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花粉症と腸との深い関係。腸内環境を整えるとつらい症状が緩和する?!「腸活」の方法とは?

年々増えている花粉症。鼻水やくしゃみ、目のかゆみなど辛い症状に悩まされている人が周りにもたくさんいます。発症すると簡単には改善されず、なかなか大変そうです。

最近、腸内環境との関係が注目されるようになりました。私は日頃から発酵食品を積極的に摂り、『腸活』をしているからか全くのアレルギー知らず。

今回は、花粉症と腸との関係についてみていきましょう。



花粉症はなぜ起こるの?


免疫機能の過剰反応がアレルギーです!


花粉症はアレルギー疾患であり、日本人の40%以上が発症していると言われています。アレルギーとは、どのようなメカニズムで起こるのでしょうか?

ヒトには、ウイルスや細菌などが体内に侵入してきた際に、それを排除しようとする免疫機能が備わっています。本来は有害物質からカラダを守るための機能なのですが、そうでない物質に対しても働くことがあります。

免疫細胞が花粉や特定の食べ物を「異物だ」と判断し、過剰に反応することによってアレルギー症状があらわれるんです。


花粉症のメカニズムって?

花粉が体内に侵入すると、免疫細胞であるB細胞が異物を体外に排除するためにIgE抗体を作ります。 IgE抗体の蓄積量が一定量を超えるとヒスタミンという物質が放出され、くしゃみや鼻水、涙などのアレルギー反応を引き起こします。

花粉を体外に排出しようとして出るのが、くしゃみや鼻水、涙。私たちにとっては辛い症状ですが、カラダの防衛反応なのです。

ちなみに同じ環境にいても花粉症を発症する人としない人がいるのは、体質的にIgE抗体を作りやすいかどうかの違いです。




昔よりも花粉症の人は増えている?


以前よりも花粉症にかかる人が増えていると言われています。その理由はいくつかあります。

①花粉量の増加
②環境汚染
③生活スタイルの変化


①花粉量の増加

多くの人が悩まされるスギ花粉。スギは、植えて30年くらいたった頃から花粉が多く生産されます。戦後に植樹された人工林が30年を超える頃から、花粉症の発症率が上がってきたと言われています。また、近年の温暖化により花粉量が増えたことも原因の一つです。


②環境汚染

花粉は排気ガスなどの空気中の汚染物質と混ざり合うことで、よりアレルギー反応を引き起こしやすくなると言われています。


③生活スタイルの変化

現代人は、ストレス社会のなかで生きています。また、ファーストフードやインスタント食品が普及したことによって食生活の変化が起こりました。ストレスや食生活の変化によって自律神経が乱れ、免疫機能が低下しているんです。




花粉症対策って?


花粉症の治療とは?

花粉症の治療には、治療薬を用いて症状を緩和させる方法や、アレルゲン免疫療法(アレルゲンを含む薬を摂取して体を慣らす方法)などがあります。

病院を受診すると、花粉症の症状を抑える薬が処方されます。アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの発生を抑えるのが抗ヒスタミン剤です。

第一世代抗ヒスタミン薬と第二世代抗ヒスタミン薬とがあり、第一世代は、ジフェンヒドラミン塩酸塩(レスタミン)、ヒドロキシジンパモ酸塩(アタラックス)などが代表的。眠気や口が乾くなどの副作用が起こることがあります。

第二世代はこれらの副作用が軽減されたもので、工フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ)、ビラスチン(ピラノア)、エピナスチン塩酸塩錠(アレジオン)などが代表的です。


花粉症とじょうずに付き合う

花粉症は、できるだけ体内に花粉を入れないことが大切です。口や鼻をマスクで覆うことで、7~8割の侵入を防ぐことができると言われています。花粉症用の眼鏡も有効です。

また、目が辛いという方はコンタクトやマスカラには花粉が付着しやすいので、この時期は避けた方が良いかもしれません。

また、花粉の飛散量は気象条件によって増加します。次のような日は、外出を避けたり花粉症対策をとったりしましょう。

〇晴れまたはくもりの日
〇気温が高い日
〇湿度が低い日
〇風の強い日
〇前日に雨が降った日
〇13~15:00くらい(気温が最も高い時間帯)




腸内環境との深い関係


花粉症対策は、花粉をつきにくくすることや投薬などが挙げられますが、最近の研究から腸内環境が関係しており、腸内環境を整えることで症状緩和につながると言われるようになりました。その理由をみていきましょう。


免疫細胞の6~7割が腸に存在している!!

ウイルスや細菌の多くは、口や鼻から体の中に入ってきます。腸に至るまでの消化管は、常に感染の危険にさらされていることになります。

これらの外敵からカラダを守るためのバリア機能として、およそ70%の免疫細胞が腸に集まっているんです。これを「腸菅免疫」と呼んでいます。

腸に達したウイルスや細菌は、腸壁にあるパイエル板に取り込まれます。侵入したものを有害だと判断すると、パイエル板の中の免疫細胞がグロブリンA(IgA) という免疫物質を出して排除します。


花粉症の方の腸内環境は…

花粉症をはじめとするアレルギーの病気をもつ人の腸内細菌を調べる研究で、酪酸菌が減少しているという結果が得られました。

酪酸菌は酪酸を作り出し、善玉菌が住みやすい環境を作る腸内細菌。T細胞に働きかけてアレルギーを抑えたり、免疫異常を改善する働きをすると言われています。

腸内フローラを調べる方法

腸内フローラは、病院の検査で調べることができるほか、最近では「腸内フローラ検査キット」を使うという選択肢も。少量の便を採取して送ると、WEBで結果が送られてきます。


腸内環境が悪化すると?

