炊飯器を使って!一日でできる『おからで作る味噌』の賞味期限って?どのくらい日持ちするの?保存方法は?

おからで味噌が作れるんです!大豆を使うと3つの工程が必要ですが、おからと豆乳を混ぜるだけ。しかも炊飯器を使って発酵させるので、24時間~36時間ほどで発酵完了。驚くほどあっという間に完成します。欲しいときに欲しい分量が出来るので、味噌づくりが身近になりました!!

発酵食品を手作りし始めると判断に迷うのが賞味期限。わが家はほぼ毎日味噌汁が食卓に並ぶので、短期間で消費するのですが、ご家庭によっては「なかなか減らないわ」というケースもあるでしょう。今回は、手作り味噌の賞味期限と、おいしくいただくための保存方法についてみていきますね。

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一日でできる『おからで作る味噌』って?


通常は、数ヶ月から一年間熟成させて完成する味噌。どうやって一日でできるのか、不思議ではありませんか?そのヒミツは炊飯器を使って作ること。麹菌の適温に合わせて発酵を促進するから、早く仕上げることができるんです。

一日でできる『おからで作る味噌』。材料は大おからと豆乳、米麹と塩の4つ。作り方は次の3ステップです。

〇おからと豆乳を混ぜ
〇米麹と塩を加えて
〇発酵させるだけ!!

レシピについては『一日でできる『おからで作る味噌』の作り方。簡単!早い!3ステップでできちゃいます!!』をご覧ください。

大豆で作る味噌は、 ①大豆を一晩水に漬けておき、②それをコトコトやわらかくなるまで煮て、③ブレンダーやフードプロセッサ―を使ってペースト状につぶす…という行程を経て作ります。おからで作ると、3つの行程のかわりにおからと豆乳を混ぜるだけ。グッと時短に!!

通常の味噌作りと異なる点は、短期間で発酵させるために米麹の量が多いこと。そのため、よりマイルドな仕上がりとなります。また、発酵時間が短いので出来上がりはさっぱりとした白味噌です。発酵時間を延長することで、熟成味噌に近づけることができます。

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『手作り味噌』の賞味期限はどのくらい?


スーパーに行くと、常温で陳列されている味噌。これはあくまでも未開封の状態。どのような環境下で、どのくらい日持ちがするものなのでしょうか?


手作り味噌の賞味期限は?

市販の商品だと賞味期限が明記されていますが、自分で作ると自己判断です。手作りした発酵食品はどのくらいもつのか、不安になりませんか?実は、手作り味噌は保存状態がよければ賞味期限はないと言われています。その理由をみていきますね。

賞味期限と消費期限の違いって?
農林水産省では次のような見解となっています。

「賞味期限」
袋や容器を未開封の状態で、容器に書かれた保存方法を守って保存しておけば、記入された年月日までは品質が変わらずにおいしく食べられる期限のこと。

「消費期限」
袋や容器を未開封の状態で、書かれている保存方法を守って保存しても、期限を過ぎたら食べない方が体に良い食品のこと。

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『手作り味噌』が長持ちするワケは?


発酵食品は腐りにくい?!

理論上では、本物の発酵食品は腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。

身近な食品で例を挙げると…

発酵食品の一種であるワインは、きちんと管理されていれば、何十年経っても腐りません。むしろ「ヴィンテージ(年代物)」と呼ばれて、非常に高値で取引されています。味噌も、「〇年熟成赤味噌」など、高級品として売られていたりしますね。


塩のチカラ

腐りずらいとされる発酵食品。ところが、保存状態などによって腐敗菌が勝ってしまうことがあります。味噌作りで悩まされるのがカビと腐敗。それを防ぐために活躍するのが「塩」なんです。

食品に含まれる水には、「結合水」「自由水」とがあります。微生物が繁殖に利用できるのは自由水だけなので、これを減らせば抗菌力を高めることができます。具体的に、「乾燥させる、塩漬けにする、砂糖漬けにする」という3つの方法があります。

味噌には塩が使われていますね。乾燥させるのは、単純に自由水を減らすため。また、食品に塩や砂糖を加えるのは、塩や砂糖を自由水と結びつけて結合水にし、自由水を減らすためです。

結合水と自由水って?

〇結合水:たんぱく質や糖質と強く結合して離れない水
〇自由水:自由に動くことができる水

また、塩あるいは砂糖を加えると、食材に含まれる水分や微生物の水分は、浸透作用によって塩や砂糖の方に流れ出ていきます。その結果、微生物にとって必要な食材の水分量が減り、増殖しずらくなるんです。


市販の発酵食品に賞味期限がある理由って?

