宮城県の発酵料理「あざら」の作り方♪ 乳酸菌たっぷりのあざらが作られたきっかけは「もったいない精神」からだった!?
宮城県は気仙沼市発祥の「あざら」の名前を聞いたことがある人も少なくないと思います。海の幸が豊かな気仙沼ではお魚を使った発酵料理が作られています。
メヌケと言うそのお魚は、コラーゲンたっぷりの体にもうれしい料理で、そこに古漬けとなった白菜の漬物と酒粕を入れてじっくりと煮込んでいきます。
少し酸っぱくなった白菜が酒粕のまろやかさとマッチしてとても美味しいです。
そして、そんなあざらは、残った食材が決め手となった料理なのです!
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自宅で、残った食材をアレンジしたら美味しくなった。
たくさん作ったけど残ってしまってどうしよう??
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と一工夫したら、料理が思いがけず美味しくなったなんて感じる人も少なくないと思います。
あざらはそんな「もったいない」から生まれた料理なのです。
それでは、気仙沼から生まれた「あざら」についてお伝えしていきましょう。
この記事の目次
- 1.あざらとは?
- 2.本格的あざらの作り方
- 3.自宅で出来る簡単あざらの作り方
- 4.白菜を美味しく漬けるのは?
- 5.「あざら」が作られたきっかけは?
- 6.あざらの名前の由来
- 7.めぬけというお魚
- 8.まとめ
- 9.おわりに
1.あざらとは?
宮城県気仙沼市の郷土料理で、秋ごろから漬けてあった白菜の漬物が食べきれず酸っぱくなって残っていた古漬けを、メヌケのアラと酒粕を入れて煮込んだもの。一番初めは旧正月の残った食べ物を煮たことがきっかけと言われていて、「最後まで丁寧に食べきる」という意味もあります。
白菜漬けは、長期の間漬け込むことで乳酸発酵して栄養価も高く腸内環境を改善してくれる効果もあります。そこに、コラーゲンたっぷりのメヌケのあらのたんぱく質が入ります。あざらには、5大栄養素が全て含まれていて、ビタミンたっぷり老化防止にもなります。
日常的に食べられる料理で、冬の時期に仕込んだ白菜を使って白菜の古漬けを塩抜きして、水から魚を煮て骨を取り、その後合わせて3時間ほど煮込んでいきます。酒粕と味噌でゆっくりと煮て、お好みでニンニクや唐辛子などを加えて味の変化を楽しんでいきます。
最近では、メヌケの漁獲量が減っていることもあり、変わりに赤魚を使うことが多くなってきています。赤魚は、脂が乗っていて、出汁もよくとれるためメヌケの代わりに重宝されることが多い。
2.本格的あざらの作り方
あざらは、宮城県気仙沼市の地元の人に愛される郷土料理です。乳酸菌たっぷりの白菜のお漬物とコラーゲンたっぷりのメヌケのあら、そして酒粕を入れてじっくりと煮込んだ栄養たっぷりの美味しい発酵料理です。
・材料
白菜の古漬け・メヌケ・酒粕お好みで、味噌・醤油・砂糖・酒・唐辛子・ニンニクなど
・作り方
1.白菜の古漬けを軽く絞り、食べやすい大きさに切る
2.柔らかくなるまで水で煮る
3.蒸らしてからザルにあげ、数回洗う
4.細めの流水で塩気を抜く(1時間~半日)
5.白菜をくずれない程度にしぼって水気を抜いておく
6.鍋にメヌケのあらを煮る(水多め、塩少々)
7.脂が出てきたら、しぼった白菜を入れて具材がかぶる程度の水を入れて煮る8.煮詰まってきたら酒粕を入れる※酒粕を入れると焦げやすくなるので注意する。
9.混ぜながらさらに弱火で煮込む
10.隠し味として各家庭の調味料を入れる
参照:宮城県気仙沼郷土料理あざらの作り方レシピ【2020年5月10日ナニコレ珍百景】 – こもれびトレンドニュース (comorebi-road.com)
3.自宅で出来る簡単「あざら」の作り方
自宅でもすぐに簡単に出来るあざらの作り方です。
栄養価満点のあざらはお腹も満たされます。
・材料
古漬けの白菜の漬物 200g
さば缶 1缶
酒粕 50g
味噌 適量
作り方
①白菜の漬物を2cm幅ほどに切る
②鍋に水を入れ、そこに切った白菜とサバを入れる
③酒粕と味噌を入れて味を整える
④じっくりと煮込んで完成
4.白菜を美味しく漬けるには?
白菜の漬物を漬けていきます。
美味しく漬ける塩の分量はどのくらい?
漬け方のコツ1 塩の分量は?
塩は全体量の3%を入れると、塩加減もちょうど良く美味しく漬けることができます。水気が出てきたら、食材がしっかりと水に浸るようにしておくことで、腐敗の防止になります。
漬け方のコツ2 塩加減はどのくらいがいいの?
