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柔らかくて、うま味成分が引きあがる三五八漬けの秘密とは!! 「お肉とお魚」の漬け方のポイントは?

三五八漬けを作り始めてから、毎日食べることが習慣になってきました。
甘みと塩気のある三五八は、白いご飯に合うとっても美味しいお漬物です。

そんな三五八ですが、実はお肉やお魚に漬けるととっても美味しくなるんです!一度食べてみると、甘くて柔らかくって、旨味が凝縮されて思わず「うまい!!」と声に出してしまいたくなります。

発酵のチカラってすごいですね。
そのものの旨味を引き出すだけでなく、栄養価を高めて腸内環境まで整えてくれる。今ではなくてはならない存在です。

三五八漬けのうれしいポイントは「甘味」を感じることが出来ること。
お肉やお魚の旨味と、麹の甘味が口の中でふわっと広がると、至福の時間を過ごすことができます。

それでは、「お肉とお魚の三五八漬け」についてお届けしましょう♪
きっと、三五八漬けの虜になること間違いなしです。



1.三五八漬けとは?

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福島県の郷土料理で、ぬか床ならぬ、「麹漬けの床」が三五八漬けです。
麹の甘味を感じることができ、漬けたい野菜を入れて置くだけで6時間から半日ですぐに漬けることができます。
栄養価が高い麹が原料となっていて、免疫力のアップも期待出来ます。

人参やキュウリなどの野菜や、肉や魚なども漬けておくことができ、ぬか床のように混ぜる手間がないので、手軽に漬けることが出来ます。三五八漬けは江戸時代から伝わる漬け床で、麹が熟成し乳酸が作られることにより糠の風味も少し感じることが出来る美味しい漬け床です。


2.三五八漬けの作り方

混ぜて発酵させるだけの三五八漬けは、短時間で簡単に作れます。
作った後は、冷蔵庫に保存して野菜を漬けておくだけのお手軽料理。

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材料
食塩 40g
麹  200g
お米  300g

作り方
①ご飯を炊飯器で炊く
②炊き立てのご飯に麹を入れ混ぜ合わせる
③うち釜の表面に2,3重にラップをしてフタをしめて、そのまま60℃くらいで保温をして2~3時間置いて、麹を発酵させていく。
④全体的に茶色く甘みを感じ始め、麹の香りが立ってくる。
⑤そこに塩を加え、2~3日おいて熟成させたら漬け床の完成。野菜を漬けて1日置いたら麹漬けが出来上がります、6~10時間漬けておいたら完成です。

*三五八漬けは混ぜすぎると、中に空気が入りカビが繁殖しやすくなります。あまり混ぜすぎないのが大切です。


3.三五八漬けの4つの効果

三五八漬けにはさまざまな効果があります。
腸内環境から疲労回復までうれしい効果がたくさんです!


効果1.消化吸収を促す

豊富に含まれている酵素が食べ物の栄養の消化吸収を促進してくれます。


効果2.美肌効果

ビタミンB1や葉酸などのビタミンB群が血流の血行や代謝を促進して、美肌効果が期待できます。


効果3.腸内環境の改善

麹に含まれる食物繊維やオリゴ糖が消化吸収を助け、腸内環境を整えて、便秘の解消、免疫力をアップさせる効果もあります。


4.疲労回復の効果

米麹に含まれる栄養素には、ビタミンB1やB2、B6、ナイアシン、パントテン酸、イノシトール、ビオチンなど代謝を促進するビタミンB群が作られ、疲労回復、爪や肌の代謝、脳、内臓の働きを活性化する効果が期待できます。


4.お肉やお魚を柔らかくする麹菌

麹には2つの作用があります。

・お肉やお魚の繊維を切断して柔らかくする作用
・お肉やお魚の中にある水分を保持してくれる役割

三五八漬けに欠かせない麹菌にはいくつかの酵素が含まれています。
その酵素の一つに「プロテアーゼ」というお肉やお魚のたんぱく質を分解してうま味成分であるアミノ酸に変換する働きがあります。旨味成分がグンっと上がる理由はそこにあります。塩こうじや醤油麹も同じ麹が含まれているので、同様にプロテアーゼが含まれています。

酵素は、いくつも連なっているお肉やお魚のたんぱく質の繊維をぷちぷちと切って食感的にも噛みきれる柔らかさにします。そして、お肉やお魚の柔らかさには、中に含まれている水分も大きく関わってきます。お肉やお魚の多くは、焼いたり煮たりと火を通して調理することが多いです、その時に肉や魚の中に含まれている水分が出ていくことと、たんぱく質が凝固することでお肉やお魚が固くなるのです。

お米のでんぷんは麹菌の分解酵素の作用によってブドウ糖とマルトース(麦芽糖)に分解されます。これらをお肉に漬けることで、繊維質を切断して糖類や塩がお肉の中に入り込み、これらの作用によってお肉の中にある水分が保たれ、お肉が凝縮するのを防ぐ働きがあります。

〇発酵調味料の保存性
発酵調味料は塩分と発酵とが合わさった万能の調味料で、漬けておくことで保存性も高まります。とくにお肉やお魚など、賞味期限が近くなったけど食べきれないものは、漬けておくことで日持ちをすることが出来ます。長期に漬けておくことは出来ないけれど、今はまだ食べきれないという時にはサッと漬けておくと捨てることなく最後まで食べきることができます。


