乳酸菌たっぷり!『発酵とり肉』気になる塩分。塩の摂り過ぎはなぜいけないの?塩の種類と選び方って?

発酵とり肉は、とり肉を塩水で乳酸発酵させたもの。もともとタンパク質が豊富でカラダに良い食品ですが、発酵させることで栄養価がさらに高まります。入手しやすく、お財布に優しいお値段だというのも魅力的ですね。

一方で、塩を使うので「塩分の摂り過ぎになってしまうのでは?」と心配になりませんか?なぜ塩の摂り過ぎは良くないのか?塩の種類と選び方って?など、今回は、塩分に焦点を当てていきたいと思います!!



『発酵とり肉』とは?


『発酵とり肉』ってなに?

それでは早速、『発酵とり肉』の作り方をご紹介します。材料はとり肉と水と塩の3つだけ。作り方も次の3ステップ。とてもシンプルなんです。

〇とり肉を保存容器に入れて
〇水と塩を混ぜて
〇発酵させるだけ!!

レシピについては「乳酸菌たっぷり!『発酵とり肉』の作り方。簡単レシピを紹介します!!」をご覧ください。

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発酵とり肉を手作りすることのメリットとは?

『発酵とり肉』を作るメリットって何でしょう?私は次の3つだと思っています。

①安心&安全である
②発酵させることで、栄養価が高まる
③おいしい!!

とり肉はタンパク質が豊富。そのうえ、いつでも入手しやすく安価。節約レシピにもよく登場する食材です。そのとり肉を発酵させることで、さらに得られる効果・効能がパワーアップします。栄養価が高まるのはもちろん、旨味が増すというのも嬉しいですね。グリル焼きにしたり、唐揚げにしたり、トマトと煮込んだり…と、大活躍しています!!

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発酵とり肉に含まれる塩分について


発酵とり肉には、多くの効果・効能がありますが、気になるのは塩分。日頃から摂取量を気にされている方は多いですね。


発酵とり肉に含まれる塩の量って?

発酵とり肉は、とり肉を塩水に浸して作ります。しっかり浸かるくらいの水を保存容器に入れるのですが、その約2.5%量の塩を使います。例えば、水600CC(カップ3)に対して塩15g(大さじ1)。

この量で、おおよそ市販のとり肉2枚分くらいの発酵とり肉が出来あがります。ちなみに、厚生労働省が定めている摂取基準 は次の通り。

〇男性は7.5g未満(一食あたり2.5g)
〇女性は6.5g未満(一食あたり2.2g)


塩分を摂り過ぎるとどうなるの?

ミネラルには「体液の濃度を一定に保つ」、「筋肉運動や神経伝達を助ける」という大切な働きがあります。ところが一方で、塩分を摂り過ぎると生活習慣病のリスクが高まると言われています。

〇高血圧
〇腎臓病
〇胃がん

〇高血圧

塩分を摂り過ぎると血液中の塩分濃度が高くなり、それを下げるために水分を多くためこむようになります。その結果血液量が増えて血管がパンパンになり、大量の血液を流すために血管壁に高い圧力が加わります。

高血圧は脳出血や心不全、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化は心筋梗塞や狭心症、脳梗塞につながります。

〇腎臓病

腎臓は過剰に摂取した塩分や溜まった老廃物を濾過して、尿をつくる働きをしています。塩分を摂り過ぎると腎臓に過度の負担がかかり、慢性腎臓病を起こしやすくなります。それが悪化すると腎不全を招き、透析療法が必要になることもあるんです。

〇胃がん

塩分の摂り過ぎは胃の粘膜にダメージを与え、胃炎をひきおこします。胃炎が慢性化すると、発がん性物質の影響を受けるリスクが高まると言われています。1日10g以上塩分を摂っている人は、胃がんにかかる率が高まるという報告があります。


排泄されないことが問題!!

共立女子大学家政学部の研究によると、食塩の摂取で血圧が上がるのは、腎臓からのナトリウム排泄量が少ないことが原因だと分かったそうです。塩分の摂り過ぎに気をつける一方で、カラダのデトックス機能を高め、しっかり排出することも大切だということですね。


カリウムのチカラ

お肉には比較的多くのカリウムが含まれています。カリウムには、ナトリウムと同時に摂取することで塩分を体外に排出しやすくするという働きがあります。また、血圧を下げる効果もあるんです。手作りの発酵食品は市販品と違ってカリウムなどミネラル成分の多い塩にこだわることもできます。


発酵のチカラ

詳しい理由は解明されていないのですが、発酵食品にはデトックス効果があるとも言われています。以下に興味深い研究結果を載せておきます。

味噌は血圧上昇を防ぐ?

