柿をまるごと漬けておくだけ!! 岩手県で作られる柿酢の魅力とは?
食欲の秋と言えば、さんまや栗などいろいろと思い浮かぶ食べ物もたくさんありますね。そして果物と言えば「柿」、甘くて美味しくて栄養満点で、一口食べるとついついもう一口と手が伸びてしまいますね。
そんな柿は魅力が無限大で、実も葉もそしてヘタまでほぼ丸ごと食べることの出来る果物なのです。葉は柿の葉茶として、ヘタは漢方に使うことも出来ます。
そして、柿の実はそのまま食べても美味しいですが、柿酢として使うことで、さらに用途が広がっていきます。
柿酢は、発酵料理の一つで柿をまるごと発酵熟成させていきます。
二段階発酵させる柿酢は、次第に酸味がついてきてお酢のいい香りを放ち始めます。
出来上がった柿酢は、調味料にドレッシングにと用途はさまざまです。
そして、炭酸で割って柿酢ジュースとして飲むこともできます。
それでは、栄養価満点の「柿酢」についてご紹介しましょう♪
この記事の目次
- 1.柿酢ってなんだろう?
- 2.柿酢の作り方
- 3.柿酢の発酵の適温は?
- 4.果実酢の魅力
- 4-1.果実酢ってなんだろう?
- 5.お酢の語源
- 6.まとめ
- 7.おわりに
1.柿酢ってなんだろう?
柿を丸ごと瓶に詰めて発酵させて作る柿酢は、昔農家でも作られてきた果実酒の中の一つで、初めての人でも作りやすいと言われています。
「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあります。柿が赤く実るころ秋は天候が良く過ごしやすいので、医者は商売にならずに青ざめるという意味を持っていて、柿の効果効能もまた含まれています。柿は実だけでなく葉やヘタなどまるごと使うことが出来る栄養価の高い果物です。
2.柿酢の作り方
柿をまるごと一つ使って作ります。
作るときのポイントは、「柿を洗わずに使うこと」。柿の表面に付いた酢酸菌や酵母菌のチカラで発酵を促していきます。
柿は完熟でも早熟のモノでも大丈夫ですが、完熟のモノの方が発酵をしやすく、また糖度が高いものならば甘柿、渋柿ともどちらとも作ることが出来ます。渋柿の渋みはアルコールにより、抜けていくのでお酢は渋くならないです。
・柿酢作りのカビを生やさないポイント
1.保存瓶を消毒しておくこと
2.瓶にぎゅっと詰めていくこと
*もし青いカビが表面に生えてきて、これ以上使うことが難しければ捨てることをおススメします。
材料
柿・消毒した保存瓶
作り方
①柿は洗わずにサッとホコリがついていたら取る。
②柿のヘタを取り、カビが生えそうな部分は包丁で削っていきます。
③消毒した保存瓶に柿を詰めていきます、少しぎゅっと押し込んでいく感じで詰めていきます。コバエが入りやすいので、布をかぶせて輪ゴムで留めます。
④日の当たらない場所に置いておきます。
⑤2,3日するとぷつぷつと気泡が立ち始めます。
⑥その後4,5日すると柿が浮かんできて、アルコール発酵がすすみ始めます。5日前後でパンの酵母として使うことが出来ます。
⑦1ヵ月経つと酸っぱさが増して「柿酢」となります。
⑧柿酢を濾します
⑨布巾に柿酢を入れます
⑩搾ります
⑪柿酢の完成
*柿をまるごと使うので、無農薬のものがおススメです。
3.柿酢の発酵の適温は?
柿酢には、二段階の発酵があります。
・一段階目はアルコール発酵
・二段階目は酢酸発酵
見た目も変わりますが、香りも日が経つにつれてアルコールの香りから酸味のある香りに変化していきます。
3-1.アルコール発酵(一段階目)
柿酢を作る際には二段階に分けて発酵の過程があります。
はじめは「アルコール発酵」を促していくために「酵母菌」優位の発酵が始まります。そして、酵母が働くには、「酵母・糖分・アルコール」が混ざり合っていることが大切になります。そのため、早いうちに液状化している状態がカビを寄せ付けなくさせます。
発酵と言うと40度前後を思い浮かべる人も少なくないと思いますが糖度の高い柿はすぐに発酵をしてしまいます。そのため、一段目は20~30度前後でゆっくりと発酵をさせていきます。
3-2.酢酸発酵(二段階目)
二段階目は「酢酸発酵」を促すために「酢酸菌」優位の発酵となります。
酢酸発酵が進む時期には、十分に攪拌させて空気を瓶の隅々にまでいきわたらせることが大切になります。
こちらも20~30度前後でゆっくりと発酵をさせていきます。酢酸発酵は、アルコール発酵よりももっと時間をかけて熟成させていきます。
*本州では、柿が旬の時期がその気温に近くなるので常温保存でうまく発酵してくれます。ただ、酢酸菌は30度前後が活発に働き始める温度なので、少し肌寒くなってきたころには、常温よりも暖かい場所で保管することが大切になります。タオルで巻く、またはストーブの近くに置いておくなどをして温めておくのもおススメです。
4.果実酢の魅力
一度は飲んだことがある果実酢。
今では、リンゴ酢ダイエットなどよく耳にすることの多いものの一つになりましたね。フルーツの風味を感じる果実酢は身体にもとってもいいです。
柿酢の他に見つけた果実酢の魅力についてお届けしましょう。
4-1.果実酢ってなんだろう?
