話題の『発酵玉ねぎ』!気になる塩との関係って?塩分摂り過ぎにはならないの?

テレビや雑誌でも取り上げられた『発酵玉ねぎ』。健康や美容に効果的な上、ご自宅で手軽に作れる発酵食品です。

手作りだと、材料や作る過程が目に見えるから、安心して食べることができますね。しかも、アレンジ豊富で、毎日の食卓に取り入れやすいんです。

とても魅力的な『発酵玉ねぎ』。その材料は、たったの3つ。玉ねぎ、水、そしてお塩。

今回は、材料の一つである「塩」にフォーカスしてみたいと思います。

塩を入れることで得られる効果とは?
塩の選び方ってあるのかな?
『発酵玉ねぎ』は、塩分の摂り過ぎにはならないの?
順番にみていきましょう。

1.塩を入れることで得られる効果とは?


『発酵玉ねぎ』を手作りする際に入れるお塩。塩を入れるのは、何か理由があるのかな?と思いませんか。実は塩が、発酵の過程で「微生物を上手にコントロールしている」んです。

塩には2つの役割があるんです


塩は、発酵過程において「促進」と「抑制」の2つの役割で、微生物を上手にコントロールしています。

「促進」とは、乳酸菌などの発酵に有用な微生物群が、塩を入れることで、食品中で優先的に増殖すること。

「抑制」とは、一言でいうと腐敗防止。 塩を入れることで、微生物の生育が抑えられます。

つまり塩を入れるのは、発酵に必要な微生物を増やしたり、有害雑菌を寄せ付けないためであり、塩を入れることで、ほとんどの雑菌は活動出来なくなるんですね。

どうして塩が腐敗を防ぐのかな?


冷蔵庫がなかった時代。食品保存は、大きな課題でした。私たちに身近な発酵食品であるお味噌やお醤油、チーズ、漬物、魚介類などにも、塩が使われています。

それではなぜ、塩を入れることで微生物の生育が抑えられ、腐敗が防げるのでしょうか?もう少し詳しく説明していきましょう。

塩には脱水作用があり、食品に加えることで、その水分を外に出す働きをします。脱水作用によって細胞から水分が出されると、細胞は繁殖できなくなるか死んでしまうんです。

つまり、食品が腐らないようにするために、お塩の脱水作用を利用して、微生物が繁殖しないようにしているということ。

こうしてみていくと、発酵食品は、食品保存という悩みを解決する方法として、とても大切な役割がありました。

『発酵玉ねぎ』にお塩を入れる効果にもつながっていますね!!

さて、まずは塩の役割についてみてきました。ところで、みなさんがスーパーに買い物に行ったとき、どれを選んだらいいのか、迷ったことはありませんか?

塩の種類は、原材料や製造方法によって非常に多岐に渡ります。次に、いったいどの塩を選べばよいのか?をみていきましょう。


2.塩の選び方ってあるのかな?


スーパーで売られている塩。パッケージの表記をみても、ちんぷんかんぷんではありませんか?原材料や製造工程の違いをみても、とても複雑なんです。

塩を選ぶときのポイントは、パッケージに記載されている「成分」をみて、選ぶことがベストです。

塩の種類は大きく分けて2つ


塩を作る方法によって、海水塩岩塩の2種類に分けられます。「海水塩」はさらに①精製塩、②天然塩、③再生加工塩があります。

〇海水塩
海水の水分を取り除くことで作られた塩です。①精製塩、②天然塩、③再生加工塩があります。

①精製塩
スーパーやコンビニで見かけることが多い塩。原材料は海水ですが、ミネラルを取り除き、機械を使って結晶化するため、精製塩と呼ばれます。ミネラルを含まず、塩化ナトリウムのみなので、栄養価は他の塩と比べると一番低い塩です。安い値段で売られているのも特徴です。

②天然塩
海水を原料にし、太陽や風などの自然の力を利用して海水を蒸発させ、釜で煮詰めて結晶化させた塩です。精製塩と異なり、ミネラルが豊富であることが特徴。主なミネラルは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、ヨウ素などです。

③再生加工塩
天日塩(塩田に引き込んだ海水を太陽や風などの自然の力で蒸発させてつくる)に、人工的ににがりを加え、釜で結晶化させた塩です。ミネラルが豊富なにがりを加えることで、ただ塩辛いだけではなく深みのある味になります。

〇岩塩
もともとは海の水。大昔に地殻変動で陸地に閉じ込められた海水が結晶化し、その上に土砂が堆積して作られたと考えられています。 ミネラルは豊富ですが、不純物が混入していることもあります。ちなみに日本では、岩塩はみつかっていません。

塩はどう選べばいいのかな?