共立女子大学の協力を得て行った、血圧が自然にあがるラットで試験を実施した結果では、味噌摂取では同じ食塩量を含む食塩水摂取と比べて、血圧上昇を抑制することがわかりました。

その後、16gの味噌を用いたみそ汁を1日2杯ずつ、3カ月飲んでもらう「長期ヒト介入試験」を実施。その結果、一般的なだし入り味噌では血圧を上昇させることはありませんでした。つまり、「1日32gまでの味噌摂取は、血圧を上げることはない」という結論を導き出すことができたのです。

https://www.marukome.co.jp/rd/result03/

発酵食品である味噌汁の実験

1日に1~3杯の味噌汁を飲む人の血圧の平均値は、ほとんど変化がなかった。むしろ腎臓からのナトリウム排泄が促され、30%の減塩効果があるという結果が導き出された。

参考資料:『高血圧なら味噌汁を飲みなさい』上原誉志夫 

味噌は血圧を下げ、脳卒中を防ぐ?!(国立がん研究センターのHPより)

発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクの関連

今回の研究では、45−74歳の男女約9万人の方々を、約15年間追跡した調査結果にもとづいて、大豆食品、発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクの関連を調べました。

男女ともに発酵性大豆食品の摂取量が多いほど、死亡全体のリスクの低下がみられました。本研究の結果から、発酵性大豆食品の摂取量が多いと死亡のリスクが低くなる可能性が示唆されました。

https://epi.ncc.go.jp/jphc/825/8437.html



なぜ塩を入れるの?


発酵とり肉を作る際に、なぜ塩を入れるのでしょうか?それには次の理由があるんです。

①腐敗しにくくするため
②発酵を促すため


理由① 腐敗しにくくするため

理論上、本物の発酵食品は腐らないと言われています。なぜかというと、発酵菌と腐敗菌では発酵菌のほうが強く、発酵菌でいっぱいになっているところには腐敗菌が入るこむ余地がないからです。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。

ところが、保存状態などによって腐敗菌が勝ってしまい、カビが生えたり、腐敗したりします。発酵食品を作っていて悩まされるのがカビと腐敗。それを防ぐために活躍するのが塩なんです。

食品に含まれる水には、「結合水」「自由水」とがあります。微生物が繁殖に利用できるのは自由水だけなので、これを減らせば抗菌力を高めることができます。

具体的に、「乾燥させる、塩漬けにする、砂糖漬けにする」という3つの方法があります。乾燥させるのは、単純に自由水を減らすため。また、食品に塩や砂糖を加えるのは、塩や砂糖を自由水と結びつけて結合水にし、自由水を減らすためです。

結合水と自由水って?

〇結合水:たんぱく質や糖質と強く結合して離れない水
〇自由水:自由に動くことができる水

また、塩あるいは砂糖を加えると、食材に含まれる水分や微生物の水分は、浸透作用によって塩や砂糖の方に流れ出ていきます。その結果、微生物にとって必要な食材の水分量が減り、増殖しずらくなるんです。


理由② 発酵を促すため

塩は、発酵促進剤だと言われています。乳酸菌や酵母は塩に強いため、塩分を加えると雑菌の繁殖が抑えられ、それらを選択的に増やすことができます。

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塩の種類って?


スーパーで売られている塩。パッケージの表記をみても、ちんぷんかんぷんではありませんか?原材料や製造工程の違いをみても、とても複雑です。


『塩』ってなあに?

塩とは、主成分の塩化ナトリウムの他に、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを含む物質。海水を乾燥させたり、岩塩を採掘したりして生産されます。



塩化ナトリウムとは?

ミネラルの一種であるナトリウムと、塩素が結合したもの。


塩の種類は大きく分けて3つ

市販されている塩には、主に次の3種類があります。

①食塩
②海塩
③岩塩

①食塩

スーパーやコンビニで見かけることが多い塩。塩化ナトリウムの純度が99%以上で、炭化マグネシウム約0.4%を合わせて作られたもの。

原材料は海水ですが、機械を使ってミネラルを取り除き、結晶化するため「精製塩」と呼ばれます。ミネラルをほぼ含まず塩化ナトリウムのみなので、栄養価は他の塩と比べると一番低い塩です。安い値段で売られているのも特徴です。

②海塩

海塩は、海水を汲み上げて天日干しにする方法と、海水を煮詰めて作る方法とがあります。塩化ナトリウムの純度は約80%。精製塩と異なり、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、ヨウ素などのミネラルが豊富であることが特徴。深みのある味。

③岩塩

岩塩は、もともとは海の水。大昔に地殻変動で陸地に閉じ込められた海水が結晶化し、その上に土砂が堆積して作られたと考えられています。 ミネラルは豊富ですが、不純物が混入していることもあります。ちなみに日本では、岩塩はみつかっていません。



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塩の選び方とは?


