タンパク質が不足するとどうなるの?タンパク質の効果・効能って?ダイエットや筋トレなど、目的に応じた摂り方とは?
タンパク質はカラダにとって大切な役割を担う三大栄養素の一つですが、最近、不足している人が増えていると言います。かといって、摂り過ぎると逆に弊害があるんです。
今回は、具体的にどのような効果・効能が得られるのか、不足するとどうなるのかについてみていきましょう。目的に応じて、摂取する際のポイントについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
- 1.タンパク質とは?
- 2.タンパク質が不足すると??
- 3.タンパク質の効果・効能とは?
- 4.ダイエット効果のために
- 5.筋肉を作るタンパク質の摂り方とは?
- 6.まとめ
- 7.おわりに
タンパク質とは?
タンパク質ってなに?
糖質、脂質と並んで三大栄養素のひとつであるタンパク質は、エネルギー(カロリー)を生産するという大切な働きをしており、1gあたり4kcalのエネルギーになります。
さらに、筋肉や肌、皮膚、脳、爪、臓器、髪、血液など「体をつくる原料」であり、体を調整するホルモンや酵素、免疫物質などの材料でもあるんです。
人のカラダは60~70%の水分と20%のタンパク質、その他の成分で構成されています。水分以外の固形物としては、半分以上をタンパク質が占めていることに。
必須アミノ酸とは?
タンパク質は、20種類のアミノ酸がつながって構成されています。 そのうち、体内で合成できない9種類を「必須アミノ酸」、体内で作り出すことができる11種類を「非必須アミノ酸」と呼びます。
20種類のアミノ酸が1つでも欠けるとタンパク質を合成できません。そのため、必須アミノ酸は日々の食事から摂取する必要があります。
アミノ酸スコアとは?
食品に含まれている必須アミノ酸のバランスを教えてくれるのが「アミノ酸スコア」です。アミノ酸スコアの数値は0〜100まであり、100に近い数値であるほど理想的。「アミノ酸スコア100」というのは、その含有量が一定基準をクリアしている食品だということです。
タンパク質が不足すると?
タンパク質不足と言われているのは?
通常の食事量であれば、基本的に不足することはないと言われているタンパク質ですが、現代人は不足するケースが増えているそう。その理由は、食事量の低下や食事の質の変化、そしてタンパク質の消耗。
ダイエットや加齢などによって食事量が減ることで、タンパク質不足に。また、外食やジャンクフードに頼る食生活によって必要量のタンパク質が摂れていないケースも。飽食の時代ですが、カロリーは足りていても隠れ栄養失調が増加していると言われているんです。
ストレスにさらされたり激しい運動をしたりするとカラダのタンパク質が消耗しやく、食事による摂取のみではタンパク質が不足することがあります。
タンパク質が不足すると?
タンパク質が不足するとカラダを作る材料が足りなくなったり、酵素やホルモンなどカラダを調整する機能が働きずらくなったりして、次のような影響が出てきます。
①免疫力低下
②筋力低下
③髪の毛や肌の調子が悪くなる
④集中力低下
⑤ストレスに敏感になる
⑥老化を早める
タンパク質を摂り過ぎると?
逆に摂り過ぎると次のような弊害も。必要な摂取量は年齢や状況によって違うので、自分にとっての必要量を把握し、ちゃんと補えているのか意識するようにしましょう。
①カロリーオーバーになる
②腸内環境が乱れる
③肝臓や腎臓に負担がかかる
タンパク質の摂取基準量とは?
タンパク質は体内で分解と合成を繰り返しており、古くなると排泄され、日々新しく作り替えられます。大人の場合、1日に200~300gのタンパク質が分解されていて、食物として摂らなければならない必要量は次の通りです。
男性 65g(18~64歳)
60g(65歳以上)
女性 50g(18歳以上)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より
分かりやすくお伝えすると、成人だと体重1kgあたりおよそ1g量。運動をする方であれば、 体重1kgあたり2gが望ましいとされています。
詳しくはこちらをご覧ください↓↓
日本人はタンパク質不足?タンパク質とは?足りていないとどうなるの?!
タンパク質の効果・効能とは?
