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新潟県の辛味調味料「かんずり」の魅力に魅せられて♪ 旨味がギュッと詰まった美味しさの秘訣は?

新潟県は妙高市で作られる「かんずり」は、発酵辛味調味料として地元の人に愛されています。新潟県と言えば、雪が降り積もり寒いイメージを持たれる人も少なくないと思います。そんな寒い地域で身体を温める効果がある「かんずり」はお鍋に入れたりと、ちょっとした料理のお供に重宝されています。

唐辛子を使った発酵調味料は世界的に見てもとても珍しいもの。味のアクセントにもなるので、日頃の生活にもとても使いやすいです。

地元妙高市で作られる「かんずり」は3年もの年月をかけて作られていきます。
雪が一面に広がる自然豊かな大地にちりばめられた唐辛子は、雪のチカラでアクが取れ、辛みがまろやかになっていきます。

自然の恵みは偉大ですね。
自然からの恩恵を受けて、手間暇かけて大切にずーっと作り続けている「かんずり」が愛され続けるのも納得できます。

それでは、そんなかんずりについてお届けしたいと思います。
そろそろお鍋の季節。
今の時期に作っておくと寒い時期を迎える頃にはいいかもしれませんね♪



1.かんずりってなんだろう?

世界的にみても珍しい、新潟県妙高市で作られている唐辛子を発酵させた辛味調味料です。一年で一番寒い時期に仕込まれることから「寒造里」とも書かれます。

まず始めに、塩漬けにした唐辛子を雪の上に一度さらして天日干しにする「寒ざらし」を行います。寒ざらしは、3~4日ほど天気の良い日に行います。雪に置いておくことで、唐辛子のアクが抜けて甘味と旨味が増すのです。

その後、唐辛子を雪の中にさらした後にすり潰して、米糀と柚子、塩を混ぜ合わせて約3年間発酵熟成させます。妙高市は長野県に隣接していて、特別豪雪地帯とされるほど厳しい寒さの地域、冷え切った身体を温めるために食べていたと言われています。「西の柚子胡椒、東のかんずり」と言われているのだそう。

かんずり / かんずり 47g - 自然食COTAN / コタン - 岡山市の ...
参照:「かんずり」の検索結果 – Yahoo!検索(画像)


かんずりの歴史

ヨーロッパから伝来した貴重な唐辛子を京都から持ち出して、上杉謙信が農民に分け与えたことが始まりと云われています。400年前の戦国時代に寒さをしのぐために鉢で唐辛子をすりつぶしたものが食されていて、上杉謙信の軍が出兵する際にも携行されていたと言われています。一年の中で一番寒い時期に仕込まれることから「寒造里」と書かれ、「寒づくり」が由来ともされています。

各家庭では

昔から冬の時期には「手前味噌」ならぬ「手前かんずり」が作られていました。鉢で唐辛子をすりつぶして、塩を混ぜて家庭によっては味噌も加えられることもありました。古くは多くの家庭で作られていて、一家に必ず一つは常備されている調味料です。鍋物に入れたり、身体を温めるために口にしたりと、用途はさまざまにあります。


2.本格的かんずりの作り方

かんずりは、3年の歳月をかけてゆっくりじっくり熟成・発酵させて作っていきます。一つ一つ手間暇かけて作られたかんずりは、辛みがある中にもまろやかさを感じる美味しさです。
では、どのように作られているのか実際に見ていきましょう。


1年目(唐辛子作り~かんずりの仕込み)

①唐辛子作り(4月頃)
唐辛子の栽培はまだ雪が残る地面を掘り返して、前の年に出来た唐辛子の種から作っていきます。

②塩づけ(8~11月)
実った唐辛子の収穫をして、天然の海水塩で塩漬けにしていきます。

③雪さらし(大寒の頃)
雪の上に唐辛子をまいていく、雪さらしという作業を行います。3~4日ほど経つと、強いアクを雪が吸い取り、塩が抜けていき、辛味がやわらかくなるため、まろやかな味わいに変化していきます。この作業は、3月頃まで繰り返し行っていきます。

