簡単レシピ!『発酵カレールー』は低脂質。市販のカレールーの1/3は油?気になる脂質量を比べてみました!!

『発酵カレールー』は、その名の通りカレー粉を発酵させた調味料。 簡単に作れるので、冷蔵庫に常備しています。もともとカラダに良いと言われるカレー粉を発酵させることで、その効果がさらにパワーアップするんです!!

日本のどの家庭でも頻繁に食べられているカレーライス。手軽に作れておいしいので、超定番メニューですね。ほとんどの方が市販のカレールーを使っていると思います。

私はずっと、その成分が気になっていて…。改めて調べてみると、油や小麦粉、食品添加物が大量に使われていることを知りました。

今回は市販のカレールーと発酵カレールーとの違いから、『脂質量』について書きたいと思います。ぜひ参考にしてください。



『発酵カレールー』とは?


発酵カレールーの作り方

発酵カレールーとは、その名の通りカレー粉を発酵させた調味料。材料はカレー粉と麹、塩の3つだけ。作り方も次の3ステップ。とてもシンプルです。

〇カレー粉に米麹と塩を加え
〇水を足して
〇発酵させるだけ!!

レシピについては発酵カレーの簡単レシピ!作り方は3ステップ!!『発酵カレールー』を手作りしてみませんか?をご覧ください。


発酵カレールーを手作りすることのメリットとは?

発酵カレールーを作るメリットって何でしょう?私は次の3つだと思っています。

①安心&安全である
②発酵させることで、栄養価が高まる
③腸内環境が整う
④おいしい!!


①安心&安全である

市販のカレールーは、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いのでは?と、ずっと気になっていました。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心。しかも発酵食品なので、健康や美容効果も期待できるというのも嬉しいですね。

私は発酵ケチャップや発酵マヨネーズ、コンソメがわりの玉ねぎひしおなどを作るようになってから、市販の調味料を買うことがグッと減りました。 ぜひ作ってみてくださいね。

②発酵させることで栄養価が高まる

麹菌は代謝の過程でビタミン類を生成します。また、麹の酵素はオリゴ糖を生み出します。特に豊富に含まれるビタミンB群は、血行と代謝をアップさせてくれます。また、オリゴ糖は腸内細菌である善玉菌のエサとなって繁殖を助けます。

③腸内環境が整う

発酵食品には整腸作用があります。腸内環境が整うと、次の6つの効果が期待できます。

①便秘解消
②肌荒れ&ニキビ改善
③免疫力の向上
④アレルギー改善
⑤ダイエット効果
⑥ストレス緩和

④おいしい!!

酵素で分解生成されたさまざまな成分は、香りや味を出し、もともとの食材を変身させます。 旨味が加わり、おいしくなるんです。

『発酵』ってなに?

発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。



市販のカレールーとカレー粉との違いとは?


カロリーと糖質量

『発酵カレールー』の材料はカレー粉。市販のカレールーとカレー粉の100gあたりのカロリーと糖質量を比較してみると次の通りです。市販のカレールーはカロリーも糖質量も高めであることがわかります。

市販のカレールー  
カロリー 512kcal 
糖質量 38.3g

カレー粉
カロリー 415kcal 
糖質量 26.4g

ちなみに一人分の使用量は、市販のカレールーで1片(約20g) 、カレー粉で7~8gと言われています。

カレーは糖質量が多めです

カレー粉の糖質量が多い理由は、原材料であるターメリック(ウコン)。100gあたり44gの糖質が含まれているからなんです。食べすぎには注意する必要がありますね。

さらに市販のカレールーには小麦粉や砂糖が入っているため、さらに糖質量が高くなります。


脂質量に大きな差が!!

市販のカレールー    
脂質量  34.1g

カレー粉
脂質量  8.7g

市販のカレールーは、1/3が脂質だということをご存知ですか?パッケージの原材料は含有量順に書かれているのですが、トップは「食用油脂」となっています。

一方、私が使用したカレー粉の成分表によると、使われている原材料は「ターメリック、コリアンダー、クミン、フェネグリーク、こしょう、赤唐辛子、ちんぴ、その他香辛料」。油の表記はありません。




油はカラダに悪いの?
答え①油の種類によるんです!!


