簡単!手作り発酵食品レシピ『豆乳塩麴』の作り方。ヨーグルトメーカーを使って失敗知らず!!
健康への意識が高まり、発酵食品が注目されています。私のまわりでも「味噌や塩麴を手作りしたい!」という声が聞かれるようになりました。ご紹介するのは、豆乳塩麴。通常は水で仕込むのですが、そのかわりに豆乳を使います。よりまろやかでクリーミーに仕上がるんです。
豆乳の栄養価を得られるのも嬉しいですね。発酵食品を作るのはハードルが高そうに見えますが、シンプルで簡単。ぜひ作ってみてください!!
さて今回は、ヨーグルトメーカーに注目してみましょう。ヨーグルトメーカーを使うと常温で発酵させるよりも時短になるうえ、失敗しにくいんです。機能などについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
ヨーグルトメーカーを使った『豆乳塩麴』の作り方
早速『豆乳塩麴』の作り方をご紹介します。手順は次の3ステップ。とてもシンプルです!!
〇塩切麹を作り
〇豆乳を加えて
〇発酵させるだけ!!
【材料】
〇豆乳 300ml
無調整のもの
〇米麹 150g
〇塩 60g
【準備するもの】
〇ボウル
〇ヨーグルトメーカー
〇スプーン
〇保存容器
(ふたがしっかり閉まるもの)
【作り方】
①塩切米麹をつくる
〇米麹と塩を計る
〇米麹に塩を加えて手で混ぜる
〇塩切米麹をヨーグルトメーカーの専用容器に移す
常在菌を活かすため、ぜひ手で混ぜましょう。塩がボウルの下に溜まりやすいので、均一になるまでよく混ぜ合わせてください。
ヨーグルトメーカーを使わない場合は、あらかじめ煮沸消毒した保存容器に移します。
米麹と塩を計ります。
塩はミネラル分を多く含むあら塩を使用しています。材料にこだわれるのは手作りの良いところ。
米麹に塩を加えます。
塩は混ざりにくく、ボウルの底に残りやすいです。均一になるようにしっかり混ぜ合わせましょう。常在菌を活かすため、手で混ぜることをオススメします。
塩切米麹をヨーグルトメーカーの専用容器に移します。ヨーグルトメーカーを使わずに常温で発酵させる場合は、あらかじめ煮沸消毒した保存容器に移します。
②温めた豆乳を加える
〇豆乳を計る
〇豆乳を40度に温める
〇塩切米麹に豆乳を加える
〇よく混ぜ合わせる
豆乳を耐熱容器に入れ、電子レンジで40度に温めます。電磁波が気になる方は、お鍋で温めましょう。塩切米麹と豆乳が均一に混ざり合っていないと発酵しずらくなります。しっかりと混ぜてください。
豆乳は無調整のものを使います。
豆乳を耐熱容器に移して…
40度に温めます。電子レンジでも。お鍋で火にかけても。
40度に温めた豆乳を塩切米麹に加えます。
豆乳をすべて入れたら…
よく混ぜます。均一に混ざっていないと、発酵が進まないことがあります。
②発酵させる
〇容器にフタをする
〇ヨーグルトメーカーにセットする
〇60度6時間で設定してスイッチオン
ヨーグルトメーカーを使わない場合は、ふたをした保存容器を直射日光の当たらない常温に置きます。一日一回かき混ぜてください。3日~1週間くらいでできあがります。
適温は25~27℃。季節やご家庭の環境によって室温は様々なので、発酵時間が異なります。途中で味をみながら出来上がりをみてください。麹の甘みとクリーミーな風味が出ていたら完成です。
混ぜたらフタをして…
ヨーグルトメーカーにセットします。
「60℃、6時間」に設定してスイッチを入れます。あとは出来上がりを待つだけです。
保存について
できあがったら、あらかじめ熱湯消毒をした保存容器に移します。プラスチック製のものは細かな傷から雑菌が入りやすいので、ガラス製がオススメです。
保存容器に移したら、冷蔵庫で保存してください。「約一週間で使い切りましょう」と言われていますが、私の経験ではもう少し長い間保存が可能です。ただし保存状態によります。次のような違和感を感じたときは雑菌が混入している可能性が高いので、口にせず廃棄してください。
〇悪臭がする
〇明らかに変な味がする
ちゃんと判断できるかどうか、不安に思う方もいらっしゃると思います。私の経験からいくと、腐敗している場合にはかなりの悪臭を放ちます。
発酵とは?
発酵とは?
まずは『発酵』について簡単に説明しましょう。発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。発酵の過程で得られるメリットは次の通りです。
①消化・吸収がよくなる
②栄養価が加わる
③うまみが加わる
④保存性がよくなる
①消化・吸収がよくなる
微生物が生成した酵素は、栄養素を分解します。ある程度分解された状態で摂取されるため、体内での消化・吸収がしやすくなります。
②うまみが加わる
酵素で分解生成されたさまざまな成分は、香りや味を出し、もともとの食材を変身させます。
③栄養価が加わる
食品は発酵させることで栄養価がアップします。 微生物によって食材のデンプンやたんぱく質等の栄養素が分解されることもメリットのひとつ。栄養をスムーズに取り込むことができます。
④保存性がよくなる
本物の発酵食品は、理論上では「腐らない」と言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。
発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!
発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。
ヨーグルトメーカーはなぜ便利なの?
