炊飯器を使って!一日でできる『おからで作る味噌』。美容・美肌に効果的な理由とは?

味噌には、美容や健康に効果的な栄養素がたっぷり含まれています。私は一日2杯の味噌汁を飲んでいます。発酵食品を積極的に摂るようになってから、ひどかった吹き出物が出なくなったり、病気で通院することもほぼなくなりました。

材料や作る過程が目に見える安心感から、10年ほど前より味噌を手作りしています。年に一度の大仕事でしたが、炊飯器を使って発酵させたり、大豆の代わりにおからを使う方法を知ることで、味噌づくりが手軽に&身近になりました。

今回は、「美容効果」に注目したいと思います。お味噌できれいに!!ぜひ参考にしてくださいね。

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一日でできる『おからで作る味噌』って?


通常は、数ヶ月から一年間熟成させて完成する味噌。どうやって一日でできるのか、不思議ではありませんか?そのヒミツは炊飯器を使って作ること。麹菌の適温に合わせて発酵を促進するから、早く仕上げることができるんです。

一日でできる『おからで作る味噌』。材料は大おからと豆乳、米麹と塩の4つ。作り方は次の3ステップです。

〇おからと豆乳を混ぜ
〇米麹と塩を加えて
〇発酵させるだけ!!

レシピについては『一日でできる『おからで作る味噌』の作り方。簡単!早い!3ステップでできちゃいます!!』をご覧ください。

大豆で作る味噌は、 ①大豆を一晩水に漬けておき、②それをコトコトやわらかくなるまで煮て、③ブレンダーやフードプロセッサ―を使ってペースト状につぶす…という行程を経て作ります。おからで作ると、3つの行程のかわりにおからと豆乳を混ぜるだけ。グッと時短に!!

通常の味噌作りと異なる点は、短期間で発酵させるために米麹の量が多いこと。そのため、よりマイルドな仕上がりとなります。また、発酵時間が短いので出来上がりはさっぱりとした白味噌です。発酵時間を延長することで、熟成味噌に近づけることができます。

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味噌に期待できる美容・美肌効果とは?


味噌は、必須アミノ酸の大豆タンパク質をはじめ、ビタミンB群やビタミンEなどのビタミン類、カリウムやカルシウムなどのミネラル、食物繊維、脂肪酸ポリフェノールの一種である大豆イソフラボンなど多くの栄養素を含んでいます。

味噌に期待できる美容・美肌効果は次の通り。女性には嬉しい食品ですね!順番にみていきましょう。

①美白効果
②アンチエイジング効果
③女性ホルモンを補う効果
④皮膚や粘膜を正常に保つ効果


①美白効果

大豆に多く含まれているリノール酸。発酵の過程で「遊離リノール酸」へと変化します。 遊離リノール酸には、メラニンの合成を抑えるという働きが。

詳しくは、皮膚のメラノサイトに遊離リノール酸を補ってチロシナーゼ生成を抑え、メラニンの合成を抑制するというメカニズムです。また、リノール酸には潤す力を高めてくれる作用や、抗炎症作用もあると言われています。

メラニンとは?

シミ・そばかすの原因物質。メラニン合成が抑えられることでシミ・そばかすの予防になります。

②アンチエイジング効果

味噌には、抗酸化作用がある次の3つの成分が含まれています。

〇大豆イソフラボン
〇大豆サポニン
〇ビタミンE

ポリフェノールの一種である大豆イソフラボンは、細胞にダメージを与える「活性酸素」の働きを抑えてくれます。もともと大豆に多く含まれていますが、発酵させることで抗酸化作用が倍増するという研究結果があるんです。

どうして「抗酸化=アンチエイジング」なの?

老化は、活性酸素が血管や内臓の細胞を酸化させることで起こります。抗酸化とは、この活性酸素を除去することです。若々しさを保つアンチエイジングは抗酸化物質を摂取することで促進できます。


③女性ホルモンを補う効果

味噌に含まれる大豆イソフラボンは、 女性ホルモンである「エストロゲン」に似ており、そのはたらきを補うと言われています。以下のような効果が期待できます。

〇肌のハリ
〇髪のツヤ
〇生理不順解消
〇不眠解消
〇イライラの解消
〇冷え性の予防
〇骨粗しょう症の予防
〇更年期障害の予防

「エストロゲン」とは?

