2つの材料&2ステップ!!砂糖不使用の甘酢『酢麹』の作り方
『酢麹』をご存知ですか?聞きなれない言葉ですが、発酵食品に興味のある方は、「お酢と麹…なんだかカラダによさそうかも!」とピンとくるかもしれません。
酢麹は簡単に言うと、お砂糖を使わない甘酢。白砂糖がカラダに良くないと囁かれるなか、ノンシュガーというのは嬉しいですね。
そして、酢麹の材料であるお酢と米麹はどちらも発酵食品。発酵食品が健康や美容によい影響を与えることは、ずいぶん知られるようになりました。2つの発酵食品が一緒になることで、それらの効果がさらに倍増するんです!!
〇酢麹の作り方って?
〇酢麹はどのくらい日持ちするの?
〇酢麹の効果って?
気になる酢麹について、お伝えしますね。
この記事の目次
- 1.『酢麹』の作り方って?
- 2.発酵食品をつくるときのポイントとは?
- 3.酢麹はどのくらい日持ちするの?
- 4.酢麹の効果って?
- 5.まとめ
- 6.おわりに
『酢麹』の作り方って?
早速『酢麹』の作り方をご紹介します。材料は米麹とお酢の2つ。作り方も次の2ステップ。とてもシンプルです。
①材料を混ぜて
②発酵させるだけ
【材料】
〇米麹 100g
〇お酢 300ml
(できあがり 約400ml)
【準備するもの】
〇保存容器
〇柄の長いスプーン
【作り方】
①消毒した容器に米麹を入れ、お酢を注ぎます。柄の長いスプーンで、よくかき混ぜます。
〇生麹は、かたまりを手でほぐしながら入れます。
〇米麹とお酢が均一になるように、しっかり混ぜましょう。
②常温で約一週間発酵させます。一日一回、かき混ぜましょう。
「出来上がりまで約一週間」というのは、あくまでも目安です。麹菌が活性化する温度は約60度。発酵を促進するためには、この温度をできるだけ一定に保つ必要があります。
ところが温度は、季節や室温など、環境によって大きく異なります。かき混ぜた時に抵抗感がなくなったら出来上がりです。
一日一回かき混ぜるのは、麹菌が好気性だから。発酵するためには、空気に触れる必要があります。
③出来上がったらスプーンでまぜ、消毒済の清潔な容器に移して、冷蔵庫で保管します。
発酵後、米麹のツブツブが残るので、私はハンドミキサーでなめらかにしてから瓶に移して保存しています。麹の粒がおいしいと感じる方もいらっしゃるので、お好みで。
発酵食品をつくるときのポイントとは?
とても簡単に作ることができる酢麹ですが、失敗しないために押さえておいたほうが良いポイントがあります。それは「温度管理」なんです。
温度管理が大切です!!
発酵食品を作るときの最大のポイントは、発酵時の温度管理です。失敗の主な原因は、温度管理がうまくいかなかったから…と言っても過言ではありません。
逆にそのコツをつかめば、成功する確率が高くなります。その理由を簡単に説明しましょう。
『発酵』とは、微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
実は発酵菌が活発に働く温度と、そうでない温度があります。発酵菌が活性化すると有機物をどんどん分解してくれるため、発酵も進むというわけです。だから、適温を保つことが大切なんですね。
酢麹をつくるときに最適な温度って?
酢麹をつくるときは、50~60度を保って発酵させます。これは麹菌が有機物を糖化させるために最適な温度が60度前後だからです。
一方、麹菌の増殖に適した温度は25~30度。繁殖が止まるのは45度、そして50度前後で死滅します。なんだか矛盾を感じませんか?
50~60度では麹菌そのものは生きていくことができません。『糖化』は、麹菌が発酵の過程で作り出す酵素の働きを利用したものなんです。
多くの酵素は60~70度で失活します。活動が止まるとデンプンを分解してくれなくなるので糖ができず、甘くなりません。逆に50度以下でも、酵素の働きは鈍くなってしまいます。
酵素が活発に活動する温度は50~60度。つまり温度が高すぎても低すぎても、NGだということなんです。
ヨーグルトメーカーを使うと、もっと簡単に酢麹を作ることができます。その理由は、温度管理をオートで行ってくれるから。スイッチを押せば発酵が終わるまで放っておけるので、とても便利なんです。手順は以下の通りです。
①付属の容器に材料を入れてふたを閉めます。
②ヨーグルトメーカーにセットします。
③60度で6時間発酵させます。
酢麹はどのくらい日もちするの?
