レンネットを使わない『手作りチーズ』の作り方!乳酸菌で発酵させるレシピをご紹介します!!
健康への意識が高まり、発酵食品が注目されています。腸を整えることで、免疫力を上げることが出来ると話題になり、発酵食品を日々の生活にとり入れる方が増えています。
今回は、『レンネットを使わないチーズ』の作り方をご紹介しましょう。チーズを自作する場合、レンネットを使って牛乳を固める方法が主流です。ところが身近なスーパーには売られていないため、ネット注文して入手する方がほとんど。
もっと手軽に作る方法は?と試行錯誤した結果、乳酸菌で牛乳を凝固させる方法にたどり着きました。とてもおいしいうえに作る過程も楽しいので、今回の記事を参考にしてぜひ試してみてくださいね!
この記事の目次
- 1.『レンネットを使わないチーズ』の作り方
- 2.チーズを手作りするメリットって?
- 3.まとめ
- 4.おわりに
『レンネットを使わないチーズ』の作り方
それでは早速、『レンネットを使わないチーズ』の作り方をご紹介します。材料は牛乳と種になるチーズ、塩の3つだけ。作り方も次の3ステップ。とてもシンプルなんです。
〇牛乳と種チーズと塩でヨーグルトを作り
〇水切りをして
〇熟成させるだけ!!
材料と準備するもの
【材料】
①牛乳 1ℓ(1000ml)
(成分無調整のもの)
②種チーズ 20g
(ブリ―チーズ)
③塩 小さじ1
種チーズについて
レンネットの代わりに、種チーズを使用します。「ブリーチーズ」は、白カビチーズです。商品によっては殺菌処理され、白カビが死んだ状態になっているものもあります。無殺菌のものを選びましょう。
レンネットとは?
牛乳を凝固する働きのある酵素のこと。哺乳期の子牛、子ヤギ、子羊などの第4胃袋に存在します。もともとはそれらの胃から抽出したものをチーズ作りに使用していました。現在ではカビから生産したり、遺伝子組換によって微生物から得るものが主流となっています。
【準備するもの】
〇ヨーグルトメーカー(あれば)
〇ボウル
〇ザル
〇さらし布、ふきん、キッチンペーパーなど
〇容器
『レンネットを使わないチーズ』の作り方
【手順】
①ヨーグルトを作る
〇種チーズを細かく刻む
〇牛乳パックに種チーズを入れる
〇塩を入れる
〇ヨーグルトメーカーで発酵させる
種チーズ(ブリーチーズ)を細かく刻み、開封した牛乳パックの中に入れます。私は洗い物を少なくしたいので、牛乳パックに直接種チーズを入れています。このあとヨーグルトメーカーで発酵させるので、牛乳はそのまま使っています。
ヨーグルトメーカーをお持ちでなく常温で発酵させる方は、牛乳を鍋やレンジなどで人肌くらい(約40度)に温めてから種チーズを入れた方が早くできあがります。ただし、高温だと菌やカビが死滅してしまって発酵が進まなくなるので、温めすぎには注意しましょう。
種チーズと塩を入れた牛乳パックをヨーグルトメーカーにセット。「40度&8時間」に設定してスイッチを入れます。メーカーによって若干差があるので、状態をみながら調整してください。
常温で発酵させる場合は、ラップで牛乳パックの口を覆って輪ゴムでとめます。一日くらいで固まります。発酵具合をみながら調整してください。
発酵時間について
温度が低いと菌が活性化しずらく、分解の進みが遅くなるため、季節や室温によって発酵時間が変わってきます。
牛乳は成分無調整を使います。低温殺菌牛乳だとベストです。
ブリーチーズを計量します。
細かく刻みます。
塩。私はミネラル分の多い未精製のものを使っています。
種チーズと塩を牛乳パックに入れたら、ヨーグルトメーカーにセットして…
フタをして「40度8時間」に設定してスイッチオン!あとは出来上がりを待ちます。ヨーグルトメーカーをお持ちでない方は常温で発酵させます。
②水切りヨーグルトにする
〇ボウルとザルに濾し布をセットする
〇できあがったヨーグルトを①にあける
〇水分を切る
水切りヨーグルトを作ります。ボウルとザルに、濾すための布かキッチンペーパーをセットし、出来上がったヨーグルトを流し込みます。ボウルにたまった水分(ホエイ)を別容器にあけます。
一晩ほどそのまま放置します。思った以上に水分が出るので、可能であれば途中で別容器に移しましょう。
できあがったヨーグルト。固まっています。
ボウルにザルをセットして…
濾すための布(さらし、ふきんなど)かキッチンペーパーをかけて…
ヨーグルトを流し込みます。
ボウルにたまった水分(ホエイ)は別容器に移します。色々と使えるので、捨てずにとっておきましょう!!
