三五八漬けを作ってみたら あれ?なんだか違うかも!? 失敗から学ぶ漬け床の作り方♪
三五八漬けを作ってみたけど、「何だか床が安定しない・・」と思われている人も少なくないと思います。
ぬか漬けと同様、三五八漬けも発酵モノ。
こまめなお手入れがとても大切になってきます。
昔は発酵モノを自宅で作り、食卓に並ぶことが多くありましたが、今はそこまで手が回らない面もあると思います。
発酵食が良いと聞くけれど、でも実際にどのようにして作ればいいのか、一から作り始めることは中々億劫になりますね。
そして、作り始めてみたら「あれ?何だか味が変わって来たかも?」「水分が多くなってきてしまった・・」などいろいろと思わぬことが起きたりします。
じつは、それ発酵のしすぎや、長く使うことで起きる現象だったりするのです。
知ることで、「あーだからなんだ」と納得して次のステップに移ることが出来ますね。
三五八漬けを作ってみたら、「これは一体どういうことなんだろう?」と疑問を持たれた方にとてもおススメです。
それでは、三五八漬けの失敗した時の対処法についてお伝えしていきましょう♪
この記事の目次
- 1.三五八漬けとは
- 2.三五八漬けの作り方
- 3.三五八漬けが失敗しちゃった
- 4.成功した時は?
- 5.保存期間中の失敗談
- 5-1.酸っぱくなった
- 5-2.アルコール臭がしはじめた
- 5-3.カビが生えた
- 5-4.分量を間違えた
- 6.安定した漬け床にする秘訣は?
- 7.まとめ
- 8.おわりに
1.三五八漬けとは
福島県の郷土料理で、ぬか床ならぬ、「麹漬けの床」が三五八漬けです。麹の甘味を感じることができ、漬けたい野菜を入れて置くだけで6時間から半日ですぐに漬けることができます。栄養価が高い麹が原料となっていて、免疫力のアップも期待出来ます。
人参やキュウリなどの野菜や、肉や魚なども漬けておくことができ、ぬか床のように混ぜる手間がないので、手軽に漬けることが出来ます。三五八漬けは江戸時代から伝わる漬け床で、麹が熟成し乳酸が作られることにより糠の風味も少し感じることが出来る美味しい漬け床です。
2.三五八漬けの作り方
混ぜて発酵させるだけの三五八漬けは、短時間で簡単に作れます。
作った後は、冷蔵庫に保存して野菜を漬けておくだけのお手軽料理。
〇三五八漬けの作り方
混ぜて発酵させるだけの三五八漬けは、短時間で簡単に作れます。
材料
食塩 40g
麹 200g
お米 300g
作り方
①ご飯を炊飯器で炊く
②炊き立てのご飯に麹を入れ混ぜ合わせる
③うち釜の表面に2,3重にラップをしてフタをしめて、そのまま60℃くらいで保温をして2~3時間置いて、麹を発酵させていく。
④全体的に茶色く甘みを感じ始め、麹の香りが立ってくる。
⑤そこに塩を加え、2~3日おいて熟成させたら漬け床の完成。
野菜を漬けて1日置いたら麹漬けが出来上がります。
*三五八漬けは混ぜすぎると、中に空気が入りカビが繁殖しやすくなります。あまり混ぜすぎないのが大切です。
〇お肉やお魚に
三五八を少量取り、お肉やお魚に擦り込むように漬けていき、保存袋に入れて置く。鶏むね肉やカジキマグロやイカなど調理すると硬くなりやすい食材は、漬けておくことでふっくらと仕上がります。漬けた状態では、焦げやすいので漬け床を拭き取るとキレイに焼けます。
〇漬け始めた三五八は塩気が強い
漬け始めの三五八漬けは塩角がまだ残っており、漬けた当初は塩辛くなりやすいので漬け時間を短くすると美味しく漬けあがります。最初に漬ける野菜は「捨て野菜・クズ野菜」と言われ人参の先やキャベツの芯、また野菜のヘタなどをそれに当たります。2~3回ほど野菜を漬けておくと、野菜から出る水分で床が柔らかくなり、麹の香りもたってきます。
3.三五八漬けが失敗しちゃった!?
三五八漬けを作ってみたけど、もしかしたら上手く発酵していないのかも!?
そんなことを感じた時の見極めるポイントは2点あります。
失敗した時
・麹の甘い香りを感じない
・発酵せずにお米がそのまま残ってしまっている。
失敗を防ぐ方法は温度設定と、しっかり混ぜること。発酵とはとても繊細なものです、様子を見ながら作っていくことが大切です。
温度管理
温度は低すぎては発酵をせず、高すぎると過剰発酵します。
麹菌は70℃以上になると酵素を出す力がなくなってしまうため、55~60℃を保つようにします。
熱々の状態のご飯にお水を入れると大体60℃前後になります。
*甘酒の発酵温度は60℃前後とされています、麹菌が活発になるとされている温度で、お米のでんぷんがブドウ糖やオリゴ糖に変化します。
しっかりと混ぜ合わせる
混ぜ合わせていない部分があると、発酵しないまま残っていることがあります。
〇過発酵になった
水分が多く、塩分が少ないと過発酵になりやすいです。
4.成功した時は?
成功した時はどんな感じで出来てるかな?
