石川県発祥の「こんか漬け」は 鮮度の高い魚を漬けた旨味たっぷりの発酵料理 「酵母×酵素」の働きが美味しさの秘訣!?
こんか漬けという名前を始めて聞いたという人も少なくないと思います。
海の幸が豊富な石川県では、ぬか漬けにお魚を漬けて食べる「こんか漬け」が昔からよく食べられる発酵料理の一つとしてあります。
ぬか漬けと聞くと、大根やきゅうりなどの野菜を思い浮かべる人が多いと思いますが、実はお魚やお肉もぬか床に漬けることが出来るのです。
ぬか床に漬けることで、タンパク質が分解されアミノ酸へと変わり旨味を感じやすくなるのです。
ぬか床は乳酸菌がたっぷり入った栄養価が高い漬け床ですが、いつでもサッと漬けておくことが出来るので、発酵料理を日常的に摂っていきたい人にもおススメです。
お魚を漬けた「こんか漬け」はぬかの風味を感じられるとても美味しい発酵料理です。一度食べたら箸が止まらなくなることも!!
それでは、そんな魅力いっぱいの「こんか漬け」についてお届けしましょう♪
この記事の目次
- 1.こんか漬けとは
- 1-1.こんか漬けの名前の由来
- 1-2.こんか漬けが作られたきっかけ
- 2.こんか漬けとへしこ漬けの違い
- 3.本格的こんか漬けの作り方
- 4.自宅で簡単こんか漬けの作り方
- 5.ぬか漬けとは
- 6.ぬか漬けの発酵と栄養価
- 7.ぬか漬けの作り方
- 8.まとめ
- 9.おわりに
1.こんか漬けとは
富山や石川では、魚をぬか漬けにしたことを「こんか漬け」と呼んでいました。同じ魚のぬか漬けでも地域によって呼び名が変わってきます。
お魚やお肉を生の状態でぬか漬けにしておくことで、酵素や酵母の働きでたんぱく質が分解されて、柔らかく美味しさが詰まった発酵料理の1品になります。
1-1こんか漬けの名前の由来
石川県では魚のぬか漬けのことを「こんか漬け」と言います。
石川の方言で「ぬか」という意味を持つ「こんか」漬けは、「米ぬか」が訛って「こぬか」から「こんか」に変化したそうです。
「こぬか」は小糠・粉糠という感じで記されます、お米の表皮を細かく砕いた粉のことを言います。
また、金沢では「こんか漬け」と言われていますが、隣県の福井では「へしこ」と呼ばれています。
1-2.「こんか漬け」が作られたきっかけ
石川県は、江戸時代に加賀百万石と言われた土地で、毎年たくさんの美味しいお米が収穫出来たために、その副産物である米ぬかで「こんか漬け」が作られるようになりました。また、魚介類をたくさん収穫できる土地柄だったので、まだ冷蔵、冷凍技術がない時代に魚を保存する方法として作られるようになったことも1つとしてあります。
とても栄養価の高い常備食として作られてきました。
2.こんか漬けとへしこ漬けの違い
こんか漬けとへしこ漬けは地域の呼び方に違いがあります。
石川県、富山県では「こんか漬け」と呼ばれ、福井県では「へしこ漬け」と呼ばれています。福井の郷土料理で、魚を塩漬けにした後にぬか漬けにしたもののことを言います。
いわしやにしんなどが使われることが多いですが、一番はサバです。
福井県にはリアス式海岸の若狭湾があります、若狭湾では昔からサバの漁獲量が高く、寒い冬を越すための保存食としてへしこが作られていました。福井県の若狭地方の丹後に伝わる郷土料理で、塩気とまろやかな旨味を感じます。
名前の由来
魚を樽に漬ける「へし込む」や「いわしの呼称のひしこが転じた」などが言われています。
3.本格的こんか漬けの作り方
石川県で作られる「こんか漬け」は鮮度の高いお魚を塩漬けにして作っていきます。魚の旨味がギュッと詰まった「こんか漬け」は、時間をかけてじっくりぬかの旨味を吸収していきます。
作り方
①前日に水揚げされた新鮮な魚を朝一ですぐに塩漬けにしていきます。鮮度の高い状態で塩漬けにすることで、魚の旨味を中に凝縮させておきます。約10日間塩漬けにしていきます、塩漬けの感じで状態が変わってきます。
②塩漬けした魚を味が全体にまんべんなく染み込むように、一枚一枚糠を塗り込んで、容器の中に詰め込んでいきます。
③半年間ぬか漬けにした魚を取り出して味を確認していきます。魚は味にばらつきがあるため、入れ替えをして再度並べていきます。何度もこの工程を繰り返して、味がまんべんなく染み込むようにしていきます。
4.自宅で簡単こんか漬け
自宅で簡単に作れる「こんか漬け」です。
漬けておくだけで、栄養価が高く旨味がギュッと詰まった美味しさです。
