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『発酵トマト』を作るときのお悩み「カビ」。詳しい解説と、発生を防ぐためのポイントをご紹介します!!


トマトに塩を加えて発酵させた『発酵トマト』。健康や美容、ダイエットにも効果的です。カラダに良いだけでなく、とてもおいしいのでオススメ!!スーパーでは売られていないので、自分で作ります。

発酵食品を手作りするのは一見難しく感じますが、ポイントさえおさえれば簡単。材料や製造過程が目に見えるので、安心していただくことができますね。

発酵食品を手作りしていて悩まされるのが、カビ。発酵トマトは基本的に常温で発酵させるため、繁殖しやすいんです。せっかく作ったのに、泣く泣く廃棄した…という話をよく聞きます。

カビを生えにくくする方法はあるのでしょうか?その性質を知って、工夫しましょう!!

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『発酵トマト』ってなに?


『発酵トマト』をご存知ですか?まずは「よくわからなくて」という方のために、簡単に説明しましょう。

『発酵トマト』ってなに?

発酵トマトは、その名の通りトマトを発酵させたもの。材料はトマトと塩の2つだけ。作り方も次の3ステップ。とてもシンプルです。

〇トマトをカットして
〇分量の塩を入れて混ぜ
〇発酵させるだけ!!

トマトは夏野菜ですが、最近では一年中売られています。気軽に作ることができるので、ホール缶やカットトマトのかわりとして使うのがオススメ。

自分で発酵させるというのはハードルが高そうですが、ポイントをおさえれば簡単です。

詳しい作り方については「万能な発酵液『とぎ汁乳酸菌』の作り方。3つの材料&2ステップで!!」をご覧ください!!


発酵トマトを手作りすることのメリットって?

『発酵トマト』を作るメリットって何でしょう?私は次の3つだと思っています。

①安心&安全である
②発酵させることで、栄養価が高まる
③おいしい!!

市販の商品は、大量生産が必須。また流通上、一定の品質を保持しなければなりません。そのために材料が遺伝子組み換えだったり、添加物が入っていたりするものが多いです。

その点、手作りだと原材料にこだわれるうえ、製造過程が目に見えるので安心していただくことができます。

また、もともと栄養価の高いトマトですが、発酵させることで得られる効果・効能がさらに高まります。

そして何よりもコクや旨味があって、本当においしいんです!!スープやパスタを作ると、家族にも大好評。程よい酸味がクセになりますよ。

缶入りのホールトマトが危険だと言われる理由って?

缶の内側には、腐食や金属が溶け出すのを防ぐためにコーティング加工がされています。コーティング剤に使われているビスフェノールA(BPA)という化学物質が、トマトの酸の影響で溶け、体に有害な影響をもたらすと言われています。


『発酵トマト』の効果・効能って?

発酵トマトの効果・効能には、主に次の8つが挙げられます。これは、トマトの栄養と、発酵させることで得られるものです。

①便秘の予防・改善
②肥満の予防・改善
③アレルギーの予防・改善
④糖尿病の予防・改善 
⑤生活習慣病の予防・改善
⑥疲労回復
⑦美肌効果
⑧老化の抑制



カビってなに?


発酵食品を作っていると、カビに悩まされることがあります。発酵過程でカビが生えてしまい、泣く泣く廃棄した…という方も多いですね。

そもそもカビって、いったい何なのでしょうか?人のカラダにどのような影響を及ぼすのでしょうか?


「カビ」ってなに?

「カビ」は、微生物群の一種で菌類の姿を示す俗称。専門的には「真菌」や「菌類」と呼ばれており、数万種以上が生息しているといわれています。糸状の細胞を伸ばして広がり、胞子を飛ばして拡散します。


カラダに良いカビと悪いカビがあるんです!!

例えば、お味噌や醤油、甘酒などの発酵食品づくりには欠かせない米麹。麹菌はカビの一種です。カラダに無害で有益なカビには、以下のものがあります。

〇コウジカビ
味噌や醤油、甘酒などをつくる。

〇アオカビ
チーズなどをつくる。抗生物質である「ペニシリン」の材料になる。

〇酵母
パンやビール、ワインをつくる。

ところが一方で、カラダに悪影響を及ぼすカビがあります。人体への影響としては、次の2種類が挙げられます。

①カビそのものによる感染症。
②カビによるアレルギー反応。
③カビ毒による影響。

①カビそのものによる感染症例

〇真菌性肺炎
〇白癬菌(はくせんきん)による皮膚真菌症=水虫
〇食道炎
〇胃腸炎
〇髄膜炎など

②カビによるアレルギー例

〇喘息
〇アトピー
〇アレルギー性鼻炎など

③カビ毒による影響

カビ毒とは、カビが作り出す代謝産物のうち、人や動物に対して有害な作用を示す化学物質の総称。病気を引き起こしたり、発がん性のカビ毒もあるんです。

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カビが発育する5つの条件とは?


菌の繁殖を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか?カビは発育するのに適した条件があります。つまり、その条件を避ければいいということですね。


カビが発育する5つの条件

カビが発育するための5つの条件は、次の通りです。

①酸素
②温度
③水分
④水素イオン濃度
⑤栄養分


条件① 酸素

カビは、酸素のあるところでのみ生育します。これを好気性といいます。市販の食品に入っている脱酸素剤は、湿気るのを防ぐだけでなく、防カビの役目もあるんです。


条件② 温度

カビは、5~45℃で発育します。冷蔵庫でも少しずつ増殖するのですが、最も育つのは15~30℃。繁殖を抑えるには、この温度を避ければいいということですね。


条件③ 水分

食品に含まれる水には、「結合水」「自由水」があります。微生物が繁殖に利用できるのは自由水だけなので、これを減らせば抗菌力を高めることができます。

そのためには「乾燥させる、塩漬けにする、砂糖漬けにする」という3つの方法があります。

乾燥させるのは、単純に自由水を減らすため。また、食品に塩や砂糖を加えるのは、塩や砂糖を自由水と結びつけて結合水にし、自由水を減らすためです。

結合水と自由水って?