酢麹は煮沸消毒した容器に入れて、冷蔵庫で保管します。保存期間は約1か月と言われています。
加熱していないのに、こんなに日もちがするのはなぜなのでしょう?その理由は次の2つ。
〇お酢のチカラ
〇発酵のチカラ
順番にみていきましょう。
〇お酢のチカラ
酢麹の原材料であるお酢には、強い殺菌・防腐効果があります。お酢は、酸度が強いため、食中毒の原因となるサルモネラ菌やその他の食中毒菌を失活させます。
例えば、卵が入っているマヨネーズの賞味期限が長いのも、このお酢の殺菌・防腐効果によるんです。
〇発酵のチカラ
本物の発酵食品は、理論上腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。
これを「菌の拮抗作用」と呼びます。身近な食品で例を挙げると
〇発酵食品の一種であるワインは、きちんと管理されていれば、何十年経っても腐りません。むしろ「ヴィンテージ(年代物)」と呼ばれて、非常に高値で取引されています。
〇同じく発酵食品であるお味噌も、「〇年熟成赤味噌」など、高級品として売られていたりします。
食べるのを控えた方が良い状態って?
お酢のチカラと発酵のチカラによって、腐りにくいとされる酢麹。ただし、以下のような場合は、食べるのを控えましょう。
全体にグレーがかってきて、臭いがおかしいと感じたとき。
また、表面にカビが生えることがありますが、カビを取りのぞけば食べることは可能です。ただし、気になる方は処分して新たに作り直してください。
酢麹の効果って?
酢麹の材料であるお酢と米麹は、発酵食品。どちらも「健康や美容に効果的」だと言われています。その両方を合わせて作る酢麹は、まさにパワーフードですね!!
さらに「お砂糖を使っていないのに甘い」ことが魅力的。カラダに良い甘酢として、大活躍しますね。
お酢と米麹の効果
お酢は、以下のような効果が期待できます。
〇ダイエット効果
〇疲労回復効果
〇血糖値の上昇を抑える効果
〇腸内環境を整える効果
これらの効果は、お酢に含まれる「酢酸、クエン酸、アミノ酸」のチカラ。発酵させて米酢にするときに、酢酸やクエン酸、有機酸やアミノ酸が豊富に生まれるんです。アミノ酸は15種類、有機酸は70種類以上と言われています。
お酢は、1日あたり15mL(大さじ1杯)程度を、継続して摂るのが効果的。一度にたくさん摂っても意味がないので、1日の適量を守りましょう。
そして、米麹には次の栄養素が含まれています。
〇豊富なビタミンB群
〇たくさんの酵素
〇食物繊維やオリゴ糖
ビタミンB群を摂ると血行と代謝がアップするため、美肌効果が期待できます。また、米麹に含まれるアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチナーなどの酵素が食品の成分を分解することで、栄養の消化吸収を促進します。
さらに、米麹に含まれる食物繊維やオリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えます。
〇発酵食品にすると、次のようなメリットがあります!!
・消化・吸収がよくなります。
・栄養価が加わります。
・うまみが加わります。
・保存性がよくなります。
発酵の最大のメリットは「消化・吸収がよくなる」こと。微生物があらかじめデンプンやたんぱく質を分解してくれるので、内臓への負担が軽減します。特に、腸内環境を整えることは、健康を保つ上でとても大切です。
まとめ
- 『酢麹』の作り方って?
〇材料は、米麹とお酢の2つのみ。
〇手順は次の2ステップ。
①材料を混ぜて
②常温かヨーグルトメーカーで発酵させるだけ - 発酵食品をつくるときのポイントって?
発酵時の温度管理に気をつけること。
〇発酵菌が最も活性化する温度がある。
〇酢麹は60度を6時間保つ。 - 酢麹はどのくらい日持ちするの?
酢麹は煮沸消毒した容器に入れて、冷蔵庫で保管する。
保存期間は約1か月と言われている。 - 食べるのを控えた方が良い状態って?
全体にグレーがかってきて、臭いがおかしいと感じたとき。 - 酢麹の効果
お酢と米麹、それぞれの良さを合わせた効果が期待できる。 - お酢の効果
〇ダイエット効果
〇疲労回復効果
〇血糖値の上昇を抑える効果
〇腸内環境を整える効果 - 米麹に含まれる栄養素
〇豊富なビタミンB群
〇たくさんの酵素
〇食物繊維やオリゴ糖
おわりに
もともと発酵食品であるお酢と米麹。酢麹は、この二つを合わせて発酵させるので、その効果が倍増します。
さらにお砂糖不使用!!しかも簡単に作れて、保存もきいて、とてもおいしいんです。
カラダに良いと言われる発酵食品ですが、できるだけ毎日食べること、そして長く続けることで効果を発揮します。
甘酢は使い勝手がいいので、まとめて作って常備しておくと、何かと重宝します。日々の食卓に取り入れやすいんです。
ぜひ、今回の記事を参考にして、手作り酢麹にチャレンジしてみてくださいね!!
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