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発酵ってなに?シリーズ①「塩」 塩を入れる理由って?塩の選び方もご紹介します!!

カラダに良いとされる味噌汁ですが、味噌の塩分を気にされる方もいらっしゃると思います。乳酸発酵させるときも、野菜に塩を加えて作ります。

世間一般では、生活習慣病を予防するため、塩分を控えたほうが良いと言われています。それなのになぜ、カラダに良いとされる発酵食品づくりに塩が必要なのでしょうか?

それには、ちゃんと理由があるんです!!今回は、気になる塩分について記事にしました。塩の選び方についても書いています。ぜひ参考にしてくださいね。



発酵とは?


発酵とは?

まずは『発酵』について簡単に説明しましょう。発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。発酵の過程で得られるメリットは次の通りです。

①消化・吸収がよくなる
②栄養価が加わる
③うまみが加わる
④保存性がよくなる

①消化・吸収がよくなる

微生物が生成した酵素は、栄養素を分解します。ある程度分解された状態で摂取されるため、体内での消化・吸収がしやすくなります。

②うまみが加わる

酵素で分解生成されたさまざまな成分は、香りや味を出し、もともとの食材を変身させます。

③栄養価が加わる

食品は発酵させることで栄養価がアップします。 微生物によって食材のデンプンやたんぱく質等の栄養素が分解されることもメリットのひとつ。栄養をスムーズに取り込むことができます。

④保存性がよくなる

本物の発酵食品は、理論上では「腐らない」と言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。

発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!

発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。


塩を使った発酵食品

発酵と言っても、有機物を分解する微生物によっていくつかの種類に分けられます。よく知られているのは、麹菌、乳酸菌、納豆菌、酢酸菌などの菌類や酵母、カビなどでしょうか。

発酵食品を手作りするときに、塩を使う場合があります。乳酸菌を使った「乳酸発酵食品」をご存知ですか?野菜に分量の塩と水を入れて混ぜ、発酵させます。発酵食品の代表格である味噌も、大豆に麹と塩を加えて作りますね。

なぜ塩を入れるのでしょうか?発酵食品と塩との関係についてみていきましょう。

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塩分について


発酵食品には整腸作用をはじめ、多くの効果・効能がありますが、気になるのは塩分。日頃から摂取量を気にされている方は多いですね。


発酵食品に含まれる塩の量って?

厚生労働省が定めている塩の摂取基準は次の通りです。

〇男性
7.5g未満(一食あたり2.5g)
〇女性
6.5g未満(一食あたり2.2g)


先ほど挙げた「塩を使った発酵食品」。塩の使用量をみてみましょう。

私が野菜を発酵発酵させるときは、野菜に対して約3%の塩を加えています。具体的には野菜500g、水600mlに大さじ1(15g)の塩ということです。

「一日で出来る簡単味噌」については、大豆と麹を合わせた量の約20%の塩を入れています。具体的には大豆250g、麹500g、塩150gです。

「乳酸菌で作る発酵食品」の作り方についてはこちらから↓↓

簡単手作り!乳酸発酵レシピ3選!!その①~発酵きのこ、発酵もやし、発酵大根編

簡単手作り!乳酸発酵レシピ3選!!その②~発酵たまねぎ、発酵トマト、とぎ汁乳酸菌編

「一日でできる簡単味噌」の作り方についてはこちらから↓↓

簡単手作り!麹を使った発酵レシピ2選~一日でできる味噌「大豆バージョン」と「おからバージョン」をご紹介します!!

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塩分を摂り過ぎるとどうなるの?

ミネラルには「体液の濃度を一定に保つ」、「筋肉運動や神経伝達を助ける」という大切な働きがあります。ところが一方で、塩分を摂り過ぎると生活習慣病のリスクが高まると言われています。

〇高血圧
〇腎臓病
〇胃がん

〇高血圧

塩分を摂り過ぎると血液中の塩分濃度が高くなり、それを下げるために水分を多くためこむようになります。その結果血液量が増えて血管がパンパンになり、大量の血液を流すために血管壁に高い圧力が加わります。

高血圧は脳出血や心不全、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化は心筋梗塞や狭心症、脳梗塞につながります。

〇腎臓病

腎臓は過剰に摂取した塩分や溜まった老廃物を濾過して、尿をつくる働きをしています。塩分を摂り過ぎると腎臓に過度の負担がかかり、慢性腎臓病を起こしやすくなります。それが悪化すると腎不全を招き、透析療法が必要になることもあるんです。

〇胃がん

塩分の摂り過ぎは胃の粘膜にダメージを与え、胃炎をひきおこします。胃炎が慢性化すると、発がん性物質の影響を受けるリスクが高まると言われています。1日10g以上塩分を摂っている人は、胃がんにかかる率が高まるという報告があります。

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排泄されないことが問題!!

