これって失敗?「発酵玄米」を上手に作るコツ

今、健康や美容、ダイエット効果を期待して、発酵食ブームが起きています。メディアでも取り上げられ、人気の「発酵玄米」。主食の白米を発酵玄米に置き換える方が増えています。

市販品もありますが、手作りは材料が目に見えるため安心ですし、お財布にも優しいですね。思ったよりも簡単にできるので、ぜひ手作りに挑戦してみてください!!ただ、ご自宅で作り始めると


成功なの?
失敗なの?

と、判断に迷うときがあるんです。私も作り始めの頃はよく

「レシピ通りに作ったけれどこれでいいのかな…」
「どういう状態を失敗というんだろう…」

と、判断できずに迷っていました。そこで私の経験をふまえながら

〇浸水時
〇炊飯時
〇保温時

の各行程ごとに、よくあるお悩みについてみていきたいと思います。

これって失敗?―浸水時


まずは玄米を研いだ後、浸水する際のお悩みからみていきましょう。よく聞かれるのは

〇浸水時に腐敗臭がする

という声。これは漬け汁に雑菌が繁殖したことによる匂いです。詳しくみていきます。

発酵玄米を炊く際の浸水時間はおよそ1~2時間ですが、発芽玄米にして炊く方が栄養価も効果も増します。また、長時間浸水したほうが食感や味が断然よくなるんです。

私は季節にも寄りますが、最低でも17時間以上浸水して発芽させてから炊いています。その浸水時に、腐敗臭がするというお悩みがこちら。

酵素玄米を作ってみました。 なんですが、長く水に浸しすぎて腐敗臭が、、、、 でも、その水も体に良いときいたのでそのまま捨てずに使い炊飯器で炊きました。 すると炊いてる間も臭いにおい、 食べるときも臭いので、腐敗しているのでしょうか?やはり捨てた方がよいですよね?

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10161172790

どういう状態なの?

なぜ腐敗臭がするかというと、漬け汁に雑菌が繁殖したから。玄米をお米を指で押してみて、潰れないなら腐っていません。

食べようと思えば食べられる状態です。しっかり洗って炊きましょう。ただ炊いたあと、匂いが残っておいしくない可能性が高いです。

改善策としては、酢を入れれば匂いが和らぐので試してみてください。

そうならないためにはどうしたら?

浸水時に次の2点に注意すると、浸水時の雑菌の繁殖を抑え、腐敗臭を防ぎやすいです。

・夏場は冷蔵庫で発芽させる。
・半日ごとに水を変える。



「発芽玄米」については、「健康&美容&ダイエットに効果的!!スーパーフード『発酵玄米』の作り方」にまとめてあります。


これって失敗?―炊飯時


次に、炊飯時のお悩みについてみていきましょう。浸水した玄米に小豆と塩を加え、炊飯器もしくは土鍋や圧力鍋で炊きます。その際に

〇炊きあがりがパサパサする
〇炊きあがりが軟らかすぎる
〇炊きあがりが糠臭い

という声が。これはそれぞれ次のような原因が考えられます。

パサパサするのは、吸水・浸水時間不足、水量不足
軟らかすぎるのは、吸水・浸水時間過多、水量過多
糠臭いのは、洗米が足りない・玄米の鮮度が悪い

何も知識がなかった頃、玄米ごはんを白米と同じように炊いたことがあります。あまりの硬さとパサパサ感で、あっという間にやめてしまいました。

今考えると、吸水不足が原因でした。玄米を炊くには、一工夫が必要なんです。実際私以外にも、こんな声が多く聞かれます。

酵素玄米を炊飯器で作りましたが、ぱさぱさします。かき混ぜや水の分量がいけなかったかもちもちに仕上がりませんでした。うまく炊くコツを教えてください。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10131816005

どういう状態なの?

