日本人はマグネシウム不足?!マグネシウムとは?不足するとどうなるの?
現代の日本人は、マグネシウムが不足していると言われています。最近、ダイエットをする方の間で、マグネシウムが注目され始めているんです。
マグネシウムは必須ミネラルの一つ。そもそも、マグネシウムにはどんな役割があるのでしょうか?不足するとどうなるの?今回は、マグネシウムに注目していきましょう。
この記事の目次
- 1.マグネシウムとは??
- 2.マグネシウムの役割とは?
- 3.マグネシウムの摂取基準量は?
- 4.なぜマグネシウム不足なの?
- 5.カルシウムとマグネシウムの関係
- 6.マグネシウムの摂り方とは?
- 7.まとめ
- 8.おわりに
マグネシウムとは?
マグネシウムってなに?
マグネシウムは必須ミネラルの一つで、成人の体内に約20~30g存在しています。そのおよそ50~60%は リン酸マグネシウムや炭酸水素マグ シウムとして骨や歯に、残りは細胞や血液に含まれています。
必須ミネラルは16種
ミネラルは、私たちのカラダを維持するための五大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル)のうちの一つです。
ミネラルは自然界に100種類以上存在しており、そのうち人体にとって欠かせないのは16種類。これを「必須ミネラル」といいます。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」ではミネラルの推奨量や目安量が示されていて、1日の推奨量や目安量が約100mg以上のミネラルを多量ミネラル、100mg未満のものを微量ミネラルと分類しています。
〇多量ミネラル(7種類)
カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム
〇微量ミネラル(9種類)
鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト
人体の5%がミネラル
人体の約95%は酸素・炭素・水素・窒素の4元素で構成されています。残りの5%がミネラルです。
マグネシウムの役割とは?
マグネシウムの7つの働き
ミネラルにはそれぞれに役割がありますが、マグネシウムの主な働きは次の通りです。
①骨や歯を作る
②神経間の情報伝達
③筋肉収縮の制御
④300種類以上の酵素を活性化する
⑤体温・血圧の調整
⑥心機能の維持
⑦タンパク質の合成
①骨や歯を作る
骨の主成分はカルシウムですが、実はマグネシウムも骨の強化に関与しているんです。マグネシウムが不足すると、骨粗鬆症を引き起こすと言われています。
②神経間の情報伝達
神経伝達物質セロトニンの生成時にマグネシウムが必要とされるなど、神経情報の伝達を正常に保つ働きがあります。
③筋肉収縮の制御
筋肉はカルシウムの働きによって収縮していますが、マグネシウムはその働きを抑制して弛緩させます。
④300種類以上の酵素を活性化する
マグネシウムは酵素の補助因子。体内のエネルギー代謝を行う際に必要な酵素の働きを助けます。マグネシウムは特に炭水化物からエネルギーを作るときに必要です。
⑤体温・血圧の調整
マグネシウムは血管内の筋肉も緩めるため、血管をしなやかに保つことができ、血圧を正常にします。
⑥心機能の維持
マグネシウムが不足すると、心臓の筋肉の動きが悪くなり、不整脈を引き起こします。
⑦タンパク質の合成
マグネシウムが不足すると?
マグネシウムが不足すると以下のような症状があらわれます。心当たりはありませんか?
〇疲労感、倦怠感
〇吐き気、食欲不振
〇気分の落ち込み、イライラ
〇精神障がい
〇頭痛
〇不眠
〇不整脈
〇集中力や記憶力の低下
〇筋肉のけいれん(こむら返りなど)
さらに長期にわたって不足すると以下のリスクが高まると言われています。
〇骨粗鬆症
〇高血圧
〇心筋梗塞
〇動脈硬化症
〇糖尿病
〇虚血性心疾患
マグネシウムの摂取基準量は?
マグネシウムの推奨量って?
マグネシウムの1日推奨量は、性別・年代別でみると次のようになっています。
〇男性
18〜29歳:340㎎
30〜64歳:370㎎
65〜74歳:350㎎
75歳以上:320㎎
〇女性
18〜29歳:270㎎
30〜64歳:290㎎
65〜74歳:280㎎
75歳以上:260㎎
マグネシウムを摂りすぎると?
マグネシウムは、通常の食事では摂り過ぎることはないと言われています。たくさん摂取しても腸管からの吸収量が調整されるためです。
マグネシウムは緩下剤として利用されています。サプリメントや薬によって過剰摂取し、下痢や軟便になる場合もあるようです。
腎機能が正常であればほぼ発症することはありませんが、まれに血中のマグネシウム量が高くなる「高マグネシウム血症」になる方がいます。
サプリメントおよび薬に含まれるマグネシウムの上限量は成人で350㎎と決められています。
なぜマグネシウム不足なの?