さて、「油はカラダに悪いから、摂らないようにしている」という方がいらっしゃいます。ところが、油もカラダをつくったり動かしたりするために必要な栄養素の一つ。

ちゃんと知識を得て、じょうずに付き合うことが大切です。油はカラダに悪いのか?という問いのひとつ目の答えは「油の種類による」ということ。

〇油はカラダに必要な栄養素である
〇油は大きく分けて2種類ある
〇控えるべき油と、摂り入れるべき油がある

順番にみていきましょう。


油もカラダに必要な栄養素なんです!!

人間が生きていくために必要な3大栄養素は「炭水化物、タンパク質、脂質(油)」。そのひとつである脂質には、次のような大切な役割があります。

〇人間が活動するためのエネルギー源である
〇細胞膜や血液、ホルモンをつくる材料となる
〇脂溶性ビタミンの体内への吸収を促す


油は大きく分けて2種類あります!!

油の主成分である脂質は、大きく次の2つに分けられます。

飽和脂肪酸  
・常温で固まる「脂」
・肉やバター、ラードなど
不飽和脂肪酸 
・常温で液体の「脂」
・植物油や魚など

①飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、 結合する炭素の長さによって次の3つに分類されます。

〇短鎖脂肪酸 
バターなど
〇中鎖脂肪酸 
ココナツオイルなど
〇長鎖脂肪酸 
ラードや牛脂など

短鎖脂肪酸は腸内環境を整え、体によい効果をもたらすとして最近注目されています。他の脂肪酸と違い、ビフィズス菌などの腸内細菌がオリゴ糖や食物繊維を発酵して、短鎖脂肪酸を作ります。

②不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、 次のように分類されます。

多価不飽和脂肪酸
体内で作ることができない
〇オメガ3系
〇オメガ6系

一価不飽和脂肪酸
体内で作ることができる
〇オメガ9系

〇オメガ3系(α-リノレン酸、DHA、EPA)
・血液をサラサラにするので、血栓予防、動脈硬化の改善、高血圧の予防に効果的です。
・コレステロール値を下げる効果があります。
・えごま油、亜麻仁油など

〇オメガ6系(リノール酸)
・細胞膜の形成、細胞を固くする、止血するなどの効果があります。
・現代人は摂り過ぎだと言われています。
・紅花油、コーン油、ごま油、グレープシードオイルなど

オメガ9系(オレイン酸)
・美容、心臓病・動脈硬化の予防、コレステロールの低下に効果があります。
・菜種油、こめ油、オリーブ油など


控えるべき油と、摂り入れるべき油があります!!

〇『トランス脂肪酸』は控える!!
〇オメガ6系の油は控えめ!!
〇オメガ3系の油を摂る!!


〇『トランス脂肪酸』は控えましょう!!

先進国の多くは注意喚起や表示義務・規制がありますが、日本ではまだ基準値がないトランス脂肪酸。カラダに良くないと報道されて、話題になりました。

トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸のリノール酸を多く含む植物油脂(主にオメガ6)に水素を添加し、飽和脂肪酸に変えたもの。

トランス脂肪酸を使った代表的な油脂に、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、食用調合油、マヨネーズがあります。

これらはカレールーをはじめ、スナック菓子、クッキーやチョコレート、ラクトアイス、パン、カップ麺、インスタント食品などあらゆる加工食品や、ファーストフードのポテトなどにも使われています。

トランス脂肪酸を多く摂取すると、悪玉コレステロール(LDL)を増加させ、善玉コレステロール(HDL)が減少して、動脈硬化(冠動脈疾患)のリスクを高めると言われており、注意が必要です。


オメガ6系の油は控えめにしましょう!!

現代人はオメガ6を摂り過ぎる傾向にあります。オメガ3とオメガ6の摂取比率は「1:4」が良いと言われているので、オメガ6を控えるくらいがちょうどよいでしょう。

残念ながらカレールーに使われているのは、この避けるべき油2種のようです。



油はカラダに悪いの?
答え②摂り過ぎはNGです!!