成功した時
・もちもちとしたお味噌の固さに似ています。
・麹のほんのりと芳ばしい香りを感じます。
5.保存期間中の失敗談
三五八漬けを作って、いろんな野菜を漬けていたら酸っぱくなったり、水分が多くなったりすることがあります。
その理由は何だろう?についてお伝えしていきましょう。
5-1.酸っぱくなった
過発酵になり菌のバランスが崩れて漬け床がすっぱくなることがあります。実は野菜が入っていなかったり、混ぜていないことが大きな要因で、水分が多い状態で置いていると雑菌が繁殖しやすくなります。
( 水分が多い状態は、菌が活動的になり繁殖しやすくなるのです。そのために小まめにお手入れをして、水分がほどよく抜かれてお味噌の固さくらいを保つと、漬けやすい状態になります。)
対処法
干し野菜やくるま麩、またキッチンペーパーなどを使い水分を吸収していきます。
5-2.アルコール臭がしはじめた
ある一定のところまで発酵すると、漬け床が発泡して泡がぶくぶくとし始めてきます。床の糖分がアルコールに変わるときで、「アルコール発酵」と言います。床の甘味が減り、アルコール臭と炭酸のピリピリした刺激が出てくるのが特徴的で、塩分が減少しているのが大きな要因です。
塩分が低くなることで、雑菌が入り込みカビが繁殖し腐敗しやすくなっていきます。床についたアルコール臭やピリピリとした刺激は中々おさまらない状態です。
対処法
初めの頃は、三五八の素を足して薄めていきます。
それ以上に発酵が進みすぎていたら、改めて作り直すこともおススメです。
5-3.カビが生えた
あまりお手入れをしていなかったり、塩分が減っているとカビが生えてしまうこともあります。全体に周っている時や、お肉やお魚に漬けた後のモノは、状態を見て一度取り換えていきます。
対処法
カビが少量の時や、表面についているだけの時は取り除きます。
5-4.分量を間違えた
塩とお米と麹を3:5:8で混ぜ合わせる三五八漬けですが、そのままの分量で混ぜると実は塩辛くなってしまいます。目安としては3:5:8ですが、実際の分量は変わってきます。
対処法
レシピを見て、分量を量って作っていきます。
6.安定した漬け床にする秘訣は?
小まめに観察をして今何が必要なのかを見ていきます。状態によって、塩やお米、麹を加えていきます。
三五八に布巾をかぶせておく
三五八の上に全体的に布巾を置いて水分を吸収していきます。一定に水分がある方が発酵が活発になり、水分を吸収して押さえておくと発酵がゆっくりとなります。少しの間おいても、落ち着いた漬け床となっています。
布巾の役割は2つあります
・空気にふれさせず雑菌が入りにくい
・水分を吸収して発酵を抑えてくれる
重石をのせる
おもしをのせることで、漬かり方が早くなるわけではないが、過発酵を抑えてくれます。重石を乗せることで、漬け床の水分量を調整していきます。こうすることで、上にかぶせてあった布巾に水分が吸収されていきます。
【容器は?】
三五八漬けを入れる容器はホウロウを使ってます。ホウロウの良さは、ニオイが付きにくく塩分にも強い特徴があります。
7.まとめ
- 三五八漬けってなんだろう?
福島県の郷土料理で、ぬか床ならぬ、「麹漬けの床」が三五八漬けです。 - 三五八漬けの作り方
混ぜて発酵させるだけの三五八漬けは、短時間で簡単に作れます。 - 三五八漬けが失敗しちゃった!?
・温度管理
温度は低すぎては発酵をせず、高すぎると過剰発酵します。
・しっかりと混ぜ合わせる
お米と麹を混ぜ合わせる時に、混ぜ合わせていない部分があると、発酵しないまま残っていることがあるので、しっかりと混ぜ合わせます。 - 成功した時は?
成功した時
・もちもちとしたお味噌の固さに似ています。
・麹のほんのりと芳ばしい香りを感じます。 - 保存期間中の思わぬ出来事
三五八漬けを作って、いろんな野菜を漬けていたら酸っぱくなったり、水分が多くなったりとします。
・酸っぱくなった
過発酵になり菌のバランスが崩れて漬け床がすっぱくなることがあります。
・アルコール臭がしはじめた
ある一定のところまで発酵すると、過剰発酵して漬け床が発泡して泡がぶくぶくとし始めてきます。
・カビが生えていた
あまりお手入れをしていなかったり、塩分が減っているとカビが生えてしまうこともあります。
・分量を間違えた
塩とお米と麹を3:5:8で混ぜ合わせる三五八漬けですが、そのままの分量で混ぜると実は塩辛くなってしまいます。 - 安定した漬け床にする秘訣は?
小まめに観察をして今何が必要なのかを見ていきます。
状態によって、塩やお米、麹を加えていきます。
・ふきんで小まめに水分を取る
三五八の上に全体的に布巾を置いて水分を吸収していきます。
・おもしを乗せる
おもしをのせることで、漬かり方が早くなるわけではないが、過発酵を抑えてくれます。
8.おわりに
三五八漬けを作ってみたけど、実際に漬けてみるとさまざまなことが起こってきますね。そんな時に、「どうしたらいいんだろう?」と試行錯誤してみることで、美味しい漬け床を保つことが出来ます。
発酵モノは生き物です、普段の生活の中に「漬け床を見る」という習慣が、「菌を育てる」ということにも繋がっていきます。
発酵菌は、身体を支えてくれるとても大きな役割を果たしてくれる存在です。
身体を整え、腸が安定することで気持ちも次第に心穏やかになっていきます。
三五八漬けでもしお困りだった方は、ぜひ一度参考にしてみて下さい。
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