リンパ①リンパとは?&流れが滞るとどうなるの?をわかりやすく!!
雑誌やテレビなどの特集で、ちょくちょく取り上げられるリンパケア。エステやマッサージなどに行っても、健康や美容のために「滞ったリンパを流しましょう」と言われることが多いですね。すっかりおなじみのワードですが「リンパって何?」と聞かれて、正しく答えられる人は意外に少ないのではないでしょうか?
リンパとは?リンパが滞った状態って?リンパが滞るとどうなるの?今回はリンパについて分かりやすくお伝えするとともに、リンパケアについても見ていきます。ぜひ参考にしてください。
リンパとは?
リンパとは、リンパ液、リンパ管、リンパ節の総称のこと。リンパ管を流れる液体がリンパ液。リンパ節はそら豆の形をした場所で、リンパ液はろ過機能のあるリンパ節を必ず通ります。
リンパとは、次の3つの総称
〇リンパ液
〇リンパ管
〇リンパ節
リンパ液とは?
体液って?
カラダの約60%は水分で、細胞内液と細胞外液に分けられます。細胞外液のことを体液といいます。リンパ液は体液のひとつです。
〇細胞内液
・全体の2/3
・細胞の中に存在する水分
〇細胞外液
・全体の1/3
・細胞の外に存在する水分
・体液
血液、組織液、リンパ液
体液は、カラダのどこに存在するかによって「血液、組織液、リンパ液」に分けられます。
〇血液
・血管を流れる体液
〇組織液(間質液)
・毛細血管からしみ出した血しょう
・細胞間を満たしている
〇リンパ液
・組織液の一部がリンパ管に入ったもの
〇血液
血液は、血管を流れる体液。55%が血しょうと呼ばれるタンパク質・ミネラル分が溶けた液体で、 45%が血球と呼ばれる3系統の細胞(赤血球・白血球・血小板)です。
血液には、カラダのすみずみに酸素や栄養を届けたり、細胞から排出された老廃物や二酸化炭素などを受けとる働きがあります。
〇組織液
毛細血管からしみ出した血しょうが、組織液。細胞間を満たしています。血液で運ばれてきた酸素や栄養を細胞に届けたり、細胞から排出された老廃物や二酸化炭素を血管に戻す働きがあります。
〇リンパ液
組織液の一部がリンパ管に入ったもの。組織液に残った老廃物を回収する働きがあります。リンパ液は全身のどこの血管から外に出た組織液を取り込んだかによって、成分が異なります。
リンパ液の主成分は血しょうで、やや粘り気のある液体です。血液は赤色ですが、リンパ液は無色~淡黄の透明色。なぜなら、「赤い色のもとである赤血球が大きすぎて血管の壁を通り抜けられない」というのがその理由です。
リンパ管とは?
リンパ管とは?
リンパ管は、リンパ液が通る管。リンパ液は、末端の毛細リンパ管からリンパ節を経由して、太いリンパ管へと流れます。
リンパ管は血管と同じように全身に張り巡らされています。血管は輪になっていていて始まりと終わりがありませんが、リンパ管は先端が閉じていて、そこが始点になります。
リンパの流れは一方向
血液は、心臓から出発して心臓へ戻ります。この流れは、わずか40秒だと言われています。左心室→動脈→細動脈→毛細血管→細静脈→静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房の順に全身を循環します。
では、リンパはどのようにカラダを流れるのでしょうか?血液は身体を循環していますが、リンパは身体の中を循環していません。基本的にリンパ液は、体の末端から心臓に向かって一方向に流れます。リンパ管にはポンプ機能がないため逆流しないように弁があり、一方向に流れる力を維持しています。
もう少し分かりやすく言い換えると、毛細リンパ管に取り込まれたリンパ液は全身をめぐり、胸管という太いリンパ管に合流し、鎖骨下の静脈から血液に戻ります。半日~1日程度で全身を一周すると言われています。
体を巡回する一日の量って?
(体重60Kgの場合)
〇血液
7トン
〇リンパ液
2~4㍑
リンパの流れはゆるやか
リンパ管の長さは血管の約2倍。ポンプ機能がないため、血液に比べると流れがゆるやかです。周囲の筋肉が収縮することで少しずつ流れる仕組みになっていて、頻度は1分間に10回程度と言われています。
血液
〇心臓からポンプ機能で送り出される
〇約40秒で全身を一周する
リンパ液
〇筋肉の動きによって流れる
〇半日~1日程度で全身を一周する
リンパの凝固能力は低い
血液の成分の一つである血小板も、血管の壁を通り抜けることができません。 血小板は、けがをした時にできるかさぶたの成分で、その働きは止血。血管の損傷部位に血栓を作って出血を止めます。つまり、リンパ液の凝固能力は血液より低くなります。
リンパ節とは?
