がんが好む4つの環境と、がんが増えている3つの要因。がん予防のためにできる3つのこととは?
日本の三大疾病のひとつであり、国民の2人に1人が罹患すると言われているがん。身近な病気だからこそ、ふだんからのちょっとした積み重ねが予防につながるんです。
そして「病は気から」と言われるように、免疫力を落とさないためには、必要以上に恐怖や不安にかられることなく、できるだけ心を落ち着けて病気と向き合うことが理想です。
がんの原因や、がんが増えている理由、がんを予防するために有効なこと。今回の記事を参考にして、できることから意識して取り組んでみてくださいね。
この記事の目次
- 1.がんとは?
- 2.がんの発生要因って?
- 3.がんが好む環境とは?
- 4.がんの栄養(エサ)って?
- 5.がんが増えている原因をみてみましょう
- 6.がんを予防するには?
- 7.まとめ
- 8.おわりに
がんとは?
日本人の病気による死因上位3位を三大疾病と呼び、がん・心疾患・脳卒中がこれに当たります。国立がん研究センターによる2018年のデータでは、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性65.0%、女性50.2%。2人に1人がかかる身近な病気です。
がん細胞は、私たちの体を作る細胞が変異したもの。正常な細胞の遺伝子2個から10個程度に傷がつくことで、がん細胞に変わると言われています。
私たちのカラダを作る細胞は、正常な状態であれば、一定の数を保っています。ところががん細胞は、そのバランスを無視して勝手に増え続けます。
がん細胞がどんどん増えることで、生きるために必要な臓器の機能が低下し、生命を維持できなくなる場合があるのです。
実は、がん細胞は健康な人の体の中でも1日数千個つくられていて、カラダの免疫力により退治されています。免疫力が落ちると、そのがん細胞を退治できなくなってしまいます。
がん細胞が増えると…
周囲の正常な組織に侵入してその組織を壊し、血管やリンパ管を通ってカラダのあちらこちらへ広がり、正常組織が摂取しようとする栄養をどんどん取って体を衰弱させていきます。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓↓
「がん」とはどんな病気?基礎知識や治療方法などをわかりやすくまとめました
がんの発生要因って?
国立がん研究センターによると、日本人が罹患する原因は、男性の約53.3%・女性の約27.8%が生活習慣や感染であると考えられています。そのうち多くを占めるのが、男性約23.6%・女性約4.0%の喫煙と男性約18.1%・女性約14.7%の感染です。
生活習慣
がんの原因となる生活習慣とは、次の通りです。これらすべてを見直すと、 がんになるリスクは男性で43%、女性で37%低くなるという研究結果があります。
①喫煙
②飲酒
③食物・栄養
④運動
⑤体格
①喫煙
たばこは、肺がん、食道がん、膵臓がん、胃がん、大腸がん、膀胱がん、乳がんなどの原因となることが、科学的に明らかになっています。
たばこが原因でガンになる割合は、男性で約29.7%、女性で約5.0%で、喫煙者はがんのリスクが1.5倍も高まると言われています。腺がんである肺がんや乳がんについては、受動喫煙におけるリスクも懸念されています。
たばこには、がんの発症率を大幅に上げるニコチン・タール・一酸化炭素のほか、200種類以上の有害物質が含まれているんです。
②飲酒
飲酒は、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、大腸がん、肝臓がん、乳がんのリスクを上げると報告されています。特に食道がん、大腸がんと強い関連があります。女性は、乳がんのリスクが高くなることが示されています。
また交互作用により、喫煙者が飲酒をすると、食道がんやがん全体の発症リスクは特に高くなることがわかっています。
1日あたりの平均アルコール摂取量が、純エタノール量で23g未満の人に比べ、46g以上の場合で40%程度、69g以上で60%程度、がんになるリスクが高くなるそうです。
女性は、男性よりも体質的に飲酒の影響を受けやすく、より少ない量でがんになるリスクが高くなるという報告もあります。
③食べ物・栄養
塩分を摂り過ぎると、胃がんのリスクが高くなるというデーターがあります。熱い飲み物や食べ物は、食道がんの原因になるという報告もあります。
肉や魚の焼き焦げや、アスパラギンと炭水化物を多く含むジャガイモなどを高温調理したものは発がん性物質が含まれるとされ、注意が必要です。
また、直腸がんや結腸がんは動物性タンパク質を加熱した際に生成される発がん性物質が原因だと考えられており、ウインナー・ハム・ベーコンなどの加工肉や赤身の肉を習慣的に大量摂取していると、がんのリスクが高まると言われています。
④運動
運動は、結腸がんのリスクを確実に下げます。また、閉経後に高まる乳がんと子宮体がんのリスクを下げる可能性があることが報告されています。
⑤体格
肥満は、食道がん・膵臓がん・肝臓がん・大腸がん・乳がん(閉経後)・子宮体部がん・腎臓がんに、高身長は大腸がん・乳がん・卵巣がんに影響しているのではないかと言われています。
特に女性の場合、閉経後の体重増加は乳がん(閉経後)のリスクを高めると言われています。また、やせすぎは栄養不足に伴う免疫機能の低下や抗酸化物質の不足などにつながります。
感染
ウイルスや菌による感染症も、がんの原因となります。男性が約22.8%、女性が約17.5%と、高い割合です。感染症ががんの原因となるのは、ウイルスや菌が体内に入ると細胞が炎症を起こし「炎症→変成→がん」という順番をたどるからです。
ウイルスや菌が侵入しても、免疫系がしっかりしている人であれば問題なく処理できますが、侵入したものの種類によっては、体内で対処できないパターンがあります。
変成とは?