発酵食品を手作りするメリットの一つが、原材料にこだわることが出来る点。私は塩も、できるだけカラダに良いものを使っています。では実際に、どのような基準で選べばいいのでしょうか?

結論から言うと、塩を買うときはパッケージに記載されている情報をみます。市販の塩は、原材料、原産地、製造方法、栄養成分等の細かな情報が記載されています。商品名やキャッチコピーよりも、成分表や製造方法などを参考にすることがオススメです。


①栄養成分表示をみて判断します

カラダに良い塩とは、ミネラルの割合が高いもの。成分表をみて、どのように判断したら良いのでしょうか?市販の塩の栄養成分表をみると、おおむね次のような感じでしょう。

栄養成分表示
100gあたり

熱量:0kcal
たんぱく質:0g
脂質:0g
炭水化物:0g
食塩相当量:99.0g

食塩は精製塩と呼ばれ、ミネラルをほぼ取り除いています。塩化ナトリウムが主成分でしたね。「食塩相当量」の数値が高いものほど、ミネラル分の割合が低い塩だということです。ミネラルが含まれた塩の成分表示は、以下のようになっています。

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添加物として塩化カリウムや炭酸マグネシウムなどを含む塩も多く存在するので、こちらにも注目するといいでしょう。

②製造方法を見て判断します

製法に「イオン膜」と書かれているのは、精製塩。イオン交換膜製塩法によりミネラルがほぼ取り除かれた、塩化ナトリウム99%以上の食塩です。製造方法が「天日」と書かれているものがミネラル分が残されたものになります。

公正マーク について

パッケージの表示が適切に行われていると承認されている商品には、公正マークが記載されています。その商品の信頼度をはかる上で一定の目安になりそうですね。

ちなみに私は「塩田に深層海水を入れ、天日で乾燥させて、さらに一年間熟成発酵させた塩」を、専門店から購入して使っています。通常の食塩が塩化ナトリウム99%以上なのに比べ、この塩は80%。残りの20%がミネラル成分なんです。



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まとめ


  • 『発酵とり肉』の作り方って?
    〇材料はとり肉と水と塩の3つ。
    〇手順は次の3ステップ。
    ①とり肉を保存容器に入れて
    ②水と塩を混ぜて 
    ③発酵させるだけ!!
  • 発酵とり肉の塩分量は?
    水の約2.5%量
    水600ml(カップ3)に対して塩15g(大さじ1)
  • ナトリウムの摂取基準 は?
    ・男性は7.5g未満(一食あたり2.5g)
    ・女性は6.5g未満(一食あたり2.2g)
  • 塩とは?
    塩化ナトリウムを主な成分とし、海水を乾燥させたり、岩塩を採掘したりして生産される物質。
  • 塩分を摂り過ぎると?
    高血圧、腎臓病、胃がんのリスクが高まる。
  • 塩分が排泄されないことが問題!!
    カリウムを摂る、腎臓の機能を低下させないなど、デトックス機能を高めることが大切。
  • 塩を入れる理由とは?
    ①腐敗しにくくするため
    ②発酵を促すため
  • 塩の種類は大きく3つ。
    ①食塩
    ②海塩
    ③岩塩
  • 塩の選び方とは?
    〇塩を買うときは、パッケージに記載されている情報(成分、製造方法)をみる。
    〇ミネラル含有量が高いものを選ぶ。
    〇公正マーク(パッケージの表示が適切に行われているという承認の証)の有無も確認する。



おわりに


健康への関心が高まり、発酵食品が注目されています。ところが、市販されている発酵食品は材料が遺伝子組み換えだったり、添加物や保存料が入っていたりしているものが多いんです。その点手作りだと、材料も製造過程も目に見えるので安心。

元々、カラダに良いとり肉。それを発酵させることで得られるメリットは大きいです!!栄養価が高まり、効果・効能が増え、保存性が良くなり、そして何よりも旨みが増します。安価で手軽に手に入るというのも魅力的。 まさに良いことづくめですね。

「発酵生活はハードルが高いわ…」と思われがちですが、ポイントさえおさえれば作り方は至って簡単。ぜひ、今回の記事を参考にして、作ってみてくださいね!!

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