その原因を、お悩みごとにみていきましょう。

炊きあがりがパサパサする

吸水・浸水時間不足、水量不足が原因。玄米がちゃんとお水を吸っていないため、パサパサしてしまっています。

〇炊きあがりが軟らかすぎる

吸水・浸水時間過多、水量過多が原因。私の経験だと、少しくらい軟らかくても保温状態で寝かせている間に水分がとぶので、発酵玄米が出来上がるころにはちょうどよくなります。

好みにも寄りますが、あまり気にする必要はないでしょう。

炊きあがりが糠臭い

洗米が足りない・玄米の鮮度が悪い玄米は精米されていないので、白米よりもしっかり洗わないと、糠臭さが残ることがあります。

あとは単純に、玄米の鮮度が悪かったということも考えられる要因です。

そうならないためにどうしたら?


保温時に次の点に注意すると、モチモチでおいしい玄米ごはんを炊くことができます。

炊きあがりがパサパサする

・研ぐときに泡だて器を使い、玄米の表面に傷をつけ、吸水させやすくする。
・吸水時間を長めにとる。
・玄米モードがあればそれで炊く。

〇炊きあがりが軟らかすぎる

3日間保温状態を保って寝かせたあとの状態で判断しましょう。それでも軟らか過ぎるのであれば、浸水時間を短くしたり水量を減らしてください。

炊きあがりが糠臭い

・よく洗いましょう。
・鮮度の良い玄米を使いましょう。

炊飯時のお悩みについては、炊飯器の能力の限界も大きいです。よくあるのは「お店で食べたようなもちもち感がない」ということ。圧力をあげて炊かないと実現できない味なので、無理もないのです。

発酵玄米専用の炊飯器も市販されており、圧力や保温管理などの点で至れり尽くせりで、おいしく炊くことができます。ただしお値段が高めなので、私は通常の炊飯器で炊いています。

その際、お持ちの炊飯器の特徴を把握することが大切。最初は分量通りで炊いてみて、水加減などを変えながら適量を探ってみてください。

また、圧力鍋で炊くというのもオススメ。色々試した結果、炊飯器や土鍋に比べて圧力鍋で炊いた発酵玄米が一番おいしかったです。

これって失敗?―保温時


最後に、保温時のお悩みについてみていきます。炊きあがった玄米ごはんを炊飯器か保温ジャーで保温状態を保ったまま、3日間ほど寝かせて発酵させます。その際に聞かれるのが

〇パサパサしてきた
〇ベチャベチャして糸を引いてきた

という声。原因として考えられるのは次の通りです。

パサパサしてきたのは、水分が蒸発して乾燥したから
ベチャベチャして糸を引いてきたのは、腐敗菌が増殖したから

保温時は、毎日しゃもじで混ぜて天地をひっくり返します。そのあとは冷凍保存するか、保温し続けながら食べるかのどちらかになります。

冷凍保存について、詳しくは「魅力いっぱいの『発酵玄米』!冷凍しても大丈夫?保存方法をみてみましょう!!」にまとめてあるので参考にしてください。

ちなみに私はその都度解凍することが手間なので、約1週間を目安に食べきれる量を炊いて、保温状態を保ちながら食べています。

ただ、保温期間が長くなると発酵玄米がパサパサしたり、逆にベチャベチャしたりすることがあるんです。

保温時にパサパサしてくるのは、水分が蒸発するから。ベチャベチャしてきた際は、糸をひくようなら腐敗が始まっているかもしれません。こんな声をみつけました。

発酵玄米を作ろうとし、普通の炊飯器で保温していたら、温度が低かったせいか、納豆のように糸を引きました。(納豆よりは少ない) これは腐ってますか?

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13182473598?__ysp=55m66YW1546E57Gz

どういう状態なの?


その原因を、お悩みごとにみていきましょう。

〇パサパサしてきた

炊飯器や保温ジャーで保温し続けると、どうしても水分が蒸発していきます。しゃもじで混ぜたあと、発酵玄米が釜に接する面積が多いと乾燥しやすいです。

〇ベチャベチャしてきた

通常そのような状態になることはありませんが、うっかりしゃもじで混ぜるのを2日間さぼったことがあり、そのときはベチャベチャになって糸を引きました。腐敗菌が繁殖したようです。

そうならないためにどうしたら?