肌のハリや髪のツヤなど、女性らしさを作るホルモン。加齢や不規則な生活によって分泌量が減ってしまいます。特に加齢による女性ホルモンの分泌量を増やすことは困難だと言われているんです。


④皮膚や粘膜を正常に保つ効果

麹菌は代謝の過程で、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、イノシトールなど、美肌に関わるとされるビタミン類を生成します。

ビタミンB1は糖質を代謝する働きがあり、体内の脂肪の蓄積を防ぎます。また、腸を刺激して便秘を防ぎます。ビタミンB2は脂肪の代謝や細胞の再生をサポートし、皮膚や粘膜を健やかに守る働きをしています。ナイアシンは、シワ改善効果があると言われています。

マルコメの実験において、興味深い結果がありましたので、引用させていただきました。

20〜40代の女性を対象に糀の割合が高い味噌を摂取することによって、肌にどのような効果があるのか検証しました。その結果、糀の割合の高いみそ汁を1日2杯飲んだ女性のほうが、飲んでいなかった女性に比べ、しみの減少、頬のメラニン量の減少が認められ、しみやくすみが改善することが明らかになりました。また、「化粧ノリがよくなる」「毛穴の目立ちが改善する」など、肌の水分保持量がアップしたという実感を得られました。

https://www.marukome.co.jp/rd/result06/




美容と腸との関係って?


なぜ腸内環境を整える必要があるの?

美容効果を得るために、なぜ腸内環境を整える必要があるのでしょうか?その答えは

①便秘になると有毒ガスや活性酸素を発生し、肌荒れにつながってしまうから
②腸内環境が整うと、美肌や美髪に必要な栄養をしっかり吸収できるから


腸内環境が整っている状態とは?

腸内環境は、腸内に存在する細菌によって決まります。腸内には約500〜1,000種類、約100兆個もの細菌が存在していて、それらが健康や美容に深く影響しています。

腸内細菌は「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3つに分類され、 2:1:7の割合を維持できた状態が理想的だと言われています。

〇善玉菌
悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、腸の運動を促す菌
(ビフィズス菌など)

〇悪玉菌
腸内で有害物質を作り出し、お腹の調子を悪くする菌
(ウェルシュ菌など)

〇日和見菌
善玉菌と悪玉菌のうち、数が多いほうの味方につく菌


腸内環境が悪化するとどうなるの?

腸内環境が悪化すると、便秘になります。便秘をして肌が荒れた経験はありませんか?そのメカニズムをみていきましょう。

便秘になると腸内に悪玉菌が増加し、 アンモニア、フェノール、硫化水素などの 有害物質が生成されます。便として体外に排出することができないため、 腸壁から吸収されて血液に溶け、全身へと運ばれてしまいます。

最終的にカラダは、その有害物質を汗や皮脂などと一緒に毛穴から外へ排出しようとします。老廃物が肌の角質や皮脂と結び付き、肌荒れや吹き出物となってしまうんです。

また、腸は言わずと知れた栄養を吸収する臓器です。腸内環境が悪化すると、美容に必要な栄養を吸収できなくなってしまいます。



腸内環境を整える発酵食品


腸内環境を整える2つの方法とは?

腸内環境を整えるには、次の2つの方法があります。

①善玉菌そのものを摂取して補う方法
②善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法


発酵食品のチカラって?

先ほど挙げた2つの方法について、味噌がどのようにチカラを発揮するのか、みていきましょう。

①善玉菌そのものを摂取して補う方法
発酵食品には、善玉菌がたっぷり含まれています。乳酸菌は、乳酸を作り出すことで 腸内を酸性に保ち、 悪玉菌の増殖を抑制して腸内環境を改善します。

②善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法
乳酸菌は生きて腸に届かなくても、 腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にします。

麹菌は代謝の過程で、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、イノシトールなどのビタミン類を生成します。また、麹の酵素はオリゴ糖を生み出します。オリゴ糖は胃酸や消化酵素でも分解されずに大腸まで届き、腸内にすむ善玉菌の栄養源となってそれらを増やす働きがあります。

味噌ができるまで(麹菌、乳酸菌、酵母の働き)

麹菌が作り出す酵素は、大豆のタンパク質や米のデンプンを分解して、ブドウ糖、ペプチド、アミノ酸に変えていきます。乳酸菌がブドウ糖をエサにどんどん増殖し、乳酸をつくり出します。乳酸によってpHが下がり、酵母にとって生育しやすい環境になります。酵母がブドウ糖やアミノ酸をアルコールや有機酸に変えながら、ゆっくりと時間をかけて味噌特有の風味を醸していきます。

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発酵食品の効率的な摂り方とは?


効果を高める発酵食品の摂り方って?

