一日で出来る簡単『手作り 味噌』!食べごろっていつ?発酵のメカニズムからみていきましょう!!
健康ブームもあって、発酵食品が注目されています。手軽に取り入れることが出来る味噌汁は特に人気。味噌を手作りする人も増えているんです。
発酵食品を手作りするなんて、ハードルが高そう…と思っていましたが、作り始めたら意外と簡単。そして楽しいです!!
今回紹介している簡単味噌は、炊飯器やヨーグルトメーカーを使って発酵させるので一日でできちゃいます。欲しいときに欲しい量をつくれるので、さらにお手軽ですね。
ところで、手作りし始めると迷うのが出来あがりの判断。市販品と違って、個人の判断に委ねられているからです。どのような状態が食べごろなのか、今回の記事でお伝えしていきましょう。
この記事の目次
- 1.なぜお味噌が一日で出来ちゃうの?
- 2.発酵のメカニズムとは?
- 3.食べごろはいつ?
- 4.味噌の保存はどうしてる?
- 5.まとめ
- 6.おわりに
なぜお味噌が一日で出来ちゃうの?
通常は、数ヶ月から一年間熟成させて完成する味噌。どうやって一日でできるのか、不思議ではありませんか?
そのヒミツは、炊飯器やヨーグルトメーカーを使って作ること。麹菌の適温に合わせて発酵を促進するから、早く仕上げることができるんです。
一日でできる『簡単味噌』。材料は大豆と米麹と塩の3つだけ。作り方も次の3ステップ。
〇大豆を茹でて
〇米麹と塩を加えて
〇発酵させるだけ!!
作り方については『一日で出来る!!簡単『味噌』の作り方』をご覧ください。
通常の味噌作りと異なる点は、短期間で発酵させるため、米麹の量が多いこと。そのため、よりマイルドな仕上がりとなります。
また、発酵時間が短いので出来上がりはさっぱりとした白味噌です。発酵時間を延長することで、熟成味噌に近づけることができます。
私が味噌を手作りする理由とは?
私が味噌を手作りし始めた理由は次の2点から。
①原材料にこだわることが出来る。
②作る過程が目に見える。
市販の味噌は、大量生産のために遺伝子組み換えや農薬などの心配があったので、国産の大豆を買って作りたかったんです。
塩についてもこだわることができます。私が選んだのは、食塩ではなくミネラル分の多い塩。水も水道水ではなく、浄水を使っています。
もちろん、化学調味料や保存料も無添加。安心していただくことができますね。
発酵のメカニズムとは?
食べごろについてお話するには、発酵のメカニズムを知ることが必要です。簡単に説明していきます。
発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
酵素で分解生成されたさまざまな成分は、香りや味を出し、もともとの食材を変身させ、旨みが加わります。
発酵によって得られるメリットって?
①消化・吸収がよくなる。
②うまみが加わる。
③栄養価が加わる。
④保存性がよくなる。
味噌ができるまで(麹菌、乳酸菌、酵母の働き)
味噌の発酵は、大きく分けると三段階。それぞれの過程で麹菌、麹菌が生み出す酵素、乳酸菌、酵母菌が関係しています。
〇麹菌と麹菌が生み出す酵素
麹菌が作り出す酵素は、大豆のタンパク質や米のデンプンを分解して、ブドウ糖、ペプチド、アミノ酸に変えていきます。
〇乳酸菌
乳酸菌がブドウ糖をエサにどんどん増殖し、乳酸をつくり出します。乳酸によってpHが下がり、酵母にとって生育しやすい環境になります。
〇酵母菌
酵母菌がブドウ糖やアミノ酸をアルコールや有機酸に変えながら、ゆっくりと時間をかけて味噌特有の風味を醸していきます。
麹菌はなぜ酵素を生成するの?
麹菌は、デンプンやタンパク質をそのままの状態で利用することができません。吸収するためには、いったん分解する必要があります。そのために酵素を体外に分泌するんです。
食べごろはいつ?
発酵のメカニズムについて、なんとなくご理解いただけましたか?発酵の過程で、旨みや栄養素が加わるんですね。それらをふまえて
〇味噌が発酵しているかどうかの見極めは?
〇食べごろっていつ?
この2点について、順番にみていきましょう。
味噌が発酵しているかどうかの見極めは?
炊飯器やヨーグルトメーカーでつくる味噌は、50~60度を8~24時間キープすることでできあがります。
発酵させる前は大豆と塩の味が強く、しょっぱさを感じます。それが発酵させることで甘みが加わり、マイルドな味に。
これが見極めのポイントです。発酵させる前と後、それぞれで味見をすると、発酵したがどうかを舌が覚えてくれます。
食べごろっていつ?
先ほどお伝えした通り、味噌は発酵の過程が大きく三段階に分けられます。発酵の進み具合によって、その味は刻々と変化します。
発酵後すぐは白味噌。色も淡いベージュ。麹の香りが強く、ほんのり甘くてさっぱりした味です。
さらに保温時間をのばしていくと、徐々に茶色っぽさが濃くなっていき、味に深みが出てきます。熟成された味噌が好きだという方は、24時間以上延長してみるのもいいでしょう。
私は白味噌、中間の合わせ味噌風、熟成された赤味噌風と、3つを作って味変を楽しんでいます。
味噌の食べごろは人それぞれ。好みによると思います。味見をしてみて、「これだ!!」という味に出会えるといいですね。
味噌の保存はどうしてる?
