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塩分の話①塩分は摂り過ぎても減塩しすぎてもダメなんです!!1日どのくらい摂ったらいいの?塩の働きとは?選び方って? 

父が腎臓を患い、塩分摂取について見直すことになりました。 一般的に塩分の摂り過ぎは良くないと言われています。一番の理由は血圧を上げてしまうから。一方で、減塩をしなくてもいいという意見もあって悩むところです。

体質も生活習慣も、人それぞれ。既往症があるかないかによっても減塩するべきかどうかは違ってきます。色々な情報を知って、自分に合った方法をとっていくことが大切です。

今回は、一般的に言われている塩分の摂り過ぎがカラダに与える影響、塩分の働きについて、減塩が必要ないと言われている理由、どのような視点をもつといいのかなどについて書きました。ぜひ参考にしてくださいね。



塩分を摂り過ぎるとどうなるの?


塩の摂取基準って?

塩分の摂り過ぎはカラダに悪いと言われています。厚生労働省が定めている摂取基準は次の通りです。

〇男性は7.5g未満(一食あたり2.5g)
〇女性は6.5g未満(一食あたり2.2g)

年齢や性別、既往症の有無などで違いがあります。高血圧や慢性腎臓病などの方は、1日6g未満に抑えることが推奨されています。ちなみにWHO世界保健機関の食事摂取基準は、成人で5g未満となっています。


塩分を摂り過ぎるとどうなるの?

塩分の摂り過ぎは、生活習慣病のリスクが高まると言われています。

〇高血圧
〇腎臓病
〇胃がん
〇心不全
〇骨粗しょう症

〇高血圧

塩分を摂り過ぎると血液中の塩分濃度が高くなり、それを下げるために水分を多くためこみます。その結果、血液量が増えて血管がパンパンになるんです。

大量の血液を流すために血管壁に高い圧力が加わって、高血圧に。高血圧は脳出血や心不全、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化は心筋梗塞や狭心症、脳梗塞につながります。

〇腎臓病

腎臓は過剰に摂取した塩分や溜まった老廃物を濾過して、尿をつくる働きをしています。塩分を摂り過ぎると腎臓に過度の負担がかかり、慢性腎臓病を起こしやすくなります。それが悪化すると腎不全を招き、透析療法が必要になることも。

〇胃がん

塩分の摂り過ぎは胃の粘膜にダメージを与え、胃炎をひきおこします。胃炎が慢性化すると、発がん性物質の影響を受けるリスクが高まると言われています。1日10g以上塩分を摂っている人は、胃がんにかかる率が高まるそうです。

〇心不全

塩分を摂りすぎて体内のナトリウム量が増えると、水分量を増やして濃度を下げようとします。水分をため込むことで血液量が増えると、心臓はたくさんの血液を送り出さなければならなくなり、負担がかかります。不整脈の原因にも。

〇骨粗しょう症

血中ナトリウム量が過剰に増えると余分な塩分は腎臓でろ過され、尿として体の外に排出されます。その際、カルシウムは塩分であるナトリウムと結合して一緒に流失してしまうんです。すると骨に含まれるカルシウムが減少してしまい、骨粗しょう症を引き起こしやすくなります。




塩にも大切な働きがあるんです!


健康に良くないというイメージの塩ですが、カラダにとって大切な役割もあるんです。


塩の働きとは?

人のカラダは、血液や消化液、リンパ液などに塩分が含まれています。常に一定の濃度を保つよう、自動的に調節されているんです。

健康を害するというイメージがありますが、カラダにとって必要な役割も担っている塩分。ナトリウムイオン塩素イオンに分かれて体内に吸収されており、次のような働きをしています。

①食べ物の消化を助ける
②細胞を正常に保つ
③筋肉運動や神経伝達を助ける
④血液のPhバランスを維持する
⑤食欲を増進させる


①食べ物の消化を助ける

塩素は、食べ物の消化および殺菌を担う胃酸をつくる成分です。また、ナトリウムは小腸で食べ物から得られるアミノ酸やぶとう糖などの栄養を分解・吸収する手助けをしています。


②細胞を正常に保つ

ナトリウムは塩に含まれるカリウムと共に、細胞の内側と外側の体液の圧力(浸透圧)を調整して、バランスを一定に保っています。この働きは、血圧の調整や栄養の吸収に関与しています。

塩分が不足すると、細胞の外側にある体液の塩分濃度が下がります。するとカラダは、正常に戻そうとして水分を体外に排出します。

水分が体外に排出されると血液が濃縮されて血流量が少なくなり、血圧低下や循環不全が起こります。度が過ぎると、死に至る危険性も。

また、浸透圧のバランスが崩れると栄養を体内に取り込めなくなり、十分な栄養素を吸収することができなくなってしまうんです。


③筋肉運動や神経伝達を助ける

ナトリウムは、筋肉の収縮や脳からの神経伝達に関与しています。私たちは、 脳からの命令が電気信号として神経細胞を伝わることでカラダを動かすことができています。塩分不足が体調不良などを引き起こすのは、こういった伝達がうまくいかなくなるからです。

足がつるのは…

夏の暑い日に激しい運動をすると、汗をかいて体内のナトリウムが極端に不足し、足がつりやすくなります。


④血液のPhバランスを維持する

血液が酸性に偏らず、一定の弱アルカリ性を保つようにしています。

⑤食欲を増進させる

食品に味をつけて美味しくすることで食欲を増し、食物の摂取を促す働きもしています。


塩分が不足すると…

一般的に日本人は塩分過多だと言われていますが、暑いところで大量に発汗したり、激しい下痢を起こしたりした場合、塩分不足になることがあります。塩分が不足すると現れる症状には、次のようなものが挙げられます。

〇疲労感
〇食欲不振
〇血液濃縮
〇頭痛
〇吐き気
〇筋肉のけいれん



減塩するべき?


