寒冷の土地の岩手県はじっくり発酵型!? 海に囲まれた自然豊かな土地に育まれた発酵料理♪
岩手県は東北の北側に位置し、夏は涼しいが冬の寒さは厳しく積雪量も多い地域です。寒い土地と言えば「鍋物」が冬の主流のおかずとなりますが、またそれに合うお酒として「どぶろく」が好まれています。
その土地独自のお酒や料理は、そこの場所で作られるからこそ美味しさも変わってきます。みずみずしい状態で揚げられたお魚や新鮮な食物を使って作る発酵モノは、鮮度をギュッと閉じ込めてくれます。
栄養価も高く身体にもいい発酵料理、その上旨味を感じることも出来て身体も心も満たされますね。
岩手県の肌寒さを感じる冬を思い浮かべながら飲むどぶろくや発酵のおつまみはしあわせな気分にしてくれるかもしれませんね。
それでは、岩手県の気候と発酵料理についてお届けしましょう♪
1.岩手県の気候
岩手県は北海道の次に広大な土地を持つ、山や海に囲まれた自然に溢れた場所です。岩手県の内陸部は山岳丘陵地帯で占められていて、西側には奥羽山脈があり、山沿いでは冬の間は積雪量も多く日本海側のような気候が特徴的です。それと平行して東側には北上高知が広がり、夏と冬、昼と夜とで温度差が大きく、冬は寒い日が続く盆地性の気候を示しています。
また、太平洋に面した三陸海岸の南部には、裾野が沈水して出来たリアス式海岸があります。県の東側は冬も積雪量はあまりありませんが、夏には「やませ」と呼ばれる冷たい北東の風が吹きます。
そして、この2つの山系の間を北上川が流れ、その流域に平野が広がっています。沿岸部では海洋性の気候で、夏は涼しく冬は積雪が少なくそれほど寒くなりません。地域によって気候に違いがあり、土地によって随分と変わります。
2.岩手県のお味噌の特徴
麹よりも大豆の割合が高く、豆の旨味を感じることが出来る赤色の辛口味噌です。香りが濃厚で、肉や魚のくさみを抑えて、食材の旨味を引き出します。寒さが厳しい地域では味噌づくりには難しい環境ですが、冷涼な気候が発酵にいい影響を与えて、ゆっくりと熟成されることで、香り高くまろやかで旨味が広がるのが特徴的です。
寒冷なため、2年かけて作られる味噌蔵もあります。伝統的な南部味噌は玉味噌ともいわれ、空気中に浮遊している麹菌の力で発酵させるます。蒸して潰した大豆を丸めて、軒先に吊るして発酵させることもあります。
3.岩手県の発酵料理
岩手県にはさまざまな発酵料理があります。
海に囲まれ、寒冷の地で作られるそれらは塩気をしっかりと漬けたものもあり、長期保存がききます。
3-1.どぶろく
どぶろくは日本酒を作る手順と同様ですが、最後に醪(もろみ)の中で溶け切らずに残った麹や蒸し米を濾しとる「上槽」と呼ばれる工程をせず醪(もろみ)というどろどろの状態で完成となるお酒です。
そのため、「醪酒(もろみざけ)」とも呼ばれています。
作り方は原料のお米を蒸して水を加え、そこに麹菌を混ぜ合わせます。そうすることで、お米のでんぷんが糖に変わっていきます。
酵母菌を入れて糖をアルコールに発酵させたら完成です。
お米の甘味と発酵の酸味、華やかな香りが口の中で広がります。また、原料を濾さずそのままギュッと栄養価が詰まっているのもうれしいポイントです。どぶろくの歴史は古く、作り始めたのは稲作が広がり始めた弥生時代となります。豊穣を祈願して、神様に奉納される「御神酒」としての意味があったとされています。
材料
蒸したお米7.5合 水1.8l 米麹 3.5合
作り方
①炊いたご飯に出来た麹を半分と水を入れる
②毎日混ぜて1週間ほどで完成
3-2.あわびの精
昆布や海藻などのあわびのエサとなるものが豊富で三陸海岸では日本一のあわびの生産量を誇っています。あわびの精はそのアワビの肝を新鮮な内に仕込んで、発酵熟成させた贅沢な調味料です。磯の風味と海の香りを閉じ込めた調味料で、海鮮の炊き込みご飯やオイスターソース変わりにも使うことが出来ます。
3-3.柿酢
柿酢作りの一番のポイントは、柿を洗わないことです。
柿の表面には酢酸菌や酵母菌が付着しておりそれらを活用して発酵させていきます。
保存場所は、涼しくて直射日光の当たらない場所に保管します、日数が経つにつれて発酵が進み泡が立ってきます。柿酢には「カリウム」が豊富に含まれていて、他の米酢などと比べても格段に多く含まれています。
また、老化防止、肥満防止、高血圧や脳卒中の予防などの効果も期待されています。
材料
柿・瓶
作り方
①柿のヘタを取ります
②瓶を消毒しておきます
③瓶に詰めて、少し上からつぶします
④しっかりと蓋をしめて、常温で保管します
⑤3日後からぷくぷくしてきて、日数が経つにつれてアルコールから酢酸に変わっていきます
3-4.雪割納豆
米沢名産の納豆で、五斗味噌が原型とされて大豆の皮を剥き2つに割って、塩と麹菌を混ぜ合わせ熟成させたもので、昔は豆二斗、麹二斗、塩一斗と合計五斗の大樽に仕込んだもので「五斗納豆」とも呼ばれる伝統保存食とされています。
冬場の保存食として重宝されて、塩辛いのですが昔から人気があります。
かつては、各家庭で冬の時期に、大豆を叩いたひきわり納豆を、麹と塩で仕込んで発酵させたもので、納豆の麹漬けとして食べられています。
市販で販売されている納豆は賞味期限が1週間前後ですが、雪割納豆は3か月ほどです。
味は「納豆味の味噌」というイメージで、しっかりと塩味がついていておにぎりの具としても合います。
4.まとめ
- 岩手県の気候
岩手県は北海道の次に広大な土地を持つ、山や海に囲まれた自然に溢れた場所です。 - 岩手県の味噌の特徴
麹よりも大豆の割合が高く、豆の旨味を感じることが出来る赤色の辛口味噌です。 - 岩手県の発酵料理
・どぶろく
お米の甘味と発酵の酸味、華やかな香りが口の中で広がります。また、原料を濾さずそのままギュッと栄養価が詰まっているのもうれしいポイントです。
・あわびの精
昆布や海藻などのあわびのエサとなるものが豊富で三陸海岸では日本一のあわびの生産量を誇っています。
・柿酢
柿酢作りのポイントは、柿を洗わないことが大切です。柿の表面には酢酸菌や酵母菌が付着しておりそれらを活用して発酵させていきます。
・雪割納
米沢名産の納豆で、五斗味噌が原型とされて大豆の皮を剥き2つに割って、塩と麹菌を混ぜ合わせ熟成させたもの。
5.おわりに
岩手県の発酵料理いかがでしたでしょうか?
思わず、一度食べてみたくなる料理もあったのではないでしょうか?
一度は耳にしたことがあるものから、初めて聞いたことがあるものまでいろいろとあると思います。
ご当地の発酵食品は聞いてみるだけでもおもしろく、食べてみると新たな味に出会えるきっかけになりますね。
ぜひ一度、気になるものがありましたらご賞味下さい。
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