食事で花粉症対策をしましょう!花粉症にいい食べ物・飲み物とは?避けた方がいい食べ物・飲み物とは?
年々増えている花粉症。鼻水やくしゃみ、目のかゆみなど辛い症状に悩まされている人が周りにもたくさんいます。発症すると簡単には改善されず、なかなか大変そうです。
花粉症対策にはいくつかの方法がありますが、今回はカラダの内側から整える「食」に注目してみましょう。花粉症にいい食べ物や飲み物、逆に避けた方がいい食べ物や飲み物を挙げますので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の目次
- 1.花粉症はなぜ起こるの?
- 2.昔よりも花粉症の人は増えている?
- 3.花粉症対策って?
- 4.花粉症におすすめの食べ物・飲み物
- 5.花粉症で避けたい食べ物・飲み物
- 6.まとめ
- 7.おわりに
花粉症はなぜ起こるの?
免疫機能の過剰反応がアレルギーです!
花粉症はアレルギー疾患であり、日本人の40%以上が発症していると言われています。アレルギーとは、どのようなメカニズムで起こるのでしょうか?
ヒトには、ウイルスや細菌などが体内に侵入してきた際に、それを排除しようとする免疫機能が備わっています。本来は有害物質からカラダを守るための機能なのですが、そうでない物質に対しても働くことがあります。
免疫細胞が花粉や特定の食べ物を「異物だ」と判断し、過剰に反応することによってアレルギー症状があらわれるんです。
花粉症のメカニズムって?
花粉が体内に侵入すると、免疫細胞であるB細胞が異物を体外に排除するためにIgE抗体を作ります。 IgE抗体の蓄積量が一定量を超えるとヒスタミンという物質が放出され、くしゃみや鼻水、涙などのアレルギー反応を引き起こします。
花粉を体外に排出しようとして出るのが、くしゃみや鼻水、涙。私たちにとっては辛い症状ですが、カラダの防衛反応なのです。
ちなみに同じ環境にいても花粉症を発症する人としない人がいるのは、体質的にIgE抗体を作りやすいかどうかの違いです。
昔よりも花粉症の人は増えている?
以前よりも花粉症にかかる人が増えていると言われています。その理由はいくつかあります。
①花粉量の増加
②環境汚染
③生活スタイルの変化
①花粉量の増加
多くの人が悩まされるスギ花粉。スギは、植えて30年くらいたった頃から花粉が多く生産されます。戦後に植樹された人工林が30年を超える頃から、花粉症の発症率が上がってきたと言われています。また、近年の温暖化により花粉量が増えたことも原因の一つです。
②環境汚染
花粉は排気ガスなどの空気中の汚染物質と混ざり合うことで、よりアレルギー反応を引き起こしやすくなると言われています。
③生活スタイルの変化
現代人は、ストレス社会のなかで生きています。また、ファーストフードやインスタント食品が普及したことによって食生活の変化が起こりました。ストレスや食生活の変化によって自律神経が乱れ、免疫機能が低下しているんです。
花粉症対策って?
今回の記事では花粉症対策の一つとして「食」を挙げますが、体質を改善するには日々の継続が大切であり、即効性に欠ける部分は否めません。その他にもいくつかの方法がありますので、ご自身の症状や体質に合わせて組み合わせると良いでしょう。
花粉症の治療とは?