2,3日で食べきる場合の目安は2~5%くらいの浅漬けにします。
日持ちをさせたい場合は10%以上必要です。
漬け方のコツ3 全体的に揉み込むように漬ける
漬ける時に、均等に一枚一枚揉み込むように漬けていきます。
〇塩分が加わることで
・保存性が高まる
・風味が変わ
・塩味がつく
・栄養分はそのまま
〇発酵と腐敗
発酵も腐敗も微生物の働きは同じモノ、いずれも食品が置かれた環境や食べ物の成分に適した微生物が増殖していきます。自然界にとってはどちらも有益なものなのです。
・発酵とは
発酵は糖類が分類されて、微生物の働きによって乳酸や酢酸、アルコール成分へと変化していくものです。身体にとってのメリットは、栄養が身体に吸収されやすい、食べ物にうま味が増す、発酵の過程でビタミンなどが生成されるので栄養価が増すなどがあります。人にとって有効に働いてくれるものを発酵と言います。
・腐敗とは
お魚やお肉のようにたんぱく質やアミノ酸が含まれた食品が分解されて、アンモニアや腐敗臭がしたもので、カビのニオイを感じて食べれないモノのことを言います。
牛乳を放置しておくと、雑菌などの腐敗菌が入ってきて腐った状態となります。この状態を腐敗と言います。人にとって有害となってしまうものを腐敗と言います。
5.「あざら」が作られたきっかけは?
あざらとは、「もったいない精神」から出来た食べ物。
秋の終わりに白菜漬けにして、冬の時期にお漬物として食べますが、中々食べきれず春先まで残り乳酸発酵して少し酸っぱくなった白菜をメヌケと言うお魚や酒粕と煮込んだのが始まり。
実は、この残った白菜と最後まで魚を食べきろうと思ったのが「あざら」が出来たきっかけなのです。
ちょっぴり酸っぱくなった白菜も乳酸菌がたっぷり入って腸内環境を改善してくれ、なおかつ酒粕でまろやかになると、一工夫することで美味しく身体にもやさしい食べ物へと変化していきますね。
あざらに限らず、発酵しすぎちゃった食材も、一工夫アレンジして美味しい料理にすることで新しい発見があるかもしれませんね。
この地方では、海水で白菜を漬けることもありました。
6.「あざら」の名前の由来
あざらの名前の由来は3つあります。
1.昔のお坊さんで阿闍梨という人が作った精進料理と言うことがなまって「あざら」となった。
2.調理法が「荒々しかった」と言う意味から来た「あざら」という意味。
3.昔、この地方に住んでいた影響力のある阿闍梨(法師)が、修行時代に関西で食べたブリのあら汁を再現させたものと言われている説。
7.メヌケというお魚
北海道や東北地方の寒い地域で生息していて、アコウダイとも呼ばれ体の表面が赤くなる特徴があります。 秋から春にかけてが旬で1~2月の真冬の時期も漁獲量が高く、身に脂が乗る美味しいお魚です。
体長は40~60cmほどにまで成長をする魚で、水深200~1000mの深海に住む魚で、かなりの深い場所で住んでいるため、引き揚げられる時に急激な水圧の影響で目が体外から飛び出します。そして、目が抜け出るということから、「メヌケ」と言われるようになりました。
8.まとめ
- あざらとは?
宮城県気仙沼市の郷土料理で、秋ごろから漬けてあった、はくさいの漬物が食べきれず酸っぱくなって残っていた古漬けをメヌケのアラと酒粕を入れて煮込んだもの。 - 本格的あざらの作り方
あざらは、宮城県気仙沼市の地元の人に愛される郷土料理です。乳酸菌たっぷりの白菜のお漬物とコラーゲンたっぷりのメヌケのあら、そして酒粕を入れてじっくりと煮込んだ栄養たっぷりの美味しい発酵料理です。 - 自宅で出来る簡単あざらの作り方
自宅でもすぐに簡単に出来るあざらの作り方です。栄養価満点のあざらはお腹も満たされます。 - 白菜を美味しく漬けるには?
白菜の漬物を漬けていきます。美味しく漬ける塩の分量はどのくらい? - 「あざら」が作られたきっかけは?
あざらとは、「もったいない精神」から出来た食べ物 - 「あざら」の名前の由来
あざらには3つの名前の由来があります - メヌケというお魚
北海道や東北地方の寒い地域で生息していて、アコウダイとも呼ばれ体の表面が赤くなる特徴があります。
9.おわりに
あざらという名前を聞いた人も少なくないと思います。
気仙沼で作られるあざらは、古漬けの白菜と酒粕で作られた地元の人にも愛される発酵料理です。
乳酸発酵した白菜は、そのまま食べると食べずらく食卓に並んでも中々手が付けられずずっと残ってしまうこともあります。
そんな、食材をアレンジ一つで変えてみることで思わぬ美味しい料理に出会うこともあります。
ぜひ、一度「あざら料理」を楽しんでみて下さい。
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