『手作り納豆』の失敗例をシェアします!!上手につくる方法&失敗したあとどうするか?もご紹介!!
納豆は、誰もが知る健康食品。わが家でも、子どもが離乳食のときからお世話になっています。いつもスーパーで買っていたのですが、原材料や製法が気になって…。
さらに、市販の納豆は流通させるために殺菌をして、発酵のチカラを弱めていると聞いて、「自分で作ろう!!」と思ったんです。
手作り納豆の作り方は、そんなに複雑ではありません。でも、最初から成功したわけではないんです。何度か失敗を繰り返しながら、だんだん安定して作れるようになりました。
手作り納豆がなかなかうまくいかなくて…
失敗なく作りたい…
そんな方のために、わたしの失敗をシェアします!!ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の目次
私の失敗例をご紹介します!!
手作り納豆をつくる手順はさほど難しくありません。でも、いくつかのポイントをおさえておかないと失敗しちゃうんです。
〇できあがった納豆が糸をひかない。
〇できあがった納豆が固い。
〇できあがった納豆からアンモニア臭がする。
私が経験した失敗は、こんなかんじです。手作り納豆の材料は乾燥大豆と市販の納豆の2つ。作るための手順もざっくりいうと、乾燥大豆を煮て、市販の納豆を加えて発酵させるという2ステップ。とてもシンプルです。
にもかかわらず失敗したのには理由があるので、次の項で改善点とともに、1つずつ説明していきますね。
そのためには、まず簡単に「発酵とはなにか?」を押さえておく必要があります。
発酵とは?
〇発酵ってなに?
発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化することをいいます。
〇発酵食品にすることのメリットって?
・うまみが加わります。
・保存性がよくなります。
・栄養価が加わります。
・消化・吸収がよくなります。
〇発酵菌の特徴
・死滅する温度、活性化する温度があります。発酵菌によって適温は違います。
・発酵に空気が必要な菌がいます。
失敗①
できあがった納豆が糸をひかない
一番よく聞くしっぱいが「できあがった納豆が糸を引かない」というもの。考えられる原因は
〇納豆菌がきちんと混ざっていないから。
〇発酵が不十分だから。
〇空気にふれていないから。
順番にみていきましょう。
納豆菌がきちんと混ざっていないから
大豆全体に、納豆菌がいき渡っていない可能性があります。茹で上がった大豆に市販の納豆菌を投入したあと、よく混ぜ合わせてください。
特に、冷蔵庫から出したばかりの納豆は固まっていることが多く、大豆と混ざりあうまで意外と時間がかかります。全体がちゃんとぬるぬるしているか、ていねいに確認しましょう。
また、茹で上がった大豆が熱いうちに市販の納豆を混ぜることも大切です。
発酵が不十分だから
発酵には適した温度があります。なぜなら、発酵菌によって活性化する温度が決まっているからです。発酵菌が活性化しないと分解が進まないため、発酵も不十分になります。
納豆菌が最も活発に働く温度は40度。低すぎても高すぎてもダメなんです。私の失敗談としては、はじめて炊飯器の保温モードを使ったとき。できあがった納豆は、ほとんど糸を引きませんでした。
炊飯器の保温モードは最高で70度くらいになります。ふたをあけてふきんをかけて発酵させたとしても、中身の温度をはかってみると60度。
納豆菌は熱に強く、120度までは死滅しないと言われていますが、活性化するためには60度という温度は高すぎました。
発酵食品をつくるとき、温度管理は一番のキーポイント。適温を一定に保つのは、なかなか手間がかかるし、難しいんです。その点、ヨーグルトメーカーは細かな温度設定ができるうえ、タイマーをセットしておけるので、とても便利。
ヨーグルトメーカーについては「『手作り納豆』にチャレンジ!ヨーグルトメーカーがあれば簡単に。ヨーグルトメーカーなしでも作れます!!」に詳しくまとめましたので、ぜひお読みください。
空気にふれていないから
納豆菌を発酵させるには、適量の空気が必要です。大豆と納豆を入れた牛乳パックは、口を閉じずにふきんをかけて、ヨーグルトメーカーや炊飯器にセットします。
キッチンペーパーをかぶせて、輪ゴムで止める方法もあります。こうすることで、空気にふれるようにしているんですね。
空気が必要なことについて、参考になる研究結果がありましたので載せておきます。
内容積約22.5lのデシケーターに煮豆充填PSP容器 を入れ発酵させた場合の発酵後の納豆の状態とデシケー タ内の酸素濃度は下記のようであった。
http://www.itic.pref.ibaraki.jp/periodical/reseach/28/N28P088.pdf
デシケータによる発酵結果
①煮豆重量 (g) ②酸素濃度 (%) ③納豆の性状
①113 ②12.2 ③問題なし
①354 ② 4.5 ③ 問題なし
①506 ② 1.8 ③やや糸に透明感。煮豆様の甘い香
①994 ② 0.4 ③糸ごく弱く切れやすい。素豆はない。
この結果から納豆として認められる程度の発酵をするためには、煮豆100gあたり5~6l程度の空気が必要である ことがわかった。また,発酵後の酸素濃度が2%を下回る と品質に影響が出るようである。
糸が引かなかった納豆をどうしたか?
