腸と血の深い関係とは?血行不良の原因はドロドロの血液!腸の健康が大きく関わっているんです!!
生活習慣の乱れやストレスなどから血の巡りが悪くなり、不調や病気につながるケースが増えています。カラダにとって重要な役割を担っている血液。血行不良になるにはいくつかの原因がありますが、そのひとつがドロドロの血。
サラサラの血を作るには、腸の健康が大きく関わっていることをご存知ですか?今回は、腸と血の関係についてお伝えします。
この記事の目次
- 1.血行が悪いとどうなるの?
- 2.腸と血液との関係とは?
- 3.腸が整っている状態って?
- 4.腸を整えるには?
- 5.発酵食品を効果的にとり入れましょう!!
- 6.まとめ
- 7.おわりに
血行が悪いとどうなるの?
血液の働きとは?
血液は、血管を流れる体液のこと。私たちの体内には血管が張り巡らされ、全身に血が送られています。 血液には次のような働きがあります。
〇全身の細胞に栄養分を届ける
〇全身の細胞に酸素を届ける
〇老廃物を運び出す
〇二酸化炭素を運び出す
〇細菌やウイルスからの感染を防ぐ
〇体温を調節する
血行が悪くなると?
血行循環がうまくいかないと、栄養分がカラダの隅々まで行き渡らなくなるうえ、老廃物が排出されずに蓄積されてしまいます。また、温かい血液が流れないことで体温が下がります。
その結果、健康や美容に悪影響を及ぼすんです。血行が悪くなることで次のような不調が引き起こされてしまいます。
①冷え症
②むくみ
③肩こり・腰痛・関節痛
④婦人科系の不調
⑤虚血性疾患
虚血とは、カラダの組織や細胞に必要量の血液が供給されない状態。虚血が起こる臓器によって症状は様々であり、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などが代表的です。
動脈硬化や血栓などで血管が狭くなったり詰まったりして起こります。酸素の供給が止まると、心臓で3時間、 脳であれば4分という短時間で細胞が酸欠によって壊死します。脳梗塞や心筋梗塞を重症化すると命にかかわるので注意が必要なんです。
「血液」の役割などについてはこちらの記事でさらに詳しく説明しているので、ぜひご覧ください↓↓
簡単にわかる血の話。健康に悪影響を及ぼす血行不良。血液の役割とは?なぜ血の巡りが悪くなるの?血流改善のために大切なこととは?
腸と血液との関係とは?
腸内環境が悪化すると血が汚れるのはなぜ?
腸の働きは、口から取り入れた食べ物の栄養を吸収して血液中に取り込むこと。腸で吸収された栄養成分は、血液によって肝臓を経由して心臓に送られ、全身の細胞へ届けられます。
悪玉菌が多い腸では、血液がドロドロになると言われています。 腸内環境が悪化すると、血液中に有害物質や有毒ガスを取り込んでしまうんです。肝臓で解毒しきれないと、汚れた血が全身に流れることになります。
きれいな血液を作り出す「浄血」は、腸の働きのひとつです。
腸造血説って?
「腸造血」という言葉を聞いたことがありますか?通常血液は骨髄の造血幹細胞から作られるというのが現代医学の常識ですが、腸でも生成されるという学説。
元岐阜大学教授の故・千島喜久男博士が1963年から提唱して、真偽が問われています。2018年、米コロンビア大学の研究チームが移植された患者の腸にドナーの造血幹細胞が存在することを突き止め、発表しました。
これが定説になると、さらに腸と血液が密接な関係であることになりますね。
腸が整っている状態って?
腸と細菌
私たちの腸内には、体内に棲む細菌の9割が生息していると言われています。 その数はなんと約100兆~1000兆個。重さにして約1㎏~2㎏にもなるんです!!
菌種は約1,000種類と、多種多様。 同じ種類の菌たちが塊となり、腸壁にびっしり張り付いています。その様子がお花畑 (flora)にみえることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。
腸内細菌の形成パターンは、一人ひとり異なります。「腸内フローラが整っている」とは、腸内細菌のバランスがとれている状態のことを指します。
腸内フローラの原型は3歳までに作られる?!
赤ちゃんは産道を通るときに、母親から腸内細菌をもらいます。それが赤ちゃんの腸内で増殖し、3歳くらいまでに腸内フローラの原型が作られます。そのパターンは一生変わらないと言われているんです。
善玉菌・悪玉菌・日和見菌って?
「腸内フローラが整っている」とは、腸内細菌のバランスがとれている状態のこと。腸内細菌は「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3つに分類されます。
理想的な割合は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7だと言われています。
〇善玉菌
悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、腸の運動を促す菌
〇悪玉菌
腸内で有害物質を作り出し、お腹の調子を悪くする菌
〇日和見菌
善玉菌と悪玉菌のうち、数が多いほうの味方につく菌
〇善玉菌
善玉菌は腸内で発酵活動を行います。乳酸や酢酸を作り出して腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えます。代表的なのは、ビフィズス菌や乳酸菌などです。
〇悪玉菌
悪玉菌は腸の中で腐敗活動を行います。毒性物質を作り出して腸内をアルカリ性にします。代表的なのは、大腸菌(毒性株)やウェルシュ菌、ブドウ球菌などです。
一見悪者に感じますが、肉類などのタンパク質を分解して、便として処理排泄するという大切な働きもあります。あくまでもバランスが大切なんです。
〇日和見菌
善玉菌が増えると日和見菌は善玉菌の味方につくので、腸内環境を整えておくことが大切だと言われる理由がここにあります。
発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!
発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。
腸を整えるには?
