砂糖不使用!!栗で作る『発酵あんこ』。甘くない!酸っぱい!カビが!など…失敗しないための5つのポイントを紹介します

メディアで紹介され、注目されている発酵あんこ。お砂糖を使っていないため、とてもヘルシーだと大人気なんです。

通常発酵あんこはあずきを使うのですが、実家から大量の栗が送られてきたので、代用してみました。これが、とてもおいしくて。

発酵栗あんこはスーパーでは売られていないので、自分で作ります。材料も手順もとてもシンプルなのですが、発酵食品を手作りするのに、初めはちょっとしたポイントをおさえる必要があります。

実は私も何度か失敗して、試行錯誤を重ねてきました。そんな経験をふまえながら

〇成功した状態って?
〇なぜ失敗したか?
〇どうすればおいしく作ることができるのか?

これら3点について、お伝えしていきますね。



『発酵栗あんこ』ってなに?


『発酵栗あんこ』を知らないという方も多いと思います。まずは簡単に説明しましょう。


『発酵栗あんこ』ってなに?

発酵栗あんこは、栗に米麹を加えて発酵させたノンシュガーのあんこ。材料は、この2つだけ。作り方も次の2ステップ。とてもシンプルなんです。

〇茹でた栗に米麹と水か煮汁を加え
〇発酵させるだけ!!

市販のあんこはお砂糖たっぷり。それに比べて発酵栗あんこは砂糖不使用なのが嬉しいですね。発酵食品を手作りすると聞くとハードルが高そうですが、ポイントをおさえれば簡単にできますよ。

詳しい作り方については「砂糖不使用!!ノンシュガーの『発酵栗あんこ』。材料は栗と米麹だけ!!作り方をご紹介します」をご覧ください。

炊飯器を使ったレシピをご紹介しているので、参考にしてくださいね。


『発酵栗あんこ』の効果・効能って?

発酵栗あんこの効果・効能には、主に次の11個が挙げられます。こんなにたくさんの「カラダに良いコト」があるなんて、嬉しくなりますね。

これらは、材料である栗に含まれる栄養素と、発酵のチカラから得られるものです。

①免疫力アップ
②むくみ防止
③血中コレステロール値を下げる
④便秘改善
⑤疲労回復
⑥美肌・美白効果
⑦老化防止
⑧がん予防
⑨アレルギーの緩和
⑩高血圧や動脈硬化の予防
⑪貧血防止

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『発酵栗あんこ』が成功した状態って?


発酵食品を作っていて、どの状態が完成なのか、判断しかねるときがありませんか?発酵栗あんこが成功した状態とは

栗本来の甘みよりも、さらに甘みが増していること

発酵栗あんこは、栗に含まれるデンプンを麹菌がブドウ糖に分解することで甘くなります。これは甘酒と同じ原理。つまり、甘くなければ発酵がうまく進まなかったということなんです。

『発酵』とは?

微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。

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『発酵栗あんこ』が失敗した状態って?


逆に、失敗とはどのようなことを指すのでしょうか?考えられるのは次の5つ。

①甘くない
②えぐみがある
③水っぽい、もしくはパサパサしている
④酸っぱい
⑤カビが生えている

作り方はシンプルなのですが、意外と失敗も多んです。でも、ポイントをおさえることで上手に作ることができますので、説明していきますね。

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失敗① 発酵栗あんこが甘くない


発酵栗あんこが甘くない理由とは?

できあがった発酵あんこが甘くないのは、発酵がうまくいかなかったことが原因です。言い換えると、発酵菌が作る酵素がちゃんと働くことができなかったから。

発酵栗あんこは、アミラーゼという酵素が、デンプンを糖に分解することで砂糖をつかっていないのに甘くなります。ではなぜ、酵素はじょうずに働かなかったのでしょうか?


発酵には適した温度があります!!