みなさん、味噌の保存はどうされていますか?味噌は、常温でも冷蔵でも冷凍でも大丈夫。冷凍保存をしても固まらないので、扱いやすいです。
ちなみに私は出来上がりを冷蔵庫に入れています。その理由は、冷蔵保存をすることで10℃以下を保ち、次の効果を得ることが出来るからです。
〇おいしさをキープする
〇カビが生えるのを防止する
冷蔵庫の温度は、強弱などのモードにもよりますが、冷蔵室が約0℃~6℃、野菜室が約3℃~9℃、冷凍室が約マイナス22℃~マイナス16℃、瞬冷凍室が約マイナス18℃~マイナス5℃です。
おいしさをキープすること
先ほども書きましたが、味噌は常温で保存すると発酵がどんどん進みます。つまり、味が変化していくということ。
ちょうどよい食べごろをキープしたい場合は、温度管理に配慮することが大切です。熟成味噌を作る場合は、そのまま常温保存しましょう。
白味噌やそこまで熟成する必要がない場合は、冷蔵庫に入れておくことをオススメします。
味噌づくりに関わっている麹菌、酵素、乳酸菌、酵母。一般的に言われている温度との関係は、次の通りです。
①麹菌
〇増殖に適した温度 25~30度
〇繁殖が止まる温度 45度
〇死滅する温度 50度前後
②酵素
〇失活する温度 60~70度、50度以下
③乳酸菌
〇最も活発に働く温度 20~45度
〇徐々に死滅する温度 50℃以上
〇死滅する温度 70℃
乳酸菌とひと口に言っても、実はたくさんの種類があります。その性質や形はさまざま。種類によって活性化する温度にも差があるんです。
〇高温性 40~45度
〇中温性 30~35度
〇低温性 10度
④酵母菌
〇最も活発に働く温度 35~38度
〇活動が低下する温度 10度以下
〇死滅する温度 55度以上
カビが生えるのを防止すること
カビが最も育つのは15~30℃。冷蔵保存は、常温に比べるとカビが繁殖しずらいんです。
冷蔵庫で保存する場合、味噌を大量に作ると場所をとってしまいます。一日でできる方法に出会ってからは、欲しいときに欲しい量を作れるので、そういう点でもメリットが大きいです。
まとめ
- なぜ一日でお味噌ができるの?
炊飯器やヨーグルトメーカーを使って作るから。麹菌の適温に合わせて発酵を促進するため、早く仕上げることができる。 - 一日で出来る『簡単味噌』の作り方って?
〇材料は大豆と米麹、塩の3つ。
〇手順は次の3ステップ。
①大豆を茹でて
②米麹と塩を混ぜて加え
③発酵させるだけ!! - 味噌が発酵しているかどうかの見極めは?
→味の変化
〇発酵させる前は大豆と塩の味が強く、しょっぱさを感じる。
〇発酵させることで甘みが加わり、マイルドな味になる。 - 食べごろっていつ?
→発酵後すぐから食べることが出来る。発酵時間によって変化するので、好みの味で。
〇最初は白味噌。色は淡いベージュ。麹の香りが強く、ほんのり甘くてさっぱりした味。
〇保温時間をのばしていくと、徐々に茶色っぽさが濃くなっていき、味に深みが出てくる。
〇熟成された味噌が好きだという方は、24時間以上延長してみるといい。 - 味噌の保存方法は?
→冷蔵か冷凍保存
〇おいしさをキープするため
〇カビが生えるのを防止するため
〇熟成させたい場合は常温でもOK
おわりに
今回は、発酵食品を作り始めると迷う簡単味噌の「食べごろ」について発酵のメカニズムから詳しく見てきましたが、いかがでしたか?
市販品と違って自己判断になるので、出来上がりの見極めや食べごろの判断については迷いますね。参考になれば嬉しいです!!
私は10年以上自家製味噌を作っています。以前は1年に一度、寒い季節にまとめて作っていました。
ところが、一年分をまかなうだけの量を一度に作ることが出来ず…市販の味噌と半々で食べていたんです。
一日でできる『簡単味噌』にたどり着いてからは、欲しいときに欲しい分だけ作ることが出来るので、一気に悩み解決!!
保存しておくスペースも取らないし、カビに悩まされることもありません。熟成具合も、保温時間によって調整することができます。
まろやかでさっぱりした白味噌が好みであれば、発酵時間を短めに。深みのある熟成された味噌が良ければ、味見をしながら保温時間を延長します。
手作りの味噌は、塩の量も調整することができるので、最初は分量の通りに作ってみて、次回から自分好みの味を探してみるのも楽しいです。
使う大豆、米麹、水や塩にこだわることができるのも手作りならでは。材料や作る過程が目に見えるので安心していただくことができます。ぜひ手前味噌を作ってみてくださいね!!
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