山形県の発酵料理は県民野菜がメインフード!? 野菜を食べて身体も活性化!!
山形県と言えば美味しいお米を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?
冬は豪雪時期があるほど寒く、夏は40℃を越す山形県は寒暖の差があるぶん、食べ物も甘く美味しく出来上がります。
発酵も冬の時期に作られることで、寒さでグッと旨味が凝縮されていきます。
しっかりと漬け込まれた発酵食品は、美味しさと栄養価も感じられて、身体もよろこびますね。
ご当地の野菜を使った発酵料理は、新鮮でとても美味しいです。
地場野菜を使うことで、地域の作る人の応援になり、またそこの土地の活性化にもつながっていきます。
その地域独自の野菜や食べ物は、周りの人もしあわせにしていきますね。
それでは、山形県の発酵についてお届けしましょう。
1.山形県の気候
冬は日本海側の北西から吹く季節風があるため降雪量90%と豪雪地帯となっており寒さがとても厳しい地域です。その一方、夏は最高気温40度を超える東北一熱い地域です。寒暖の差もあり、四季折々を楽しむことが出来る豊かな土地です。
場所は日本海側に位置し、全国9位の広さを持つ自然に囲まれた美しい場所です。
山形県は文化や方言などを4つの特性のある地域に分類することが出来ます。南から、置賜(おきたま)村山(むらやま)最上(もがみ)庄内(しょうない)の4つの地域になります。
〇4つの地域
置賜→穏やかな気候だが、夏の気温が高く、冬は豪雪地帯です。
村山→夏の気温は高く、冬は豪雪地帯。降雨量、降雪量は低い地域です。
最上→降水量の多い豪雪地帯。日照が少なく多湿。
庄内→降水量が多く、多湿な環境。季節風の影響でふぶくが降雪量は少ない。
2.山形県の味噌の特徴
山形県の気候は冬は積雪も多く寒い時期が長いため、熟成も1年以上時間をかけて作られています。寒い気候であること、塩分が高めに作られていることもあり腐敗しにくい環境にあります。
山形県はお米の産地でたくさん収穫出来る地域なので、米麹も豊富にあり、だだちゃ豆や秘伝豆など美味しいお豆もたくさんあります。
〇味噌の種類
・米味噌
米麹を使い、日本で生産されている約8割が米麹でご家庭で一番よく食べられる味噌です。米味噌は味にクセがなく食べやすく、料理にも合わせやすいです。
・麦味噌
麦みそには、麦の芳ばしい香りと甘さに特徴があります。九州地方、四国・中国地方で食べられている傾向があり、平安時代には温暖な九州地方で稲作が上手く育たず、麦が盛んに育てられていました。
・豆味噌
豆麹を使ったお味噌で、東海地方で多く生産されて、愛知県岡崎の八丁味噌は全国的にも有名です。豆味噌は、発酵期間が長く1~3年と言われています。味はコクが深く、深みのある味で、うま味成分であるアミノ酸も含まれています。
3.山形県の発酵料理
山形県の特産の野菜で作られた発酵料理を含め、お漬物がさかんに作られています。ごはんのお供にうれしいおかずたちです。
3-1.醤油の実
醤油を作る過程で出来る大豆、小麦を混ぜたものに麹を加えて発酵させたもろみ味噌を醤油でアレンジしたものです。塩水を加えて混ぜながら発酵させる方法と、醤油と酒を加えて作る方法と2種類あります。
庄内地域では江戸時代から食卓に並んで、掘りごたつの中で保温発酵させていたと言われています。また麹はたんぱく質をアミノ酸に分解して、うま味成分を引き出す作用もあります。
参照:しょうゆの実の作り方|麹の池田屋醸造 (ikedayamiso.com)
材料
しょうゆの実こうじ150g 濃い口醤油140cc 水100cc
生姜 昆布
作り方
1.容器にしょうゆの実こうじと醤油、水を入れてかき混ぜます。
2.ラップをして冬季は2週間、夏季は1週間ほど常温で発酵させます。
3.一日一回混ぜていきます。
長く発酵させるとペースト状になっていきます。
お好みで生姜やハチミツなどを入れても美味しくなります。
3-2.青菜(せいさい)漬け
青菜とは、山形県の特産の野菜で「山形青菜」として親しまれています。葉の大きさは一株500gほどで、大きさは60cmととても大きいのが特徴的です。肉厚で葉も柔らかく、食べ応えのある野菜です。
山形の在来の野菜で、秋から初冬にかけてが旬となっています。青菜漬けは秋に収穫され、青菜の葉が非常に厚くしっかりとしているので、干してからでないと割れてしまうため、しっかりと天日干ししてから漬け込まれていきます。
参照:青菜漬 山形県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)
材料
青菜10kg 差水適量、醤油30ml 酒30ml塩40g 砂糖40g 焼酎30ml 重り 青菜の2倍の重量
作り方
1.洗った後、1~2日ほどしんなりするまで乾燥をさせる。