失敗してしまって、糸が引かなかった納豆。「捨てるのはもったいない!!」と思い、再度発酵させてみることに。失敗をふまえて気をつけたことは、以下の通りです。
〇しっかりと混ぜて納豆菌を付着させます。
〇納豆菌が活性化するように、40度10時間をキープします。
〇牛乳パックの口は閉めずに、キッチンペーパーを輪ゴムでとめて空気が通るように工夫します。
そして、炊飯器の保温モードでトライ。再発酵なので少し味は落ちますが、今度はちゃんと納豆を作ることができました。発酵の基本を押さえることが大切なんですね。
失敗②
できあがった納豆が固い、もしくは水っぽい
ふたつ目に挙げる失敗は「できあがった納豆が固い、もしくは水っぽい」というもの。考えられる原因は
〇できあがった納豆が固いのは
大豆を茹でる時間が足りなかったから。
〇できあがった納豆が水っぽいのは
煮あがった大豆の水切りが不十分だったから。
できあがった納豆が固いのは、大豆を茹でる時間が足りなかったから
私のはじめての失敗が「できあがった納豆が固い」でした。どのレシピをみても、大豆の煮あがりの目安は「指でつぶせるくらいの固さにゆでる」と書いてあります。
その通りにしたつもりだったのですが、実際の加減が分からず…。少し力を入れてつぶせるかんじだったので「ヨシ」としたのが失敗でした。
私の経験上、正解は「力を入れなくても指でつまんでつぶせる固さ」です。
できあがった納豆が水っぽいのは、煮あがった大豆の水切りが不十分だったから
煮あがった大豆に市販の納豆菌を混ぜる際に、いったんザルにあげるのですが、水分がそんなに残っていなかったんです。「このくらいならいいかな?」と思い、水を切らずに市販の納豆菌を混ぜました。
すると、出来上がりが水っぽくなってしまったんです。ちなみに、水分が多すぎると発酵も進みずらいです。煮たあとの大豆は、市販の納豆を前る前にしっかりと水切りをしましょう。
失敗した納豆のアレンジをご紹介します!!
さて、出来上がりが固い納豆をどうしたか?ねばりも味もしっかり納豆で、おいしいんです。もったいないので、お料理に使えないかと考えました。「固いなら、煮てやわらかくしたらいいんだ!」と思い立って
〇納豆炊き込みごはん
〇納豆汁
にしました。簡単な作り方をのせますね。
納豆炊き込みごはんの作り方
【材料】
〇白米2合
〇酒 大さじ1
〇塩 2つまみ
〇固い手作り納豆 お好み量
〇きざみこんぶ お好み量
【作り方】
①白米を研ぎます。
②酒と塩、手作り納豆ときざみ昆布を入れます。
③内釜の2合の目盛りまで水を入れ、通常の炊飯モードで炊きます。
納豆汁の作り方
【材料】
〇出汁(昆布とかつおぶしを一晩水に漬けておいたもの)
〇味噌
〇固い手作り納豆 お好み量
〇乾燥わかめ お好み量
〇ネギ お好み量
【作り方】
①出汁のなかに手作り納豆を入れて、火にかけます。
②沸騰し始めたところで火を止め、鍋にふたをして余熱で納豆をやわらかくします。このときに乾燥わかめを入れます。
③味噌を溶き、刻んだねぎを散らします。
納豆が入ったお味噌汁を沸騰させたら、納豆菌は死んでしまうのでしょうか?答えは「NO!」。納豆菌の死滅温度は120度なんです。
ただし、納豆の成分であるナットウキナーゼ(ねばねば)は、熱に弱いです。
失敗③
できあがった納豆からアンモニア臭がする
3つめの失敗は、「できあがった納豆からアンモニア臭がする」です。考えられる原因は
〇作る過程で、雑菌が入ってしまったから。
〇時間がたちすぎて過発酵になってしまったから。
作る過程で、雑菌が入ってしまったから
手作り納豆を作る過程で、納豆菌以外の雑菌が入ってしまった可能性があります。納豆自体にも独特の強い香りはありますが、明らかに嫌な臭いがする場合は、食べるのを控えた方がいいでしょう。
雑菌が入らないようにするには、道具や入れ物を、使う前にしっかりと殺菌することが大切。熱湯消毒は必ず行います。また、手を洗ってから発酵食品を作るようにしてくださいね。
納豆菌は熱に強く、120度まで死滅しないので、煮あがった大豆が熱々のうちに納豆菌を混ぜることで、熱に弱いいくつかの雑菌は死滅してくれます。
時間がたちすぎて過発酵したから
ヨーグルトメーカーや炊飯器などで発酵させたあと、ついつい10時間経ったのに、そのまましばらく放置してしまったんです。すると、強いアンモニア臭が…。
発酵が進んで過発酵になったことが原因のようでした。10時間たって納豆が完成したら、牛乳パックのふたを閉じて、冷蔵庫に移しましょう。
冷蔵庫に入れてから4~5日で食べきれない場合は、冷凍保存もできます。納豆菌は-100度の低温でも死なないので、大丈夫なんです。
過発酵の手作り納豆をどうしたらいいか?
