『発酵ショウガ』の魅力をめいっぱい活かしたい!!加熱と非加熱どちらが効果的?

健康ブームにより、食への関心が高まっています。ショウガはカラダを温める効果があるとして、雑誌やテレビなどで取り上げられることが多いですね。

私もジンジャーティーにしたり、お料理に使ったりするのですが、そのたびにすりおろすのは手間がかかるため、チューブショウガに頼っていました。

でもずっと、ショウガの産地や遺伝子組み換え、添加物などが気になっていて…。色々と調べて『発酵ショウガ』にたどり着いたんです。

手作りだと材料を選べるうえ、作る過程も目に見えるので安心。しかも発酵ショウガは発酵させることにより、その魅力がパワーアップします。

そんな発酵ショウガを使っていて、疑問に思うことが。それは「加熱の影響ってあるのかな?」ということ。お料理に使うことを考えたら、加熱ができるとバリエーションが広がりますね。

ショウガは熱を加えることで高まる効果があります。半面、一般的に発酵菌は熱に弱いとされています。

『発酵ショウガ』の効果・効能を活かすには、生のまま食べたほうが良いのか?加熱して食べた方がいいのか?この疑問についてお答えしていきましょう。



『発酵ショウガ』ってなに?


発酵ショウガは簡単に言うと、ショウガをすりおろして発酵させたもの。発酵食品も、ショウガも、どちらもカラダに良いイメージがありますね。

二つの健康食品が組み合わさることで、さらに効果がパワーアップするんです!!まずは発酵ショウガの魅力をみてみましょう。

①簡単に作れること。
②日持ちがすること。
③おいしいこと。
④健康や美容に効果的なこと。


発酵ショウガの魅力① 簡単に作れること

発酵ショウガの材料はショウガのみ。作り方も簡単!!2ステップでできちゃいます。

①ショウガをすりおろして
②瓶に詰めて発酵させるだけ

詳しい作り方は「簡単!『発酵ショウガ』の作り方。2ステップでできちゃいます!!」をご覧ください。


発酵ショウガの魅力② 日持ちがすること

賞味期限が長いことは、大きなメリット。冷蔵庫で約半年間くらいもつんです。お料理のたびにすりおろす必要がないので、常備しておくと時短にも。

発酵ショウガの魅力③ おいしいこと

発酵させることで旨味が加わり、マイルドでおいしくなります。

発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。

微生物は発酵の過程で、たくさんの酵素を生み出します。その酵素が、例えばでんぷんをブドウ糖に、たんぱく質をアミノ酸に分解します。発酵させることで得られるメリットは次の通りです。

〇うまみが加わります。
〇保存性がよくなります。
〇栄養価が加わります。
〇消化・吸収がよくなります。


発酵ショウガの魅力④ 健康や美容に効果的なこと

『発酵ショウガ』の効果・効能を挙げますね。ショウガのチカラと発酵の際に増える乳酸菌のチカラで、こんなにたくさんの「いいこと」があるんです!!

①カラダを温める効果
②感染症を防ぐ効果
③アレルギーを改善する効果
④生活習慣病を予防する効果
⑤認知症を予防する効果
⑥便秘解消効果
⑦ダイエット効果
⑧美肌効果
⑨ストレス緩和効果

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『発酵ショウガ』と加熱について


たくさんの魅力が詰まった『発酵ショウガ』。日常のお料理で使うときに浮かんだ疑問が「加熱しても大丈夫なのかな?」ということ。

発酵ショウガの効果・効能は、ショウガのチカラと乳酸菌のチカラのおかげです。ところが「加熱」という視点から考えたとき、実はこの2つのチカラを同時に発揮させるには、矛盾が生まれます。

その理由は

①ショウガは加熱することで高まる効果がある。
②乳酸菌は、高い温度では死滅してしまう。

という相反した性格から。それぞれについて詳しく見ていきましょう。



①加熱することで高まるショウガの効果・効能


ショウガがカラダに良いとされる理由って?