2.容器に株のまま青菜を並べて、段々に塩を振りながら漬け込んで、押しフタをして重石を乗せて漬けていく。
3.水が上がるのをスピーディーにするために、差し水を加えて3日ほど漬けていく。
*差し水は量が多くなると塩分濃度が下がるので、塩分の調整をすることが大切です。
4.漬けていた青菜を洗い、水気を切っていく。
5.焼酎以外の醤油、砂糖、酒を加熱して、沸騰寸前で火を止めて冷やします。6.容器に合わせた青菜を入れて、水を切った青菜を隙間のないように並べていく。
7.最後に調味料と焼酎を加えて、押しフタをして重石をし1週間ほど漬け込む。
3-3.おみ漬け
おみ漬けは、青菜漬けと同じ野菜の「山形青菜」から作られていて、内陸地方でよく食べられる郷土料理です。昔は、山形青菜を漬ける時、葉の部分が大きく漬けにくいこともあり、茎の部分だけを食べていましたが、山形に紅花の行商に来ていた近江商人が「葉を使わないのはもったいない」と思い考案されたのが「おみ漬け」の始まりだと言われています。
江戸時代から紅花、花笠、近江漬けと歴史と共に作られてきた漬物で、時間を置いておくことで乳酸発酵していきます、また、時間が経つにつれて酸味も増していきます。名前の由来は「近江漬け」が「おみ漬け」になったと言われています。
参照:おみ漬 山形県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)
材料
青菜 1kg 大根200g 人参80g きくいも 150gしその実 100g 塩45g しょうが 30g 醤油 50g ザラメ10g みりん35g
作り方
1.青菜は幅の広い部分は縦半分に切って、7mm幅に細かく切る。大根と人参、菊芋はいちょう切りにする。
2.切った野菜に塩をまぶして全体を混ぜて、重量の2倍ほどの重石をして一晩漬ける。シソの実は水にさらして軽く塩抜きをしておく。
3.重石で漬けて出てきた水分を抜いて、野菜を絞って水気を切る。
4.しょうがは千切りにしておく。
5.醤油、みりん、ザラメを鍋に入れて煮立たせて冷ます。
6.下漬けした野菜としその実、しょうがを合わせて、調味料を全体にかけて混ぜ合わせる。軽く重石をして、野菜が漬け汁に浸るようにする。
7.2~3日頃から食べごろとなる。
3-4.茄子のからし漬け
茄子のからし漬けは「薄皮丸なす」から作られており、山形の置賜地方の窪田地区で栽培されている窪田茄子は「薄皮丸なす」のルーツ。
薄皮丸なすは流通があまりなく、全国の集荷量の0.2%となっています。
県外に出荷されることはほどんどなく、県内のみで消費されています。
窪田茄子は皮が厚く浅漬けにするには食べにくさがあるため、品種改良をして薄皮となりました。
その薄皮丸茄子と「本格和からし」をミックスさせたものが「茄子のからし漬け」です。
参照:民田茄子・和からし | アラカルト-庄内の伝統料理レシピ集 | 食の都 庄内|山形県庄内のおいしい食材と産地と観光スポット (syokunomiyakoshounai.com)
材料
民田茄子 8こ 塩少々 辛子小1 酒粕小1 砂糖小1
作り方
1.民田茄子を10日に程塩漬けにする。
2.茄子の色が抜けて、淡い緑色になったら酒粕を使って半月ほど塩抜きをする。
3.からしをぬるま湯で練る。
4.下手を取り、砂糖、酒かす、からしに混ぜて漬ける。
5.10日ほど置いたら食べごろとなる。
4.まとめ
- 山形県の気候
冬は日本海側の北西から吹く季節風があるため降雪量90%と豪雪地帯となっています。 - 山形県の味噌の特徴
山形県の気候は寒く、熟成も1年以上時間をかけて作られています。 - 山形県の発酵料理4選
山形県の特産の野菜で作られた発酵料理を含め、お漬物がさかんに作られています。 - しょうゆの実
醤油を作る過程で出来る大豆、小麦を混ぜたものに麹を加えて発酵させたもろみ味噌の醤油バージョンです - 青菜漬け
青菜漬けとは、山形県の特産の野菜で高菜や野沢菜の仲間で「山形青菜」として親しまれています - おみ漬け
青菜漬けと同じ野菜の「山形青菜」から作られていて、内陸地方でよく食べられる郷土料理です。 - 茄子のからし漬け
その薄皮丸茄子と「本格和からし」をミックスさせたからし漬けです。
5.おわりに
ご当地の野菜や発酵料理ははじめて耳にするものも多くあります。実際に私も調べたり作っていく中で知っていくことも多く、そこの土地の歴史の中から作り出された食べ物は、地元の人にもとても愛されているように感じます。
昔からある食べ物は、母の味ならぬ「地元の味」なのかもしれないですね。食べるとちょっと懐かしい料理は、心もぬくぬくと温めてくれます。
ぜひ、一度山形の美味しい発酵料理を口にしてみて下さい。
気持ちがホッとするかもしれないですね。
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