糖質制限②ダイエットに効く?よくない?糖質制限の8つのポイントとは?

ダイエットを目的として糖質制限が流行りました。なかには完全に炭水化物をカットする方がいて、徐々に問題視されるようになってきました。

私たち人間にとって、生命維持のためのエネルギー源は三大栄養素。そのうち糖質が主となります。過度な糖質制限は、ダイエット効果が得られないばかりか、健康維持にも問題を起こします。

かといって、糖質の摂り過ぎもいけません。摂取基準量や糖質制限を行う際のポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

糖質は摂るべき?控えるべき?


糖質を摂り過ぎると太ります!!

「糖質を摂ると太る」と言われて、少し前に糖質制限ダイエットが流行りました。なぜこのように言われるのでしょうか?その答えは、過剰に糖質を摂ると中性脂肪として体内に蓄えられるから。

糖質は、消化・吸収の過程でブドウ糖や果糖などの単糖類に分解されてカラダのエネルギー源となります。体内にグリコーゲンとして貯蔵されますが、使いきれなかった場合は体脂肪として蓄えられます。


糖質不足は危険です!!

糖質の摂り過ぎは肥満につながりますが、かといって極端に減らしてしまうと、以下のような症状を引き起こしてしまいます。

①脳がエネルギー不足になる
②水分不足になる
③リバウンドしやすくなる
④口臭や体臭が強くなる

特に、脳のエネルギー源となるのは三大栄養素の中でも糖質だけなので、 過度な糖質制限をすると脳はエネルギー不足となって、次のような状態に。メンタルとも大きく関わっているのです。

〇集中力が低下する
〇思考力が低下する
〇判断力が低下する
〇注意力が散漫になる
〇疲労感や倦怠感が起こる
〇無気力になる
〇落ち込みやすくなる


糖質は身体のエネルギー源

糖質は、脂質、タンパク質と並ぶ三大栄養素の一つで、主な働きは身体を動かすためのエネルギー源。脂質やタンパク質も同じ働きをしますが、まず使われるのが糖質です。また、脳のエネルギー源は糖質のみという特徴もあります。

詳しくは、『糖質制限ダイエットは痩せない?リバウンドする?デメリットって?正しいやり方とは?』をお読みください。

 

糖質は一日何グラム?


糖質は摂り過ぎると肥満の原因となり、摂らなさすぎると心身の健康に悪影響を及ぼします。健康を維持するためには、適量を知ることが大切です。


炭水化物の食事摂取基準とは?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、 炭水化物の1日の摂取基準量は年齢や性別を問わず、1日に食事から摂取するエネルギー(㎉)の50~65%に相当する量とされています。

言い換えると、「食事全体のエネルギー量の約半分を炭水化物で摂る」ということです。エネルギー必要量から炭水化物の1日の摂取基準量を割り出すことができます。 身体活動レベルが「ふつう」 の場合の日本人の推定エネルギー必要量(kcal/日)は以下の通りです。

年齢男性(kcal/日)女性(kcal/日)
18~29(歳)2,6502,000
30~49(歳)2,7002,050
50~64(歳)2,6001,950
65~74(歳)2,4001,850
75以上(歳)2,1001,650

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)より


一日の摂取エネルギーが2000kcalの場合…

例えば、1日に摂取するエネルギーが2000kcalの場合、摂取するべき炭水化物はどのくらいの量でしょうか?

2000kcal ×0.5=1000kcal
2000kcal×0.65=1300kcal

炭水化物は1gが約4kcalなので

1000kcal÷4kcal=250g
1300kcal÷4kcal=325g

つまり、一日当たり摂取するべき炭水化物の量は、250g~325gということになります。


糖質が多く含まれる食材って?

糖質が含まれる主な食品は以下の通りです。

〇穀類
・白米、もち
・パン
・麺類(ラーメン、パスタ、うどん、そば、そうめん)
・粉物(お好み焼き・たこ焼きなど)

〇いも、でんぷん類
・いも(ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、山芋)
・こんにゃく
・片栗粉

〇野菜、果物類
・野菜(かぼちゃ、とうもろこし、玉ねぎ、レンコンなど)
・果物(りんご、なし、柿、バナナ、桃、すいかなど)

〇菓子類
・甘いおやつ(どらやき、ケーキ、カステラ、アイス、クッキーなど)
・スナック菓子(ポテトチップスなど)

〇飲み物
炭酸飲料、ジュース、加糖のコーヒーや紅茶やココアなど

いわゆる主食は、糖質量が高めです。ごはん茶碗1杯(150g)で約55g、食パン6枚切り1枚で(60g)約29g、うどん一玉で(250g)で約52g、パスタ(80g)で約57g、そうめん2束(100g)で約70g。

いも類は、さつまいもとじゃがいもが高め。さつまいも中1/2個(100g)で約30g、じゃがいも小1個で約16g。野菜類は、根菜が高めです。かぼちゃ1/8個(120g)で約20g、れんこん一節(120g)で約16g、玉ねぎ中1個(180g)で約13g。

果物は、りんご1個(250g)で約35g、なし1個(250g)で 約26g、 柿1個(180g)で約26g、バナナ1本(100g)で約21g。

嗜好品である菓子類や甘い飲み物、スナック菓子は、糖質量が高いです。どら焼き1個(100g)約55g、ケーキ1個(100g)約43g、カステラ一切(50g)約31g、ポテトチップス一袋(60g)約30g。



糖質制限の8つのポイント


実際に、糖質制限をする上でのポイントをみていきましょう。

①極端に糖質を減らさない
②栄養バランスをとる
③低GI値食品を選ぶ
④食べ方を工夫する
⑤こまめに水分補給をする
⑥適度な運動をする
⑦リバウンドしないようにする
⑧糖質制限を行ってはいけない人って?


