おなら①臭いおならと臭わないおならがあるって知ってた?臭いおならの原因と改善策とは?
老若男女を問わずに出るおなら。おならに関する三大悩みは、臭いおならが出てしまうことと、出過ぎてしまうこと、排出されずにお腹にガスがたまること。今回は、臭いおならが出てしまうことについて詳しくみていきます。
人によっては、全然臭わない方もいらっしゃるんです。どうして臭いおならが出るのか?臭いを抑えるにはどうしたら良いのか?気になっている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の目次
- 1.おならって何?
- 2.腸内環境を判断するには?
- 3.おならが臭いのはなぜ?
- 4.おならの臭いを改善するには?
- 5.自律神経を整える
- 6.生活習慣を整える①善玉菌を増やす食事への配慮
- 7.生活習慣を整える②質の良い睡眠をとる
- 8.生活習慣を整える③適度な運動をする
- 9.まとめ
- 10.おわりに
おならって何?
おならって?
おならは、口から飲み込んだ空気と、腸内細菌が消化物を分解するときに発生するガス。食べ物を取り組むときに一緒に飲み込んだ空気が約7割を占めています。
腸内細菌とおならの関係
腸内細菌の主な栄養素は炭水化物です。炭水化物とは糖類と食物繊維の総称。腸内細菌は、糖質や食物繊維を分解してエネルギーに変えています。このときエネルギーと同時に作り出されるのがガス。成分は、 窒素、水素、二酸化炭素、酸素、メタンなどです。
おならの三大悩み
おならの三大悩みは、臭いことと出過ぎること、排出できずにお腹にガスが溜まること。症状が強い場合に、医療機関を受診した方がいいかどうか、心配になることもあると思います。今回はそのうちの「臭いこと」について詳しくみていきましょう。
おならが臭いのはなぜ?
無臭のおならと臭いおなら
おならの約99%は、窒素、水素、二酸化炭素、酸素、メタンといったガス。これらは無臭です。悪臭の原因となるのは、残り1%の成分。
食べ物が腸内細菌などによって分解される際に発生する硫化水素、酪酸、アンモニア、インドール、スカトールなどガスがこれに当たります。
善玉菌と悪玉菌
腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌が存在します。善玉菌が発生させたガスはほとんど臭いがありませんが、悪玉菌が発生させたガスは悪臭を放つんです。それは、両者が発生させるガスの成分の違いによるもの。
〇善玉菌
・二酸化炭素を発生させる
〇悪玉菌
・ 硫化水素、酪酸、アンモニア、インドール、スカトールなどを発生させる
おならが臭いということは、悪玉菌が増えすぎている状態。腸内環境が整っているか、乱れているかのバローメーターになるということなんです。
腸内環境が悪化している状態って?
腸にはたくさんの菌が生息しています。腸内細菌は「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3つに分類され、理想的な割合は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7だと言われています。
このバランスが崩れて悪玉菌が増えすぎると、腸内環境が悪化した状態となります。善玉菌が腸内で発酵活動を行うのに対して悪玉菌は腐敗活動を行い、有害物質を生み出すからです。
〇善玉菌
悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、腸の運動を促す菌
〇悪玉菌
腸内で有害物質を作り出し、お腹の調子を悪くする菌
〇日和見菌
善玉菌と悪玉菌のうち、数が多いほうの味方につく菌
食べ物が原因の場合
悪玉菌の栄養源は動物性タンパク質。動物性タンパク質は悪玉菌によって分解され、その際に臭いのもととなる成分が発生します。お肉や卵などを食べ過ぎると臭いおならが出やすくなります。
便秘が原因の場合
排出されない便は腸内に滞留し、悪玉菌によって臭いのもととなるガスを増やします。便と共に出るはずのガスが便秘によって出ずらくなり、ますます腸内に溜まってしまうという悪循環も起こります。
病気が原因
腸や肝臓などの病気が原因でおならが臭くなることも。例えば以下のような病気があげられます。気になる場合は消化器科(消化器内科、胃腸内科)を受診しましょう。
〇過敏性腸症候群
〇腸閉塞
〇大腸がん
〇肝臓疾患
〇過敏性腸症候群
腸にこれといった異常が見られないにも関わらず、慢性的なお腹の張り、腹痛、下痢、便秘などの症状が起こる状態のこと。ストレスや自律神経失調症などによって腸が過敏になるためだと言われていますが、詳しい原因は分かっていません。過敏性腸症候群になると、臭いおならが出ます。
〇腸閉塞
さまざまな原因により、腸管の流れが途中で阻害されてしまう状態のこと。腸の内容物が肛門側に流れなくなるため、おならの臭いが強くなります。
〇大腸がん
大腸がんは初期段階ではほぼ自覚症状がありません。進行するにつれ、お腹が張ったり、便に血が混じったり、便秘と下痢を繰り返したりするようになります。便が腸内に停滞する時間が長くなるために、おならが臭くなることが多いです。
〇肝臓の疾患
肝臓に疾患があると血液中のアンモニアが増えるため、おならが臭くなりやすいです。
おならの臭いを改善するには?