生理機能が破綻し、細胞膜の破壊によって本来ある性質が変わってしまうことを指します。
感染症とがんについて、一例を挙げましょう。
〇ヘリコバクターピロリ菌
胃がん
〇ヒトパピローマウイルス
子宮頸がん、口腔がん、皮膚がん
〇B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス
肝臓がん
〇エプスタインバーウイルス
上咽頭がん、バーキットリンパ腫、ホジキンンリンパ腫
〇ヒトT細胞白血病ウイルス1型
成人T細胞白血病、リンパ腫
がんが好む環境とは?
がんは以下の状態を好むと言われています。これに加え、がんは脂肪とたんぱく質だけの環境でも生存可能です。
①低温
②低酸素
③酸性環境
④乳酸
①低温
がん細胞は熱に弱く、約43度の温度で死に始めます。一方、35℃台の低体温で最も活発になるため、胃・大腸・子宮・乳房などの冷えやすい場所にはガン細胞が増殖しやすいのです。
体温が1℃上がると免疫力は5~6倍も上がると言われています。がんを攻撃してくれるNK細胞は、低体温になると働きが減少してしまうんです。
②低酸素
がん細胞は、酸素を必要とせずに生き延びます。低酸素状態にあるがん細胞ほど、標準的な治療を一定期間行っても、浸潤・転移・再発など悪性化しやすいと言われています。
③酸性環境
体が酸性に傾くと、血液中の白血球の働きが悪くなって免疫力が低下します。1931年には、 がん細胞が酸性条件下で増殖するという研究結果が出て、ノーベル生理学医学賞が授与されました。
④乳酸
がん細胞が産生する乳酸が増えると、がん細胞も増殖するという研究結果が出ています。乳酸が2型自然リンパ球の機能を弱め、抗がん作用を持つ好酸球を減少させるからです。
がんの栄養(エサ)って?
がんは、ブトウ糖を発酵させたものをエサとしていること、ケトン体はエサにできないことが特徴です。低エネルギー細胞であるがんは正常細胞の3~8倍のブドウ糖が必要で、成長に必要なエネルギー源を糖質代謝でのみ生み出すことが分かっています。特に急激な血糖上昇はがんの増殖を促します。
がんが増えている原因をみてみましょう
昔よりもがんは増えています。その理由は、がんが好む環境になったということ。以下のような原因が考えられます。
①低体温と代謝不全
②食物・衛生の面による内臓へのダメージ
③ストレス、環境の変化、被曝等
①低体温と代謝不全
現代社会では仕事がデスクワーク化し、座っている時間や体を動かす時間が増え、慢性的な運動不足になっている人も少なくありません。
さらに、パソコンやスマホの普及もしているため、休みの日でも座りっぱなしで、家の中に閉じこもる機会も増えています。
これに加え、日頃から入浴せずシャワーだけで済ませる人も多く、必然的に体温が低下、代謝不全になってしまっているのことががん増加の原因とされています。
②食物・衛生の面による内臓へのダメージ
私たちは、知らず知らずの間にさまざまな食物や添加物を口にしていますが、それががんになる原因のひとつと言われていることをご存じですか?
砂糖、小麦製品、乳製品、植物油などの過剰摂取に加え、遺伝子組換え食品、添加物、農薬によって、少しずつがんになりやすい体質を作っています。
食物以外にも、感染症や薬、ワクチン、大気汚染などの影響で、知らない間に病気になりやすい体を作っているのです。
③ストレス、環境の変化、被曝等
運動不足や食物からの影響以外にも、現代ならではの人間関係によるストレス、電化製品からの電磁波、定期検診を含む過剰な健康意識による被曝も、ガンの原因になりうるといわれています。
強いストレスを感じ続けることによって、心の健康だけではなく体への影響もあるとされているため、定期的なストレス解消をする必要があるでしょう。
今の時代には欠かせないスマホやパソコンから出る電磁波は、私たちの体に見えない影響を与えているのです。
がんを予防するには?
今までみてきたことをまとめると、がんを予防するにはふだんから次の3点を意識するといいでしょう。
①生活習慣を見直す
②免疫力をあげる
③ミトコンドリアを活性化させる
①の生活習慣とは、 がんの要因でも挙げた喫煙、飲酒、食物・栄養、運動、体格の5つを見直すことです。②の免疫力を挙げるポイントは、 質の良い睡眠、適度な運動、バランスの良い食事、体を温かく保つ、ストレスをためすぎないこと。
また、ミトコンドリアは、がんの増殖と密接な関係があると言われています。③のミトコンドリアの活性には、運動とカロリー制限が効果があります。
がんの予防方法については、以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください↓↓
まとめ
- がんとは?
三大疾病(がん・心疾患・脳卒中 )のうちのひとつ - がんと診断される確率は?
男性65.0%、女性50.2% - がんの二大発生要因
①生活習慣
②感染 - がんが好む4つの環境
①低温
②低酸素(がんは酸素を必要としない)
③酸性環境
④乳酸 - がんのエサは?
糖 - がんが増えている3つの要因
①低体温と代謝不全
②食物・衛生の面による内臓へのダメージ
③ストレス、環境の変化、被曝等 - がんを予防するためにできる3つのこと
①生活習慣を見直
②免疫力をあげる
③ミトコンドリアを活性化させる
おわりに
「がん」と聞いて、死をイメージする方が多いのではないでしょうか?2人に1人がかかる病気だと言われるほど身近な病気なのですが、正しい知識をご存知の方は意外と少ないのです。
昔から「病は気から」と言われるように、ストレスはより病気を進行させてしまいます。どのような病気なのか?がん細胞の特徴は?正しい情報を知ることで、冷静に病気を捉え、適切な判断をすることができるようになります。
できるだけ分かりやすくがんについてお伝えしました。ぜひ参考にしてくださいね。
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