ろ過機能があるリンパ節
リンパ液はリンパ管を通って全身を巡り、静脈に合流する間に必ずリンパ節という場所を通ります。リンパ節はそら豆のような形をして、大きさは2~3ミリ程度。全身に300~600個あると言われています。
リンパ節には、リンパ球やマクロファージなどの免疫細胞が集まっており、ウイルスなどの異物が侵入したことを確認すると、血液循環系へ侵入するのを防ぐために戦います。リンパ節が炎症を起こすのは、細菌と戦っているからなんです。
代表的なリンパ節は?
頸部、鎖骨、腋下(えきか)、腹部、鼠蹊(そけい)、膝窩(しっか)の6つ。
リンパの働きって?
毛細リンパ管に取り込まれたリンパ液が全身をめぐり、胸管という太いリンパ管に合流し、鎖骨下の静脈から血液に戻る流れのことを「リンパ系」といいます。リンパ系の主な役割は次の3つです。
①老廃物や余剰な水分を回収する
②腸管から脂肪を吸収する
③免疫細胞を運搬する
①老廃物や余剰な水分を回収する
組織液の中に含まれている細胞から出た老廃物や細菌・ウイルスなどの異物は、リンパ管に取り込まれて運ばれ、リンパ節でろ過されます。また、血管に戻れなかった組織液(水)は、リンパ管に集められて静脈まで運ばれます。
②腸管から脂肪を吸収する
小腸で吸収された脂質は腸のリンパ管に取り込まれ、静脈を経て肝臓に入ります。リンパ系を経由することで、栄養分に混じった毒素などが除かれます。
③免疫細胞を運搬する
リンパ液には、白血球の一部であるリンパ球が含まれています。リンパ球には、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞など複数の種類があり、病原体が血液循環系へ侵入しないように攻撃します。
リンパが滞ると?
リンパの流れが滞ると体内の老廃物や余分な水分が排出されなくなり、次に挙げるような不調につながります。また、免疫機能が低下し、風邪や病気にかかりやすくなります。
〇むくみ
〇頭痛
〇肩こり
〇めまい
〇動悸
〇肌荒れ
〇便秘
〇冷え
〇疲れやすくなる
〇自律神経が乱れる
〇不眠
リンパが滞る4つの原因と5つの解消法
リンパはなぜ滞ってしまうのでしょうか?解消する方法はあるのでしょうか?順番に見ていきましょう。
リンパが滞る4つの原因とは?
リンパが滞る主な原因を4つ挙げましょう。
〇運動不足
〇水分不足
〇冷え
〇ストレス
リンパを流す6つの方法
リンパを流すための方法を5つ挙げます。
〇運動をする
〇ストレッチをする
〇マッサージをする
〇カラダを温める
〇ストレスを解消する
〇水分を摂る
リンパの流れを解消する詳しい方法については、「」を参考にしてください。
まとめ
- リンパとは?
リンパ液、リンパ管、リンパ節3つの総称 - 体液は…
カラダのどこに存在するかによって血液、組織液、リンパ液に分けられる - リンパ液とは?
毛細血管からしみ出した組織液の一部がリンパ管に入ったもの - リンパ管とは?
リンパ液が通る管 - リンパ節とは?
リンパ液をろ過する場所 - リンパの流れは…
〇ポンプ機能がないため、血液に比べるて流れがゆるやか
〇カラダの末端から鎖骨に向けて一方向に流れる - リンパの3つの働き
①老廃物や余剰な水分を回収する
②腸管から脂肪を吸収する
③免疫細胞を運搬する - リンパが滞ると?
〇体内の老廃物や余分な水分が排出されなくなり、様々な不調につながる
〇免疫機能が低下し、風邪や病気にかかりやすくなる - リンパが滞る4つの原因
〇運動不足
〇水分不足
〇冷え
〇ストレス - リンパを流す5つの方法
〇運動
〇ストレッチ
〇マッサージ
〇カラダを温める
〇ストレスを解消する
おわりに
リンパという言葉はみなさんご存知だと思いますが、それが何かを説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか?リンパが滞ると、むくみなどの不調が現れたり、免疫が落ちて風邪などの病気にかかりやすくなります。
今回は、リンパとは何か?について分かりやすくまとめました。リンパが滞る原因や解決方法については、「リンパ②」に詳しく書きましたので、併せて参考にしてくださいね。
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