おならの臭いを改善するには、腸を整えること。 善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7 の状態にすることが大切です。そのためには腸活が欠かせません。腸内環境は食事や運動、睡眠などの影響を受けます。腸内フローラのバランスを保つには
〇自律神経を整える
〇生活習慣を整える
がポイントです。「生活習慣を整える」については、①善玉菌を増やす食事への配慮、②質の良い睡眠、③適度な運動の三点を見直しましょう。
自律神経を整える
自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、バランスよく働くことでカラダの調子を整えています。自律神経は、腸の活動をコントロールしています。腸のぜんどう運動は、交感神経が優位な時は停滞し、副交感神経が優位な時は活発化します。自律神経のバランスが乱れると腸の動きも乱れます。
〇交感神経
昼間活発になる
交感神経が優勢だと心身が活動的な状態
〇副交感神経
夜間活発になる
副交感神経が優勢だと心身がリラックスした状態
自律神経のバランスが崩れる大きな原因は色々ありますが、特に影響を及ぼすのがストレスと生活習慣の乱れだと言われています。
ストレスは交感神経を優位にします。強いストレスにさらされ続けると、副交感神経への切り替わりがうまくいかなくなり、常に緊張状態になってしまうんです。腸を健康に保つには、上手にストレスと付き合うことや生活習慣を見直すことが大切なんです。
早起きのススメ!!
早起きをして朝日を浴びると体内時計がリセットされると言われています。
生活習慣を整える
①善玉菌を増やす食事への配慮
食事によって腸内環境を整えるには、次の2つの方法があります。
〇善玉菌そのものを摂取して補う方法
〇善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法
〇善玉菌そのものを摂取して補う方法
善玉菌を含むものをプロバイオティクス、善玉菌のエサとなるものをプレバイオティクス、両方を合わせて摂ることをシンバイオティクスと呼びます。善玉菌は、発酵食品から摂ることができます。
たとえば乳酸菌は、乳酸を作り出すことで 腸内を酸性に保ち、 悪玉菌の増殖を抑制して腸内環境を改善します。
発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
〇善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法
善玉菌の栄養源は食物繊維やオリゴ糖などです。食物繊維は2種類あり、善玉菌を増やす効果がより高いのは水溶性食物繊維だと言われています。
・水溶性食物繊維
水に溶ける
便をやわらかくする
・不溶性食物繊維
水に溶けない
便の量を増やし、腸を動かす
発酵食品も栄養源として有効です。生菌の一部は生きたまま腸に届き、腸内環境を整えます。ところがほとんどの菌は、胃液などの影響によって腸まで直接届くことは難しいと言われています。
乳酸菌はいわゆる死菌になっても、 腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にします。
麹菌は代謝の過程で、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、イノシトールなどのビタミン類を生成します。また、麹の酵素はオリゴ糖を生み出します。オリゴ糖は胃酸や消化酵素でも分解されずに大腸まで届き、腸内にすむ善玉菌の栄養源となってそれらを増やす働きがあります。
発酵食品を効果的に取り入れましょう!!