後ほど詳しく説明しますが、腸内環境が悪化すると悪玉菌が増えます。悪玉菌が増えると、免疫細胞であるTh2細胞が暴走すると言われているんです。

Th2細胞は、IgE抗体を作るB細胞の働きを活発にします。 IgE抗体の蓄積量が一定量を超えるとヒスタミンという物質が放出され、くしゃみや鼻水、涙などのアレルギー反応を引き起こします。

ビフィズス菌のチカラ

腸の免疫システムは、腸内細菌がコントロールしています。善玉菌を増やして腸内環境のバランスを保つことが大切です。善玉菌のほとんどを占めるのがビフィズス菌。

特に善玉菌のビフィズス菌G9-1には、花粉症などのアレルギーを引き起こす原因物質を抑える働きがあります。

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腸が整っている状態とは?


花粉症には、腸内環境が関係していたのですね。それでは、整っている腸とはどのような状態なのかをみていきましょう。


腸内フローラって?

私たちの腸内には、体内に棲む細菌の9割が生息していると言われています。 その数はなんと約100兆~1000兆個。重さにして約1㎏~2㎏にもなるんです!!

菌種は約1,000種類と、多種多様。 同じ種類の菌たちが塊となり、腸壁にびっしり張り付いています。その様子がお花畑 (flora)にみえることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。

腸内細菌の形成パターンは、一人ひとり異なります。「腸内フローラが整っている」とは、腸内細菌のバランスがとれている状態のことを指します。

腸内フローラの原型は3歳までに作られる?!

赤ちゃんは産道を通るときに、母親から腸内細菌をもらいます。それが赤ちゃんの腸内で増殖し、3歳くらいまでに腸内フローラの原型が作られます。そのパターンは一生変わらないと言われているんです。


善玉菌・悪玉菌・日和見菌

「腸内フローラが整っている」とは、腸内細菌のバランスがとれている状態のこと。腸内細菌は「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3つに分類されます。理想的な割合は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7だと言われています。

〇善玉菌
悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、腸の運動を促す菌

〇悪玉菌
腸内で有害物質を作り出し、お腹の調子を悪くする菌

〇日和見菌
善玉菌と悪玉菌のうち、数が多いほうの味方につく菌

〇善玉菌

善玉菌は腸内で発酵活動を行います。乳酸や酢酸を作り出して腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えます。代表的なのは、ビフィズス菌や乳酸菌などです。

〇悪玉菌

悪玉菌は腸の中で腐敗活動を行います。毒性物質を作り出して腸内をアルカリ性にします。代表的なのは、大腸菌(毒性株)やウェルシュ菌、ブドウ球菌などです。

一見悪者に感じますが、肉類などのタンパク質を分解して、便として処理排泄するという大切な働きもあります。あくまでもバランスが大切なんです。

〇日和見菌

善玉菌が増えると日和見菌は善玉菌の味方につくので、腸内環境を整えておくことが大切だと言われる理由がここにあります。

発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!

発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。

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腸内環境を整えるには?


それでは実際、腸を整えるために何をしたらいいのでしょうか?腸内環境は食事や運動、睡眠などの影響を受けます。腸内フローラのバランスを保つには

〇自律神経を整える
〇生活習慣を整える

がポイントです。「生活習慣を整える」については、①善玉菌を増やす食事への配慮、②質の良い睡眠、③適度な運動の三点を見直しましょう。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓↓

腸を整えるには?腸内環境の状態はどう判断するの?『腸活』の2つの方法って?



まとめ


  • 花粉症はなぜ起こるの?
    花粉症はアレルギー疾患であり、免疫機能の過剰反応がアレルギーである
    ①花粉が体内に侵入すると、免疫細胞であるB細胞が異物を体外に排除するためにIgE抗体を作る
    ② IgE抗体の蓄積量が一定量を超えるとヒスタミンという物質が放出される
    ③ヒスタミンがくしゃみや鼻水、涙などのアレルギー反応を引き起こす
  • 昔よりも花粉症が増えた3つの原因
    ①花粉量の増加
    ②環境汚染
    ③生活スタイルの変化
  • 花粉症対策
    ①投薬治療
    ②花粉を体内に入れない
    ③腸内環境を整える
  • 腸内環境と花粉症
    〇花粉症の人は酪酸菌が減少している
    〇腸内環境が悪化すると、Th2細胞が暴走してIgE抗体を作るB細胞の働きを活発にする
    〇善玉菌のビフィズス菌G9-1には、花粉症などのアレルギーを引き起こす原因物質を抑える働きがある
  • 腸内環境が整っている状態とは? 
    腸内細菌のバランスがとれている状態のこと 
  • 理想の割合は
    善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7
  • 腸を整えるには?
    〇自律神経を整える
    〇生活習慣を整える



おわりに


最近注目されている『腸活』は、花粉症にも有効だと言われています。腸内環境を整えることは一朝一夕ではなかなか難しいので、コツコツと続けることが大切です。

食生活や睡眠など、日々の生活習慣を見直すところからぜひ始めてくださいね。辛い症状が少しでも緩和されますように。



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