それはズバリ、食品を流通させる時に衛生上の問題で殺菌されていることが多いから。発酵食品が殺菌されるとどうなるか?雑菌などが死んで食中毒から守られると同時に、発酵菌まで死んでしまうことになります。

すると「菌の拮抗作用」もなくなってしまい、腐敗をもたらす雑菌が侵入した場合、傷みやすい状態になるんです。保存期間や賞味期限を過ぎた場合、食品の見た目や風味に変化が生じます。

例えばヨーグルトの場合、色が変わっていたり臭いが不快になります。有色のカビの発生が認められる場合もあるんです。

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食べるのを控えた方が良い状態って?


発酵のチカラによって腐りにくいとされる味噌ですが、以下のような場合は、食べるのを控えておきましょう。あくまでも自己判断なので注意が必要です。

①明らかに見た目、臭い、味がおかしい場合。
②カビが生えてしまった場合。

①明らかに見た目、臭い、味がおかしい場合

できあがった味噌はおいしいです。変な臭いもしません。基本的に発酵食品は腐らないとされていますが、保存状態はご家庭の環境によって様々。

自己判断になるのですが、保存している間に次のような状態になったら、雑菌が繁殖して腐敗している可能性が高いです。食べるのをやめておきましょう。

〇水分が出て分離している。
〇強い粘りが出ている。
〇糸を引いている。
〇異臭がする。
〇明らかに変な味がする。

「発酵」と「腐敗」の違いとは?

実は、発酵と腐敗は科学的なメカニズムが同じなんです!!発酵も腐敗も、物質が微生物のはたらきによって分解されたり変化したりして、「新しい物質」を生成するというメカニズム。

この「新しい物質」が、人間にとって有益なものの場合発酵と呼ばれ、人間にとって有害なものの場合腐敗と呼ばれているんです。


②カビが生えてしまった場合

発酵食品を手作りしていると、一番悩まされるのがカビ。せっかく作ったのに、泣く泣く捨てることになってしまった…という話をよく聞きます。

手作り味噌の場合も表面にカビが生えることがありますが、しっかり取りのぞけば食べることは可能です。ただし以下の説明をお読みいただいたき、取り扱いには十分注意してください。

カビ」とは、微生物群の一種で、菌類の姿を示す俗称。専門的には「真菌」や「菌類」と呼ばれており、数万種以上が生息しているといわれています。糸状の細胞を伸ばして広がり、胞子を飛ばして拡散します。そして、カビには有益なものと有害なものとがあります。

有害なものは、感染症やアレルギーを引き起こします。さらにカビが作り出す代謝産物であるカビ毒は、発がん性のものもあると言われているので、口にしないようにしましょう。

一方、有益なものもあります。「カビ」と聞くと、頭ごなしに毒だ!!と悪者扱いしてしまいがちですが、発酵栗あんこの材料である米麹の麹菌もカビの一種。カラダに良いカビには、次の3つが挙げられます。

〇コウジカビ
味噌や醤油、甘酒などをつくる。
〇アオカビ
チーズなどをつくる。抗生物質である「ペニシリン」の材料になる。
〇酵母
パンやビール、ワインをつくる。

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味噌の保存方法とは?


みなさん、味噌の保存はどうされていますか?味噌は、常温でも冷蔵でも冷凍でも大丈夫。冷凍保存をしても固まらないので、扱いやすいです。ちなみに私は出来上がりを冷蔵庫に入れています。その理由は、冷蔵保存をすることで10℃以下を保ち、次の効果を得ることが出来るからです。

〇おいしさをキープする。
〇カビが生えるのを防止する。
〇酸化を防ぐ。

冷蔵庫の温度は、強弱などのモードにもよりますが、冷蔵室が約0℃~6℃、野菜室が約3℃~9℃、冷凍室が約マイナス22℃~マイナス16℃、瞬冷凍室が約マイナス18℃~マイナス5℃です。


おいしさをキープすること

先ほども書きましたが、味噌は常温で保存すると発酵がどんどん進みます。つまり、味が変化していくということ。ちょうどよい食べごろをキープしたい場合は、温度管理に配慮することが大切です。