共立女子大学家政学部の研究によると、食塩の摂取で血圧が上がるのは、腎臓からのナトリウム排泄量が少ないことが原因だと分かったそうです。塩分の摂り過ぎに気をつける一方で、カラダのデトックス機能を高め、しっかり排出することも大切だということですね。


カリウムのチカラ

カリウムには、ナトリウムと同時に摂取することで塩分を体外に排出しやすくするという働きがあります。また、血圧を下げる効果もあるんです。発酵させる野菜を、カリウム含有量の多いものにするといいでしょう。手作りの発酵食品は、市販品と違ってカリウムなどミネラル成分の多い塩にこだわることもできます。


発酵のチカラ

まだ詳しい理由は解明されていないのですが、発酵食品にはデトックス効果があるとも言われています。

発酵食品である味噌汁の実験

1日に1~3杯の味噌汁を飲む人の血圧の平均値は、ほとんど変化がなかった。むしろ腎臓からのナトリウム排泄が促され、30%の減塩効果があるという結果が導き出された。

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なぜ塩を入れるの?


発酵食品を作る際に、なぜ塩を入れるのでしょうか?それには次の理由があるんです。

①腐敗しにくくするため
②発酵を促すため


理由① 腐敗しにくくするため

理論上、本物の発酵食品は腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。

ところが、保存状態などによって腐敗菌が勝ってしまい、カビが生えたり、腐敗したりします。発酵食品を作っていて悩まされるのがカビと腐敗。それを防ぐために活躍するのが塩なんです。

食品に含まれる水には、「結合水」「自由水」とがあります。微生物が繁殖に利用できるのは自由水だけなので、これを減らせば抗菌力を高めることができます。具体的には「乾燥させる、塩漬けにする、砂糖漬けにする」という3つの方法があります。

乾燥させるのは、単純に自由水を減らすため。また食品に塩や砂糖を加えるのは、塩や砂糖を自由水と結びつけて結合水にし、自由水を減らすためです。

結合水と自由水って?

〇結合水:たんぱく質や糖質と強く結合して離れない水
〇自由水:自由に動くことができる水

また、塩あるいは砂糖を加えると食材に含まれる水分や微生物の水分は浸透作用によって、塩や砂糖の方に流れ出ていきます。その結果微生物にとって必要な食材の水分量が減り、増殖しずらくなるんです。


②発酵を促すため

塩は、発酵促進剤だと言われています。乳酸菌は塩に強いため塩分を加えると雑菌の繁殖が抑えられ、乳酸菌を選択的に増やすことができます。

野菜には、もともと乳酸菌が付着しています。塩を加えると、浸透圧によって野菜に含まれる有機物が浸出します。それをえさにして乳酸菌が増え、発酵が進むというメカニズムなんです。

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塩の種類って?


スーパーで売られている塩。パッケージの表記をみても、ちんぷんかんぷんではありませんか?原材料や製造工程の違いをみても、とても複雑です。


『塩』ってなあに?

塩とは、主成分の塩化ナトリウムの他に、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを含む物質。海水を乾燥させたり、岩塩を採掘したりして生産されます。

塩化ナトリウムとは?