発酵には、活動が進む温度と、遅くなったり止まってしまったりする温度とがあります。米麹の場合、麹菌が作り出す酵素が活発に活動する温度は50~60度

多くの酵素は60~70度で失活します。活動が止まるとデンプンを分解してくれなくなるので糖ができず、甘くなりません。逆に50度以下でも、その働きは鈍くなります。

つまり温度が高すぎても低すぎても、NGだということですね。これを押さえておかないと、発酵がうまくいかず、甘さが足りなくなるんです。

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失敗② えぐみがある


栗の渋皮には、渋みとえぐみがあります。私は、あえてむかずにそのまま使っています。なぜなら、渋皮に含まれる栄養を摂りたいから。

どちらを優先すべきか悩ましいところ。どうしてもえぐみが気になる方は、渋皮をむいて使うことをオススメします。


渋皮に含まれる栄養って?

渋皮は、ポリフェノールの一種であるタンニン・プロアントシアニジンを多く含みます。強い抗酸化作用により、老化防止やガン予防に効果があるそうです。


えぐみを軽減するには?

えぐみを軽減するには、あく抜きをしましょう。栗のゆで方によって、次の2通りの方法があります。

〇鬼皮をむいてから栗をゆでるときは…
鬼皮をむいた後2~3時間水に漬けて、あく抜きをしてからゆでる。

〇栗をゆでてから鬼皮をむくときは…
茹で上がったらゆで汁を捨てずに、そのまま半日ほどおいてあく抜きをする。

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失敗③ 水っぽい、もしくはパサパサしている


発酵栗あんこの出来上がりがベタベタしていたり、逆にパサパサしていたりということがあります。これは水分調整がうまくいっていないことが原因。

私は発酵をスタートする時点では水分を控えめにしています。途中で撹拌する際に味見をして、乾燥していたら水分を適宜足すようにしています。

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失敗④ 酸っぱい


発酵栗あんこがなぜか酸っぱくなってしまったという経験があります。腐ったのかな?と思いましたが、乳酸菌のしわざだったんです。詳しくみていきましょう。


乳酸菌の特徴って?

乳酸菌は、糖を分解して乳酸を生成します。酸味が生じるのが特徴です。乳酸発酵と言えば、ヨーグルト。酸っぱい食品ですね。


発酵栗あんこが酸っぱくなった理由って?

発酵栗あんこには、微量ながら乳酸菌が含まれています。麹菌に比べて低温に強いため、冷蔵庫のなかで長期間保管していると優位に働いてしまうんです。

つまり、休んでいる麹菌にかわって乳酸菌が働いて発酵を進め、結果として酸味が増す…ということなんですね。


乳酸菌の働きをストップさせるには?

発酵栗あんこを長めに保存したい場合は、冷凍庫に入れましょう。私はチャック付きの保存用袋に入れて冷凍しています。

うすめに広げて入れておくと、欲しい分だけパキパキ折って使うことができるので、オススメです!!食べるときは自然解凍で。

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失敗⑤ カビが生えている


発酵食品を作っていると、カビに悩まされることがあります。発酵過程でカビが生えてしまい、泣く泣く廃棄した…という方も多いですね。

そもそもカビって、いったい何なのでしょうか?人のカラダにどのような影響を及ぼすのでしょうか?


「カビ」ってなに?

「カビ」は、微生物群の一種で菌類の姿を示す俗称。専門的には「真菌」や「菌類」と呼ばれており、数万種以上が生息しているといわれています。糸状の細胞を伸ばして広がり、胞子を飛ばして拡散します。


カラダに良いカビと悪いカビがあるんです!!

例えば、発酵栗あんこで使っている麹菌もカビの一種。カラダに無害で有益なカビには、以下のものがあります。

〇コウジカビ
味噌や醤油、甘酒などをつくる。

〇アオカビ
チーズなどをつくる。抗生物質である「ペニシリン」の材料になる。

〇酵母
パンやビール、ワインをつくる。

ところが一方で、カラダに悪影響を及ぼすカビがあります。人体への影響としては、次の2種類が挙げられます。

①カビそのものによる感染症。
②カビによるアレルギー反応。
③カビ毒による影響。


カビが発育する5つの条件とは?