材料
ぬか床・いわし・塩
作り方
①いわしの内臓と頭を取る
②まんべんなく塩を振りかけて2日ほど置いておく
③イワシをぬか床に漬ける
④3日ほど漬けた後、取り出してぬかを水洗いして取っておく
⑤コンロに入れて焼いて完成
5.ぬか漬けとは
米ぬかを使った漬物のことを言います。
材料はぬかと塩とお水、この3つを混ぜ合わせて「ぬか床」を作っていきます。ぬかとは米ぬかのことを指していて、玄米を白米にする際に削れたお米の外側の皮のことを言います。
乳酸菌発酵させて作ったぬか床に野菜やお魚などを漬け込んでいきます。
5-1.ぬか漬け発祥の地
発祥の地は北九州市だと言われていて、北九州小倉藩主の細川忠興がぬか漬けを市民に広めたのが始まりと言われています。また、小倉城近くには八坂神社があり、そこの場所には日本で最古のぬか床があります。
5-2.ぬか漬けの歴史
ぬか漬けは江戸時代から世間に広まったとされています。
その理由にお米の精米技術の発達があります、人々は元々玄米を主食に食べていましたが、玄米から白米に精米することが出来るようになり、それにより米ぬかが手に入りやすくなったことが大きくあります。
日本にはたくさんの漬物が数多く存在しています、それは世界的に見ても珍しいもので、その理由に日本の四季が大きく関わっています。作物が育ちにくい冬の保存食としてぬか漬けなどの発酵食品が生まれたのです。
漬け物は今から2000年ほど前の大和朝廷時代にはあったとされています。
塩漬けをした野菜を保存することがほとんどでしたが、奈良時代になると「須須保利(すずほり)」という漬物が作られるようになります。
穀物や大豆を臼で挽いて、それに塩を加えたもので、これが「ぬか漬け」の原型と言われています。
6.ぬか漬けの発酵と栄養価
ぬか漬けには乳酸菌が多く含まれています。
腸内環境を改善し、免疫力をアップする他にもさまざまな効果があります。
6-1.ぬか漬けの発酵
ぬか漬けに野菜を漬けておくと、野菜についている酵母や乳酸菌の微生物が米ぬかのエサとなるため、増殖が繰り返されて栄養価がどんどん高まっていくと考えられてます。その微生物の働きを「発酵」と呼び、また野菜を保存することにも優れています。
6-2.ぬか漬けの栄養価
ぬか漬けには乳酸菌が豊富に含まれており腸内環境を整えて、免疫力をアップさせてくれる働きがあります。また、腸内環境が改善されることにより、美肌になり、便秘も解消されると言われています。
栄養価も高く、特にビタミンB1は豊富に含まれています。ビタミンB1には疲労回復や生活習慣病を改善する働きもあります。特に江戸時代は、脚気(江戸わずらい)が流行しておりビタミンB1が不足していました、そんな中ビタミンB1を豊富に含むぬか漬けは大きな役割をはたしてくれました。
その効果も見られ、世の中にぬか漬けが一気に広がっていったのです。
7.ぬか漬の作り方
ぬか漬けの材料
生ぬか 1kg
水 1L
塩 ぬかに対して13%
こんぶ 5cmほどにカットしたものを3枚ほど
にぼし 3匹ほど
唐辛子 2本
作り方
①生ぬかに塩をざっと加えていきます
②次に水を加えてかき混ぜていきます(全体的に均一にぬかに混ぜ合わせていきます、底からしっかりと水をぬかに吸収させるように混ぜていきます。)
③ぬか床のベースが完成したら、保存容器に移してこんぶ、にぼし、唐辛子を加えて混ぜていきます。
④捨て漬け野菜を入れていきます。捨て漬け野菜とは、ぬか床が発酵するための栄養とぬか床に適度な水分を含ませるためのもので、野菜の皮や、根っこ部分などを入れていきます。入れるモノは、アクの少ない野菜で漬け物に適したものがよいです。
⑤野菜を全て入れたら、表面を平らにならしていきます。こうすることで、空気が抜けて植物性乳酸菌の発生を促していきます。(捨て漬け野菜は3週間ほどをかけて行っていきます、常温で3~5日ほどです)
ポイント4つ
・ぬかは「炒りぬか」よりも「生ぬか」を使う
・ぬかに塩水を少しずつ、全体的に均一に混ぜ合わせていく。
・捨て漬け野菜を漬けこんでいく(野菜のくずを入れることで、糠がしっかりと発酵をして味もまろやかになります。)
・熟成させる(1日2回ぬか床をかき混ぜて10日間熟成させていきます。捨て漬け野菜は3~4日に一回取り替えていきます)
ぬか漬けの日々のお手入れ
・1日1回愛情を込めてかき混ぜる
・水気が出てきたら昆布を入れるか、足しぬかをする。
保存容器は?