過発酵のためにアンモニア臭がしたら、どうしたらいいでしょうか?対策は2つあります。
〇冷蔵庫でねかせてアンモニア臭をとばす。
〇お酢を入れる。
出来上がりでアンモニア臭がしても、冷蔵庫で2~3日ねかすと、だんだん臭いが落ち着いてきます。また、食べるときにお酢を少量たらすのも効果的です。
それでもまだ強いアンモニア臭が消えない場合は、雑菌が繁殖している可能性があるので、食べるのをやめておきましょう。
発酵と腐敗の違いって?
実は、発酵と腐敗は科学的なメカニズムは同じなんです!!どちらも、物質が微生物のはたらきによって分解されたり変化したりすること。
微生物の働きによる食材の変化の結果
〇人間にとって有益な物質だと「発酵」
〇人間にとって有害な物質だと「腐敗」
と呼ばれています。
蒸した大豆に枯草菌を生やして納豆が作られる場合には発酵とよばれますが、煮豆を放っておいて枯草菌が生え、ネトやアンモニア臭がしたときは腐敗と呼ばれます。
市販の納豆に賞味期限があるのはなぜ?
本物の発酵食品は理論上腐らないといわれています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところに腐敗菌が入るこむ余地がないからです。
これを「菌の拮抗作用」と呼びます。にもかかわらず、市販されている発酵商品にはなぜ賞味期限があるのでしょうか?
その理由は、食品を流通させる時に衛生上の問題で殺菌されているから。殺菌することで雑菌などが死んで食中毒から守られると同時に、発酵菌も死んでしまいます。
発酵菌が死滅すると「菌の拮抗作用」がなくなってしまうので、雑菌が侵入した場合に腐敗菌が優位になり、傷みやすい状態になります。だから、市販の商品には賞味期限が設定されているんです。
- 手作り納豆の失敗①
できあがった納豆が糸をひかない
考えられる原因は3つ。
〇納豆菌がきちんと混ざっていないから。
→茹で上がった大豆に市販の納豆菌を投入したあと、よく混ぜ合わせる。
〇発酵が不十分だから。
→納豆菌が最も活発に働く温度(40度)を10時間キープする。
〇空気にふれていないから。
→大豆と納豆を入れた牛乳パックは、口を閉じずにふきんをかけるなどして、空気が通るようにする。 - 作り納豆の失敗②
できあがった納豆が固い、もしくは水っぽい
原因としては
〇できあがった納豆が固いのは、大豆を茹でる時間が足りなかったから。
→「力を入れなくても指でつまんでつぶせる固さ」までやわらかく煮る。
〇できあがった納豆が水っぽいのは、煮あがった大豆の水切りが不十分だったから。
→煮たあとの大豆は、市販の納豆を前る前にしっかりと水切りする。 - 作り納豆の失敗③
できあがった納豆からアンモニア臭がする
原因としては
〇作る過程で、雑菌が入ってしまったから。
→使う道具や容器を事前に熱湯消毒しておく。また、事前に手をよく洗う。
〇時間がたちすぎて過発酵になってしまったから。
→10時間たって納豆が完成したら、牛乳パックのふたを閉じて、冷蔵庫に移す。
おわりに
私の失敗から、対策をいくつかご紹介しましたが、いかがでしたか?発酵食品を手作りするのは一見難しそうですが、コツさえつかめば、簡単にできます。
手作り納豆の詳しい作り方については「『手作り納豆』レシピ。作り方はかんたん。2つの材料&2ステップでできちゃいます!!」にまとめましたので、ご覧ください。
材料や製造過程が目に見えるので、安心。しかもおいしいので、ぜひトライしてみてくださいね!!
納豆がカラダに良いとされる理由を「『手作り納豆』の効果を詳しく解説!!さらに注目!!市販の納豆との違いって?」にまとめましたので、お読みくださいね!!
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