そのまま一晩放置して水を切ります。
一晩おいた「水切りヨーグルト」。
③チーズにする
モッツアレラ風にするか、カマンベール風にするかによって作り分けています。
モッツアレラ風にする場合
〇濾し布から外してボウルに移す
〇へらでこねて成形する
〇冷蔵庫で一晩おく
濾し布からボウルに移してへらでこねます。
ひと口大に成形して…
保存容器に入れます。
塩を振りかけたら…
フタをして冷蔵庫で一日寝かしたら完成です。
カマンベール風に
〇ココット皿などの容器にキッチンペーパーをしく
〇水切りヨーグルトを入れて成形する
〇一晩冷蔵庫でねかせる
〇ザル付きの容器に移して冷蔵庫で熟成させる
キッチンペーパーを敷いたココット皿に水切りヨーグルトを入れてくるみ、冷蔵庫で一日水分をとばします。水分がとんだらキッチンペーパーから外してザルつきの容器に移し、ふたやラップをかけずにさらに冷蔵庫で1~2週間水分を蒸発させます。
表面が乾燥したらフタをして、冷蔵庫でさらに熟成させます。トータル1ヶ月間ほど期間をみています。 表面が乾燥して、フワフワとした白カビが生えたら完成です。
使用する種チーズによって、殺菌されて白カビが死滅しているものがあります。その場合は白カビが生えないことがあります。熟成期間は、チーズの様子をみながらお好みで。
ザル付きの容器は、100円ショップのタッパーが並んでいるところで売っています。
ココット皿に…
キッチンペーパーをしいて…
水切りヨーグルトを入れます。
写真のようにチーズをキッチンペーパーでくるんで一晩冷蔵庫でねかせます。
水分がとんだらキッチンペーパーから外して水切りつきの容器に移し、ふたやラップをかけずに冷蔵庫で約2週間水分を蒸発させます。
こちらの容器を使っています。100円均一ショップに売っています。
2週間経って乾燥したら、容器のふたをしてさらに2週間ほど熟成させます。熟成具合はお好みなので、様子をみながら期間を決めてください。
ホエイも捨てずに再利用しましょう!!
水切りヨーグルトを作る際に出る水分はホエイ(乳清)といいます。ホエイは乳から乳脂肪とタンパク質の一種であるカゼインを除いた成分。
ラクトフェリンをはじめとするタンパク質、必須アミノ酸、カルシウム、ビタミン、ミネラル、乳酸菌と、豊富な栄養素が含まれています。健康や美容に良い効果をもたらしてくれるので、捨てずに再利用しましょう。
私は保存容器に入れて冷蔵庫で保存し、卵焼きやパン、ホットケーキなどを作るときに混ぜています。
『チーズ』を手作りするメリットって?
私がチーズをはじめとする発酵食品を手作りするメリットは、次の4点だと思っています。
①安心&安全である
②得られる効果・効能が高まる
③保存性がよくなる
④おいしい!!
①安心&安全である
チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられることをご存知ですか?ナチュラルチーズは、乳をレンネットなどの酵素や菌などを使って、なんらかの方法で凝固させて熟成させたもの。プロセスチーズは、このナチュラルチーズを加工して作ったものです。
私たちがふだんスーパーなどで購入して食べているチーズは、プロセスチーズ。加工の過程で乳化剤や安定剤などの食品添加物が使われることがほとんどなんです。ナチュラルチーズのなかにも、安定剤などが含まれているものがあります。
手作りしたチーズは、材料や製造方法も目に見えるので流通品よりも安心していただくことができます。使う素材にこだわることが出来る点も大きなメリットです。
②得られる効果・効能が高まる
牛乳の栄養価にプラスして、発酵させることによって得られる効果・効能が高まります。発酵の過程で増える栄養素や酵素のチカラが加わるからなんです。
プロセスチーズに生きた乳酸菌は存在しない?
プロセスチーズは加工の際に加熱を行うため、乳酸菌は死滅してしまいます。
③保存性がよくなる
本物の発酵食品は、理論上では「腐らない」と言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。
④おいしい!
そして、何よりもコクや旨味があって本当においしいんです!!発酵の過程でアミノ酸のひとつであるグルタミン酸が増し、うまみ成分が加わることがその理由です。
発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。
発酵の過程で
①消化・吸収がよくなります。
②栄養価が加わります。
③うまみが加わります。
④保存性がよくなります。
まとめ
- 『レンネットを使わないチーズ』の作り方って?
〇材料は牛乳と種チーズと塩の3つ。
〇手順は次の3ステップ。
①牛乳と種チーズと塩でヨーグルトを作り
②水切りをして
③熟成させるだけ!! - 手作りするメリットって?
①安心&安全である。
②得られる効果・効能が高まる。
③保存性が高まる。
④おいしい!!
おわりに
健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。ところが、市販されている発酵食品は材料が遺伝子組み換えだったり、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いんです。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心。
元々、カラダに良いとり肉。それを発酵させることで得られるメリットは大きいです!!栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。安価で手軽に手に入るというのも魅力的。 まさに良いことづくめですね。
「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてくださいね!!
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