花粉症の治療には、治療薬を用いて症状を緩和させる方法や、アレルゲン免疫療法(アレルゲンを含む薬を摂取して体を慣らす方法)などがあります。
病院を受診すると、花粉症の症状を抑える薬が処方されます。アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの発生を抑えるのが抗ヒスタミン剤です。
第一世代抗ヒスタミン薬と第二世代抗ヒスタミン薬とがあり、第一世代は、ジフェンヒドラミン塩酸塩(レスタミン)、ヒドロキシジンパモ酸塩(アタラックス)などが代表的。眠気や口が乾くなどの副作用が起こることがあります。
第二世代はこれらの副作用が軽減されたもので、工フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ)、ビラスチン(ピラノア)、エピナスチン塩酸塩錠(アレジオン)などが代表的です。
花粉症とじょうずに付き合う
花粉症は、できるだけ体内に花粉を入れないことが大切です。口や鼻をマスクで覆うことで、7~8割の侵入を防ぐことができると言われています。花粉症用の眼鏡も有効です。
また、目が辛いという方はコンタクトやマスカラには花粉が付着しやすいので、この時期は避けた方が良いかもしれません。
また、花粉の飛散量は気象条件によって増加します。次のような日は、外出を避けたり花粉症対策をとったりしましょう。
〇晴れまたはくもりの日
〇気温が高い日
〇湿度が低い日
〇風の強い日
〇前日に雨が降った日
〇13~15:00くらい(気温が最も高い時間帯)
花粉症におすすめの食べ物・飲み物
カラダの内側から改善することは副作用もなく、安心・安全です。花粉症を和らげる食べ物や飲み物をご紹介します。
食べ物
①ポリフェノール
②DHA・EPA
③食物繊維
④ビフィズス菌、乳酸菌
⑤その他
①ポリフェノール
カカオポリフェノールには抗ヒスタミン作用があり、アレルギー症状を抑えます。ある研究では、チョコレートを食べた人のヒスタミン分泌が減少したそうです。
血液検査においても、アレルギーに関与するリンパ球の働きが抑制されたという報告があります。おすすめの食材は次の通りです。
チョコレート、ピュアココア、たまねぎ
②DHA・EPA
青魚の脂に含まれる DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)にも抗ヒスタミン作用があります。
飽和脂肪酸であるDHAやEPAは、アレルギー症状を引き起こすロコトリエンという物質を制御する働きがあるからです。次に挙げる食品を摂りましょう。
サバ、イワシ、サンマ、アジ、ナッツ類
③食物繊維
腸内環境を整えることで、花粉症を始めとするアレルギー症状が緩和されると言われています。 腸内環境が悪化すると悪玉菌が増え、免疫細胞であるTh2細胞が暴走すると言われているんです。
Th2細胞は、IgE抗体を作るB細胞の働きを活発にします。 IgE抗体の蓄積量が一定量を超えるとヒスタミンという物質が放出され、くしゃみや鼻水、涙などのアレルギー反応を引き起こします。 詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓↓
腸活のススメ!腸を整えて健康に!!腸と免疫力との深い関係とは?
善玉菌の栄養源は食物繊維やオリゴ糖などです。食物繊維は2種類あり、善玉菌を増やす効果がより高いのは水溶性食物繊維だと言われています。
・水溶性食物繊維
水に溶ける
便をやわらかくする
・不溶性食物繊維
水に溶けない
便の量を増やし、腸を動かす
次の食材がおすすめです。
ゴボウ、レンコン、サツマイモ、ニンジンなどの根菜類
大豆、おからなどの豆類
玄米、きのこ類、海藻類、キャベツ、レタス、青汁
④ビフィズス菌、乳酸菌
腸の免疫システムは、腸内細菌がコントロールしています。善玉菌を増やして腸内環境のバランスを保つことが大切です。善玉菌のほとんどを占めるのがビフィズス菌。特に善玉菌のビフィズス菌G9-1には、花粉症などのアレルギーを引き起こす原因物質を抑える働きがあります。
発酵食品は、一度にたくさん摂るよりも、適量を毎日続けて摂取するほうが大切。花粉シーズンの約3カ月前から食べ始めることをおすすめします。
また、ビフィズス菌や乳酸菌のエサとなるオリゴ糖を含んだ食材と一緒に食べると、より効果が期待できますよ。
ヨーグルト、乳酸菌飲料、ぬか漬け、味噌、しょうゆ、キムチ、納豆などの発酵食品
⑤その他
青じそのαリノレン酸や、梅干しのバリニンというにおい成分はアレルギー症状を出にくくする作用があります。梅干しを一日に一つずつ食べている人は、食べていない人よりも花粉症の症状が軽く済んだという調査報告も。
