カラダにやさしい手作りの『発酵マヨネーズ』。お酢のチカラがすごいんです!「どのお酢を選んだらいいの?」にお答えします!!
できるだけカラダに優しいマヨネーズを食べたくて作り始めた『発酵マヨネーズ』。マヨネーズや材料を発酵させて作るのではなく、発酵食品である甘酒や塩麴、そしてお酢を使って作ります。
材料を混ぜるだけなので、とても簡単。私は次の2つのバージョンを作っています。風味が違って、どちらもおいしいですよ!!
①甘酒と豆乳を使ったバージョン
②塩麴と卵を使ったバージョン
2種類の発酵マヨネーズで共通して使うのが、油とお酢。お酢は、意外とご存じない方もいらっしゃいますが、発酵食品なんです。
健康ブームの今、メディアなどで取り上げられて、注目されているお酢のチカラ。
〇お酢ってなあに?
〇お酢にはどんな効果があるのかな?
〇発酵マヨネーズには、どのお酢を使ったらいいの?
今回は、マヨネーズの材料であるお酢に、焦点を当ててみたいと思います。
この記事の目次
- 1.お酢ってなあに?
- 2.お酢の魅力① 健康効果
- 3.お酢の魅力② 抗菌作用
- 4.まとめ
- 5.おわりに
お酢ってなあに?
お酢とは?
お酢が発酵食品であることをご存知でしたか?お酢は
糖質を含む原材料に、麹菌と水を加えてアルコール発酵させ、これに酢酸菌を加えて酢酸発酵を行ったもの。
例えば米酢は…日本酒からできたお酢なんです!!
蒸したお米に米麹と水を加えて、米のでんぷんを糖化させます。それに酵母を加え、アルコール発酵をさせてお酒を作ります。
そのお酒に、種酢と酢酸菌を加えて酢酸発酵させます。お酒のアルコール成分が酢酸に変わってできたものが、米酢です。
要するに、お酒に酢酸菌を加えると、お酢ができるということ。酢の原料は、お酒にできるものであればなんでもOKなんです!!
お酢は、人間が作った「最古の調味料」だと言われています。自然にアルコール発酵した果物に菌が働いて、お酢が誕生したと考えられています。
お酢の種類って?
お酢は、様々な原材料からつくられています。先ほど書きましたが、酢の原料は、お酒にできるものであればなんでもOK。世界には4000種類ものお酢があるそうです!!
日本のお酢には大きく分けて、日本農林規格(JAS規格)による醸造酢と合成酢、JAS規格外の加工酢、外国からの輸入酢という4種類があります。
日本農林規格(JAS規格)による醸造酢と合成酢の分類は、分かりやすい表を見つけましたので、載せますね。
JAS規格外の加工酢とは、すし酢やポン酢など「食酢に醤油、砂糖、香辛料等を加えて味を調製したもの」。
そして輸入酢は、ワインビネガーやバルサミコ酢などです。
引用:http://www.shokusu.org/oxalis/teigi.html
【醸造酢】
〇穀物酢
・穀類の使用量が1ℓ中40g以上のものと規定されています。
・米、とうもろこし、小麦、麦芽、はとむぎなどを原料とします。
〇米酢
・穀物酢の中で、米の使用量が1ℓ中40g以上と規定されたものです。
・米だけで作る純米酢、玄米を原料とする玄米酢などがあります。
〇黒酢
・米黒酢は穀物酢の中で、玄米の使用量が1ℓ中180g以上と規定されたものです。発酵・熟成によって褐色か黒褐色をしています。
・大麦黒酢は穀物酢の中で、大麦の使用量が1ℓ中180g以上と規定されたものです。発酵・熟成によって褐色か黒褐色をしています。
〇果実(フルーツ)酢
・果実の搾汁の使用量が、醸造酢1ℓ中300g以上のものと規定されています。
【合成酢】
醸造酢の使用割合が60%以上であるもの。
合成酢と加工酢について
合成酢とは、「酢酸や氷酢酸を水で薄めて砂糖や酸味料、醸造酢などを加えたもの」。また、「エタノールを化学的に作り出したもの」も当てはまります。
発酵や熟成過程を経ていないので、醸造酢のような効果はなく、現在はほとんど生産されていません。
合成酢に代わって流通しているのが加工酢。食酢に香辛料や調味料を加えて味付けをしたもの。ポン酢やすし酢がそれにあたります。
加工酢はJAS規格外のため特に規定がなく、化学調味料や添加物が多く含まれている可能性があります。
お酢の種類による特徴って?