〇結合水:たんぱく質や糖質と強く結合して離れない水
〇自由水:自由に動くことができる水


条件④ 水素イオン濃度

カビが発育するのは、pH 3~9。特に、pH 4~6の範囲が最も適した濃度で、弱酸性を好みます。


条件⑤ 栄養分

カビの栄養分は、私たちが口にする食品、皮脂やフケ、ダニの死骸やフンなどのハウスダスト、木材や植物性繊維、石鹸など多岐にわたります。



発酵トマトを作る際のカビ対策って?


では実際に、発酵トマトを手作りする際のカビ対策として、どのような工夫があるのでしょうか?

①使う道具をあらかじめ消毒する。
②保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く。
③出来上がったら冷蔵庫で保管する。
④ヨーグルトメーカーで発酵させる。


工夫① 使う道具をあらかじめ消毒する

発酵トマトは常温で発酵させるため、その過程でカビが生じることがあります。なるべくカビが発生しないように、使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておきましょう。

私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。


工夫② 保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く

カビが生えないように、最後に保存容器の口をアルコールで拭きましょう。私は、純度の高い焼酎をキッチンペーパーに含ませてサッとなでるように拭き取っています。ホワイトリカーを使う時もあります。


工夫③ 出来上がったら冷蔵庫で保管する

カビが最も育つのは15~30℃。冷蔵庫の温度は、強弱などのモードにもよりますが、冷蔵室が約0℃~6℃、野菜室が約3℃~9℃です。常温に比べるとカビが繁殖しずらいんです。


工夫④ ヨーグルトメーカーで発酵させ

発酵トマトは常温で発酵させるので、ちょうどカビが発生しやすい温度下に長時間置くことになります。

ヨーグルトメーカーを使うと時間短縮になるため、その分カビが発生するリスクを減らすことができます。

材料をヨーグルトメーカーの容器に移し、35度20時間に設定してスイッチを入れるだけなので、簡単です。



発酵と腐敗は同じメカニズム?!


発酵と腐敗は、相反するイメージがありますね。ところが、科学的なメカニズムが同じなんです!!

発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化することをいいます。

腐敗も同じく、物質が微生物のはたらきによって分解されたり変化したりして、「新しい物質」を生成するというメカニズム。

この「新しい物質」が、人間にとって有益なものの場合発酵と呼ばれ、人間にとって有害なものの場合腐敗と呼ばれているんです。

本物の発酵食品は、理論上腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。



まとめ


  • 『発酵トマト』ってなに?
    その名の通りトマトを発酵させたもの。
  • 『発酵トマト』の作り方って?
    〇材料は、トマトと塩のみ。
    〇手順は次の3ステップ。
    ①トマトをカットして
    ②分量の塩を入れて混ぜ
    ③発酵させるだけ!!
  • 『発酵トマト』を手作りするメリットって?
    ①安心&安全である
    ②発酵させることで、栄養価が高まる
    ③おいしい!!
  • 『発酵トマト』の効果・効能って?
    ①便秘の予防・改善
    ②肥満の予防・改善
    ③アレルギーの予防・改善
    ④糖尿病の予防・改善 
    ⑤生活習慣病の予防・改善
    ⑥疲労回復
    ⑦美肌効果
    ⑧老化の抑制
  • カビってなに?
    〇「カビ」は、微生物群の一種で菌類の姿を示す俗称。
    〇カラダに有益なカビと有害なカビがある!!
  • カラダに有益なカビは…
    味噌や醤油、甘酒などをつくるコウジカビ。
    〇チーズなどをつくったり、抗生物質である「ペニシリン」の材料になるアオカビ。
    〇パンやビール、ワインをつくる酵母。
  • 有害なカビがカラダに与える影響とは?
    ①カビそのものによる感染症
    ②カビによるアレルギー反応
    ③カビ毒による影響
  • カビが発育する5つの条件とは?
    ①酸素
    ②温度
    ③水分
    ④水素イオン濃度
    ⑤栄養分
  • 発酵トマトを作る際のカビ対策とは?
    ①使う道具をあらかじめ消毒する。
    ②保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く。
    ③出来上がったら、冷蔵庫で保管する。
    ③ヨーグルトメーカーで発酵させる。



おわりに


発酵トマトを作っていると、カビが生えてしまってせっかく作ったのに、泣く泣く廃棄した…ということがあります。こうならないために、カビの発育の条件と、カビを生えにくくする工夫についてお話ししましたが、いかがでしたか?

わが家では、今年も家庭菜園でたくさんのミニトマトがとれました。食べきれない分は、発酵トマトに。

発酵させることで得られるメリットは大きいです!!栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。

私は冷蔵庫で保存している発酵トマトを、ホールトマトやカットトマトのかわりに使っています。市販のトマト缶は、「缶から溶け出した化学物質がカラダに良くない」と聞きました。

また、材料が遺伝子組み換えだったり、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いです。その点手作りの発酵トマトは、材料も製造過程も目に見えるので安心。

「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、作り方自体は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、ぜひチャレンジしてみてください!!


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