新潟妙高の発酵調味料〈かんずり〉 - 新潟県・妙高高原/赤倉 ...
参照:「かんずり」の検索結果 – Yahoo!検索(画像)

④元仕込み
雪さらし後は、唐辛子に塩こうじ、ゆずを混ぜ合わせて3年かけてじっくりと熟成発酵させていきます。雪さらしの作業と同じように3月頃まで行っていきます。


2年目(ゆっくり熟成)

①手返し(6~7月頃)
手返しという唐辛子を漬けた樽に空気を入れて発酵を促していきます。平均して発酵していくよう促すために、置き場所も変えていきます。

②寒ざらし(11~12月頃)
置き場所の変更をしながら、年に一度は手返しされた唐辛子の樽は、11~12月頃に外に出します。これを「寒ざらし」と言い、唐辛子が引き締まり、まろやかな味わいへと変わっていきます。寒ざらしが終わると、封入されて出来上がりとなります。


3.かんずりが作られるのは1社のみ

戦国時代から作られてきた「かんずり」は各家庭でオリジナルなものが伝わってきましたが、自宅で作る人が減っていく中で、大切な文化を残そうと「かんずり」が商品化され始めました。新潟県妙高市で作られるかんずりは、地元産の唐辛子、ゆず、塩、麹を混ぜ合わせて作られます。製造、販売をされているのは(有)かんずり一社だけで、アメリカ、中国、韓国などでは「KANZURI」として販売されています。

世界でも珍しい唐辛子の発酵食品「かんずり」。料理を選ばず ...
参照:「かんずり」の検索結果 – Yahoo!検索(画像)


4.かんずりの会社の社長のお話し

全国でもかんずりを作られているのは、ここの「かんずり」1社のみ。
昔、家庭で作られていた唐辛子漬けをアレンジしたものが「かんずり」の始まり。どのように作られたのか見ていきましょう。


どのようにして「かんずり」は作られたのか?
昭和30年頃に、山間地域で一般の家庭で冬の寒さをしのぐため自家製の唐辛子漬けが作られていました。その唐辛子漬けをお酒のおつまみとして漬物に漬けて食べたり、暖かい鍋やお吸い物に入れたりと薬味として親しまれていました。ただ、道が舗装されて雪の多い時期でも便利に移動できるようになってからは、買いに行くことが多くなりました。作られることが少なくなったことで、先代の社長がこの食文化を守っていこうと思ったことがきっかけで、商標をとってかんずりを作り始めました。地元に根付いた味を守るために作られたのですね。

②どのようにして知られるようになったのか?
始めの10年は「こんなに辛いものを食べられるか!」と言われることもあり、売れずに苦労していましたが、改良を重ねて全国の物産展に出店を続けていたら、「面白い香辛料だな」と料理人の目に留まり、全国放送で紹介されてから広く知られるようになりました。

③かんずりの名前の由来
雑菌が少ない寒い冬に作るので、「寒作り」と呼ばれていたのが由来です。ここで作られるかんずりは、地元産の唐辛子と新潟県の麹、そして赤穂の塩と高知の柚子を混ぜ合わせて何年も発酵させて作られます。

④どんな味がする?
かんずりは柚子胡椒などに比べて塩分濃度が低く12%くらいで、3年寝かしておくことで塩の角が取れて丸みのあるしょっぱさになります。

⑤どんな唐辛子を使っているの?
唐辛子は1種類のみでは味が単調になるので、中辛の唐辛子と辛口の鷹の爪など何種類か混ぜてあります。毎年その年の種を次の年に使っているのだが、大きいものだと20cmほどの唐辛子を使うこともあります。素手で作業される方もいるそうです。

⑥雪の上に唐辛子を撒く「雪さらし」
1月の大寒の日から行う「雪さらし」は冬の風物詩と言われています。日本産の唐辛子はアクが強く、塩漬けした唐辛子を3,4日雪の上にさらしてあく抜きをします。雪の重さで唐辛子の苦み成分が抜けて、そのまま食べられるくらいの辛さになります。

