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発酵ってなに?シリーズ⑥「ヨーグルトメーカー」とは?発酵食品作りが簡単になる&失敗しにくくなる理由って?ヨーグルトメーカーの機能や「手作り発酵食17レシピ」もご紹介します!!

健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。私のまわりでも手作りされる方が増えてきました。自分で作るとなるとハードルが高いわ…と思われるかもしれませんが、ポイントをおさえれば簡単。そして、初心者の強い味方がヨーグルトメーカーなんです。

発酵食品が失敗する大きな理由は、発酵時の温度管理。ヨーグルトメーカーがあれば、スイッチ一つでお任せできるので、簡単&便利。その理由や、機能などについて説明していきますね。

全く知らなかったという方、購入を検討されている方のお役に立てたら嬉しいです。発酵食品を「もっと手早く作りたい!!」という時は、ぜひヨーグルトメーカーに頼りましょう。

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発酵とは?


発酵とは?

まずは『発酵』について簡単に説明しましょう。発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。発酵の過程で得られるメリットは次の通りです。

①消化・吸収がよくなる
②栄養価が加わる
③うまみが加わる
④保存性がよくなる

①消化・吸収がよくなる

微生物が生成した酵素は、栄養素を分解します。ある程度分解された状態で摂取されるため、体内での消化・吸収がしやすくなります。

②うまみが加わる

酵素で分解生成されたさまざまな成分は、香りや味を出し、もともとの食材を変身させます。

③栄養価が加わる

食品は発酵させることで栄養価がアップします。 微生物によって食材のデンプンやたんぱく質等の栄養素が分解されることもメリットのひとつ。栄養をスムーズに取り込むことができます。

④保存性がよくなる

本物の発酵食品は、理論上では「腐らない」と言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。

発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!

発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。

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発酵しないのはなぜ?


「レシピ通りに作ったのに、発酵しないんだけど…」という悩みをよく聞きます。乳酸発酵時に保存容器のふたを開けたとき、まったくガスが発生していない場合は、発酵が上手に進んでいない可能性があります。

麹菌の発酵の場合は、甘みや旨味が感じられない状態ですと、発酵不足だと考えられます。なぜ上手に発酵が進まなかったのでしょうか?これにはちゃんと理由があるんです。


発酵のメカニズム

乳酸発酵の場合をみてみましょう。野菜には、もともと乳酸菌が付着しています。塩を加えると、浸透圧によって野菜に含まれる有機物が浸出します。浸み出した有機物を栄養分にして乳酸菌が増え、発酵が進むというメカニズムなんです。


発酵しない理由って?

発酵発酵の場合、「乳酸菌が有機物を栄養分にして増えることで発酵が進む」ということが分かりました。発酵しないということは、乳酸菌が活発に働いていないから。たいていは、温度管理に原因があることが多いです。

乳酸菌には、活性化する温度、働きが鈍くなる温度、死滅する温度があります。環境によって、増え方が違ってくるんです。これは、麹菌や納豆菌、酢酸菌、酵母などについても同様のことが言えます。

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じょうずに発酵させるためのポイントとは?


以上のことから、じょうずに発酵させるためには温度管理が大切だということが分かりました。乳酸菌を例にとってみていきます。

一般的に乳酸菌が最も活発に働く温度は、20~45度。つまり、冬場で気温が低いときには発酵が進みづらくなり、夏場で気温が高いときには過発酵になる可能性が高いということです。

気温が低くて発酵が進まないときには、20~45度を保たなければなりません。逆に夏場は、エアコンが効いていない暑い部屋だと、発酵が進み過ぎてしまったり、カビが生えたりする可能性が。

ご家庭によって室温は様々。季節による寒暖差も大きいです。じょうずに発酵させるには、一定の温度を保つ工夫をしましょう。ちなみに、乳酸菌は50℃以上で徐々に死滅、70℃では1分もたたないうちに死滅すると言われています。

麹菌、酵素、乳酸菌、酵母。一般的に言われている温度との関係は、次の通りなので、参考にしてくださいね。

①麹菌
〇増殖に適した温度 25~30度
〇繁殖が止まる温度 45度
〇死滅する温度   50度前後 

②酵素
〇失活する温度 60~70度、50度以下

③乳酸菌
〇最も活発に働く温度 20~45度
〇徐々に死滅する温度 50℃以上
〇死滅する温度    70℃

乳酸菌とひと口に言っても、実はたくさんの種類があります。その性質や形はさまざま。種類によって活性化する温度にも差があるんです。

〇高温性 40~45度
〇中温性 30~35度
〇低温性 10度

④酵母菌
〇最も活発に働く温度 35~38度
〇活動が低下する温度 10度以下
〇死滅する温度    55度以上

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ヨーグルトメーカーはなぜ便利なの?


