簡単!発酵食品の手作りレシピ『ゴーヤのピクルス』砂糖はカラダに悪いの?甘味料の種類と選び方もご紹介します!!

今回は、発酵食品である酢を使ったピクルスと酢を使わずに乳酸発酵させて作るピクルス、2種類のレシピをご紹介しましょう。簡単にできるうえ日持ちもするので、ぜひ作ってみてください!!

知り合いの農家さんからゴーヤをたくさんいただいたのですが、チャンプルーにしても、その苦みが得意ではなくて。ピクルスも確かに苦いのですが、不思議と癖になる味なんです。

酢を使ったピクルスは、砂糖を使用します。一方、酢を使わずに乳酸発酵させて作るピクルスは砂糖を使いません。「砂糖はカラダに悪そう…」というお声をよくいただきます。その理由は何でしょうか?

そして、砂糖の他にも甘味料は色々あります。カラダへの影響や栄養価の違い、金額…それぞれ、一長一短なんです。今回は「砂糖」についてお伝えします。



『ゴーヤのピクルス』の作り方2パターン


今回は、次の2バージョンのレシピをご紹介します。

①酢を使って作るピクルス
②酢を使わずに乳酸発酵させて作るピクルス

ピクルスと言えば、①の方法がメジャーですね。お酢は、発酵食品。カラダに良い影響をもたらすことは良く知られています。

②は、酢を使わずに水と塩で乳酸発酵させて酸味を出します。本来のピクルスは、こちらの方法で作られていたそうです。

①は、酢の酸味をやわらげるために砂糖を使用します。砂糖を使いたくないという方には、②の方法がオススメ。

味については、②の方が自然な酸味です。それぞれの好みに分かれると思いますので、ぜひ両方作って食べ比べてみてください。ざっくりとした手順は次の2ステップ。

〇下処理したゴーヤをカットして
〇ピクルス液に漬けるだけ!!

詳しいレシピはこちらから↓↓

『簡単!発酵食品の手作りレシピ『ゴーヤのピクルス』の作り方。「酢を使う方法&使わずに乳酸発酵させる方法」の2バージョンをご紹介します!!』


ゴーヤのピクルスを手作りすることのメリットとは?

『ゴーヤのピクルス』を作るメリットって何でしょう?私は次の3つだと思っています。

①安心&安全である
②発酵させることで、栄養価が高まる
③おいしい!!


①安心&安全である

市販の商品は、材料が遺伝子組み換えだったり、添加物が入っていたりするものが多いです。その点、手作りだと原材料にこだわれるうえ、製造過程が目に見えるので、安心していただくことができます。


②得られる効果・効能が高まる

②については、ゴーヤの栄養価にプラスして、発酵させることによって得られる効果・効能が高まります。発酵の過程で増える栄養素や酵素のチカラが加わるからなんです。


③保存性がよくなる

本物の発酵食品は、理論上では「腐らない」と言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。

発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!

発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。


④おいしい!!

そして、何よりもコクや旨味があって本当においしいんです!!発酵の過程でグルタミン酸が増し、うまみ成分が加わることがその理由です。

『発酵』ってなに?

発酵とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2022-07-31-12-28-00-270.jpg



『ゴーヤのピクルス』2パターンの材料は?


酢を使うバージョン

①ゴーヤ 1~2本
(大きさによって)

②ピクルス液
〇酢 200㏄
〇砂糖 大さじ5
〇塩 小さじ2
〇にんにく 1かけ
〇鷹の爪 1本
〇水 200㏄

酢を使わずに乳酸発酵させるバージョン

①ゴーヤ 1~2本
(大きさによって)

②ピクルス液
〇水 500㏄
〇塩 15g(大さじ1)
〇にんにく 1かけ
〇鷹の爪 1本

酢を使ったピクルスは、大さじ5杯分の砂糖を使用します。75gですね。一方、酢を使わずに乳酸発酵させて作るピクルスは砂糖を使いません。



砂糖はカラダに悪いの?