カラダに良い作用をもたらす発酵食品。その効果・効能を最大限に受け取るためのポイントは2つ。
〇適量を長く続けること
〇他の発酵食品と組み合わせて摂ること
〇適量を長く続けましょう
発酵食品がカラダに良いとはいえ、一度に多くの量を摂り過ぎることは禁物です。成分によっては摂り過ぎることで、逆にカラダに害を及ぼすことさえあるんです。
発酵食品は薬ではないので、即効性があるというよりは、長く続けることで体質が改善されていきます。まずは一ヶ月。焦らず長い目で摂り続けましょう。
〇ほかの発酵食品と組み合わせて摂りましょう
発酵食品は、数種類のものを組み合わせて食べるとさらに効果が得られると言われています。ヨーグルトや納豆、味噌など、色々な発酵食品を日々の食卓に取り入れるといいでしょう。
生活習慣を整える
②質の良い睡眠をとる
質の良い睡眠とは?
睡眠不足や昼夜逆転など、生活習慣が乱れると体内時計が狂ってしまい、自律神経が正常に働きません。副交感神経から交感神経への切り替わりがうまくいかず、倦怠感が抜けなかったり、やる気や集中力が低下したりなどの影響が出てきます。
良い睡眠とは、寝つきが良く、途中で目を覚ますことなく深く眠っている状態を指します。日中眠気に襲われたり、疲労感が抜けなかったりする場合は、睡眠不足の可能性が高いです。
質の良い睡眠をとるために
最適な睡眠時間には個人差があり、一概に「何時間以上寝ましょう!」と指標を示すことは難しいです。ここでは睡眠の質をあげるためにできることを書いておきます。
〇就寝1~2時間前に入浴する
〇就寝90分前からブルーライトをカットする
〇就寝時は部屋を真っ暗にする
〇仰向けで寝る
〇毎日の睡眠リズムを一定にする
〇起床時に太陽の光を浴びて体内時計を整える
就寝時間に向かって体温を下げていくと眠気を感じ、スムーズに入眠することができます。就寝1~2時間前にゆっくり湯船に浸かってカラダを温めておくと、体温が下がる時間と入眠のタイミングとがちょうどよく重なります。
メラトニンは、体内時計を調整して睡眠へと誘導してくれるホルモン。夜に光を浴びると急速に合成が抑制されてしまうため、スマホなどは避けましょう。
生活習慣を整える
③適度な運動をする
運動と自律神経との関係
ストレスは自律神経の乱れにとって大敵ですが、運動にはストレス発散効果があります。また、適度な疲労は睡眠の質を向上させます。運動が血流を促進したり、ホルモン分泌を促してくれたりする点も、自律神経を整える上で大切な要素です。
効果的に運動を取り入れましょう
ストレス発散となる運動は、楽しく行える有酸素運動。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングやスイミング、ヨガやピラティスなどが良いでしょう。
運動するタイミングですが、朝にカラダを動かすことでその後1日の体内リズムがつくられるのでおススメ。夕方も、一日かけて体温が上がり筋肉が動かしやすい時間帯です。
まとめ
■おならとは?
口から飲み込んだ空気と、腸内細菌が消化物を分解するときに発生するガスのこと
■臭いおならと臭わないおなら
〇善玉菌が発生させたガスはほとんど臭いがない
〇悪玉菌が発生させたガスは悪臭を放つ
→両者が発生させるガスの成分の違いによる
■ おならが臭いということは?
〇悪玉菌が増えすぎている状態
■臭いおならの原因
〇腸内環境の悪化(悪玉菌が増えている)
〇悪玉菌のエサである動物性タンパク質の摂り過ぎ
〇便秘
〇病気
■腸を整えるには?
〇自律神経を整える
〇生活習慣を整える
■発酵食品と食物繊維をとりましょう!!
■食事で善玉菌を増やす2つの方法
〇善玉菌そのものを摂取して補う方法
〇善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法
■質の良い睡眠をとりましょう!!
〇就寝1~2時間前に入浴する
〇就寝90分前からブルーライトをカットする
〇就寝時は部屋を真っ暗にする
〇仰向けで寝る
〇毎日の睡眠リズムを一定にする
〇起床時に太陽の光を浴びて体内時計を整える
■適度な運動をしましょう!!
腸のぜん動運動を促す
おわりに
ふだん何気なく出しているおなら。その臭いで腸内環境の調子が分かるんです。最近注目されている腸活ですが、自分の腸の様子は外側からは分かりずらいもの。目に見えないカラダの内側の様子を知ることができる大切なバロメーターなのですね。今回はおならの臭いについて詳しく書きました。ぜひ参考にしてくださいね。
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