ミネラルの一種であるナトリウムと、塩素が結合したもの。


塩の種類は大きく分けて3つ

市販されている塩には、主に次の3種類があります。

①食塩
②海塩
③岩塩


①食塩

スーパーやコンビニで見かけることが多い塩。塩化ナトリウムの純度が99%以上で、炭化マグネシウム約0.4%を合わせて作られたもの。

原材料は海水ですが、機械を使ってミネラルを取り除き、結晶化するため「精製塩」と呼ばれます。ミネラルをほぼ含まず塩化ナトリウムのみなので、栄養価は他の塩と比べると一番低い塩です。安い値段で売られているのも特徴です。

②海塩

海塩は、海水を汲み上げて天日干しにする方法と、海水を煮詰めて作る方法とがあります。塩化ナトリウムの純度は約80%。精製塩と異なり、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、ヨウ素などのミネラルが豊富であることが特徴。深みのある味。


③岩塩

岩塩は、もともとは海の水。大昔に地殻変動で陸地に閉じ込められた海水が結晶化し、その上に土砂が堆積して作られたと考えられています。 ミネラルは豊富ですが、不純物が混入していることもあります。ちなみに日本では、岩塩はみつかっていません。



塩の選び方とは?


発酵食品を手作りするメリットの一つが、原材料にこだわることが出来る点。私は塩も、できるだけカラダに良いものを使っています。では実際に、どのような基準で選べばいいのでしょうか?

結論から言うと、塩を買うときはパッケージに記載されている情報をみます。市販の塩は、原材料、原産地、製造方法、栄養成分等の細かな情報が記載されています。商品名やキャッチコピーよりも、成分表や製造方法などを参考にすることがオススメです。


①栄養成分表示をみて判断します

カラダに良い塩とは、ミネラルの割合が高いもの。成分表をみて、どのように判断したら良いのでしょうか?市販の塩の栄養成分表をみると、おおむね次のような感じでしょう。

栄養成分表示
100gあたり

熱量:0kcal
たんぱく質:0g
脂質:0g
炭水化物:0g
食塩相当量:99.0g

食塩は精製塩と呼ばれ、ミネラルをほぼ取り除いています。塩化ナトリウムが主成分でしたね。「食塩相当量」の数値が高いものほど、ミネラル分の割合が低い塩だということです。

ミネラルが含まれた塩の成分表示は、以下のようになっています。

添加物として塩化カリウムや炭酸マグネシウムなどを含む塩も多く存在するので、こちらにも注目するといいでしょう。


②製造方法を見て判断します

製法に「イオン膜」と書かれているのは、精製塩。イオン交換膜製塩法によりミネラルがほぼ取り除かれた、塩化ナトリウム99%以上の食塩です。製造方法が「天日」と書かれているものがミネラル分が残されたものになります。

公正マーク について

パッケージの表示が適切に行われていると承認されている商品には、公正マークが記載されています。その商品の信頼度をはかる上で一定の目安になりそうですね。

ちなみに私は「塩田に深層海水を入れ、天日で乾燥させて、さらに一年間熟成発酵させた塩」を、専門店から購入して使っています。通常の食塩が塩化ナトリウム99%以上なのに比べ、この塩は80%。残りの20%がミネラル成分なんです。

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まとめ


  • 発酵とは?
    微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。 発酵の過程で
    ①消化・吸収がよくなる
    ②栄養価が加わる
    ③うまみが加わる
    ④保存性がよくなる
  • ナトリウムの摂取基準 は?
    ・男性は7.5g未満(一食あたり2.5g)
    ・女性は6.5g未満(一食あたり2.2g)
  • 塩分を摂り過ぎると?
    高血圧、腎臓病、胃がんのリスクが高まる。
  • 塩分が排泄されないことが問題!!
    カリウムを摂る、腎臓の機能を低下させないなど、デトックス機能を高めることが大切。
  • 塩を入れる理由とは?
    ①腐敗しにくくするため
    ②発酵を促すため
  • 塩の種類は大きく3つ。
    ①食塩
    ②海塩
    ③岩塩
  • 塩の選び方とは?
    〇塩を買うときは、パッケージに記載されている情報(成分、製造方法)をみる。
    〇ミネラル含有量が高いものを選ぶ。
    〇公正マーク(パッケージの表示が適切に行われているという承認の証)の有無も確認する。



おわりに

今回は、塩をテーマにお伝えしましたが、いかがでしたか?健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。ところが、市販されている発酵食品は材料が遺伝子組み換えだったり、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いんです。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心。塩にこだわることも可能です。

元々、カラダに良い食材たち。それを発酵させることで得られるメリットは大きいです!!栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。まさに良いことづくめですね。

「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてください!!

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