では実際に、どの塩を選べばよいのか迷った場合にどうするか?結論から言うと、塩を買うときは、パッケージに記載されている情報をみます

市販の塩は、原材料、原産地、製造方法、栄養成分等の細かな情報が記載されています。商品名やキャッチコピーよりも、成分表などを参考にすることがおススメです。

ちなみに、塩の主成分は塩化ナトリウム。その他、マグネシウムやカルシウム、カリウムなどのミネラルが含まれています。このミネラル量をチェックするといいでしょう。

なお、パッケージの表示が適切に行われていると承認されている商品には、公正マークが記載されています。公正マークの有無も、その商品の信頼度をはかる上で一定の目安になりそうですね。

ちなみに私は「塩田に深層海水を入れ、天日で乾燥させて、さらに一年間熟成発酵させた塩」を、専門店から購入して使っています。通常の食塩が塩化ナトリウム99%以上なのに比べ、この塩は80%。残りの20%がミネラル成分です。

では、よく言われる「塩分の摂り過ぎ」って、どうなんでしょうか?『発酵玉ねぎ』が健康や美容に効果的だとわかっていても、塩分の摂り過ぎになるんじゃないか…と、心配になりませんか?


3.『発酵玉ねぎ』は、塩分の摂り過ぎにはならないの?


答えを先にお伝えすると『発酵玉ねぎ』については、塩分の摂り過ぎは、さほど気にする必要はありません。それはなぜなんでしょう?詳しくみていきましょう。

塩分を摂り過ぎるとどうなるの?


よく、「塩分の摂り過ぎに注意しましょう」と言われます。塩分を摂り過ぎると、血液中の塩分濃度が高くなり、それを下げるために水分を多くためこむようになるんです。

その結果、血液量が増えて血管がパンパンになり、大量の血液を流すために血管壁に高い圧力が加わります。すると、高血圧や動脈硬化になってしまう…ということなんですね。

塩分の摂り過ぎよりも、排泄されないことが問題


共立女子大学家政学部の研究によると、食塩の摂取で血圧が上がるのは、腎臓からのナトリウムの排泄量が少ないことが原因だと分かったそうです。つまり、塩を多く摂ることよりも、排泄されないことの方が問題だということ。

発酵食品である味噌汁の実験では、1日に1~3杯の味噌汁を飲む方の血圧の平均値はほとんど変化がなく、むしろ腎臓からのナトリウム排泄が促され、30%の減塩効果があるという結果が導き出されました。

『発酵玉ねぎ』はどうなんだろう?


厚生省では生命維持活動で必要な塩分は健康的な製品の男性で8g未満、女性で7g未満、高血圧な人でも6g未満とされています。

ちなみに『発酵玉ねぎ』は、350グラム中の塩分が6グラム。一度に350グラムを食べ切ることはほぼないので、さほど気にすることはなさそうです。

しかも、玉ねぎに含まれるアリシンという成分には、血圧を下げる効果もありますね!!

ただし、発酵食品は「適量を長く食べ続けることで、より効果が期待できる」ので、くれぐれも食べすぎには注意しましょう。

ちなみに、ナトリウムとカリウムを同時に摂取すれば塩分が体外に排出されやすくなります。カリウムの多いものは、ほうれんそう、春菊、いも類。

これらを一緒に食べることで、塩分の体内吸収を防いでくれるということも覚えておくといいですね!!


4.まとめ

〇発酵食品に塩を入れることで得られる効果は?
・塩が発酵の過程で、「微生物を上手にコントロールしている」
・2つの役割
「抑制」=腐敗防止。 塩を入れることで、微生物の生育が抑えられる。
「促進」=乳酸菌などの発酵に有用な微生物群が、塩を入れることで、食品中で優先的に増殖する。

〇塩の選び方ってあるのかな?
パッケージに記載されている「成分」をみて、選ぶのがベスト!!

〇『発酵玉ねぎ』は、塩分の摂り過ぎにはならないの?
『発酵玉ねぎ』については、さほど気にする必要はない。発酵食品は「適量を長く食べ続けることで、より効果が期待できる」ので、くれぐれも食べすぎには注意する。

5.おわりに

「発酵玉ねぎの作り方」「発酵玉ねぎの効果」「発酵玉ねぎのレシピ」「発酵玉ねぎ 乳酸発酵」「発酵玉ねぎ ダイエット」「発酵玉ねぎ ヨーグルトメーカー」「発酵玉ねぎ 賞味期限」については、別記事に載せていますので、参考になさってくださいね!

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