熟成味噌を作る場合は、そのまま常温保存しましょう。白味噌やそこまで熟成する必要がない場合は、冷蔵庫に入れておくことをオススメします。

味噌づくりに関わっている麹菌、酵素、乳酸菌、酵母。一般的に言われている温度との関係は、次の通りです。

①麹菌
〇増殖に適した温度 25~30度
〇繁殖が止まる温度 45度
〇死滅する温度   50度前後 

②酵素
〇失活する温度 60~70度、50度以下

③乳酸菌
〇最も活発に働く温度 20~45度
〇徐々に死滅する温度 50℃以上
〇死滅する温度    70℃

乳酸菌とひと口に言っても、実はたくさんの種類があります。その性質や形はさまざま。種類によって活性化する温度にも差があるんです。

〇高温性 40~45度
〇中温性 30~35度
〇低温性 10度

④酵母菌
〇最も活発に働く温度 35~38度
〇活動が低下する温度 10度以下
〇死滅する温度    55度以上


カビが生えるのを防止すること

カビが最も育つのは15~30℃。冷蔵保存は、常温に比べるとカビが繁殖しずらいんです。冷蔵庫で保存する場合、味噌を大量に作ると場所をとってしまいます。一日でできる方法に出会ってからは、欲しいときに欲しい量を作れるので、そういう点でもメリットが大きいです。


酸化を防ぐため

『酸化』は食品の風味を損ねてしまうので、保存するときのポイントは、できるだけ酸化させないようにすること。酸化の原因は、熱、光、酸素、食品中に含まれる金属イオンや光増感物質などが挙げられます。

酸化を防ぐには、これらの条件を少しでもなくしてあげることが必要です。そこで私は、できるだけ容器を密閉して、冷暗所である冷蔵庫にいれることにしました。

「酸化とはなにか?」については、以下を参考にしてください。酸化すると、風味が落ちるなどの品質劣化につながります。

「皮をむいたリンゴをそのままの状態でおいておくと、茶色く変色してしまう」という例がよく知られていますね。

酸化とは、対象とする物質が電子を失う化学反応のこと。具体的には、物質に酸素が化合する反応、あるいは、物質が水素を奪われる反応などである。

食物を室温で放っておくと徐々に色や味が変わってくるのも、酸化が原因のことが多い。このため、食品には種々の酸化防止剤が用いられる。またパッケージも空気を通さないように工夫され、場合によっては脱酸素剤を入れておくこともある。

ウィキペディアより

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B8%E5%8C%96



まとめ


  • なぜ一日でお味噌ができるの?
    炊飯器やヨーグルトメーカーを使って作るから。麹菌の適温に合わせて発酵を促進するため、早く仕上げることができる。
  • 一日で出来る『おからで作る味噌』の作り方って?
    〇材料はおからと豆乳、米麹と塩の4つ。
    〇手順は次の3ステップ。
    ①おからと豆乳を混ぜて
    ②米麹と塩を混ぜて加え
    ③発酵させるだけ!!
  • 『手作り味噌』の賞味期限って?
    保存状態がよければ賞味期限はないと言われている。
  • 『手作り味噌』が長持ちするワケって?
    ①発酵食品の菌の拮抗作用による
    ②塩のチカラ
  • 食べるのを控えた方が良い状態って?
    ①明らかに見た目、臭い、味がおかしい場合。
    ②カビが生えてしまった場合。
  • 『手作り味噌』の保存方法とは?
    冷蔵庫や冷凍庫で保存する。
    〇おいしさをキープする。
    〇カビが生えるのを防止する。
    〇酸化を防ぐ。



おわりに


おからでお味噌が作れるということをご存知でしたか?通常だと、①大豆を一晩水に漬けておき、②それをコトコトやわらかくなるまで煮て、③ブレンダーやフードプロセッサ―を使ってペースト状につぶす…という行程を経て作ります。おからで作ると、3つの工程のかわりにおからと豆乳を混ぜるだけ。グッと時短ができるんです。

しかも、炊飯器を使って発酵させるので、24時間~36時間ほどで発酵完了。驚くほどあっという間に完成します。私は10年以上自家製味噌を作っています。以前は1年に一度、寒い季節にまとめて作っていました。ところが、一年分をまかなうだけの量を一度に作ることが出来ず…市販の味噌と半々で食べていたんです。

これらの方法にたどり着いてからは、欲しいときに欲しい分だけ作ることが出来るので、一気に悩み解決!!保存しておくスペースも取らないし、カビに悩まされることもありません。熟成具合も、保温時間によって調整することができます。

まろやかでさっぱりした白味噌が好みであれば、発酵時間を短めに。深みのある熟成された味噌が良ければ、味見をしながら保温時間を延長します。

手作りの味噌は、塩の量も調整することができるので、最初は分量の通りに作ってみて、次回から自分好みの味を探してみるのも楽しいです。

使うおから、豆乳、米麹、水や塩にこだわることができるのも手作りならでは。材料や作る過程が目に見えるので安心していただくことができますね。ぜひ手前味噌を作ってみてくださいね!!



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