⑦なぜ、雪の上でアクが抜けるのを発見したのか!?
家の軒先に唐辛子を吊るして干していた時に、偶然雪の上に落ちた唐辛子を2,3日後に食べてみたら甘いことに気づいたことがきっかけでした。

1回でどのくらいの唐辛子を雪の上に撒くの?
1回につき約1トンの唐辛子を撒きます。
30分で撒いて、30分で回収をして、床づくりや網を広げる作業など半日をかけて行っていきます。
それを1月~2月に頃まで15回ほど繰り返して行っていきます。

⑨どのように食べるのがおススメ?
鍋やラーメンに入れて食べるのはもちろん、ステーキや焼き鳥などお肉につけて食べるのを好む方も多いです。豆乳に少し入れても美味しく飲めます。

参照:新潟生まれの万能調味料「かんずり」の旨味増強力を全世界へ伝えたい…!ちょい足しで鍋やラーメンがお店の味に – ぐるなび みんなのごはん (gnavi.co.jp)


5.自宅で簡単かんずりの作り方

かんずりの材料
唐辛子 150g
塩糀  150g
柚子          小1

作り方
①塩こうじを作っておきます。

・塩こうじの作り方
米糀 200g
塩  70g
水  250ml
全ての材料を混ぜて、10日ほど置いておきます。
(1日1回混ぜます)

②柚子をすりおろす
③唐辛子、塩こうじ、ゆずを混ぜ合わせます


④1週間ほどで完成


6.まとめ

  • かんずりって何だろう?
    世界的にみてもめずらしい新潟県妙高市で作られている唐辛子を発酵させた辛味調味料です。
  • 本格的かんずりの作り方
    かんずりは3年の年月をかけて作られます。新潟県の気候を生かしたかんずり作りは、辛み成分が入った唐辛子をまろやかに味わい深くさせてくれます。
  • 1年目
    ①唐辛子作り
    唐辛子の栽培はまだ雪が残る地面を掘り返して、前の年に出来た唐辛子の種から作っていきます。
    ②塩づけ
    実った唐辛子の収穫をして、天然の海水塩で塩漬けにしていきます。
    ③雪さらし
    雪の上に唐辛子をまいていく、雪さらしという作業を行います。
    ④元仕込み
    雪さらし後は、唐辛子に塩こうじ、ゆずを混ぜ合わせて3年かけてじっくりと熟成発酵させていきます。
  • 2年目(ゆっくり熟成)
    ①手返し
    唐辛子を漬けた樽に空気を入れて発酵を促していきます。
    ②寒ざらし
    置き場所の変更をしながら、年に一度は手返しされた唐辛子の樽は、11~12月頃に外に出します。
  • かんずりが作られるのは1社のみ
    かんずりが作られているのは新潟県妙高市にある会社1社だけです。
  • かんずりの会社の社長のお話し
    昭和30年頃に唐辛子漬けとして作られ始めたが、お店で買うようになってからは家で作られることが少なくなり、このことがきっかけで食文化を守っていこうと商標をとってかんずりを作り始めました。
  • 自宅で簡単かんずりの作り方
    自宅で簡単お気軽に作れる「かんずり」のつくり方


7.おわりに

旨味成分がギュッとつまった「かんずり」は、冬の寒い時期のお鍋にも合う美味しい調味料の一つです。
塩こうじが混ざり合うことで、旨味と発酵が広がっていきます。
唐辛子ってどうやって使ったらいいのか悩んでしまうこともありますね、混ぜ合わせてペースト状にすることで、普段の料理にサッと使うことが出来るのです。
販売されている「かんずり」は3年の年月をかけて作られた、まろやかな風味を感じる美味しさです。
自宅で簡単に作れる「即席かんずり」は、辛味を感じる冬の時期にはお鍋にも合う美味しさです。
どちらも、それぞれの良さがある、かんずりを一度お試しください♪

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