カラダに優しい手作りの『発酵マヨネーズ』。どのくらい日持ちするの?マヨネーズの賞味期限が長い理由って?
私が『発酵マヨネーズ』を作り始めたのは、できるだけカラダに優しいものを食べたかったから。市販のマヨネーズは、油の種類や添加物などが気になっていたんです。
その点、手作りだと原材料にこだわることができたり、製造過程が目に見えるので、安心ですね。
そして、手作りすると気になるのが賞味期限。市販のマヨネーズの賞味期限は長いですが、『発酵マヨネーズ』はどのくらい日持ちするのでしょうか?
この記事の目次
市販のマヨネーズの賞味期限って?
マヨネーズは、賞味期限が長い商品。スーパーに買いに行くと、常温の棚に置かれています。
私はてっきり、防腐剤が入っているのかと思っていましたが、違いました。マヨネーズは、JAS規格により保存料の添加は認められていません。
それではなぜ、こんなに賞味期限が長いのでしょうか?まずは、その理由をみていきましょう。
マヨネーズの賞味期限はどのくらい?
マヨネーズの賞味期限は、開封前と開封後で、以下の通りとなっています。
〇開封前
・チューブ入りは、10か月
・瓶入りは、12か月
〇開封後
・冷蔵保存で、約1か月
賞味期限と消費期限について
賞味期限と消費期限の違いをご存知でしょうか?農林水産省では次のような見解となっています。
「賞味期限」
袋や容器を未開封の状態で、容器に書かれた保存方法を守って保存しておけば、記入された年月日までは品質が変わらずにおいしく食べられる期限のこと。
「消費期限」
袋や容器を未開封の状態で、書かれている保存方法を守って保存しても、期限を過ぎたら食べない方が体に良い食品のこと。
マヨネーズが長持ちするワケは?
マヨネーズの材料は、卵、酢、塩、油。賞味期限が長い理由は、この材料にあります。
理由①
酢と塩には、強い殺菌・防腐効果があるから。
理由②
油は腐らないから。
理由① 酢と塩には、強い殺菌・防腐効果があるから
酢と塩には、強い殺菌・防腐効果があります。特にお酢のチカラはすごいんです。
卵による食中毒の主な原因は、サルモネラ菌。お酢が入っているマヨネーズはpHが低く(酸度が高く)、サルモネラ菌や、その他の食中毒菌が失活します。
理由② 油は腐らないから
マヨネーズの約70%を占める油は、腐りません。その理由は、水分がないからです。水分がない環境で微生物などの菌類が存在することは不可能。菌類が存在しないということは、腐るという現象が起きないということなんです。
手作り『発酵マヨネーズ』って?
手作りの『発酵マヨネーズ』ってなに?
健康への意識が高まり、『腸活』が注目されています。腸活とは、腸の調子を整えること。腸が元気になると、便秘解消や肥満防止、免疫力が高まったり、心が安定したりと、いいことづくめです。
そして、腸活に有効なのが発酵食品。メディアなどで頻繁に取り上げられ、すっかりその知名度はアップしました。
『発酵マヨネーズ』は、マヨネーズや材料を発酵させて作るのではなく、発酵食品である甘酒や塩麴、そしてお酢を使って作ります。
今回は、2種類の発酵マヨネーズの作り方をご紹介しましょう。
①甘酒と豆乳を使ったバージョン
②塩麴と卵を使ったバージョン
それぞれ風味が違うのですが、どちらもおいしいですよ!!まずは『①甘酒と豆乳を使ったバージョン』の作り方から説明します。
バージョン①
甘酒と豆乳を使った『発酵マヨネーズ』の作り方
【材料】
〇甘酒 大さじ4(手作りのもの)
〇豆乳 大さじ2(無調整のもの)
〇お酢 大さじ2(私は純米酢を使っています)
〇お塩 小さじ1
〇こめ油 200㏄
【準備するもの】
〇フードプロセッサー(バーミックス、ハンドミキサーでもOK)
〇スプーン
〇保存用のびん
【作り方】
①フードプロセッサーに軽量した甘酒、豆乳、お酢、塩を入れます。しっかり混ざり合うまで撹拌します。
②こめ油を3回くらいに分けていれ、その都度しっかりと撹拌します。
③ボタッとするまで固まったら出来上がりです!!
④熱湯消毒しておいた保存用のびんに入れます。
バージョン②
塩麴と卵を使った『発酵マヨネーズ』の作り方
【材料】
〇塩麴 小さじ1(手作りのもの)
〇鶏卵 1個
〇お酢 大さじ1(私は純米酢を使っています)
〇こめ油 200㏄
【準備するもの】
〇フードプロセッサー(バーミックス、ハンドミキサーでもOK)
〇スプーン
〇保存用のびん
【作り方】
①フードプロセッサーに卵と軽量したお酢、塩麴を入れます。しっかり混ざり合うまで撹拌します。
②こめ油を3回くらいに分けていれ、その都度しっかりと撹拌します。
③ボタッとするまで固まったら出来上がりです!!
