簡単!手作り発酵食品レシピ『豆乳塩麴』の賞味期限とは?日持ちさせるには?

健康への意識が高まり、発酵食品が注目されています。私のまわりでも「味噌や塩麴を手作りしたい!」という声が聞かれるようになりました。今回ご紹介するのは、豆乳塩麴。通常は水で仕込むのですが、そのかわりに豆乳を使います。よりまろやかでクリーミーに仕上がるんです。

豆乳の栄養価を得られるのも嬉しいですね。発酵食品を作るのはハードルが高そうに見えますが、シンプルで簡単。ぜひ作ってみてください!!

発酵食品を手作りしていると、疑問に思うのが賞味期限。どのくらい日持ちがするんだろう?と思うことがあります。私も最初の頃はそうでした。

今回は、豆乳塩麴の保存期間や保存方法、口にして良いかどうかの見極め方などについてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください!!

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『豆乳塩麴』とは?


『豆乳塩麴』ってなに?

今回ご紹介するのは、豆乳塩麴。通常は水で仕込む塩麴ですが、そのかわりに豆乳を使います。よりまろやかでクリーミーに仕上がるんです。作り方はとても簡単。次の3ステップでできます。

〇塩切米麹を作り
〇豆乳を加えて
〇発酵させるだけ!!

レシピについては簡単&手作り!発酵食品!『豆乳塩麴』レシピ。作り方は3ステップ!!をご覧ください。



発酵食品とは?

発酵食品は、腸を整えることで免疫力をアップさせたりダイエットに効果的だったりと、健康や美容に良い影響をもたらします。

最近ではメディアで取り上げられることも多く、意識的に毎日の食事にとり入れるご家庭も増えています。発酵させることによるメリットは次の通りです。

①消化・吸収がよくなる
②得られる効果・効能が高まる
③保存性が高まる
④おいしい!!

発酵とは?

微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。


①消化・吸収がよくなる

あらかじめ菌が素材を分解してくれるので消化・吸収がよくなり、消化器系にかかる負担が軽減します。


②得られる効果・効能が高まる

素材がもつ成分に加えて、発酵の過程で増える栄養素や酵素のチカラが加わり、得られる効果・効能が高まります。


③保存性がよくなる

本物の発酵食品は、理論上では「腐らない」と言われています。後ほど詳しく説明します。

発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!

発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。


④おいしい!!

そして、何よりもコクや旨味があって本当においしいんです!!発酵の過程でグルタミン酸が増し、うまみ成分が加わることがその理由です。

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『豆乳塩麴』の賞味期限って?


市販品には賞味期限が必ず明記されているので、それを目安に食べきればいいのですが、手作りだとそうはいきません。自己判断に委ねられているので、難しく感じることもありますね。

豆乳塩麴はどのくらい日持ちするの?

豆乳塩麴の保存期間は、一般的に冷蔵で一週間程度、冷凍で一ヶ月程度と言われています。私の経験から行くと、保存状態がよければもう少し長く日持ちします。

賞味期限とは?
メーカーが定める食品を、美味しく食べられる期限

消費期限とは?
メーカーが定める食品を、安全に食べられる期限

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腐りずらい理由とは?

塩麴が腐りずらいと言われる理由をみていきましょう。

①発酵食品だから
②塩を使っているから

理論上、本物の発酵食品は腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。

ところが、保存状態などによって腐敗菌が勝ってしまい、カビが生えたり、腐敗したりします。発酵食品を作っていて悩まされるのがカビと腐敗。それを防ぐために活躍するのが塩なんです。

食品に含まれる水には、「結合水」「自由水」とがあります。微生物が繁殖に利用できるのは自由水だけなので、これを減らせば抗菌力を高めることができます。

具体的に、「乾燥させる、塩漬けにする、砂糖漬けにする」という3つの方法があります。乾燥させるのは、単純に自由水を減らすため。また、食品に塩や砂糖を加えるのは、塩や砂糖を自由水と結びつけて結合水にし、自由水を減らすためです。

結合水と自由水って?

〇結合水:たんぱく質や糖質と強く結合して離れない水
〇自由水:自由に動くことができる水

また、塩あるいは砂糖を加えると、食材に含まれる水分や微生物の水分は、浸透作用によって塩や砂糖の方に流れ出ていきます。その結果、微生物にとって必要な食材の水分量が減り、増殖しずらくなるんです。

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こんな場合は、食べるのを控えて!!


こんな場合は、食べるのをやめましょう!!

先ほど発酵食品は理論的には腐らないとお伝えしましたが、あくまでも正しい方法で保存ができている場合です。以下の状況が当てはまる場合は、残念ながら食べるのをやめて、新しく作り直しましょう。あくまでも自己判断なので、注意が必要です。

①カビが生えてしまった場合。
②明らかに見た目、臭い、味がおかしい場合。


①カビが生えてしまった場合

発酵食品を手作りしていると、一番悩まされるのがカビ。せっかく作ったのに、泣く泣く捨てることになってしまった…という話をよく聞きます。豆乳塩麴そのものにカビが繁殖することはまれですが、容器に付着した雑菌が原因で発生することがあります。

カビ」とは、微生物群の一種で、菌類の姿を示す俗称。専門的には「真菌」や「菌類」と呼ばれており、数万種以上が生息しているといわれています。

糸状の細胞を伸ばして広がり、胞子を飛ばして拡散します。そして、カビには有益なものと有害なものとがあります。

有害なものは、感染症やアレルギーを引き起こします。さらにカビが作り出す代謝産物であるカビ毒は、発がん性のものもあると言われているので、口にしないようにしましょう。

