなります。また、発酵時間が短いので出来上がりはさっぱりとした白味噌です。発酵時間を延長することで、熟成味噌に近づけることができます。

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発酵のメカニズムとは?


食べごろについてお話するには、発酵のメカニズムを知ることが必要です。簡単に説明していきます。


発酵とは?

微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。酵素で分解生成されたさまざまな成分は、香りや味を出し、もともとの食材を変身させ、旨みが加わります。

発酵によって得られるメリットって?

①消化・吸収がよくなる。
②うまみが加わる。
③栄養価が加わる。
④保存性がよくなる。


味噌ができるまで(麹菌、乳酸菌、酵母の働き)

味噌の発酵は、大きく分けると三段階。それぞれの過程で麹菌、麹菌が生み出す酵素、乳酸菌、酵母菌が関係しています。

〇麹菌と麹菌が生み出す酵素
麹菌が作り出す酵素は、大豆のタンパク質や米のデンプンを分解して、ブドウ糖、ペプチド、アミノ酸に変えていきます。

〇乳酸菌
乳酸菌がブドウ糖をエサにどんどん増殖し、乳酸をつくり出します。乳酸によってpHが下がり、酵母にとって生育しやすい環境になります。

〇酵母菌
酵母菌がブドウ糖やアミノ酸をアルコールや有機酸に変えながら、ゆっくりと時間をかけて味噌特有の風味を醸していきます。

麹菌はなぜ酵素を生成するの?

麹菌は、デンプンやタンパク質をそのままの状態で利用することができません。吸収するためには、いったん分解する必要があります。そのために酵素を体外に分泌するんです。

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食べごろはいつ?


発酵のメカニズムについて、なんとなくご理解いただけましたか?発酵の過程で、旨みや栄養素が加わるんですね。それらをふまえて

〇味噌が発酵しているかどうかの見極めは?
〇食べごろっていつ?

この2点について、順番にみていきましょう。


味噌が発酵しているかどうかの見極めは?

炊飯器やヨーグルトメーカーでつくる味噌は、50~60度を24~36時間キープすることでできあがります。発酵させる前はおからと塩の味が強く、しょっぱさを感じます。それが発酵させることで甘みが加わり、マイルドな味に。

これが見極めのポイントです。発酵させる前と後、それぞれで味見をすると、発酵したがどうかを舌が覚えてくれます。私の印象では、大豆で作る味噌よりもおからを使ったほうが発酵の速度が緩やかです。


食べごろっていつ?

先ほどお伝えした通り、味噌は発酵の過程が大きく三段階に分けられます。発酵の進み具合によって、その味は刻々と変化します。発酵後すぐは白味噌。色も淡いベージュ。麹の香りが強く、ほんのり甘くてさっぱりした味です。

さらに保温時間をのばしていくと、徐々に茶色っぽさが濃くなっていき、味に深みが出てきます。熟成された味噌が好きだという方は、24時間以上延長してみるといいでしょう。

私は白味噌、中間の合わせ味噌風、熟成された赤味噌風と、3つを作って味変を楽しんでいます。味噌の食べごろは人それぞれ。好みによると思います。味見をしてみて、「これだ!!」という味に出会えるといいですね。

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味噌の保存はどうしてる?


みなさん、味噌の保存はどうされていますか?味噌は、常温でも冷蔵でも冷凍でも大丈夫。冷凍保存をしても固まらないので扱いやすいです。常温で保存すると、室温によって進度は違いますがさらに発酵が進んでいきます。

ちなみに私は出来上がりを冷蔵庫に入れています。その理由は、冷蔵保存をすることで10℃以下を保ち、次の効果を得ることが出来るからです。

〇おいしさをキープする
〇カビが生えるのを防止する

冷蔵庫の温度は、強弱などのモードにもよりますが、冷蔵室が約0℃~6℃、野菜室が約3℃~9℃、冷凍室が約マイナス22℃~マイナス16℃、瞬冷凍室が約マイナス18℃~マイナス5℃です。


おいしさをキープすること

先ほども書きましたが、味噌は常温で保存すると発酵がどんどん進みます。つまり、味が変化していくということ。ちょうどよい食べごろをキープしたい場合は、温度管理に配慮することが大切です。