ヨーグルトメーカーを使うと、発酵食品が簡単に作れます。それは、なぜなのでしょうか?答えは簡単。スイッチひとつで、発酵に適した一定の温度を保ってくれるからなんです。
なぜヨーグルトメーカーを使うの?
ヨーグルトメーカーは、材料を混ぜ合わせて、発酵させる過程で使います。発酵食品をつくる際、温度管理がなによりも大切です。その理由は、発酵には、適温があるから!!麹菌には最も活動しやすい温度があるので、発酵中はそれを保つことが必要です。
ところが実際には、一定の温度をキープし続けるのは難しいですよね。その点ヨーグルトメーカーがあれば、つねに一定の状態に保って、理想的な発酵食品に仕上げてくれます。適した温度と時間をセットして、スイッチを押すだけ。オートで仕上げてくれるから、らくちんです!!
麹菌の適温は?
豆乳塩麴を作るときは50~60度を保って発酵させますが、これは発酵を促進するために最適な温度が60度前後だからです。一方、麹菌の増殖に適した温度は25~30度。繁殖が止まるのは45度、そして50度前後で死滅します。なんだか矛盾を感じませんか?
50~60度では麹菌そのものは生きていくことができません。発酵とは、麹菌が発酵の過程で作り出す酵素の働きを利用したものなんです。
いわゆる『死菌』にも役割があります!!
「生きた菌を腸に届けたい」と考える方が多いのですが、麹菌を口から摂取した場合、胃酸で溶けると言われています。
そもそも発酵食品が体に良いのは「発酵の過程で有益な成分が生成されていたり、消化しにくい物質が消化されやすくなるから」。生きた菌が腸に届かなくても、ちゃんと効果・効能を得ています。
しかも死菌は、腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にします。さらに免疫を高める効果も。死菌にもちゃんと役割がありますので、さほど気にする必要はありません。
酵素の適温は?
麹菌が作り出す酵素。多くの酵素は60~70度で失活します。活動が止まると有機物を分解してくれなくなるので発酵が進みません。逆に50度以下でも、酵素の働きは鈍くなってしまいます。
酵素が活発に活動する温度は50~60度。つまり温度が高すぎても低すぎても、NGだということ。「じょうずに発酵してくれなかった…」という方は、この温度調整に失敗したからなんです。
ヨーグルトメーカーってどんなもの?
便利なヨーグルトメーカー。購入を検討されている方のために、どのような特徴があるのかをご紹介しましょう。
〇温度設定ができる
〇タイマー機能がある
〇手ごろなお値段で買える
〇コンパクトサイズである
〇ヨーグルト以外の発酵食品も作ることができる
温度設定ができる
ヨーグルトメーカーは、メーカーや機種にも寄りますが、大体25~70度に温度設定ができます。発酵させる食品によって、最適な温度が異なるうえ、菌によっては温度によって死滅してしまうので、温度設定はかなり重要。
炊飯器の保温機能を使うという手もありますが、最高で74度まであがってしまうことがあるので、一定の温度を保ち続けることがなかなか難しいんです。
※メーカーごとに若干異なりますので、お持ちの炊飯器の説明書をご確認ください。
タイマー設定ができる
タイマー設定ができると、発酵に必要な時間保温し続けることができ、しかも自分のスケジュールに合わせてできあがりの時間を決められるので、便利ですね。
手ごろなお値段で買える
ヨーグルトメーカーのお値段は、だいたい2500円~10000円。実店舗でも、ネットショップでも購入可能です。
コンパクトサイズである
ヨーグルトメーカーはそんなに大きいものではないので、置き場所はとりません。
ヨーグルト以外の発酵食品も作ることができる
ヨーグルトのほかにも、甘酒、発酵玉ねぎ、お味噌など様々な発酵食品を作ることができます。
その他
牛乳パックごとセットできるものがほとんどです。納豆を作るときなど、牛乳パックを使うとそのまま捨てることができるので、らくちんです。
まとめ
- 『豆乳塩麴』の作り方
〇塩切米麹を作り
〇豆乳を加えて
〇発酵させるだけ!! - 発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。 発酵の過程で
①消化・吸収がよくなる
②栄養価が加わる
③うまみが加わる
④保存性がよくなる - ヨーグルトメーカーはなぜ便利なの?
菌によって発酵に適した温度がある。ヨーグルトメーカーが便利な理由は、発酵に適した温度をスイッチ1つでキープしてくれるから。 - ヨーグルトメーカーってどんなもの?
〇温度設定ができる。
〇タイマー機能がある。
〇手ごろなお値段で買える。
〇コンパクトサイズである。
〇ヨーグルト以外の発酵食品も作ることができる。
おわりに
健康に対する意識が高まるなか、注目されているのが発酵食品。メディアや書店で「発酵」という文字を目にすることが多くなり、意識的に日々の食事に摂り入れるご家庭が増えています。
なかでも塩麴は、とり入れやすい調味料。スーパーでも見かけますし、簡単に作ることもできます。私は塩の代わりに日常使いしています。お肉を漬けておくと味がしみ込むだけでなく、酵素のチカラでとても柔らかくなるんです。
さて、今回は水の代わりに豆乳を使って発酵させる「豆乳塩麴」をご紹介しました。一般的な塩麴よりもクリーミーで、チーズのような風味になります。
タンパク質やイソフラボンなど、大豆の栄養素が加わることも魅力的。発酵食品を手作りするのは一見ハードルが高そうですが、ポイントさえおさえれば簡単です。ぜひ作ってみてくださいね!
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