5.お肉とお魚の三五八漬け

三五八をお肉やお魚に漬けることで、柔らかさも旨味もグッと引きあがります。


5-1.お肉の三五八漬け

材料
鶏肉・三五八

作り方
①鶏肉に三五八漬けを漬けます


②1日漬けて置き、取り出して三五八をお肉の表面から取ります


③油をひいてこんがりと焼いて完成です。


5-2.お魚の三五八漬け

材料
たら・三五八

作り方
①たらに三五八を漬けていきます


②半日漬けて三五八をたらの表面から取り除いていきます


③フライパンに油をひいてこんがり焼けたら完成です


6.お肉やお魚に漬けるさまざまな発酵モノ

世の中にはお肉やお魚を柔らかく旨味を引き出すためにさまざまなものに漬ける習慣があります。その中でも、発酵モノに特化した5つを一つずつご紹介しましょう。

・塩麹
・醤油麹
・お酢
・ヨーグルト
・赤ワイン


〇塩麹

材料
米麹 100g ・食塩 35g ・水 100~110cc

作り方
①米麹をパラパラにしてほぐしていきます
②食塩を入れて混ぜ合わせて、水を入れていきます
③1日1回混ぜて、10~14日ほど常温で保管します

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〇醤油麹

材料
米麹 200g  ・醤油 400cc

作り方
①米麹に醤油を混ぜ合わせる
②1日一回混ぜ合わせて、常温で2週間ほど保管します


〇お酢

お酢によってお肉が酸性に傾くためお肉が柔らかくなります。また、お肉に含まれているたんぱく質分解酵素によって、たんぱく質が分解されて柔らかくなります。


〇ヨーグルト

ヨーグルトに含まれる乳酸がお肉の筋繊維をほぐし、保水性が高まるため食感が柔らかくなります。

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〇赤ワイン

赤ワインに含まれる酸の効果で、筋繊維がほぐされて保水性が高まりお肉が柔らかくなります。また、酵素が活性化するため、お肉が柔らかくなる効果もあります。


7.麹について

日本の国菌とされる麹は、お味噌やお醤油などの調味料から、最近では醤油麹、塩こうじなど自宅でも身近に感じるモノの一つになってきました。
そんな麹とは一体どんな効果効能があるのでしょうか?



7-1.麹菌ってなんだろう?

麹菌はコウジカビと呼ばれ、「カビ」の一種でアスペルギルス・オリゼーとも呼ばれています。カビと聞くとあまりいいイメージを持ちにくいかと思いますが、麹を摂ることで、腸内環境を整えて、免疫力をアップさせてくれます。

麹には「プロテアーゼ」と「アミラーゼ」などたくさんの酵素が含まれています。お肉やお魚などに含まれているたんぱく質を分解してアミノ酸に変え、そのモノ自体を柔らかくします。アミノ酸は栄養価を高くしてくれるだけでなく、旨味成分を引き出す効果もあります。

・プロテアーゼ
→たんぱく質をアミノ酸に分解してうま味成分を出してくれます
・アミラーゼ
→ でんぷんをブドウ糖に分解して甘味を引き出します。

麹菌が生息できるので日本だけで「国菌」ともされています、日本酒やお味噌など多くの醸造に関わっていて、なくてはならないとても貴重な存在なのです。


7-2.麹には3つの麹があります


・米麹
よく使われる麹の1つで、お米に麹菌をまぶして発酵して作られていきます。発酵調味料によく作われるもので、甘酒、塩こうじ、日本酒があります。
・麦麹
麦麹は麦に麹菌をまぶしたもので、お味噌や麦焼酎によく使われます。
・豆麹
豆麹は、大豆の豆を原料にして作られて、豆味噌や八丁味噌などに使われています。


8.まとめ

  • 三五八漬けってなんだろう?
    福島県の郷土料理で、ぬか床ならぬ、「麹漬けの床」が三五八漬けです。
  • 三五八漬けの作り方
    混ぜて発酵させるだけの三五八漬けは、短時間で簡単に作れます。
  • 三五八漬けの4つの効果
    三五八漬けにはさまざまな効果があります。腸内環境から疲労回復までうれしい効果がたくさんです!
    1.消化吸収の効果
    2.美肌効果
    3.腸内環境の改善
    4.疲労回復の効果
  • お肉を柔らかくする麹菌麹には2つの作用があります。
    ・お肉の繊維を切断して柔らかくする作用・お肉の中にある水分を保持してくれる役割
  • お肉とお魚の三五八漬け
    三五八をお肉やお魚に漬けることで、柔らかさも旨味もグッと引きあがります
  • お肉やお魚に漬けるさまざまな発酵モノ
    ・塩麹・醤油麹・お酢・ヨーグルト・赤ワイン
  • 麹について
    麹菌はコウジカビと呼ばれ、「カビ」の一種でアスペルギルス・オリゼーとも呼ばれています。麹には3つの麹があります。
    米麹
    よく使われる麹の1つで、お米に麹菌をまぶして発酵して作られていきます。
    ・麦麹
    麦麹は麦に麹菌をまぶしたもので、お味噌や麦焼酎によく使われます。
    ・豆麹
    豆麹は、大豆の豆を原料にして作られて、豆味噌や八丁味噌などに使われています。


9.おわりに

お肉とお魚の三五八漬けについていかがでしたでしょうか?
発酵の旨味をまとった三五八漬けは、思わず何度も食べてみたくなる味です。
ひと手間加えることで、食卓も華やかになりますね。
日本の国菌の「麹」のチカラは偉大ですね!!
知れば知るほどに、奥深さを感じずにはいられません。そして三五八漬けという素材の良さを引き出す力もとても大きなものです。
ぜひ、一度お肉とお魚を三五八漬けしてみて下さい。
とっても美味しいですよ。

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