果実酢とは、「果実を漬け込んで、果実が持っている風味や酸味を感じることの出来るお酢」のことを言います。「柿酢」をはじめ、「りんご酢」や「ぶどう酢(ワインビネガー)」などが果実酢となります。果実酢とは果実1L以上に300ml以上の果汁が使用されていることを示します。
また健康のためにも一日15~30mlのお酢を摂るのがいいとされています。
〇りんご酢
りんごの風味を感じるりんご酢は酸味が控えめで甘味もありお酢でありながらも飲みやすい飲み物です。お酢の力でダイエット効果も期待出来て、その他には「血圧の上昇を抑える」「食事の血糖値の上昇を抑える」などさまざまな効果が期待出来ます。
材料
りんご( 水洗いしないでおく)・水
作り方
①りんごの表面に付いているほこりを取る
②ざく切りにして瓶に入れる
③りんごが浸るくらいまで水を入れる
④日の当たらない場所に保管をしておく
⑤2.3日おきに保存瓶のフタをゆるめる( 発酵で瓶を爆発させないため)
⑥2か月目以降は1週間おきに行います
⑦その後、約半年で完成です
〇ぶどう酢
ぶどう酢はフルーティーな香りで、ドレッシングなどの料理にも使われます。疲れるとたまってくる乳酸をクエン酸が分解してくれて、アミノ酸の働きもありダイエット効果も期待できます。
材料
ぶどう・お酢・砂糖
作り方
①保存容器に、砂糖とぶどうを交互に入れていく
②ひたひたになる位までお酢を注ぎ、砂糖が溶けるまで常温で3日ほどおいておく。氷砂糖が溶けだしたらぶどうを取り出して完成
参照:きび酢使用!ブドウ酢 by 奄美自然食本舗 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが359万品 (cookpad.com)
5.お酢の語源
フランス語のワインと酸っぱいからきており「酸っぱいワイン」という意味になります。糖分を酵母菌によって発酵させたものがアルコール、そしてアルコールを酢酸菌によって変化させたものを、お酢と言います。
6.まとめ
- 柿酢ってなんだろう?
柿を丸ごと瓶に詰めて発酵させて作る柿酢は、昔農家でも作られてきた果実酒の中の一つで、初めての人でも作りやすいと言われています。 - 柿酢の作り方♪
秋の味覚の一つの柿をまるごと使った、柿酢の作り方です。柿一つで出来てしまう、初めて発酵ものを作る人におおススメです。 - 柿酢の発酵温度の適温は?
柿酢には、二段階の発酵があります。一段階目はアルコール発酵。二段階目は酢酸発酵。見た目も変わりますが、香りも日が経つにつれてアルコールの香りから酸味のある香りに変化していきます。
・アルコール発酵(一段階目)
はじめは「アルコール発酵」を促していくために「酵母菌」優位の発酵をしていきます。
・酢酸発酵(二段階目)
二段階目は「酢酸発酵」を促すために「酢酸菌」優位の発酵となります。 - 果実酢ってなんだろう?
果実酢とは、「果実を漬け込んで、果実が持っている風味や酸味を感じることの出来るお酢」のことを言います。
・りんご酢
りんごの風味を感じるりんご酢は酸味が控えめで甘味もありお酢でありながらも飲みやすい飲み物です。
・ぶどう酢
ぶどう酢はフルーティーな香りで、ドレッシングなどの料理にも使われます。 - お酢の語源は?
フランス語のワインと酸っぱいからきており「酸っぱいワイン」という意味になります。
7.おわりに
秋の旬の果物を使った柿酢についていかがでしたでしょうか?
そのまま食べても美味しい柿は、発酵させて柿酢となるとさらに用途も広がり、発酵のチカラで腸内環境も整えてくれます。
一時期はお酢のブームが来て、いろんな人がお酢をジュースとして飲むことも多くなりましたね。
自宅で作る「柿酢」は天然100%で発酵していきます。
それだけ、自然のものだけで作られるので、また発酵のチカラも変わってきます。ぜひ、一度自宅で柿酢の発酵生活を楽しんでみてください。
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