①適量を長く続けること
②他の発酵食品と組み合わせて摂ること

①適量を長く続けましょう

発酵食品がカラダに良いとはいえ、一度に多くの量を摂り過ぎることは禁物です。成分によっては摂り過ぎることで、逆にカラダに害を及ぼすことさえあるんです。

発酵食品は薬ではないので、即効性があるというよりは、長く続けることで体質が改善されていきます。まずは一ヶ月。焦らず長い目で摂り続けましょう。

②ほかの発酵食品と組み合わせて摂りましょう

発酵食品は、数種類のものを組み合わせて食べるとさらに効果が得られると言われています。ヨーグルトや納豆など、色々な発酵食品を日々の食卓に取り入れるといいでしょう。


麹と温度との関係について

①加熱しても大丈夫?

麹を使って発酵食品を作っていると、よくいただくのが「発酵食品を加熱してもいいのかどうか?」という質問。特に味噌は、味噌汁として使うことが多いので、まさに加熱しますね。

麹菌には、活性化したり死滅したりする温度があります。麹菌が生成する酵素にも、作用するのに最適な温度があります。味噌を作るときは50~60度を保って発酵させますが、これは発酵を促進するために最適な温度が60度前後だからです。

一方、麹菌の増殖に適した温度は25~30度。繁殖が止まるのは45度、そして50度前後で死滅します。なんだか矛盾を感じませんか?50~60度では麹菌そのものは生きていくことができません。発酵とは、麹菌が発酵の過程で作り出す酵素の働きを利用したものなんです。

②いわゆる『死菌』にも役割があります!!

「生きた菌を腸に届けたい」と考える方が多いのですが、麹菌を口から摂取した場合、胃酸で溶けると言われています。そもそも発酵食品が体に良いのは「発酵の過程で有益な成分が生成されていたり、消化しにくい物質が消化されやすくなるから」。生きた菌が腸に届かなくても、ちゃんと効果・効能を得ています。

しかも死菌は、腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にします。さらに免疫を高める効果も。死菌にもちゃんと役割がありますので、さほど気にする必要はありません。



まとめ



  • なぜ一日でお味噌ができるの?
    炊飯器やヨーグルトメーカーを使って作るから。麹菌の適温に合わせて発酵を促進するため、早く仕上げることができる。
  • 一日で出来る『おからで作る味噌』の作り方って?
    〇材料はおからと豆乳、米麹と塩の4つ。
    〇手順は次の3ステップ。
    ①おからと豆乳を混ぜて
    ②米麹と塩を混ぜて加え
    ③発酵させるだけ!!
  • 味噌に期待できる美容・美肌効果とは?
    ①美白効果
    ②アンチエイジング効果
    ③女性ホルモンを補う効果
    ④皮膚や粘膜を正常に保つ効果
  • 美容と腸との関係って?
    なぜ腸内環環境を整える必要があるの?
    ①便秘になると有毒ガスや活性酸素を発生し、肌荒れにつながってしまうから
    ②腸内環境が整うと、美肌や美髪に必要な栄養をしっかり吸収できるから
  • 腸が整っている状態って?
    腸内細菌は「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3つに分類され、 2:1:7の割合を維持できた状態が理想的だと言われている。
  • 腸内環境を整える2つの方法とは?
    ①善玉菌そのものを摂取して補う方法
    ②善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法
  • 効果を高める発酵食品の摂り方って?
    ①適量を長く続けること
    ②他の発酵食品と組み合わせて摂ること
  • 麹と温度との関係について
    一定の温度以上で菌は死滅するが、死菌にも免疫を上げるはたらきがある。



おわりに


おからでお味噌が作れるということをご存知でしたか?通常だと、①大豆を一晩水に漬けておき、②それをコトコトやわらかくなるまで煮て、③ブレンダーやフードプロセッサ―を使ってペースト状につぶす…という行程を経て作ります。おからで作ると、3つの工程のかわりにおからと豆乳を混ぜるだけ。グッと時短ができるんです。

しかも、炊飯器を使って発酵させるので、24時間~36時間ほどで発酵完了。驚くほどあっという間に完成します。私は10年以上自家製味噌を作っています。以前は1年に一度、寒い季節にまとめて作っていました。ところが、一年分をまかなうだけの量を一度に作ることが出来ず…市販の味噌と半々で食べていたんです。

これらの方法にたどり着いてからは、欲しいときに欲しい分だけ作ることが出来るので、一気に悩み解決!!保存しておくスペースも取らないし、カビに悩まされることもありません。熟成具合も、保温時間によって調整することができます。

まろやかでさっぱりした白味噌が好みであれば、発酵時間を短めに。深みのある熟成された味噌が良ければ、味見をしながら保温時間を延長します。

手作りの味噌は、塩の量も調整することができるので、最初は分量の通りに作ってみて、次回から自分好みの味を探してみるのも楽しいです。

使うおから、豆乳、米麹、水や塩にこだわることができるのも手作りならでは。材料や作る過程が目に見えるので安心していただくことができますね。ぜひ手前味噌を作ってみてくださいね!!





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