腸内環境は食事や運動、睡眠などの影響を受けます。腸内フローラのバランスを保つには
①自律神経を整える
②善玉菌を増やす食事への配慮
の2点が効果的です。
①自律神経を整える
自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、バランスよく働くことでカラダの調子を整えています。
自律神経は、腸の活動をコントロールしています。腸の蠕動運動は、交感神経が優位な時は停滞し、副交感神経が優位な時は活発化します。自律神経のバランスが乱れると腸の動きも乱れます。
〇交感神経
昼間活発になる
交感神経が優勢だと心身が活動的な状態
〇副交感神経
夜間活発になる
副交感神経が優勢だと心身がリラックスした状態
自律神経のバランスが崩れる大きな原因は色々ありますが、特に影響を及ぼすのがストレスと生活習慣の乱れだと言われています。
ストレスは交感神経を優位にします。強いストレスにさらされ続けると、副交感神経への切り替わりがうまくいかなくなり、常に緊張状態になってしまうんです。
睡眠不足や昼夜逆転など、生活習慣が乱れると体内時計が狂ってしまい、副交感神経から交感神経への切り替わりがうまくいかず、倦怠感が抜けなかったり、やる気や集中力が低下したりなどの影響が出てきます。
腸を健康に保つには、上手にストレスと付き合うことや生活習慣を見直すことが大切なんです。
早起きのススメ!!
早起きをして朝日を浴びると体内時計がリセットされると言われています。
②善玉菌を増やす食事への配慮
食事によって腸内環境を整えるには、次の2つの方法があります。
①善玉菌そのものを摂取して補う方法
②善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法
①善玉菌そのものを摂取して補う方法
善玉菌を含むものをプロバイオティクス、善玉菌のエサとなるものをプレバイオティクス、両方を合わせて摂ることをシンバイオティクスと呼びます。善玉菌は、発酵食品から摂ることができます。
たとえば乳酸菌は、乳酸を作り出すことで 腸内を酸性に保ち、 悪玉菌の増殖を抑制して腸内環境を改善します。
発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
②善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法
善玉菌の栄養源は食物繊維やオリゴ糖などです。食物繊維は2種類あり、善玉菌を増やす効果がより高いのは水溶性食物繊維だと言われています。
〇水溶性食物繊維
水に溶ける
便をやわらかくする
〇不溶性食物繊維
水に溶けない
便の量を増やし、腸を動かす
発酵食品も栄養源として有効です。生菌の一部は生きたまま腸に届き、腸内環境を整えます。ところがほとんどの菌は、胃液などの影響によって腸まで直接届くことは難しいと言われています。
乳酸菌はいわゆる死菌になっても、 腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にします。
麹菌は代謝の過程で、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、イノシトールなどのビタミン類を生成します。また、麹の酵素はオリゴ糖を生み出します。オリゴ糖は胃酸や消化酵素でも分解されずに大腸まで届き、腸内にすむ善玉菌の栄養源となってそれらを増やす働きがあります。
発酵食品を効果的に取り入れましょう!!
カラダに良い作用をもたらす発酵食品。その効果・効能を最大限に受け取るためのポイントは2つ。
①適量を長く続けること
②他の発酵食品と組み合わせて摂ること
①適量を長く続けましょう
発酵食品がカラダに良いとはいえ、一度に多くの量を摂り過ぎることは禁物です。成分によっては摂り過ぎることで、逆にカラダに害を及ぼすことさえあるんです。
発酵食品は薬ではないので、即効性があるというよりは、長く続けることで体質が改善されていきます。まずは一ヶ月。焦らず長い目で摂り続けましょう。
④ほかの発酵食品と組み合わせて摂りましょう
発酵食品は、数種類のものを組み合わせて食べるとさらに効果が得られると言われています。ヨーグルトや納豆、味噌など、色々な発酵食品を日々の食卓に取り入れるといいでしょう。
まとめ
- 血液の働きとは?
〇全身の細胞に栄養分を届ける
〇全身の細胞に酸素を届ける
〇老廃物を運び出す
〇二酸化炭素を運び出す
〇細菌やウイルスからの感染を防ぐ
〇体温を調節する - 血行が悪くなると?
①冷え症
②むくみ
③肩こり・腰痛・関節痛
④婦人科系の不調
⑤虚血性疾患 - 腸と血液との関係とは?
悪玉菌が多い腸では、血液がドロドロになると言われている。
腸内環境が悪化すると、血液中に有害物質や有毒ガスを取り込んでしまう。
肝臓で解毒しきれないと、汚れた血が全身に流れることになる。 - 「腸内フローラが整っている」とは?
腸内細菌のバランスがとれている状態のこと - 腸内フローラのバランスを保つには?
①自律神経を整える
〇ストレスをためないこと
〇規則正しい生活をすること
②善玉菌を増やす食事への配慮
〇善玉菌そのものを摂取して補う方法
〇善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法 - 発酵食品を効果的にとり入れるポイント
①適量を長く続けること
②他の発酵食品と組み合わせて摂ること
おわりに
私たちのカラダには隅ずみまで血管が張り巡らされ、血液が常に循環しています。酸素や栄養素を運んだり、二酸化炭素や毒素を排出する大切な役割があるからです。
血流が滞ると、カラダのあちらこちらに不調をきたします。血管年齢が高くなってしまったり、血行不良になったりする原因を把握し、予防・改善に努めることが大切です。
血流が悪くなる理由の一つが汚れた血液。腸内環境が乱れると、血はドロドロになると言われています。腸と密接な関係があるため、腸を整えることが大切です。
今回は、血行と腸との関係について分かりやすくまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
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