ぬか漬けの保存容器は、ニオイの移りにくいホーローや陶器がおススメです。
発酵は暗い場所の方が微生物たちが活発に働くので、透明なケースよりも中が見えないものを選ぶようにしましょう。プラスチックなどは発酵のチカラで容器が溶けてしまう可能性がありますので、避けておきましょう。
8.まとめ
- こんか漬けとは
富山や石川では、魚をぬか漬けにしたことを「こんか漬け」と呼んでいました。
・こんか漬けの名前の由来
金沢では魚のぬか漬けのことを「こんか漬け」と言います。金沢の方言で「ぬか」という意味を持つ「こんか」漬けは、「米ぬか」が訛って「こぬか」から「こんか」に変化したそうです。
・どのように「こんか漬け」が作られるようになったのか
たくさんの美味しいお米が収穫出来たために、その副産物である米ぬかで「こんか漬け」が作られるようになりました。 - こんか漬けとへしこの違い
石川県、富山県では「こんか漬け」と呼ばれ、福井県では「へしこ漬け」と呼ばれています。 - 本格的「こんか漬け」の作り方
石川県で作られる「こんか漬け」は鮮度の高いお魚を塩漬けにして作っていきます。
①前日に水揚げされた新鮮な魚を朝一ですぐに塩漬けにしていきます。
②塩漬けした魚を味が全体にまんべんなく染み込むように、塗り込んでいきます。
③半年間ぬか漬けにした魚を取り出して味を確認していきます。 - 自宅で簡単こんか漬け
自宅でサッとつけ置きをしておくだけで、すぐにできる「こんか漬け」の作り方です。 - ぬか漬けとは
米ぬかを使った漬物のことを言います。
・ぬか漬け発祥の地
発祥の地は北九州市だと言われています。
・ぬか漬けの歴史
ぬか漬けは江戸時代から世間に広まったとされています。
・ぬか漬けの発酵と栄養価
ぬか漬けには乳酸菌が豊富に含まれており腸内環境を整えて、免疫力をアップさせてくれる働きがあります。 - ぬか漬けの発酵
ぬか漬けに野菜を漬けておくと、野菜についている酵母や乳酸菌の微生物が米ぬかのエサとなるため、増殖が繰り返されて栄養価がどんどん高まっていくと考えられてます
・ぬか漬けの栄養価
また、腸内環境が改善されることにより、美肌になり、便秘も解消されると言われています。 - ぬか漬けの作り方
旨味が凝縮されたぬか漬けの作り方
9.おわりに
こんか漬けについていかがでしたでしょうか?
ぬか床にお魚を漬けたこんか漬けは、ほんのり糠の香りを感じるお酒のおつまみとしてもどんどん箸が進む発酵料理です。
実際に食べてみると、糠と魚の相性が抜群でやはり箸が止まらなかったです。
三五八漬けや塩こうじも同じですが、発酵漬けにすると食材そのものの旨味が引き出されて、数倍に美味しくなるのです。
そして、ほろほろと柔らかく栄養価も高い、いいことずくめなのです!!
お野菜のぬか漬けが苦手な人は、ぜひ一度「こんか漬け」をお試し下さい。ぬかの香りが少し抑えられて旨味を感じられるかもしれません。
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