北海道の発酵料理の定番「ニシン漬け」 美味しさの秘密は糀にあった♪
北海道の特産「ニシン漬け」。
お正月に食べられることで有名なニシンは栄養価も高く、乾燥させたニシンは保存も効くので、冬の保存食としても重宝されています。
米麹を使った「ニシン漬け」は、時間をかけて発酵をさせ旨味と栄養価を上げてくれます。
実際に始めてつくりましたが、作り方はいたって簡単♪
野菜とニシンを切って、糀やお塩と混ぜて、時間を置いて発酵させていきます。
大量に作っておけば、いつでも食卓に並べてご飯のお供になります。
それでは美味しくて、身体にもいい「ニシン漬け」の作り方と、ニシンについてお届けしていきましょう♪
この記事の目次
1.北海道の特産ニシン漬け
北海道の冬の代表的な漬物です。
北の地域では、ニシンが多く取れることから、冬の時期の保存食として作られるようになったのが、ニシン漬けの始まり。
米麹を使用して発酵をさせ、5日から長ければ一か月ほど時間が経つと発酵が進み、旨味が増していきます。また、水分が出てきますが捨てずにそのままつけておくと腐敗が進みにくいのでおススメです。
ニシンは産地以外では馴染みのない食材で、ニシンは水揚げされてから腐りが早いという欠点があったことが理由に挙げられます。そのため、保存が効く身欠きニシンが作られていくようになりました。たんぱく質が豊富でお手頃に手に入る食材として人々に親しまれるようになりました。
食べ頃の時期
春に産卵するニシンは、産卵に向けて秋から冬に向けて身体にしっかりと栄養を抱えています。脂もよく乗っているため、秋ニシンはとても美味しいです。
10~12月がニシンの食べごろです。
2.ニシン漬けの作り方
北海道の郷土料理であり発酵料理であるニシン漬け。
美味しさの秘密は、発酵期間に合った!?
地元で愛されるニシンの作り方をお伝えします。
ニシン漬けの材料
身欠きニシン 3本
キャベツ 800g
大根 500g
人参 200g
粗塩 45g
糀 100g
ショウガ 35g
輪切り唐辛 15個ほど
糀を浸すぬるま湯 100cc
作り方
①身欠にしんと昆布を容器に入れて、米のとぎ汁をひたひたに入れ冷蔵庫で8時間置く。
②8時間後に、ぬるま湯でにしんをキレイに洗う。 ウロコを取り除いて、腹骨に斜めに包丁を入れて、骨を取っていきます。
③にしんを斜めにそぎ切りにします。
④大根は皮をむき厚さ1cmのいちょう切り、キャベツはざく切り、人参は千切りにします。
⑤糀は10分ほどぬるま湯に浸しておきます。
指を入れて熱いと感じない35度くらいを目安にしておきます。
⑥切った野菜を大きめのボウルに入れて塩を振りかけ、少し揉んだのち30分ほど置いておきます。
⑦野菜と出た水も一緒にジップロックに入れて、糀、千切り生姜、輪切り唐辛子、にしんを入れて軽く混ぜます。
⑧冷蔵庫で5日間ほどそのまま漬けておきます。
徐々に糀の甘さも出て、まろやかさも増し美味しくなっていきます。
・生臭くなってしまうので、しっかりと乾燥させたものを。
・うろこは荒めに取り除くことがポイント、少し残っている位がちょうどいい。
・お米のとぎ汁で戻すことで、「発酵のきっかけ」になります。
・水は捨てないように、漬けていくと水分が出てきます。その水分が、食材を雑菌から守ってくれるので、残しておくことが大切です。
3.ニシンとは?
ニシンはニシン目ニシン科の魚で、主に北太平洋を回遊している魚で、春頃、北海道にやってきます。お正月のおせちに使われることも多い魚です。
脂分が多く、江戸時代から人気の魚でした。ニシン漁が盛んで、皇室への献上品としてニシンが選ばれたくらいです。寒い所を好むため、北の地方に獲れることが多く、北海道は有名です。
また、呼び方も様々にあり、ヤナバやテックと呼ばれています。ニシンは別名を「春告魚」と呼ばれる事から、春の北海道に大量に押し寄せていました。ニシンの大群が産卵の為に海岸部へ集まってくると、海一面が真っ白に染まる「群来」がみられるほどでした。
ニシンの漁獲量は明治時代が全盛期で、一時は100万トン近くの水揚げ量がありましたが年々減少をして、今ではほとんど取れなくなり、現在は輸入物が多いです。
4.ニシンの歴史
ニシンを食べ始めた時期は断定されてはいないものの、紀元前3000年以前からと言われています。そして、北海道で本格的に始まったニシン漁は江戸時代からとなっています。
松前藩では、お米の代わりに、アイヌの人たちと交易をする権利を与え、漁業を行う「土地」を家臣に与えました。江戸時代中期になると、藩士たちは土地の運営を承認に委託をして、その商人たちはその交易として「ニシン漁」をはじめ、利益の一部を藩士に献上していきました。
江戸時代は、ニシン漁は松前藩のみに制限されていましたが、明治時代からは制限がなくなり自由に漁が出来るようになり、定置網などを使い、ニシン漁が大きく発展されていきました。その影響もあり、南の地から移住する人も増加していきました。
5.ニシンの言葉の由来
ニシンの名前の由来は様々にあります。
お正月などのお祝いの時などは通常使われている「鰊」ではなく、「二身」または「二親」と書きます。
・「二身」というのは、ニシンの身を2つに割いて調理すること
・「二親」は2人の親、両親を意味します
お正月に数の子を食べるのは、ニシンが小さな卵を小さな体に抱えていることから、「多くの子孫に恵まれるように」という意味で食されています。
北海道で収穫できるニシンは「春ニシン」「夏ニシン」「秋ニシン」とあり、「春告魚」と呼ばれるニシンは、春に収穫されることが多く、「春ニシン」は産卵時期のニシンで、数の子を取るために漁獲されています。
数の子や白子を抱えたニシンを食べる旬は3~5月頃です。
6.鰊と鯡の意味
ニシンには鰊と鯡という文字の二つがあります。
それぞれに、意味が変わってきますが一体どんな意味があるのでしょうか。
6-1.鰊とは?
東の方角で取れる魚だから、魚辺に東と書くようになったという話しと、「柬」という漢字は「若い」という意味も含まれているので、「小柄な魚」という意味で使われるようになったとも言われています。
6-2.鯡とは?
「魚にあらず」と書くため、「成熟しきっていない魚」の意味で使われている説と、江戸時代の松前藩ではお米が取れなかった唯一の地域だったため、お米の代わりにニシンを献上させていたことから、「海の米」という意味で書かれたという説があります。
7.まとめ
- ニシン漬けについて
北海道の冬の代表的な漬物です。糀で発酵させて作っていきます。 - ニシンとは?
ニシンはニシン目ニシン科の魚で、主に北太平洋を回遊している魚で、春頃北海道にやってきます。 - ニシンの歴史
ニシンを食べ始めた時期は断定されてはいないものの、紀元前3000年以前からと言われています。 - 鰊・鯡
ニシンには鰊と鯡という文字の二つがあります。若く、未熟な言葉として使われることが多いです。 - ニシン漬けの作り方
身欠けにしんにたくさんの野菜を入れて、糀を一緒に混ぜて発酵させて作っていきます。
8.おわりに
北海道の特産のニシン漬け、糀の発酵で旨味が増し、思わず、食べ続けてしまう美味しさです。栄養価も高く、免疫力もアップする、身体にもいいので、一度作ってみてください。
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