ショウガがカラダに良いとされるのは、ショウガの三大成分である「ジンゲロール」「ショウガオール」「ジンゲロン」の作用によるもの。

ジンゲロール
生のショウガの辛さのもと。口に入れるとすぐにピリッと感じる成分。

ショウガオール
乾燥や加熱によってジンゲロールの一部が変化したもの。熱を加えることで作り出される成分。辛みがじわっとくる成分。

〇ジンゲロン
加熱や乾燥によってジンゲロールの一部が変化したもの。熱を加えることで作り出される成分。


加熱することで得られるメリットとは?

ショウガの三大成分のうち、「ショウガオール」や「ジンゲロン」は、加熱することによって生まれます。

「ジンゲロール」は、加熱や乾燥により「ショウガオール」に変わる性質があります。生の状態に比べて約33倍に増えると言われています。

ショウガオールの体を芯から温める作用は、ジンゲロールよりも強力。さらに基礎代謝を上げやすくします。

代謝が上がるとエネルギーの消費量が増えて、脂肪が燃焼されやすくなるので、ダイエットにも効果的というわけなんです。

加熱したショウガの効果・効能は、漢方の世界でも利用されています。

漢方では、乾燥した生姜を「乾姜(かんきょう)」と呼びます。内臓を温めて冷えの症状を改善する際に用いられています。

加熱することで得られるメリットは、それぞれの効果を比較するとよく分かります。

〇生のショウガ成分である「ジンゲロール」の効果は

①胃腸の働きを助ける。
②殺菌効果。
③カラダの末端を温める効果。

「ジンゲロール」がカラダの末端を温めるしくみって?

末梢血管を拡張して血流をよくする働きがあり、体の深部の熱を体表に運ぶことで手足が温まります。
※熱を運ぶだけなので、温度の上昇は一時的。

〇加熱したショウガ成分である「ショウガオール」の効果は

①深部からカラダを温める効果。
②ダイエット効果。
③認知症予防など。

「ショウガオール」が深部からカラダを温めるしくみって?

胃や腸などお腹の壁を刺激し、筋肉を動かす運動作用により体の深部に熱を作る働きがあります。
※熱を作り出すため冷えにくい。

〇加熱したショウガ成分である「ジンゲロン」の効果は

①代謝をアップさせる効果。
②カラダを温める効果。


「加熱したショウガはカラダを温める効果が高い」ということについて、とても参考になる実験がありましたので、引用させていただきます。

ピアス株式会社 ヴェーダヴィ事業部は、冷えを実感している20代~50代の女性12名を対象とした、生しょうがと「加熱しょうが」の摂取による体表面の温度変化に関する実証実験を実施しました。その結果、「加熱しょうが」を摂取した方が、生しょうがを摂取した人よりも体表面温度が持続することが明らかになりました。

【実験概要】
〇実験目的:加熱しょうがと生しょうがの摂取による体表面の温度変化に関する測定実験
〇対象者:冷えを実感している20代~50代の女性 12名
〇実験内容:常温の水で割った加熱したしょうがエキス(6名)と、生のしょうがエキス(6名)100ml摂取後、測定部を冷水負荷し、体表面の温度を60分後まで10分おきにサーモグラフィーで測定しました。
調査実施時期:2019年2月8日(金)

〇実験結果
●生しょうがエキスは摂取してから10分後には急激に温度が上昇しているが、40分~60分後に急激に低下している。
●加熱しょうがエキスは摂取してからじわじわと温度が上昇し、60分後まで温度が持続。

「加熱しょうが」は生しょうがより体表面温度を持続させる※1ことが実証実験で証明! しょうが博士が教える「加熱しょうが」の効果|ピアス株式会社 ヴェーダヴィ事業部のプレスリリース (prtimes.jp)

以上のような理由から、殺菌の効果を得たいとき、胃腸を整えたいときは生のままがよさそうです。「カラダを温めたい」などの効果・効能については、加熱して食べた方がいいといわれています。



②高い温度で死滅してしまう乳酸菌


『発酵ショウガ』は発酵の段階で乳酸菌が増えます。乳酸菌とひと口に言っても、色々な種類があり、効果・効能も多岐にわたります。


乳酸菌の効果って?