お酢にも色々な種類があって、マヨネーズを作るときにどのお酢を使ったらいいのか迷いますね。種類によって、香りや酸味などの特徴が違っていて、それぞれに相性が良い使い方があるんです。
〇穀物酢
・香りや酸味などのクセが少なく、食べやすいです。
・どんな料理にも合わせやすいです。
・料理全般に使われます。
〇米酢
・香りが強く、味はまろやかです。
・非加熱での使用がおススメ。
・和食と相性が良く、酢飯や酢の物に向いています。
〇黒酢
・香りやコク、クセが強いです。
・なめらかな味です。
・中華料理と相性がいいです。飲むお酢としても。
〇果実酢
・酸味は、他のお酢に比べて抑え目。味は、フルーティで爽やかです。
・飲むお酢、ドレッシングに向いています。
〇ワインビネガー
・酸味が強く、苦みがあります。ぶどうの香りがします。
・ワイン同様、赤は脂っぽい料理、白はさっぱりした料理に向いています。
・ドレッシングやマリネに向いています。火を通して食べるのがおすすめ。
〇バルサミコ酢
・苦味はなく、コクが強いです。
・ 加熱して酸味をとばすと、甘みや香りが引き立ちます。
・肉料理や魚料理のソースに向いています。
お酢の魅力① 健康効果
健康への関心が高まり、お酢のチカラがテレビや雑誌などで注目されています。お酢には、どのような効果が期待できるのでしょうか?
お酢は発酵食品です!
お酢は発酵食品です。発酵の過程で発生するアミノ酸とクエン酸が、お酢が健康や美容に効果的だとされるポイント。米酢を例にとって説明します。
米酢の原材料は、米。白米には少量のビタミンB群が含まれるだけでそれほど栄養価は高くないと言われています。
ところが発酵させて米酢にすると、酢酸やクエン酸、有機酸やアミノ酸が豊富に生まれるんです。アミノ酸は15種類、有機酸は70種類以上と言われています。
〇発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化することをいいます。
〇発酵食品にすると、次のようなメリットがあります!!
・消化・吸収がよくなります。
・栄養価が加わります。
・うまみが加わります。
・保存性がよくなります。
発酵の最大のメリットは「消化・吸収がよくなる」こと。微生物があらかじめデンプンやたんぱく質を分解してくれるので、内臓への負担が軽減します。特に、腸内環境を整えることは、健康を保つ上でとても大切です。
期待できる効果って?
具体的に、どのような効果が得られるのかをみていきましょう。
〇ダイエット効果
〇疲労回復効果
〇血糖値の上昇を抑える効果
〇腸内環境を整える効果
〇ダイエット効果
お酢には酢酸、クエン酸、アミノ酸が含まれています。酢酸は脂肪の蓄積を抑え、クエン酸は体内の脂肪をエネルギーに変えて消費し、アミノ酸は脂肪の燃焼を促します。運動前30分~一時間前に摂ると効果的だそうです。
〇疲労回復効果
アミノ酸とクエン酸は、疲労回復のスピードを速めてくれます。
〇血糖値の上昇を抑える効果
酢酸が体内に入ると、細胞からアデノシンが分泌されて血管が広がります。血糖値、血圧を下げ、内臓脂肪を減らしてくれるのです。
〇腸内環境を整える効果
酢酸は、腸内の悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整えてくれます。便秘解消にも効果があります。
お酢の種類によって効果に差はあるの?
お酢には色々な種類があり、酸味や風味などに特徴があることが分かりました。発酵マヨネーズの材料として選ぶときに、もう一つ気になるのが栄養価や効果の違い。種類によってそれらに差はあるのでしょうか?
〇穀物酢
米酢に比べると、有機酸やアミノ酸が少ないです。
〇米酢
米酢なら有機酸が、玄米酢ならビタミンやミネラルが豊富です。
〇黒酢
穀物酢や米酢よりも多くの原料を使うので、アミノ酸が非常に豊富です。
〇果実酢
アミノ酸は少なめですが、その分果実の栄養素が摂れます。
〇ワインビネガー
ポリフェノールが含まれます。
〇バルサミコ酢
ポリフェノールに加え、ビタミンやミネラルが豊富です。
お酢を摂るうえで知っておきたいこと
お酢は健康や美容に効果的。積極的に摂りたいですね。ただし、いくつか気をつけて欲しいことがあるんです。
①摂取量について
1日あたり15mL(大さじ1杯)程度を、継続して摂るのが効果的。一度にたくさん摂っても意味がないので、1日の適量を守りましょう。
②いつ摂るのがいいの?
空腹時に摂ると、酸が強いために胃を荒らす可能性があります。空腹時は避けましょう。
③原液を飲むのは避けましょう
原液で飲むのは避け、お料理に使うか、炭酸や牛乳などで割りましょう。
④成分表示を確認してください!!
例えば、お酢ドリンクは多くの商品に糖質が添加されています。JAS規格外の加工酢には、添加物が入っていたりします。購入前に成分表示を確認しましょう。
お酢の魅力② 抗菌作用
スーパーに行くと、マヨネーズは常温の棚に置かれており、日持ちがする商品だと分かります。その賞味期限は、開封前と開封後で、以下の通りとなっています。
〇開封前
・チューブ入りは、10か月
・瓶入りは、12か月
〇開封後
・冷蔵保存で、約1か月
私はてっきり防腐剤が入っているのかと思っていましたが、違いました。マヨネーズは、JAS規格により保存料の添加は認められていません。それならば、なぜマヨネーズの賞味期限はこんなにながいのでしょうか?