油がカラダに悪いとされる2つ目の理由。それは、現代人が油を摂り過ぎているということ。油を摂り過ぎるとどうなるのでしょうか?答えはシンプルです。

〇肥満になります!!
〇病気になります!!

脂質は、摂り過ぎると脂肪として体内に蓄積されます。さらに血中の悪玉コレステロールが増えて血管の内側に付着し、高血圧、高血糖、脂質代謝異常の原因となります。

血管壁にコレステロールがたまって血管が狭くなると、血液の流れが悪くなって、詰まったり破れやすくなる『動脈硬化』を招き、脳出血、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞などのリスクが高まります。

脂質の摂取量について、以下を参考にしてください。

年齢や性別にもよりますが、成人で1日に必要なエネルギーの20~30%ほどを、脂質からとるのがよいといわれています。これは1日2,000kcal必要な人では脂質はおよそ55gになります。
(脂1g=9calとして)

厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要より

ここで注意が必要なのは、炒め物や揚げ物などで使う「目に見える油」の他に、「目に見えない油」があるということ。市販のカレールーもそのひとつ。

その他、肉、乳製品、大豆製品、パン、チョコレート、スナック菓子、ラクトアイス、マヨネーズ、ドレッシングなどの食べ物からも、知らず知らずのうちに油を摂っているんです。摂取量は、これらのトータル量で考えなければなりません。




油はカラダに悪いの?
答え③油は酸化します!!


そして、油がカラダに悪いとされる三つ目の理由。それは油が酸化するということ。『酸化』という言葉を聞いたことがあると思います。

分かりやすい例としては、皮をむいたリンゴは、時間の経過とともに茶色くなります。あれが『酸化』した状態です。

〇酸化ってなに?
〇酸化するとどうなるの?
〇酸化しにくい油って?

順番にみていきましょう。

酸化ってなに?

空気中の酸素と油が反応して起こる変化を油の酸化と言い、「光、高温、空気」などにより促進されます。油が酸化すると過酸化物質が発生するので、酸化した油を摂取すると、体内に活性酸素が発生するんです。


酸化するとどうなるの?

酸化した油は、においや味の劣化、栄養価の低下、健康不良などをまねきます。実際に気分が悪くなったり、むかむかと胸やけを感じる方がいます。酸化が進むと、嘔吐、下痢、腹痛等食中毒類似の症状が出ることも。

分解する肝臓への負担になり、血管にもダメージを与えるため、動脈硬化といった深刻な病気のリスクも高くなるんです。


酸化しにくい油って?

酸化されにくい油の指標は

〇オレイン酸を多く含んでいること。
〇抗酸化物質が多く含まれていること。

油の組成の違いから、酸化しにくい油としてよく知られているものにオリーブオイルがあります。抗酸化作用をもつ成分を含む、ごま油こめ油(米ぬか油)も酸化しにくい油です。

逆に酸化しやすいのはリノール酸が多く、ビタミンEも多くない油。例を挙げると、紅花油やひまわり油(サンフラワー油)などいわゆるサラダ油です。残念ながら、ここでも市販のカレールーに当てはまってしまいました。



まとめ


  • 『発酵カレールー』の作り方って?
    〇材料はカレー粉と米麹、塩、水。
    〇手順は次の3ステップ。
    ①米麹と塩を混ぜてカレー粉を加え
    ②水を足して
    ③発酵させるだけ!!
  • 市販のカレールーとカレー粉の脂質量
    〇市販のカレールー    
    100gあたり34.1g
    〇カレー粉
    100gあたり8.7g
    市販のカレールーの1/3は植物性油脂で出来ている!!
  • 避けるべき油と摂るべき油がある
    市販のカレールーには、避けるべきトランス脂肪酸とオメガ6系の油が含まれていることが多い



おわりに


健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。発酵させることで栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。

市販のカレールーは、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いのでは?と、ずっと気になっていました。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心。しかも発酵食品なので、ダブルで嬉しくなります。

料理に使う際も、油の種類を選ぶことができたり使用量を調整することができたりと、いいことずくめ。私は冷蔵庫に常備しています。

「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてくださいね!!

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