保温時に次の点に注意すると、発酵玄米を安全に、おいしくいただくことができます。

〇パサパサしてきた

しゃもじで混ぜたあと、炊飯釜に接する面積を小さくするため、真ん中に寄せて保温します。

〇ベチャベチャしてきた

・72℃~74℃を保ちます。
・毎日必ずしゃもじで混ぜ、天地を返します。
・清潔なしゃもじを使います。
・炊飯器の蓋は必ず閉めます。


手作りの発酵玄米は、あくまでも個人判断になりますので「おかしいな」と思ったら食べることを中断してくださいね。

「発酵」と「腐敗」の違いって?

発酵と腐敗は科学的なメカニズムは同じなんです!!どちらも、物質が微生物のはたらきによって分解されたり変化したりすること

目に見えないほど小さい微生物たちは、生きていくためにエネルギー代謝をします。エネルギー代謝とは、糖やデンプン、タンパク質などの有機物を分解して、「新しい物質」を生成するというメカニズム。

この「新しい物質」が、人間にとって有益なものの場合発酵と呼ばれ、人間にとって有害なものの場合腐敗と呼ばれています。いくつか具体的にみてみましょう。

〇蒸した大豆に、枯草菌を生やして納豆が作られる場合には発酵と呼ばれますが、煮豆を放っておいて枯草菌が生え、ネトやアンモニア臭がしたときは腐敗と呼ばれます。

〇牛乳に乳酸が蓄積して凝固したものは、ある時は発酵と呼ばれますが、ある時は腐敗と呼ばれます。

〇同じ乳酸菌でも、ヨーグルトや味噌が作られる場合は発酵ですが、これが清酒中で増殖する場合は火落ちといって、腐敗を意味します。

発酵食品って、腐るのかな?

結論から言うと、本物の発酵食品は、理論上腐らないと言われています。発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。

これを、「菌の拮抗作用」と呼びます。分かりやすく例を挙げると

〇発酵食品の一種であるワインは、きちんと管理されていれば、何十年経っても腐りません。むしろ「ヴィンテージ(年代物)」と呼ばれて、非常に高値で取引されています。

〇同じく発酵食品であるお味噌も、「〇年熟成赤味噌」など、高級品として売られていたりします。

まとめ

  • これって失敗?―浸水時
    〇浸水時に腐敗臭がする
    →漬け汁に雑菌が繁殖したことによる匂い

    ■そうならないために
    ・夏場は冷蔵庫で発芽させる。
    ・半日ごとに水を変える。
  • これって失敗?―炊飯時
    〇炊きあがりがパサパサする
    →吸水・浸水時間不足、水量不足
    〇炊きあがりが柔らかすぎる
    →吸水・浸水時間過多、水量過多
    〇炊きあがりが糠臭い
    →洗米が足りない、玄米の鮮度が悪い

    ■そうならないために
    〇炊きあがりがパサパサする
    ・研ぐときに泡だて器を使い、玄米の表面に傷をつけ、吸水させやすくする
    ・吸水時間を長めにとる
    ・玄米モードがあればそれで炊く
    〇炊きあがりが柔らかすぎる
    3日間保温状態を保って寝かせたあとの状態で判断する。それでも軟らか過ぎるのであれば、浸水時間を短くしたり水量を減らす。
    〇炊きあがりが糠臭い
    ・よく洗う
    ・鮮度の良い玄米を使う
  • これって失敗?―保温時
    〇パサパサしてきた
    →水分が蒸発して乾燥したから
    〇ベチャベチャして糸を引いてきた
    →腐敗菌が増殖したから

    ■そうならないために
    〇パサパサしてきた
    しゃもじで混ぜたあと、炊飯釜に接する面積を小さくするため、真ん中に寄せて保温する
    〇ベチャベチャしてきた
    ・72℃~74℃を保つ
    ・毎日必ずしゃもじで混ぜ、天地を返す・清潔なしゃもじを使う
    ・炊飯器の蓋をあけっぱなしにしない

おわりに

「発酵玄米の効果」「発酵玄米の作り方」などを別記事でまとめています。ぜひ参考にしてください。
健康や美容、ダイエットに魅力的な『発酵玄米』。ぜひご家庭で作ってみてくださいね!!

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