塩分にも大切な役割があることが分かりました。日本人は世界の国々からみて塩分摂取量が多いと言われ、不足することはまずないと言われています。減塩するべきだという意見が一般的ですね。

ところが実は、積極的に塩分を摂った方がいいという意見もあるんです。その理由として、塩の摂取と血圧の上昇との因果関係が認められないということが明らかになってきたこと、減塩によってミネラル不足になる懸念があることなどが挙げられています。


塩分摂取と血圧上昇との関係性

塩分摂取と血圧上昇との関係性をみたときに、次に挙げる2パターンの人がいて、減塩をして効果があるのは食塩感受性の人が該当します。 日本人の2人に1人は塩分を摂っても血圧は上がらないという調査報告があるんです。

〇食塩感受性
食塩を摂取すると血圧が上がる体質の人
全体の約2割

〇 食塩非感受性
食塩を摂取しても血圧に変化が見られない人
全体の約5割

また、 減塩して血液中のナトリウムが減ると、腎臓から血圧を上げるホルモンが分泌されるという説もあります。


ミネラル不足になる

さまざまな代謝に深く関わっているミネラル。ミネラルが減って代謝が滞ると、様々な不調が引き起こされてしまいます。


ではどうすれば?


塩がカラダに悪いと言われているからと、単純に減塩すればいいというわけではないようです。前項でみたとおり、体質には個人差があり、生活習慣も様々。腎臓疾患があるかないかなどによっても変わってきます。

いろいろな情報を得て、そこからご自身に合った方法をとっていきましょう。以下の点に留意するといいです。

〇塩を選ぶ
〇過剰摂取はしない
〇既往症のある方は注意
〇極端な減塩はしない
〇余分な塩分を排出できるようにする


塩を選ぶ

塩には種類があります。精製塩ではなく、天然塩がおすすめです。

精製塩
〇不純物を取り除いた純度の高い塩
〇いわゆる食卓塩
〇塩化ナトリウムが99%以上と表記されている
〇一般的に安価

然塩
〇精製度が低い塩
〇ミネラルが含まれている
〇塩化ナトリウムのパーセンテージが低い
〇精製塩よりも値段が高い

塩の選び方については、以下の記事に詳しくまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね↓↓

塩分の話②塩の選び方を分かりやすく!おすすめは自然塩(天然塩)。精製塩や再生加工塩との違いとは?


過剰摂取はしない

いくら良い塩を摂ったとしても、過剰に摂取し過ぎるのはやめましょう。適量が大切です。


既往症のある方は注意

腎臓疾患や心疾患のある方は、摂取する塩分量に注意しましょう。塩分の摂り過ぎは、腎臓や心臓に負担がかかると言われています。医師の指示に従ってください。


極端な減塩はしない


極端な減塩もミネラル不足を招き、体調不良に陥るという事例があります。特に激しい運動や猛暑下で大量の汗をかくとき、嘔吐のあとなどは塩分が不足しがちなので注意しましょう。

余分な塩分を排出できるようにする

共立女子大学家政学部の研究によると、食塩の摂取で血圧が上がるのは、腎臓からのナトリウム排泄量が少ないことが原因だと分かったそうです。塩分の摂り過ぎに気をつける一方で、カラダのデトックス機能を高め、しっかり排出することも大切だということですね。

カリウムには、ナトリウムと同時に摂取することで塩分を体外に排出しやすくするという働きがあります。また、血圧を下げる効果もあるんです。カリウムを多く含む食品は、いも類やわかめ、果物など。ただし、腎機能に障害がある方はカリウムの取りすぎには注意が必。必ず主治医に確認してください。



まとめ


  • 塩の摂取基準って?
    〇男性は7.5g未満(一食あたり2.5g)
    〇女性は6.5g未満(一食あたり2.2g)
  • 塩分を摂り過ぎると?
    生活習慣病のリスクが高まる
    〇高血圧
    〇腎臓病
    〇胃がん
    〇心不全
    〇骨粗しょう症
  • 塩の働きとは?
    ①食べ物の消化を助ける
    ②細胞を正常に保つ
    ③筋肉運動や神経伝達を助ける
    ④血液のPhバランスを維持する
    ⑤食欲を増進させる
  • 塩分が不足すると…
    〇疲労感
    〇食欲不振
    〇血液濃縮
    〇頭痛
    〇吐き気
    〇筋肉のけいれん
  • 減塩は必要ないとする理由とは?
    〇塩の摂取と血圧の上昇との因果関係が認められないということが明らかになってきた
    〇減塩によってミネラル不足になる懸念がある
  • 塩分を摂取する際の留意点
    〇塩を選ぶ
    〇過剰摂取はしない
    〇既往症のある方は注意
    〇極端な減塩はしない
    〇余分な塩分を排出できるようにする



おわりに


父が腎臓を患い、塩分摂取について見直すことになりました。一般的に塩分はカラダに良くないという意見が大半ですが、調べていくとやみくもに減塩をすれば良いわけではないということが分かります。塩には種類があり、どの塩を選ぶかということもポイント。

物事にはか必ず相反した意見があって、色々な情報を知ったうえでご自身に合った方法を取っていく必要があります。健康に興味関心がある方で、塩分摂取について悩まれている方は多いのではないでしょうか?今回の記事が参考になれば幸いです。

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