ヨーグルトメーカーを使うと、より簡単に発酵食品を作れます。それは、なぜなのでしょうか?答えは簡単。スイッチひとつで、発酵に適した一定の温度を保ってくれるからなんです。


ヨーグルトメーカーは、材料を混ぜ合わせて発酵させる過程で使います。発酵食品をつくる際、発酵時の温度管理がなによりも大切です。その理由は「発酵には適温があるから」。発酵菌には最も活動しやすい温度があるので、発酵中はそれを保つことが必要です。

ところが実際には、一定の温度をキープし続けるのは難しいですよね。その点ヨーグルトメーカーがあれば、つねに一定の状態に保って、理想的な発酵食品に仕上げてくれます。適した温度と時間をセットして、スイッチを押すだけ。オートで仕上げてくれるから、らくちんです!!


前項で 麹菌、酵素、乳酸菌、酵母。一般的に言われている温度との関係を挙げました。そちらを参考にして温度設定されると良いでしょう。使われているヨーグルトメーカーによって、保温状態に若干違いがあるようなので、今回の記事を参考にしながら、適温を探ってみてください。

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ヨーグルトメーカーってどんなもの?


便利なヨーグルトメーカー。購入を検討されている方のために、どのような特徴があるのかをご紹介しましょう。

〇温度設定ができる
〇タイマー機能がある
〇手ごろなお値段で買える
〇コンパクトサイズである
〇ヨーグルト以外の発酵食品も作ることができる


〇温度設定ができる

ヨーグルトメーカーは、メーカーや機種にも寄りますが、大体25~70度に温度設定ができます。発酵させる食品によって、最適な温度が異なるうえ、菌によっては温度によって死滅してしまうので、温度設定はかなり重要。

炊飯器の保温機能を使うという手もありますが、最高で74度まであがってしまうことがあるので、一定の温度を保ち続けることがなかなか難しいんです。

※メーカーごとに若干異なりますので、お持ちの炊飯器の説明書をご確認ください。


〇タイマー設定ができる

タイマー設定ができると、発酵に必要な時間保温し続けることができ、しかも自分のスケジュールに合わせてできあがりの時間を決められるので、便利ですね。


〇手ごろなお値段で買える

ヨーグルトメーカーのお値段は、だいたい2500円~10000円。実店舗でも、ネットショップでも購入可能です。


〇コンパクトサイズである

ヨーグルトメーカーはそんなに大きいものではないので、置き場所はとりません。


〇ヨーグルト以外の発酵食品も作ることができる

ヨーグルトのほかに、甘酒、発酵玉ねぎ、お味噌など様々な発酵食品を作ることができます。


〇その他

牛乳パックごとセットできるものがほとんどです。納豆を作るときなど、牛乳パックを使うとそのまま捨てることができるので、らくちんです。



手作り発酵食品「17レシピ」をご紹介します!!


最後に、私がふだん作っている発酵食品「17レシピ」を以下に貼っておきます。日々の食卓にとり入れることができるよう、できるだけ簡単に&シンプルに作る工夫をしていますので、ぜひトライしてみてください。

作り方のリンクは、ヨーグルトメーカーを使ったレシピではありません。記載してある「発酵に適した温度」でヨーグルトメーカーを設定してくださいね。

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まとめ


  • 発酵とは?
    微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。 発酵の過程で
    ①消化・吸収がよくなる
    ②栄養価が加わる
    ③うまみが加わる
    ④保存性がよくなる
  • 乳酸発酵食品が成功した状態って?
    〇炭酸の「プシュッ」という音がする
    〇甘酸っぱいニオイがする
    〇pHが3.5以上で酸性になっている
  • 麹菌の発酵食品が成功した状態って?
    〇甘みがある
    〇旨みが増す
  • 発酵しないのはなぜ?
    発酵しないということは、発酵菌が活発に働いていないから。
    たいていは、温度管理に原因があることが多い。
  • じょうずに発酵させるためのポイントとは?
    ①温度管理に気をつける
    →それぞれの発酵菌が活発に働く温度を保つこと。
    ヨーグルトメーカーはなぜ便利なの?
    菌によって発酵に適した温度がある。ヨーグルトメーカーが便利な理由は、発酵に適した温度をスイッチ1つでキープしてくれるから。
  • ヨーグルトメーカーってどんなもの?
    〇温度設定ができる。
    〇タイマー機能がある。
    〇手ごろなお値段で買える。
    〇コンパクトサイズである。
    〇ヨーグルト以外の発酵食品も作ることができる。



おわりに


今回は、発酵食品を手作りする際に便利な「ヨーグルトメーカー」について詳しくみてきましたが、いかがでしたか?スイッチ一つでお任せできるヨーグルトメーカーがあれば、発酵食品づくりがより身近になるでしょう。

健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。ところが、市販されている発酵食品は材料が遺伝子組み換えだったり、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いんです。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心。使用する材料にこだわることも可能です。

元々、カラダに良い食材たち。それを発酵させることで得られるメリットは大きいです!!栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめですね。

「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてください!!




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