①極端に糖質を減らさない

ダイエットに効果があるからと、糖質をゼロにする方がいらっしゃいます。先ほどお伝えした通り、過度な糖質制限は、心身の健康に悪影響を及ぼします。逆に摂り過ぎは肥満につながりますので、ご自身の必要量を知って適量を摂るようにしましょう。

糖質制限を行うならば、主食としての糖質よりも、嗜好品としての糖質をカットしましょう。 先ほど挙げた甘いおやつ(どらやき、ケーキ、カステラ、アイス、クッキーなど)やスナック菓子(ポテトチップスなど)などの菓子類、
炭酸飲料、ジュース、加糖のコーヒーや紅茶やココアなどの甘い飲み物を減らすことから始めることをおすすめします。

②栄養バランスをとる

糖質をカットすると栄養バランスが崩れる方が多く、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しやすくなるので気をつけましょう。

〇ビタミンB1を一緒に摂る

ビタミン B1 は、糖質の代謝に関わっています。つまり、 ビタミン B1 が不足すると糖がエネルギーに変換されにくくなり、余った分が脂肪として蓄積されることに。豚肉やレバーなど、ビタミンB1が豊富に含まれている食品を一緒に摂ると良いでしょう。

〇食物繊維を摂る

炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものなので、糖質制限を始めると食物繊維が不足するケースが増えます。特に全く炭水化物を食べないという方は要注意。食物繊維が不足すると便秘がちになって腸内環境が悪化し、肌荒れや痩せにくさにつながってしまうからです。

食物繊維は、満腹感を促進したり、糖質の消化・吸収を穏やかにするという働きも。野菜、果物、きのこ、海藻類、 全粒穀物などに多く含まれています。 


③低GI値食品を選ぶ

GI値とは、食後の血糖値上昇を示す値。低GI食品は血糖値の急激な上昇が起こりにくいとされています。

〇高GI値 70以上
〇中GI値 56〜69
〇低GI値 55以下

参考までに、主なGI値は以下の通りです。

ごはん 84
食パン 91
うどん 80
パスタ 65
そば  59
さつまいも 55

血糖値があがるとなぜ太るの?

食事で糖質を摂ると血糖値が上がり、膵臓から血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。 実は、このインスリンには血中の糖分を脂肪に換えて体にため込む働きが。 

血糖値が緩やかに上昇するのであれば問題ありませんが、急激に上昇するとインスリンは過剰に分泌され、脂肪をため込みやすくなってしまいます。

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さらに、いったん上がった血糖値が再度下がる時に空腹を感じます。この時、どうしても甘いものが食べたくなってしまうんです。これも肥満につながる原因となります。


④食べ方を工夫する

〇糖質を摂る前に食物繊維を摂る
〇よく噛んで食べる
〇 主食・主菜・副菜をそろえる
〇食べる順番に配慮する

食物繊維は、満腹感を促進したり、糖質の消化・吸収を穏やかにするという働きがあるため、まず最初に摂ることをおすすめします。


④こまめに水分補給をする

身体の中に取り込まれた糖質は、1gあたり3gの水分が結びついています。糖質制限を行うと、糖質量と共に結びついている水分量も減ってしまいます。水分不足になることがあるので、意識して摂るようにしましょう。


⑤適度な運動をする

過度な糖質制限を続けていると、筋肉量が落ちることがあります。筋肉量が減少すると、基礎代謝が下がってしまいます。適度な運動をして筋肉量を維持することが大切です。


⑥リバウンドしないようにする

過度な糖質制限ダイエットが成功したからと言って、ダイエット前の食生活に戻したところ、リバウンドしてしまったという方が大勢います。リバウンドを避けるため、次の点に留意しましょう。

〇適度な運動をすること
〇少しずつ摂取カロリーを調整すること


糖質制限をしてはならない人って?

糖質制限を控えた方が良い人がいます。次に当てはまる方は注意が必要です。

〇血糖値を下げる薬を飲んでいる人
〇インスリン注射をしている人
〇腎臓や肝臓などに疾患のある人



まとめ

■ 「糖質を摂ると太る」と言われる理由とは?
過剰に糖質を摂ると中性脂肪として体内に蓄えられるから
■糖質を摂らないと…
①脳がエネルギー不足になる
②水分不足になる
③リバウンドしやすくなる
④口臭や体臭が強くなる
■脳がエネルギー不足になると?
〇集中力が低下する
〇思考力が低下する
〇判断力が低下する
〇注意力が散漫になる
〇疲労感や倦怠感が起こる
〇無気力になる
〇落ち込みやすくなる
■糖質は…
〇最初にエネルギーとして使われるのは糖質
〇即効性が高いエネルギー源
〇脳や神経系のエネルギーとなるのは糖質のみ
■炭水化物の食事摂取基準とは?
1日に食事から摂取するエネルギー(㎉)の50~65%
■糖質制限の際の8つのポイント
①極端に糖質を減らさない
②栄養バランスをとる
③低GI値食品を選ぶ
④食べ方を工夫する
⑤こまめに水分補給をする
⑥適度な運動をする
⑦リバウンドしないようにする
⑧糖質制限を行ってはいけない人って?



おわりに


糖質制限ダイエットが流行り、一時期全く炭水化物を摂らない方がいらっしゃいました。最近では、過度な糖質制限はかえって体調を崩したり、メンタルが落ちてしまったり、リバウンドしてしまう可能性も高いため、控えた方が良いという意見が主流になっています。

一方、糖質を摂り過ぎると当然肥満につながります。正しい知識を得てから行う必要があるのです。今回は具体的な糖質制限のポイントについてまとめましたので、そちらもぜひ参考にしてくださいね。

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