マグネシウムが不足する2つの原因
現代の日本人は、マグネシウムが不足しがちだと言われています。その理由とは何でしょうか?大きく分けると次の2つです。
①体内から排出されるマグネシウム量が増えたから
②マグネシウムの摂取量が減ったから
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
①体内から排出されるマグネシウム量が増えたから
体内からマグネシウムが排出されてしまう原因として挙げられるのは次の通り。
〇精神的ストレス
〇アルコールの過剰摂取
〇喫煙
〇カフェインの過剰摂取
〇砂糖の過剰摂取
〇リンの過剰摂取
〇利尿剤の長期摂取
〇加齢
ストレスがたまると、たくさんのマグネシウムが消費されて尿中に排出されます。ストレスフルな社会となり、マグネシウム不足の方が増えているんです。
アルコールの過剰摂取や喫煙は、マグネシウムの吸収量を減少させます。カフェインや砂糖、リンを摂取しすぎると、マグネシウムを体外に排出してしまいます。
また、加齢も原因の一つ。20歳を過ぎると、徐々にマグネシウムの吸収率は低下すると言われています。高齢者の方が骨粗しょう症になりやすいのもマグネシウム不足が原因の一つなんです。
②マグネシウムの摂取量が減ったから
日本の土は火山灰であり、含まれるミネラルが少ないと言われています。その土壌で育った野菜は、もともと含まれるミネラルが少量なんです。
マグネシウムは、玄米や雑穀、ナッツ類といった精製度の低い食材に多く含まれています。食生活の変化に伴い、これらは精製された白いお米やパンに変わりました。
また、インスタント食品やファストフード、お菓子などのジャンクフードなどを食べる機会が増え、ますますマグネシウムを含む食品を食べる機会が減っています。
カルシウムとマグネシウムの関係
マグネシウムは、カルシウムと深い関係があります。その理由をみていきましょう。
カルシウムとマグネシウムにはどんな関係が?
次に挙げるような身体の機能を正常に保つために、カルシウムとマグネシウムは互いに関与し合っています。
①血圧の調整
②筋肉を正常に働かせる
③神経伝達を正常に働かせる
①血圧の調整
マグネシウムは動脈を弛緩させて血圧を下げ、カルシウムは収縮させて血圧をあげます。
②筋肉を正常に働かせる
筋肉はカルシウムの働きによって収縮していますが、マグネシウムはその働きを抑制して弛緩させます。
③神経伝達を正常に働かせる
神経系の伝達機能は、体内の細胞にカルシウムが出入りすることによって行われています。マグネシウムは、カルシウムの量をコントロールしているんです。
理想的な比率とは?
一回の食事に含まれるカルシウムとマグネシウムの比率は、「2:1」が理想的だと言われています。なぜなら、血液中のカルシウムとマグネシウムの割合が2:1だからです。
カルシウムを摂取し過ぎるとマグネシウムは吸収されにくくなり、マグネシウムを摂取し過ぎるとカルシウムの排出量が増えてしまいます。
マグネシウムの摂り方とは?
マグネシウムは、どのように摂ればいいのでしょうか?次の二つの方法があります。
①食事から摂る
②経皮吸収で摂る
「①食事から摂る」については、マグネシウムを多く含む食品を摂ることと、マグネシウムの吸収を阻害する材料を避けるという2つの方法があります。
「②経皮吸収」についても、いくつかの方法があります。詳しくは以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください↓↓
日本人はマグネシウム不足?マグネシウムをとる2つの方法とは?!
まとめ
- マグネシウムとは?
必須ミネラルの一つで、成人の体内に約20~30g存在
約50~60%は骨や歯に、残りは細胞や血液に含まれている - マグネシウムの役割とは?
①骨や歯を作る
②神経間の情報伝達
③筋肉収縮の制御
④300種類以上の酵素を活性化する
⑤体温・血圧の調整
⑥心機能の維持
⑦タンパク質の合成 - マグネシウムが不足するとまず起こる症状
〇疲労感、倦怠感
〇吐き気、食欲不振
〇気分の落ち込み、イライラ
〇精神障がい
〇頭痛
〇不眠
〇不整脈
〇集中力や記憶力の低下
〇筋肉のけいれん(こむら返りなど) - 長期にわたって不足すると起こる症状
〇骨粗鬆症
〇高血圧
〇心筋梗塞
〇動脈硬化症
〇糖尿病
〇虚血性心疾患 - マグネシウムの摂取基準は?
〇男性
18〜29歳:340㎎
30〜64歳:370㎎
65〜74歳:350㎎
75歳以上:320㎎
〇女性
18〜29歳:270㎎
30〜64歳:290㎎
65〜74歳:280㎎
75歳以上:260㎎ - マグネシウムを摂り過ぎると?
〇通常の食事では摂り過ぎることはないと言われている
〇まれにサプリなどで摂り過ぎると便が緩くなることがある
〇腎機能に問題があると高マグネシウム血症になることも - マグネシウムが不足する2つの原因は?
①体内から排出されるマグネシウム量が増えたから
②マグネシウムの摂取量が減ったから - マグネシウムが排出されてしまう原因
〇精神的ストレス
〇アルコールの過剰摂取
〇喫煙
〇カフェインの過剰摂取
〇砂糖の過剰摂取
〇リンの過剰摂取
〇利尿剤の長期摂取
〇加齢 - カルシウムとの関係
〇身体の機能を正常に保つために互いに関与し合っている
〇カルシウムとマグネシウムの理想的な割合は2:1 - マグネシウムの摂り方は?
①食事から摂る
②経皮吸収で摂る
おわりに
最近、ダイエット効果を期待して注目されているマグネシウム。必須ミネラルの一つであるマグネシウムとは何か、身体にとってどのような役割を果たしているのか、お分かりいただけましたでしょうか?
現代人はストレスや食生活の変化によって、マグネシウムが不足していると言われています。ぜひ今回の記事を参考にして、意識されてみてくださいね。
マグネシウムとダイエットとの関係についても、こちらの記事にまとめてありますので、ご覧になってください!!↓↓
マグネシウムダイエット?マグネシウムとダイエットの3つの関係とは?
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