乳酸菌が増えると、腸が整います。腸が整うことで得られる主な効果は次の通りです。

①便秘解消
②肌荒れ&ニキビ改善
③免疫力の向上
④アレルギー改善
⑤ダイエット効果
⑥ストレス緩和


熱に弱い乳酸菌

良いことずくめの乳酸菌ですが、弱点は熱に弱いこと。発酵食品を摂る上で、加熱によって菌が死滅してしまうことを気にする方は多いです。

乳酸菌は、50℃以上で徐々に死滅。70℃では、1分もたたないうちに死滅します。

熱を加えることで効果が高まるショウガに対して、熱に弱い乳酸菌。相反した特徴ですね。


死菌にも役割があるんです!!

生菌の一部は生きたまま腸に届き、腸内環境を整えます。ただ、口から取り入れた場合、胃を通過する際に胃酸で溶けてしまいます。すべての乳酸菌が腸まで届くわけではありません。

いわゆる「死菌」でも、生菌の半分くらいの菌数の効果は期待できます。さらに死菌は、以下の理由で注目されているんです。

〇腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にする。
〇血中コレステロール値を下げるはたらは生菌と同じ。
〇免疫を高める効果がある。

つまり、生菌も死菌も、求める効果によって「それぞれに役割がある」ということですね。

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『発酵ショウガ』を加熱するうえで気をつけることって?


ショウガと乳酸菌を加熱することのメリット&デメリットについて、書いてきましたが、いかがでしたか?

得たい効果・効能によって、生で食べるか、加熱して食べるかを選ぶといいですね。ところで、加熱する際に気をつけることってあるんでしょうか?ポイントは

100℃以上で加熱しないこと!!

「ジンゲロール」が「ショウガオール」に変化するための加熱温度は、80℃が目安と言われています。

低い温度(30℃前後)だと、ジンゲロールのままの状態でほとんど変化しません。

高い温度(170℃以上)では、ショウガオールが別の成分に変化してしまいます。



まとめ


  • 『発酵ショウガ』ってなに?
    ショウガをすりおろして発酵させたもの。
  • 『発酵ショウガ』の大きな魅力は4つ
    ①簡単に作れること。
    ②日持ちがすること。
    ③おいしいこと。
    ④健康や美容に効果的なこと。
  • 『発酵ショウガ』の効果・効能
    ①カラダを温める効果
    ②感染症を防ぐ効果
    ③アレルギーを改善する効果
    ④生活習慣病を予防する効果
    ⑤認知症を予防する効果
    ⑥便秘解消効果
    ⑦ダイエット効果
    ⑧美肌効果
    ⑨ストレス緩和効果
  • ①加熱することで高まるショウガの効果・効能
    〇ショウガの三大成分のうち、「ショウガオール」や「ジンゲロン」は、加熱することによって生まれる。
    〇「ジンゲロール」は、加熱や乾燥により「ショウガオール」に変わる性質があり、生の状態に比べて約33倍に増える。
    〇ショウガオールの体を芯から温める作用は、ジンゲロールよりも強力。さらに基礎代謝を上げやすくする。ダイエット効果も高い。
  • ②高い温度で死滅してしまう乳酸菌だけど…
    〇乳酸菌は、50℃以上で徐々に死滅。70℃では、1分もたたないうちに死滅する。
    〇「死菌」でも、生菌の半分くらいの菌数の効果は期待できる。
    〇「死菌」にも役割がある。
    ・腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にする。
    ・血中コレステロール値を下げるはたらは生菌と同じ。
    ・免疫を高める効果がある。
  • 『発酵ショウガ』を加熱するうえで気をつけること
    100℃以上で加熱しないこと!!




おわりに


『発酵ショウガ』について、「加熱」というキーワードからみてきましたが、いかがでしたか?

ショウガには、加熱により高まる効果・効能があり、逆に乳酸菌は加熱により死滅いてしまう…。この相反する特徴がお分かりいただけたと思います。

私は、その時々で得たい効果・効能によって使い方を変えています。『発酵ショウガ』の魅力が生かされるように、今回の記事が参考になれば嬉しいです。

発酵食品はカラダの中からキレイにしてくれますが、一度にたくさん食べるよりも、毎日いろいろな種類の発酵菌を摂り続けることが大切。『発酵ショウガ』は保存がきくので、常備して日常的に摂り入れることをオススメします。

スーパーなどでは販売されていないので、手作りすることになります。すりおろして発酵させるだけなので、とても簡単に作ることができるのもいいですね。

ぜひ手作りしてくださいね!!

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