その理由は、使われている「酢と塩には、強い殺菌・防腐効果があるから」。特にお酢のチカラはすごいんです!!
卵による食中毒の主な原因は、サルモネラ菌。お酢が入っているマヨネーズはpHが低く(酸度が高く)、サルモネラ菌やその他の食中毒菌が失活します。
手作りした『発酵マヨネーズ』の賞味期限は、「冷蔵保存で1日~1週間以内」と言われています。
酢の分量によって酸度が低い場合は十分に死活することができません。自家製マヨネーズを作る時には、全重量に対する酢の配合割合を10%程度になるように調整すると安心だと言われています。
発酵マヨネーズで使うお酢はどれがいいの?
さて。発酵マヨネーズの材料としてどのお酢を選んだらいいのか…答えはみつかりましたか?
お酢は、種類によって酸味や香り、コクなどの特徴が大きく異なります。また、ここまで見てきた通り栄養価などにも違いがあります。
風味や香りを優先するのか、健康や美容的な効果を優先するのかにもよりますね。
ちなみに私は、『純米酢』を使っています。お酢ならではの程よい酸味があり、クセが少なく、味がまろやか。非加熱のお料理に適していること、そして穀物酢よりも栄養価が高いことがその理由です。
こちらの記事を参考にしていただいて、色々と試してみてくださいね!!
『発酵マヨネーズ』の作り方は「カラダに優しい『発酵マヨネーズ』を手作りしませんか?材料を混ぜるだけなので、簡単にできるんです!!」をご覧ください。
マヨネーズの約70%を占める油。どの油を選んだらいいか?についての記事は、「約70%が油のマヨネーズ。手作り『発酵マヨネーズ』で、できるだけヘルシーに!!油についても詳しく解説しています」を参考にしてください。
まとめ
- お酢とは?
糖質を含む原材料に、麹菌と水を加えてアルコール発酵させ、これに酢酸菌を加えて酢酸発酵を行ったもの。 - お酢の種類は?
〇日本のお酢には大きく分けて、日本農林規格(JAS規格)による醸造酢と合成酢、JAS規格外の加工酢、外国からの輸入酢という4種類がある。
〇種類によって、香りや酸味などの特徴が違っていて、それぞれに相性が良い使い方がある。 - お酢の魅力① 健康効果がある
発酵の過程で発生するアミノ酸とクエン酸が、お酢が健康や美容に効果的だとされるポイント。
〇ダイエット効果
〇疲労回復効果
〇血糖値の上昇を抑える効果
〇腸内環境を整える効果 - お酢の種類による効果の差って?
〇穀物酢
米酢に比べると、有機酸やアミノ酸が少ない。
〇米酢
米酢なら有機酸が、玄米酢ならビタミンやミネラルが豊富。
〇黒酢
穀物酢や米酢よりも多くの原料を使うので、アミノ酸が非常に豊富。
〇果実酢
アミノ酸は少なめだが、その分果実の栄養素が摂れる。
〇ワインビネガー
ポリフェノールが含まれる。
〇バルサミコ酢
ポリフェノールに加え、ビタミンやミネラルが豊富。 - お酢を摂る上で気をつけること
〇1日あたり15mL(大さじ1杯)程度を、継続して摂る。
〇一度にたくさん摂っても意味がないので、1日の適量を守る。
〇空腹時は避ける。
〇原液で飲まない。
〇成分表示を確認する。 - お酢の魅力② 抗菌作用がある
お酢が入っているマヨネーズはpHが低く(酸度が高く)、サルモネラ菌や、その他の食中毒菌が失活するので、賞味期限が長い。
おわりに
『発酵マヨネーズ』の材料であるお酢について書いてきましたが、いかがでしたか?ひと口にお酢と言っても、たくさんの種類があります。その種類によって酸味や風味、使い方、栄養価などが違うんですね。
「どのお酢を使ったらいいのかな?」と迷われたら、ぜひ参考にしてください。味で選ぶのか、効果で選ぶのか…何を優先するかによって変わってきます。色々試してみるのも楽しいです。
私は、少しでもカラダに優しいマヨネーズを使いたくて、手作りするようになりました。市販のマヨネーズに比べて、手作りの『発酵マヨネーズ』は原材料にこだわることができたり、使う量を調整したりすることができます。
また、製造過程がみえるので安心です。さらに、健康に効果的とされる発酵食品を使っているので、魅力倍増!!そして、材料をまぜるだけなので意外に簡単なんです。
別記事の「作り方」では、失敗しないためのポイントについてもお伝えしましたので、この機会にぜひ作ってみてくださいね。
少しでもカラダに優しいマヨネーズができあがりますように。
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