飲み物
次に、飲み物についてみていきましょう。
①緑茶
②甜茶(てんちゃ)
③ルイボスティー
④コーヒー
⑤乳酸飲料
①緑茶
緑茶に含まれるカテキンには、抗ヒスタミン作用が。花粉症の症状緩和が期待されているメチル化カテキンは、べにふうきなどの品種に多く含まれています。メチル化カテキンは発酵によって失われるため、茶葉を発酵させて作る紅茶よりも未発酵の緑茶の方が有効です。
②甜茶(てんちゃ)
甜茶に含まれる甜茶ポリフェノールにも、抗ヒスタミン作用があります。 茶葉のなかでも「甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)」 という種類に効果があるとされているので、ぜひ探してみてくださいね。
③ルイボスティー
ルイボスティーには、ポリフェノールの一種であるフラボノイドが多く含まれており、高い抗酸化作用が期待できます。ノンカフェインというのも嬉しいですね。
④コーヒー
コーヒーのカフェインにも抗ヒスタミン作用が。また、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は花粉症の症状を和らげると言われています。
⑤乳酸飲料
先ほど食べ物の項でも紹介しましたが、発酵食品は花粉症対策に効果があります。ただし、市販の乳酸飲料には砂糖が含まれているものが多いため、飲み過ぎには注意しましょう。
花粉症で避けたい食べ物・飲み物
花粉症のときにはあまり摂らないほうがいい食べ物・飲み物もあります。その理由と一緒にそれらを紹介します。
食べ物
①高脂質なもの
②トランス脂肪酸
③トマト
④スイカ・メロン
①高脂質なもの
高脂質の食べ物を食べ過ぎると、消化しきれなかった脂肪分が悪玉菌を増やしてしまいます。
バラ肉や霜降り肉などの脂身が多い肉、揚げ物など
②トランス脂肪酸
トランス脂肪酸を多く含む食品は、アレルギー症状を引き起こしやすいと言われています。
スナック菓子や菓子パンなどのジャンクフード、ファストフード、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、食用植物油、加工油脂など
③トマト
スギ花粉による花粉症の人がトマトを食べた場合、のどがイガイガしたり口の中がかゆくなるなどの症状が出ることがあります。トマトの中に、スギ花粉と似た構造のタンパク質が含まれていることが原因です。タンパク質は熱に弱いので、加熱するとアレルギー症状が出にくくなると言われていますが、様子を見て食べるようにしてください。
④メロン・スイカ・セロリ
ブタクサによる花粉症の人がメロンやスイカを食べるた場合、口の中がかゆくなったり唇が腫れたりするアレルギー症状が出ることがあります。イネ科であるブタクサと、ウリ科であるメロンやスイカのアレルゲンの構造が似ていることが原因です。
飲み物
アルコール
アルコールが体内で分解されるときに作られるアセトアルデヒドは、ヒスタミンの放出を促してしまいます。さらにアルコールを飲むと血管が拡張して目の充血、涙、鼻づまりなどの症状を悪化させる可能性があるんです。
まとめ
- 花粉症はなぜ起こるの?
花粉症はアレルギー疾患であり、免疫機能の過剰反応がアレルギーである
①花粉が体内に侵入すると、免疫細胞であるB細胞が異物を体外に排除するためにIgE抗体を作る
② IgE抗体の蓄積量が一定量を超えるとヒスタミンという物質が放出される
③ヒスタミンがくしゃみや鼻水、涙などのアレルギー反応を引き起こす - 昔よりも花粉症が増えた3つの原因
①花粉量の増加
②環境汚染
③生活スタイルの変化 - 花粉症対策
①投薬治療
②花粉を体内に入れない
③食事を見直す - 花粉症におすすめの食べ物
①ポリフェノール
②DHA・EPA
③食物繊維
④ビフィズス菌、乳酸菌
⑤その他 - 花粉症におすすめの飲み物
①緑茶
②甜茶(てんちゃ)
③ルイボスティー
④コーヒー
⑤乳酸飲料 - 花粉症で避けた方がいい食べ物
①高脂質なもの
②トランス脂肪酸
③トマト
④スイカ・メロン - 花粉症で避けた方がいい飲み物
アルコール
おわりに
花粉症に効くとされる食べ物や飲み物、逆に避けた方が良いとされる食べ物や飲み物についてみてきましたが、いかがでしたか?即効性はないかもしれませんが、コツコツと続けることによって、体質が改善していくと思います。
食生活や睡眠など、日々の生活習慣を見直すところからぜひ始めてくださいね。辛い症状が少しでも緩和されますように。
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