④熱湯消毒しておいた保存用のびんに入れます。
〇発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化することをいいます。
〇発酵食品にすると、次のようなメリットがあります!!
・消化・吸収がよくなります。
・栄養価が加わります。
・うまみが加わります。
・保存性がよくなります。
発酵の最大のメリットは「消化・吸収がよくなる」こと。微生物があらかじめデンプンやたんぱく質を分解してくれるので、内臓への負担が軽減します。特に、腸内環境を整えることは、健康を保つ上でとても大切です。
手作り『発酵マヨネーズ』の賞味期限は?
自分で作った『発酵マヨネーズ』は、どのくらい日持ちするのでしょうか?
手作り『発酵マヨネーズ』の賞味期限は?
手作りした『発酵マヨネーズ』の賞味期限は、「冷蔵保存で1日~1週間以内」と言われています。
酢のチカラによって腐りにくいマヨネーズですが…
市販のマヨネーズについてお話しした通り、酢や塩のチカラによって、食中毒の原因となりやすいサルモネラ菌などが失活します。
ところが、酢の分量によって酸度が低い場合は十分に死活することができません。自家製マヨネーズを作る時には、全重量に対する酢の配合割合を10%程度になるように調整すると安心だと言われています。
食中毒を起こした飲食店で使用されていた自家製マヨネーズは、酢の配合割合が3.7%という低い値であったという事例があります。
東京都福祉保健局のHPより
発酵食品は腐りにくい?
本物の発酵食品は、理論上腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。
これを「菌の拮抗作用」と呼びます。身近な食品で例を挙げると
〇発酵食品の一種であるワインは、きちんと管理されていれば、何十年経っても腐りません。むしろ「ヴィンテージ(年代物)」と呼ばれて、非常に高値で取引されています。
〇同じく発酵食品であるお味噌も、「〇年熟成赤味噌」など、高級品として売られていたりします。
食べるのを控えた方が良い状態って?
基本的には腐りにくいとされるマヨネーズ。ところが、食べるのを控えた方が良いケースがあります。次に挙げる状態になったときは、要注意です。
〇油が分離している。
〇油が浮いていて、黄色く変色している。
〇カビが生えている。
〇味が油っぽくなる、臭いがするなど、元の状態とは変わっている。
このような状態になったマヨネーズは、腹痛や下痢になる可能性が高いです。また、酸化した油をとると体内に活性酸素や過酸化脂質が増え、老化や病気の元となります。
これは、市販のマヨネーズも自家製の『発酵マヨネーズ』も同じです。
マヨネーズを劣化させる酸化について
お酢や塩のチカラ、そして油の特徴により、腐りにくいとされるマヨネーズ。油は確かに腐らないのですが、酸化に気をつけなければなりません。『酸化』とはなにかを、ご存知ですか?
分かりやすい例としては、皮をむいたリンゴは、時間の経過とともに茶色くなります。あれが『酸化』した状態です。
〇酸化ってなに?
〇酸化するとどうなるの?
〇酸化しにくい油って?
順番にみていきましょう。
酸化ってなに?
空気中の酸素と油が反応して起こる変化を油の酸化と言い、「光、高温、空気」などにより促進されます。油が酸化すると過酸化物質が発生するので、酸化した油を摂取すると、体内に活性酸素が発生するんです。
酸化するとどうなるの?
酸化した油は、においや味の劣化、栄養価の低下、健康不良などをまねきます。実際に気分が悪くなったり、むかむかと胸やけを感じる方がいます。酸化が進むと、嘔吐、下痢、腹痛等食中毒類似の症状が出ることも。
分解する肝臓への負担になり、血管にもダメージを与えるため、動脈硬化といった深刻な病気のリスクも高くなるんです。
酸化しにくい油って?
酸化されにくい油の指標は
〇オレイン酸を多く含んでいること。
〇抗酸化物質が多く含まれていること。
油の組成の違いから、酸化しにくい油としてよく知られているものにオリーブオイルがあります。
抗酸化作用をもつ成分を含む、ごま油やこめ油(米ぬか油)も酸化しにくい油です。
逆に酸化しやすいのは、リノール酸が多く、ビタミンEも多くない油。例を挙げると、紅花油やひまわり油(サンフラワー油)などいわゆるサラダ油です。
なお、カラダに必要とされる【オメガ3系】の亜麻仁油やえごま油も、酸化しやすい油なんです。
自分で作る発酵マヨネーズは、材料を自分で選ぶことができるので、私は、酸化しにくいこめ油を使っています。
もっと詳しくお知りになりたい方は「約70%が油のマヨネーズ。手作り『発酵マヨネーズ』で、できるだけヘルシーに!!油についても詳しく解説しています」から。
市販されているマヨネーズも、メーカーによって酸化しにくい製造方法やパッケージの工夫がされています。パッケージの工夫については、自家製の『発酵マヨネーズ』を保存する際にも参考になりそうです。
酸化を防ぐためのパッケージの工夫
キューピーマヨネーズのチューブボトルは、酸化を防ぐために次のような工夫をしているそうです。キーワードは「空気を遮断する」ということですね。
①口部のアルミシール
口部はアルミシールで酸素を遮断。
②多層構造ボトル
ポリエチレン層の間に酸素を通しにくい層を挟み込み、酸素を遮断。
手作り『発酵マヨネーズ』の保存方法を教えて!!