一方、有益なものもあります。「カビ」と聞くと、頭ごなしに毒だ!!と悪者扱いしてしまいがちですが、味噌などに使われる米麹の麹菌もカビの一種。カラダに良いカビには、次の3つが挙げられます。

〇コウジカビ
味噌や醤油、甘酒などをつくる。
〇アオカビ
チーズなどをつくる。抗生物質である「ペニシリン」の材料になる。
〇酵母
パンやビール、ワインをつくる。


②明らかに見た目、臭い、味がおかしい場合

できあがった豆乳塩麴はおいしいです。変な臭いもしません。基本的に発酵食品は腐らないとされていますが、保存状態はご家庭の環境によって様々。

これこそ自己判断になるのですが、保存している間に次のような状態になったら、雑菌が繁殖して腐敗している可能性が高いです。食べるのをやめておきましょう。

〇強い粘りが出ている
〇異臭がする。
〇明らかに変な味がする。

発酵食品は独特な香りがしますが、腐ると生ごみのような異臭を放つので、すぐに判断できると思います。明らかに口にしたくないという臭いです。

酸っぱくなるのは、乳酸菌が活性化したから。乳酸発酵の代表的な食べものであるヨーグルトの酸味を思い浮かべていただければ、分かりやすいと思います。

劣化した状態とは?

腐っていなくても、発酵し過ぎると風味が落ちます。これを「過発酵」と言います。アルコール臭がしたり、酸味が強くなったりします。

色について

薄茶色や灰色になることがあると思います。これは「メイラード反応」といって、タンパク質、アミノ酸、糖が反応しあって褐色の物質ができている状態です。



日持ちさせるために気をつけることって?


豆乳塩麴を日持ちさせるには、ちょっとした配慮が必要です。気をつけるポイントは以下の通りです。順番にみていきましょう。

①使う道具をあらかじめ消毒する。
②保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く。
③冷蔵庫で保存する。
④出来上がりを数回に分けて食べる場合は、清潔な道具を使う。


工夫① 使う道具をあらかじめ消毒する

発酵させる過程で、カビが生じることがあります。なるべくカビが発生しないように、使用する道具や保存する容器などをあらかじめ消毒しておきましょう。私は煮沸消毒や、アルコール度数の高いお酒で拭くなどの方法で行っています。

おすすめの保存容器は?

空気中の菌が中に入らないように、密閉できるものがいいです。プラスチック製の容器は細かな傷が付きやすく、そこから雑菌が繁殖することがあるので、ガラス製がおすすめです。


工夫② 保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く

カビが生えないように、最後に保存容器の口をアルコールで拭きましょう。私は、純度の高い焼酎をキッチンペーパーに含ませてサッとなでるように拭き取っています。ホワイトリカーを使う時もあります。

容器のふたや口あたりの汚れは、雑菌の繁殖を招きます。使い終わったときに汚れていたら、こまめにキレイにすると保存性が高まります。


工夫③ 冷蔵庫で保存する

カビの繁殖や腐敗を防ぐため、冷蔵庫で保存しましょう。カビが生えやすい環境とは、温度が20℃~35℃くらい、湿度が80%と言われています。 

ちなみに冷蔵庫は0℃~10℃、冷凍庫は-12℃以下に温度設定するよう、JIS規格で制定されています。


工夫④ 出来上がりを数回に分けて食べる場合は、清潔な道具を使う

出来あがった豆乳塩麴を取り分けて食べる場合、使う菜箸やスプーンなどから雑菌が入ることがあります。必ず清潔なものを使いましょう。



まとめ


  • 『豆乳塩麴』の賞味期限って?
    冷蔵保存で約一週間、冷凍保存で約一ヶ月
    管理状態がよければ、長期保存が可能
  • 豆乳塩麴が腐りずらいと言われている理由とは?
    ①発酵食品だから
    ②塩を使っているから
  • こんな場合は、食べるのを控えましょう!!
    ①カビが生えてしまった場合。
    ②明らかに見た目、臭い、味がおかしい場合。
  • 発酵と腐敗の違いって?
    微生物の働きによる食材の変化の結果
    〇人間にとって有益な物質だと「発酵」
    〇人間にとって有害な物質だと「腐敗」
  • 日持ちさせるために気をつけることって?
    ①使う道具をあらかじめ消毒する。
    ②保存容器に詰め終わったら、入れ物の口をアルコールで拭く。
    ③冷蔵庫で保存する。
    ④出来上がりを数回に分けて食べる場合は、清潔な道具を使う。



おわりに


健康に対する意識が高まるなか、注目されているのが発酵食品。メディアや書店で「発酵」という文字を目にすることが多くなり、意識的に日々の食事に摂り入れるご家庭が増えています。

なかでも塩麴は、とり入れやすい調味料。スーパーでも見かけますし、簡単に作ることもできます。私は塩の代わりに日常使いしています。お肉を漬けておくと味がしみ込むだけでなく、酵素のチカラでとても柔らかくなるんです。

さて、今回は水の代わりに豆乳を使って発酵させる「豆乳塩麴」をご紹介しました。一般的な塩麴よりもクリーミーで、チーズのような風味になります。

タンパク質やイソフラボンなど、大豆の栄養素が加わることも魅力的。発酵食品を手作りするのは一見ハードルが高そうですが、ポイントさえおさえれば簡単です。ぜひ作ってみてくださいね!

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