タンパク質の働きから得られる効果・効能は次の通りです。
①ダイエット効果
②美容効果
③免疫力アップ効果
④精神安定効果
①ダイエット効果
タンパク質は糖質や脂質よりも脂肪になりにくいうえに、筋肉量を増やして基礎代謝を上げ、脂肪が燃焼しやすいカラダにしてくれます。ただし、タンパク質を一回の食事でまとめて摂るのは逆効果。一度で吸収できるタンパク質量は決まっていて、それ以上だと分解しきれずに脂肪として蓄積されてしまうので注意しましょう。
②美容効果
タンパク質は肌、髪、爪などをつくる栄養素。肌のハリや弾力を保つコラーゲンもタンパク質の一種です。コラーゲンは、皮膚の真皮の約70%を構成しています。
タンパク質が不足するとお肌が荒れるだけでなく、髪の毛のツヤやハリがなくなったり枝毛や切れ毛の原因になります。爪に縦すじがはいったり、爪割れや爪が薄くなってしまうことも。
タンパク質不足は、肌や髪、爪に影響が出やすいと言われています。なぜなら生きていく上で必要な部位から使われていき、肌や髪の毛・爪は後回しにされるためなんです。
③免疫力アップ
免疫細胞である白血球の主成分はタンパク質です。タンパク質が不足すると、十分な量の免疫細胞が作られなくなったり、質が低下して働きが鈍くなったりします。
また、筋肉は常にエネルギーを代謝して熱をつくっており、体温の約40%を産出していると言われています。その筋肉の主成分がタンパク質。筋肉を増加させたり維持することは免疫アップに大きく影響しているんです。
体温を上げると免疫力がアップするのはなぜ?
免疫力は、「体温が1度下がると30%落ち、1度上がると5~6倍になる」と言われています。体温が上がると血流が良くなり、白血球が体中を巡ることで免疫力が発揮されるというのが、その理由です。
④精神安定効果
トリプトファンは、必須アミノ酸の一種。「しあわせホルモン」と呼ばれるセロトニンの材料です。セロトニンは自律神経のバランスを整えたり、精神状態を安定させたりする作用があります。また、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化し、不眠を改善する効果が期待できます。
三大神経伝達物質とは?
・ノルアドレナリン
神経を興奮させる脳内ホルモン
・ドーパミン
快感を増幅させる脳内ホルモン
・セロトニン
ドーパミン・ノルアドレナリンを制御し、精神を安定させる脳内ホルモン
タンパク質の摂り方やポイントについては、こちらをご覧ください↓↓
実はタンパク質不足?とり方にはコツがあるんです!!効果的なタンパク質の摂取方法についてみていきましょう
ダイエット効果のために
糖質や脂質よりも脂肪になりにくいうえに、筋肉量を増やして基礎代謝を上げ、脂肪が燃焼しやすいカラダにしてくれるタンパク質。ダイエットをするうえで有効なんです。とはいえ、摂取し過ぎるとカロリーオーバーとなって逆に肥満につながってしまうので注意しましょう。
タンパク質には肉、魚、卵、乳製品などの「動物性タンパク質」と、大豆などの「植物性タンパク質」とがあります。ダイエット効果を得るために両者に違いはあるのでしょうか?
動物性タンパク質とダイエットとの関係
動物性タンパク質は、必須アミノ酸のバランスや含有量が豊富で「アミノ酸スコア」が100のものが多いのと、吸収消化スピードが速いのが特徴。
一方で脂質量が多く、カロリーは高め。摂り過ぎると太ってしまいます。ダイエットをしている人が肉などの動物性タンパク質を摂る際には、次のような配慮をすると良いでしょう。
①ゆでるのが一番効果的!!
②焼くときの一工夫
③とり肉の皮は取り除く
④使う調味料に気をつける
⑤ビタミンCを含む食材と一緒に摂る
⑥一日数回に分けて食べる
①ゆでるのが一番効果的!!
ゆでることで余分な脂が落ちます。ゆですぎると固くなってしまうので、注意が必要。短時間ゆでたら火を止めて、余熱でゆっくり火を通しましょう。
②焼くときの一工夫
焼くときは油をひかず、鶏肉の脂が出たらキッチンペーパーで吸い取りながら調理します。
③とり肉の皮は取り除く
とり肉の皮は脂質が多く、カロリーが高めです。皮を取り除くとよりヘルシーに食べることができます。
④使う調味料に気をつける
意外と見落としがちなのが調味料。成分表を確認して使いましょう。
⑤ビタミンCを含む食材と一緒に摂る
ビタミンCはタンパク質の吸収率を上げるため、脂肪を燃焼しやすくなります。
ビタミンCを多く含む食材は?
ブロッコリー、トマト、ピーマン、じゃがいも、さつまいも、果物全般
⑥一日数回に分けて食べる
タンパク質を一回の食事でまとめて摂るのは逆効果。分解しきれずに脂肪として蓄積されてしまいます。
植物性タンパク質とダイエットとの関係
植物性タンパク質は、動物性タンパク質に比べるとアミノ酸スコアが低いものもあります。 また、消化吸収スピードが遅いという特徴が。
一方、カロリーや脂質量が少なく食物繊維が豊富。水溶性ビタミンやナトリウムやカリウムを含んでいるものが多く、代謝を促してくれるという特徴があります。
植物性タンパク質の代表である大豆は「畑のお肉」と言われていて、アミノ酸スコアが100。脂質量やカロリーも低いので、ダイエットに向いていると言えるでしょう。また、消化吸収速度が遅いということは、それだけ腹持ちがいいということです。
筋肉を作るタンパク質の摂り方とは?
