これって失敗!? 山形県の発酵料理「おみ漬け」 美味しさの秘訣は塩加減だった!?
山形県の郷土料理「おみ漬け」は地元の人にも愛される美味しい発酵食品。
漬物のうれしいポイントと言えば、野菜を塩漬けにすると、野菜の重も少なくなりたくさんの野菜を食べることが出来ること。なおかつ、漬物にすると乳酸菌も摂り入れることが出来るから腸内環境も整えてくれます。
そんな「おみ漬け」を作ってみたけど、失敗して塩辛くなってしまって全然食べることができなかった。以前にも「白菜」のお漬物を食べようとして塩漬けにしたけど、塩加減が難しくて、しっかりと漬けることが出来なくて乾燥してしまう部分がありました。
お漬物一つとっても、美味しくするコツがあります。
どうしたら美味しい「おみ漬け」を作ることが出来るのか、「3ポイントの漬け方のコツ」を見ながら作っていきましょう。
この記事の目次
1.おみ漬けとは?
青菜漬けと同じ野菜の「山形青菜」から作られていて、内陸地方でよく食べられる郷土料理です。昔は、山形青菜を漬ける時、葉の部分が大きく漬けにくいこともあり、茎の部分だけを食べていましたが、山形に紅花の行商に来ていた近江商人がやってきた時に「葉を使わないのはもったいない」と思い考案されたのが「おみ漬け」の始まりだと言われています。
名前の由来
行商に来ていた近江商人が漬けたことが始まりと言われていることから、「近江漬け」が「おみ漬け」になったと言われています。
江戸時代から紅花、花笠、近江漬けと歴史と共に作られてきた漬物です。
おみ漬けは発酵食品で、置いておくことで乳酸発酵して、時間が経つにつれて酸味も増していきます。おみ漬けは余った野菜を使い切ることから始まっており、「青菜」に限らず、さまざまな野菜を細かく刻んで漬物にしていると言われています。
〇乳酸菌とは?
乳酸菌の最も大きな働きと言えば「発酵」です。
炭水化物などの糖を微生物が分解することで乳酸などの酸を作り出し、食品の栄養価を高めてくれます。
乳酸菌の3つの作用
・整腸作用
・コレストロールの低減作用
・免疫力を高める
2.山形青菜(セイサイ)とは?
山形県の特産の山形青菜は、葉も大きく、シャキシャキとした触感の美味しい野菜。山形青菜を使った漬物が親しまれています。
2-1.山形青菜ってなんだろう?
山形県の在来の野菜で、アブラナ科の植物であるカラシ菜の一種で「山形青菜」と呼ばれ地元の人に親しまれています。青菜は1904年に中国から日本に広まりました。重量500g、葉の大きさが70~80gと特大で高菜の一種とされています。葉肉は厚くて柔らかく漬け込んでも、シャキシャキとした触感があります。
秋から初冬にかけてが旬で、秋に収穫されて漬けられます。青菜の葉が非常に厚くしっかりとしているので、干してからでないと割れてしまうため、しっかりと天日干ししてから漬け込まれていきます。
2-2.山形青菜の栄養価
山形青菜は、Bカロテン、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。また、アブラナ科には辛味成分が含まれており、イソチオシアン酸アリルは食欲増進、動脈硬化予防、ガン予防にもなります。
・Bカロテン
緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドの一種で、抗酸化作用があります。身体の皮膚や免疫機能を安定して保つ成分です。
・ビタミン
生きていく上で必要な栄養素で、三大栄養素(たんぱく質・炭水化物・脂質)の代謝を促すための潤滑油のような存在です。
・ミネラル
骨や歯を形成するために必要なモノで、臓器などの活動を援助してくれる大切は役割があります。
3.これって失敗?
漬けてみたものの塩辛かったり、味が薄かったり、腐敗していることも。
お漬物を漬けるコツは、塩加減が決めてだった。
3-1.これって失敗?