一般的に、砂糖は良いイメージがありません。過剰摂取はカラダや脳に影響を与えると言われているからです。どのようなデメリットがあるのか、みてみましょう。

①肥満(体重、体脂肪の増加)
②血糖値を上昇させる
③虫歯の原因となる
④身体のビタミンやミネラルを奪う
⑤腸内環境を悪化させる
⑥依存性がある

① 肥満(体重、体脂肪の増加)
肥満は、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の要因となります。これらが悪化すると、動脈硬化につながります。

②血糖値を上昇させる
血糖値が急上昇するとインスリンが大量に放出されてブドウ糖が脂肪に変わり、蓄積されます。また、血液が濃くなって脱水状態になります。さらに糖尿病や心筋梗塞、肝硬変といった病気にかかりやすくなります。

③虫歯の原因となる
虫歯菌は、砂糖を栄養源として増殖します。

④身体のビタミンやミネラルを奪う
砂糖を消化するためには大量の ビタミンB群やカルシウムを使います。それらの栄養素が不足すると、精神不安定になったり、疲労感を感じたり、集中力が欠けたりと、メンタル面に大きな影響を及ぼすと言われています。

⑤腸内環境を悪化させる
腸内環境を整えることで得られるメリットはたくさんあります。免疫細胞の7割が腸で作られるため、免疫力向上と密接な関係があります。美肌やダイエット効果、精神的安定にも大きな影響を及ぼします。

⑥依存性がある
砂糖は「マイルドドラッグ」と呼ばれ、薬物やアルコール並の中毒性・依存性があるといわれています。その理由は2つあります。

砂糖を過剰摂取するとインスリンが大量に分泌されて低血糖状態となり、空腹感を感じます。お腹が空いているわけでもないのに繰り返し砂糖(甘いもの)を食べたくなるんです。

また、砂糖は幸福感や癒やしを感じさせるドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなど脳内神経伝達物質の分泌を促します。「糖質を食べると、幸せが感じられる」という快感を脳が感じ続けることで、クセになってしまいます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 3132664_s.jpg



砂糖の摂取量って?


WHO(世界保健機関)は、1日の砂糖摂取量の目安について次のように提唱しています(2015年3月)。

「1日に摂る総エネルギー量の5%未満に抑えるべき」

具体的には、平均的な成人で25グラム程度(ティースプーン6杯分、 スティックシュガー8本分 )です。ふだんのお料理に入れる砂糖、お菓子やスイーツ。

それだけでなく、市販されている食品には砂糖が使われているものがたくさんあります。「こんなものにも?」という意外な商品に入っていることも。あっという間に過剰摂取になってしまうので、ふだんから意識することが大切なんです。

「無糖」「ノンシュガー」は無糖ではない?

実は、100グラムあたりに含まれる糖分が0.5グラム未満であれば、「無糖」「ノンシュガー」と表示することができます。安心して食べすぎると知らない間に過剰摂取になってしまうので、注意しましょう!!



どの甘味料を選んだらいいの?


甘味料の種類

〇黒砂糖
サトウキビが原材料の糖類。未精製の含有糖。

てんさい糖
てんさいという植物を加工して作られたもの。

〇メープルシロップ
サトウカエデなどの樹液を濃縮した甘味料。

〇きび砂糖
製造方法が上白糖とは異なり、精製途中の糖液をそのまま煮詰めて作られたもの。上白糖と比べると精製度が低いです。

「きび砂糖」は商品名
実は砂糖の種類ではなく、商品名。最近は同じような製法の砂糖を「きび砂糖」と呼んでいることが多いようです。

〇上白糖(白砂糖)
精製の過程で、甘み成分であるショ糖以外の成分を徹底的に取り除き、遠心分離器にかけてショ糖の結晶を取り出したもの。

〇はちみつ
みつばちが採取した花の蜜を採取した天然の甘味料。純粋はちみつ、果糖はちみつ(水あめなどの甘味料が足されたもの)、精製はちみつ(タンパク質やビタミン・ミネラル類を特殊な膜により除去したもの)があります。純粋はちみつの中でも、加工してある製品もあるので注意が必要です。

〇アガベシロップ
ブルーアガベという多肉植物の樹液からとれる甘味料。GI値や糖質量が低い点、砂糖の1.3倍の甘さがあるため使用量が少なくて済むという点でメリットがあります。一方、果糖の割合が高いので摂り過ぎには注意が必要です。

〇ラカント
ウリ科の植物「羅漢果(ラカンカ)」の高純度エキスと、トウモロコシ由来のブドウ糖を発酵してつくられる天然甘味成分「エリスリトール」、2つの天然素材からつくられた自然派甘味料です。


気になるカロリー値は?

甘味料のカロリー値(100gあたり)は次の通りです。ラカントは0kcal。それ以外でもっとも低いのはメープルシロップ、次いではちみつ、アガベシロップ。そして黒砂糖ですが、ここから以下にほぼ違いはありません。

黒砂糖 354kcal
てんさい糖 390kcal
メープルシロップ 257kcal
きび砂糖 396kcal
上白糖 384kcal

はちみつ 294kcal
アガベシロップ 310kcal
ラカント 0kcal


気になる糖質量は?