手作りした『発酵マヨネーズ』を保存する際は、以下の5点に留意します。
①冷蔵庫で保存します。
②冷気の吹き出し口を避けた場所で保存します。
③できるだけ空気に触れないように保存します。
④清潔な容器で保存します。
⑤冷凍保存はNGです!!
①冷蔵庫で保存する
手作りの『発酵マヨネーズ』は、煮沸消毒した容器に移し、冷蔵庫で保管します。
常温でも保存できますが、酸化や高温(30度以上)によって成分が分離し、風味や味が劣化することがありますので、冷蔵庫での保存が安心です。
②冷気の吹き出し口を避けた場所で保存する
マヨネーズは、0℃を下回ると油の分離が起こります。一度油が分離してしまうと、ほぼ元には戻りません。
冷気の当たる吹き出し口を避け、冷蔵庫のドアポケットで保存しましょう。野菜室も、温度が下がり過ぎないため、オススメの保存場所です。
③できるだけ空気に触れないように保存する
中に空気が入ると、油が酸化する原因となりますので、空気ができるだけ入らないように保存した方が良いでしょう。私も、密閉容器を使うようになりました。
市販のチューブボトルのマヨネーズも、使った後は空気を抜いて保存すると良いそうです。
④清潔な容器で保存する
出来上がった発酵マヨネーズを容器に移す際は、事前に煮沸消毒をしておきましょう。容器から取り出す際に使うスプーンも、清潔なものを使います。
カビの原因となるキャップの汚れは、その都度ティッシュで拭くというひと手間も有効です。
冷凍保存はNGです!!
先ほどもお伝えしましたが、マヨネーズは0度以下になると、油と他の成分が分離してしまうので、冷凍保存はできません。
まとめ
- 市販のマヨネーズの賞味期限って?
〇開封前
・チューブ入りは、10か月
・瓶入りは、12か月
〇開封後
・冷蔵保存で、約1か月 - マヨネーズが長持ちするワケって?
〇マヨネーズはJAS規格により保存料の添加は認められていない。
〇マヨネーズの賞味期限が長い理由
①酢と塩には、強い殺菌・防腐効果があるから。
②油は腐らないから - 手作りの『発酵マヨネーズ』ってなに?
マヨネーズや材料を発酵させて作るのではなく、発酵食品である甘酒や塩麴、そしてお酢を使って作ったもの。次の2種類。
①甘酒と豆乳を使ったバージョン
②塩麴と卵を使ったバージョン - 手作り『発酵マヨネーズ』の賞味期限は?
冷蔵保存で1日~1週間以内 - 食べるのを控えた方が良い状態って?
〇油が分離している。
〇油が浮いていて、黄色く変色している。
〇カビが生えている。
〇味が油っぽくなる、臭いがするなど、元の状態とは変わっている。 - マヨネーズを劣化させる『酸化』について
〇『酸化』とは、空気中の酸素と油が反応して起こる変化。
〇「光、高温、空気」などにより促進される。
〇油が酸化すると過酸化物質が発生するので、酸化した油を摂取すると体内に活性酸素が発生する。 - 手作り『発酵マヨネーズ』の保存方法とは?
①冷蔵庫で保存する。
②冷気の吹き出し口を避けた場所で保存する。
③できるだけ空気に触れないように保存する。
④清潔な容器で保存する。
⑤冷凍保存はNGです!!
おわりに
『発酵マヨネーズ』の保存方法についてみてきましたが、いかがでしたか?マヨネーズは、材料である酢や塩のチカラと油の特性により、賞味期限が長いんです。さらに発酵食品も、菌の拮抗作用によって腐りずらいとのこと。
理論上では、日持ちがする『発酵マヨネーズ』ですが、あくまでも自己判断に委ねられます。今回の記事を参考にして、安全に留意しながらいただくようにしてくださいね。
私は、少しでもカラダに良いマヨネーズを使いたくて、手作りするようになりました。
市販のマヨネーズに比べて、手作りの『発酵マヨネーズ』は原材料にこだわることができたり、使う量を調整したりすることができます。また、製造過程がみえるので安心ですね。
さらに、カラダにやさしい発酵食品を使っているので、魅力倍増なんです!!ぜひ、『発酵マヨネーズ』を作ってみてください。
すでに作られているという方は、油やその配合量を変えて色々と試されると楽しいですね。少しでもカラダに良いマヨネーズができあがりますように。
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