失敗1 塩辛くなってしまった
中々水気が出てこなかったので塩を多めに入れたら、辛すぎて食べれなかった。
→水に入れて塩抜きをしてから絞っておく。
失敗2 腐敗していた
野菜の分量に対して塩が少なく、水気も少なかったので浸かっていないところが腐敗していた。
→1gずつ増やしながら見ていく。
失敗3 重石が軽すぎた
重石が野菜に対しての分量よりも軽すぎて、あまり水気が出なかった。
→重石の重さの目安は材料の重量と同じか、それよりも少し重めのものを選びます、そうすることで水重が一気に上がるので、腐敗を防ぎます。一定に水が上がってきたら、少し軽めの重石に変えていきます。
〇重石の重さの目安
夏場は同じ重量
冬場は1.5倍程度
3-2.美味しく漬けるには?
お漬物の味の決め手は塩加減!!
どのくらいの塩がちょうどいいかな?
漬け方のコツ1 塩の分量は?
塩は全体量の3%を入れると、塩加減もちょうど良く美味しく漬けることができます。水気が出てきたら、食材がしっかりと水に浸るようにしておくことで、腐敗の防止になります。
漬け方のコツ2 塩加減はどのくらいがいいの?
2,3日で食べきる場合の目安は2~5%くらいの浅漬けにします。
日持ちをさせたい場合は10%以上必要です。
漬け方のコツ3 全体的に揉み込むように漬ける
漬ける時に、均等に一枚一枚揉み込むように漬けていきます。
〇塩分が加わることで
・保存性が高まる
・風味が変わ
・塩味がつく
・栄養分はそのまま
4.発酵と腐敗
発酵も腐敗も微生物の働きは同じモノ、いずれも食品が置かれた環境や食べ物の成分に適した微生物が増殖していきます。自然界にとってはどちらも有益なものなのです。
4-1.発酵とは
発酵は糖類が分類されて、微生物の働きによって乳酸や酢酸、アルコール成分へと変化していくものです。身体にとってのメリットは、栄養が身体に吸収されやすい、食べ物にうま味が増す、発酵の過程でビタミンなどが生成されるので栄養価が増すなどがあります。
人にとって有効に働いてくれるものを発酵と言います。
4-2.腐敗とは
お魚やお肉のようにたんぱく質やアミノ酸が含まれた食品が分解されて、アンモニアや腐敗臭がしたもので、カビのニオイを感じて食べれないモノのことを言います。
牛乳を放置しておくと、雑菌などの腐敗菌が入ってきて腐った状態となります。この状態を腐敗と言います。
人にとって有害となってしまうものを腐敗と言います。
5.まとめ
- おみ漬けとは
青菜漬けと同じ野菜の「山形青菜」から作られていて、内陸地方でよく食べられる郷土料理です。 - 山形青菜(セイサイ)とは?
山形県の在来の野菜で、アブラナ科の植物であるカラシ菜の一種で「山形青菜」と呼ばれ地元の人に親しまれています。
・山形青菜とは?
葉肉は厚くて柔らかく漬け込んでも、シャキシャキとした触感があります。
・山形青菜の栄養価
山形青菜は、Bカロテン、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。 - これって失敗?
・腐敗してた
・味が薄かった
・辛すぎて食べれなかった - 発酵と腐敗
発酵も腐敗も微生物の働きは同じモノ、いずれも食品が置かれた環境や食べ物の成分に適した微生物が増殖していきます。自然界にとってはどちらも有益なものなのです。
6.おわりに
何度も作りつづけることで、どのくらいの分量の塩がお漬物に最適なのかが少しずつ分かってきます。濃いめか薄めか、自分好みの味に出来るのも手作りのうれしいポイント。
「失敗は成功の基」と言われるように、何度も作り、失敗を繰り返すことで、感覚的に物事を掴めるようになっていきます。
人は失敗をして学んでいきます。学んだ分だけ美味しいお漬物を作れるようになり、出来た時のありがたさもより一層感じやすいですね。
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