カビが発育するための5つの条件は、次の通りです。

①酸素
②温度
③水分
④水素イオン濃度
⑤栄養分

①酸素
カビは、酸素のあるところでのみ生育します。これを好気性といいます。

②温度
カビは、5~45℃で発育します。最も育つのは15~30℃。繁殖を抑えるには、この温度を避ければいいということですね。

③水分
食品に含まれる水には、「結合水」「自由水」があります。微生物が繁殖に利用できるのは自由水だけなので、これを減らせば抗菌力を高めることができます。

結合水と自由水って?

〇結合水:たんぱく質や糖質と強く結合して離れない水
〇自由水:自由に動くことができる水

④水素イオン濃度
カビが発育するのは、pH 3~9。特に、pH 4~6の範囲が最も適した濃度で、弱酸性を好みます。

⑤栄養分
カビの栄養分は、私たちが口にする食品、皮脂やフケ、ダニの死骸やフンなどのハウスダスト、木材や植物性繊維、石鹸など多岐にわたります。


カビ対策として

実際のカビ対策としては、どのような工夫があるのでしょうか?

①使う道具をあらかじめ消毒する。
②保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く。
③出来上がったら冷蔵庫か冷凍庫で保管する。
④ヨーグルトメーカーで発酵させる。

①使う道具をあらかじめ消毒する
私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。

②保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く
最後に保存容器の口をアルコールで拭きましょう。私は、純度の高い焼酎をキッチンペーパーに含ませてサッとなでるように拭き取っています。ホワイトリカーを使う時もあります。

③出来上がったら冷蔵庫か冷凍庫で保管する
カビが最も育つのは15~30℃。冷蔵庫の温度は、強弱などのモードにもよりますが、冷蔵室が約0℃~6℃、野菜室が約3℃~9℃です。常温に比べるとカビが繁殖しずらいんです。

④ヨーグルトメーカーで発酵させる
常温下では発酵に時間がかかるため、カビが発生するリスクが高まります。ヨーグルトメーカーを使うと時間短縮になるため、その分可能性を減らすことができます。

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まとめ


  • 『発酵栗あんこ』ってなに?
    茹でた栗に米麹を加えて発酵させたノンシュガーのあんこ。栗のデンプンを麹菌が分解してブドウ糖に変えることで甘くなる。
  • 『発酵栗あんこ』の作り方って?
    〇材料は栗と米麹の2つ。
    〇手順は次の3ステップ。
    ①茹でた栗に米麹と水か煮汁を加え
    ②発酵させるだけ!!
  • 『発酵栗あんこ』が成功した状態って?
    栗本来の甘みよりも、さらに甘みが増していること。
  • 『発酵栗あんこ』が失敗した状態って?
    ①甘くない
    ②えぐみがある
    ③水っぽい、もしくはパサパサしている
    ④酸っぱい
    ⑤カビが生えている
  • 失敗しないコツは?
    ①温度管理に気をつける
    ②あく抜きをする
    ③水分調整をする
    ④冷凍保存する
    ⑤カビ対策をする
    〇使う道具をあらかじめ消毒する
    〇保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く
    〇出来上がったら冷蔵庫か冷凍庫で保管する
    〇ヨーグルトメーカーで発酵させる



おわりに


実家から毎年送られてくる大量の栗。ありがたいのですが、いつも使い切れなくて。

いつもあずきを使って発酵あんこを作っているのですが、あずきの代わりに栗でもできないかと試してみたところ、大正解でした!!

クセがなくて食べやすいうえ、優しい甘さ。とてもおいしいんです。お砂糖を使っていないから、ヘルシーなのも嬉しいポイント。

栗は、もともととても栄養価の高い食品。それをさらに発酵させることで得られるメリットは大きいです!!

栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめ。

そんな発酵栗あんこ。作り方はシンプルなのですが、意外と失敗することも多いんです。

なぜ失敗したのか?
どうすればおいしく作ることができるのか?

詳しくみてきましたが、参考になりましたでしょうか?私の体験が、みなさんの成功につながりますように。

健康維持に欠かせない栄養素もいっぱい詰まっているので、ぜひ手作りしてみてくださいね!!

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