甘味料の糖質量(100gあたり)は次の通りです。ラカントが0g(99.8g)※。それ以外でもっとも低いのはメープルシロップ、次いでアガベシロップ。そしてはちみつ、てんさい糖と続きます。

黒砂糖 89.7g
てんさい糖 88.6g
メープルシロップ 66.3g
きび砂糖 98.8g
上白糖 99.3g

はちみつ 81.9g
アガベシロップ 68g
ラカント 0g(99.8g)

ラカントの糖質量については、以下のように説明されていました。

糖質99.8gですが、これはほぼエリスリトールの数値。 エリスリトールは、摂取量の90%以上がそのまま小腸で吸収された後、速やかに尿中へ排泄されることが明らかになっています。そのためロカボ糖質(利用可能炭水化物を基に算出)0gと表記されます。

SARAYAホームページhttps://www.lakanto.jp/


気になるGI値は?

甘味料のGI値は次の通りです。ラカントが0。それ以外でもっとも低いのはアガベシロップ。次いでローハニー(ふつうの百家蜜などは数値が高いです)。そして、てんさい糖、和三盆、メープルシロップと続きます。

黒砂糖 99
てんさい糖 65
メープルシロップ 68
きび砂糖 100
上白糖 109

はちみつ  28~87(ローハニーは数値が低い)
アガベシロップ 19
ラカント 0

GI値とは?

食後の血糖値上昇を示す値。目安としては以下の通りです。低い方が良いとされています。
〇高GI値 70以上
〇中GI値 56〜69
〇低GI値 55以下


気になる栄養は?

糖類(砂糖)の中で最も栄養価が高いのは、未精製の黒砂糖です。きび砂糖は、てんさい糖よりもミネラル分が多いです。そのかわりに、てんさい糖はオリゴ糖が含まれているのが大きな特徴です。

上白糖(白砂糖)は精製してショ糖を結晶化したものなので、ミネラルなどの栄養成分をほぼ含んでいません。メープルシロップは、ミネラルを豊富に含んでいます。トータル的に栄養価が高いのは、はちみつです。

〇黒砂糖
ミネラル(カリウム・カルシウム・鉄分・リンなど)を豊富に含んでいます。、ビタミン(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6など)を含んでいます。

〇てんさい糖
オリゴ糖を含んでいるのが大きな特徴。ミネラル(カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛など)も含みますが、黒糖に比べると少量です。

オリゴ糖のはたらきは…
腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えます。

〇メープルシロップ
ミネラル(マグネシウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、カリウムなど)を多く含んでいます。

〇きび砂糖
ミネラル(カリウム、カルシウム、リンなど)を含みます。


〇上白糖(白砂糖)
上白糖は、甘み成分であるショ糖を結晶化したもの。精製の過程で、ショ糖とそれ以外の成分とを分離しているため、ミネラルなどの栄養素をほとんど含んでいません。

〇はちみつ 
栄養価が高く、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、ポリフェノール、グルコン酸、オリゴ糖、ポリフェノールなど、150種類以上の栄養成分がバランスよく含まれています。

〇アガベシロップ
ミネラル(カリウム、リン)、ビタミンE、ビタミンKを含んでいます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 23726618_s.jpg



まとめ


  • 砂糖の摂取量って?
    1日に摂る総エネルギー量の5%未満に抑える
  • カロリー値
    低いのはラカントで0kcal
    次いでメープルシロップ、はちみつ、アガベシロップ
  • 糖質量
    低いのはラカントで0g
    次いでメープルシロップ、アガベシロップ、はちみつ、てんさい糖
  • GI値
    低いのは ラカントで0
    次いでアガベシロップ、ローハニー(ふつうの百家蜜などは数値が高いです)、てんさい糖、和三盆、メープルシロップ
  • 栄養価
    〇糖類(砂糖)の中で最も栄養価が高いのは、未精製の黒砂糖。
    〇きび砂糖は、てんさい糖よりもミネラル分が多い。
    〇てんさい糖はオリゴ糖が含まれているのが大きな特徴。
    〇上白糖(白砂糖)はミネラルなどの栄養成分をほぼ含んでいない。
    〇メープルシロップは、ミネラルを豊富に含んでいる。
    〇トータル的に栄養価が高いのは、はちみつ。



おわりに


健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。ところが、市販されている発酵食品は材料が遺伝子組み換えだったり、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いんです。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心。

たくさんいただいたゴーヤ。チャンプルーにしても、その苦みが得意ではなくて。ピクルスも確かに苦いのですが、不思議と癖になる味なんです!!

ゴーヤはたくさんの栄養が詰まったお野菜。発酵食品にすることで、さらにその効果が倍増します。カラダに良くて、しかもおいしいなんて嬉しい限りですね。

「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてくださいね!!

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。