熟成味噌を作る場合は、そのまま常温保存しましょう。白味噌やそこまで熟成する必要がない場合は、冷蔵庫に入れておくことをオススメします。

味噌づくりに関わっている麹菌、酵素、乳酸菌、酵母。一般的に言われている温度との関係は、次の通りなので、参考にしてくださいね。

①麹菌
〇増殖に適した温度 25~30度
〇繁殖が止まる温度 45度
〇死滅する温度   50度前後 

②酵素
〇失活する温度 60~70度、50度以下

③乳酸菌
〇最も活発に働く温度 20~45度
〇徐々に死滅する温度 50℃以上
〇死滅する温度    70℃

乳酸菌とひと口に言っても、実はたくさんの種類があります。その性質や形はさまざま。種類によって活性化する温度にも差があるんです。

〇高温性 40~45度
〇中温性 30~35度
〇低温性 10度

④酵母菌
〇最も活発に働く温度 35~38度
〇活動が低下する温度 10度以下
〇死滅する温度    55度以上


カビが生えるのを防止すること

カビが最も育つのは15~30℃。 冷蔵室は約0℃~6℃ 。冷蔵保存にすると、常温に比べてカビが繁殖しずらいんです。

冷蔵庫で保存する場合、味噌を大量に作ると場所をとってしまいます。一日でできる方法に出会ってからは、欲しいときに欲しい量を作れるので、そういう点でもメリットが大きいですね。



まとめ


  • なぜ一日で味噌ができるの?
    炊飯器やヨーグルトメーカーを使って作るから。麹菌の適温に合わせて発酵を促進するため、早く仕上げることができる。
  • 一日で出来る『おからで作る味噌』の作り方って?
    〇材料はおからと豆乳、米麹と塩の4つ。
    〇手順は次の3ステップ。
    ①おからと豆乳を混ぜて
    ②米麹と塩を混ぜて加え
    ③発酵させるだけ!!
  • 味噌が発酵しているかどうかの見極めは?
    →味の変化
    〇発酵させる前は大豆と塩の味が強く、しょっぱさを感じる。
    〇発酵させることで甘みが加わり、マイルドな味になる。
  • 食べごろっていつ?
    →発酵後すぐから食べることが出来る。発酵時間によって変化するので、好みの味で。
    〇最初は白味噌。色は淡いベージュ。麹の香りが強く、ほんのり甘くてさっぱりした味。
    〇保温時間をのばしていくと、徐々に茶色っぽさが濃くなっていき、味に深みが出てくる。
    〇熟成された味噌が好きだという方は、24時間以上延長してみるといい。
  • 味噌の保存方法は?
    →冷蔵か冷凍保存
    〇おいしさをキープするため
    〇カビが生えるのを防止するため
    〇熟成させたい場合は常温でもOK



おわりに


おからでお味噌が作れるということをご存知でしたか?通常だと、①大豆を一晩水に漬けておき、②それをコトコトやわらかくなるまで煮て、③ブレンダーやフードプロセッサ―を使ってペースト状につぶす…という行程を経て作ります。おからで作ると、3つの工程のかわりにおからと豆乳を混ぜるだけ。グッと時短ができるんです。

しかも、炊飯器を使って発酵させるので、24時間~36時間ほどで発酵完了。驚くほどあっという間に完成します。私は10年以上自家製味噌を作っています。以前は1年に一度、寒い季節にまとめて作っていました。ところが、一年分をまかなうだけの量を一度に作ることが出来ず…市販の味噌と半々で食べていたんです。

これらの方法にたどり着いてからは、欲しいときに欲しい分だけ作ることが出来るので、一気に悩み解決!!保存しておくスペースも取らないし、カビに悩まされることもありません。熟成具合も、保温時間によって調整することができます。

まろやかでさっぱりした白味噌が好みであれば、発酵時間を短めに。深みのある熟成された味噌が良ければ、味見をしながら保温時間を延長します。

手作りの味噌は、塩の量も調整することができるので、最初は分量の通りに作ってみて、次回から自分好みの味を探してみるのも楽しいです。

使うおから、豆乳、米麹、水や塩にこだわることができるのも手作りならでは。材料や作る過程が目に見えるので安心していただくことができますね。ぜひ手前味噌を作ってみてくださいね!!





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