筋肉を作るには、良質なタンパク質を摂ることが大切です。摂取量は、一般的な成人で体重あたり0.95~1.09g/日。ところが現代人は、タンパク質不足だと言われているんです。
タンパク質は、体の中でアミノ酸に分解されます。人間が生きていく上で必ず摂取しなければいけない「必須アミノ酸」は9種類あります。
その中で、バリン・ロイシン・イソロイシンの3つが筋肉を保ったり増やしたりすることに深く関わっているアミノ酸。3種類をまとめてBCAAと呼んでいます。筋肉の分解を抑制して、筋肉のエネルギー源となります。
筋肉中のタンパク質を構成しているアミノ酸のうち、約35%がBCAAです。これらは体内で作ることができないため、食事として摂取する必要があります。
BCAAは主に、次に挙げる食材に多く含まれています。一日8~16g の範囲で摂ることが理想的。食事だけでは十分な摂取が難しいという方は、補助食品としてプロテインを利用するといいでしょう。
マグロ赤身(刺身8切) 4.8g
カツオ100g 4.3g
あじ 中1匹 3.8g
さんま 中1匹 3.7g
とり胸肉100g 4.3g
とりもも肉100g 3.3g
牛肉サーロイン100g 2.4g
卵1個(50g) 2.6g
高野豆腐1枚(16g) 1.6g
納豆1パック(50g) 1.3g
木綿豆腐(1/4丁) 1.2g
牛乳コップ1杯(200ml) 1.4g
チーズ1切(20g) 1.0
BCAAのなかでも特に、ロイシンは筋肉の合成に強く影響を与えると考えられています。
運動とBCAA
タンパク質は運動と組み合わせて摂ることで効果が高まります。BCAAを運動前・運動中・運動後のタイミングで摂取することには、それぞれ意味があります。
運動をする際、エネルギーとして体内の糖や脂肪が使われます。長時間運動をしていると、糖や脂肪からのエネルギー供給が不足してきて筋肉を分解し始めます。それを防ぐためには動前や運動中にBCAAを摂取し、 血中アミノ酸濃度を高めるといいでしょう。
また、 トレーニング直後にBCAAを摂ることでタンパク質の合成を増やします。BCAAは筋損傷を早期に回復させる働きがあると言われています。筋トレで破断した筋組織に、材料となるタンパク質を吸収させて新しい筋組織として修復します。
先ほどダイエットの項でお伝えした動物性タンパク質と食物性タンパク質との比較ですが、運動後速やかに栄養やエネルギーを補給したい場合は、動物性タンパク質を摂るといいでしょう。
筋肉が発達するメカニズムって?
筋トレをすると筋繊維が傷つきます。傷ついた筋繊維が修復されると、元の筋肉より少し太くなります。筋肉はこれを何度も繰り返すことで発達していくんです。
まとめ
- タンパク質とは?
〇糖質、脂質と並んで三大栄養素のひとつ
〇20種類のアミノ酸がつながって構成されている
〇タンパク質は体内で分解と合成を繰り返している
〇必須アミノ酸と非必須アミノ酸とがある
〇動物性タンパク質と植物性タンパク質があり、以下の違いがある
・必須アミノ酸のバランス
・必須アミノ酸の体内吸収率 - タンパク質の役割とは?
①カラダを作る材料
②エネルギー源 - タンパク質の摂取基準量
〇男性 65g(18~64歳)60g(65歳以上)
〇女性 50g(18歳以上) - タンパク質が不足すると?
①免疫力低下
②筋力低下
③髪の毛や肌の調子が悪くなる
④集中力低下
⑤ストレスに敏感になる
⑥老化を早める - タンパク質を摂り過ぎると?
①カロリーオーバーになる
②腸内環境が乱れる
③肝臓や腎臓に負担がかかる - タンパク質の効果・効能
①ダイエット効果
②美容効果
③免疫力アップ効果
④精神安定効果
おわりに
健康や美容、ダイエットなどにとってタンパク質がいかに大切か、お分かりいただけましたか?ですが、いくらカラダに良いからと言って、摂り過ぎも逆効果。
ご自分に応じた適量を知って、効果・効能をしっかりと受け取りたいですね。ダイエットや筋トレなど、目的に応じたタンパク質摂取のポイントを詳しくみてきました。
加齢やダイエット、生活スタイルの変化などによってタンパク質不足の人が増えていると言われています。この機会に一度見直してみてくださいね。
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