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秋田の名産「いぶりがっこ」美味しさの秘密は 燻製と乳酸菌!? 燻しと発酵のパワーで免疫力アップ!!

今では、よく耳にすることの多い「いぶりがっこ」は秋田県が発祥の地。
秋田の雪深い地域で作られる「いぶりがっこ」は、大根をしっかりと乾燥させるために家内で干し始められました。

その当時はどこの家にも囲炉裏があり、思いがけず家内で干すことで燻されたことが「いぶりがっこ」の始まり。そこから、試行錯誤変わっていくことで現在の形になっているようです。

思いがけず出来た食べ物はさまざまにありますね。
思いもよらない発想はもしかしたらちょっとしたことや、失敗したことから生み出されることもあるのかもしれないですね。

お酒のおつまみに、一口食べると燻された大根が口中に広がり、ずっと食べ続けてしまう美味しさを持ついぶりがっこ。
今回は、出来上がるまでの歴史と「即席・簡単自宅で出来るいぶりがっこの作り方」をお伝えしていきます。



1.いぶりがっことは

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秋田県の名産の「いぶりがっこ」の名前の由来は、秋田の方言で「がっこ」とは漬物と呼ばれ「いぶり」は燻すの意味からきており、いぶりがっこで「燻した漬物」という意味になります。

秋田の冬は積雪も多く日照時間が短いためしっかりと大根を天日干しすることが出来ません。そのため、家に吊るして干す習慣がありました。家々には、暖を取るために囲炉裏がありその煙で大根が燻されました。これがいぶりがっこの始まりとされて、室町時代にまで遡ります。

また、いぶりがっこは、12~3月の寒い冬の時期に作られています。楢の木や桜の原木を燃やしてその煙でいぶし上げられ、芳ばしい木の香りを感じることが出来るお漬物です。

秋田の漬物の不思議な名前・・
大根の漬物は「でーこんがっこ」
ナスは「なすがっこ」と言われています。


2.いぶりがっこが復活!?ある漬物屋さんのお話し

秋田では、昔から家で作られていた「いぶりがっこ」実は、時代の変化と共に一時期は衰退していたのです。その理由は、囲炉裏から薪ストーブに変わったことが大きな理由。そんな中、どのように再び姿を現したのでしょうか!?


2-1.いぶりがっこが再び姿を現した!?

いぶりがっこは、秋田が発祥ではありますが、雪深い多くの地域でも作られていました。大根を部屋の中で干した時に囲炉裏の煙で燻されたのがルーツになります。

昭和30年代に入ると、囲炉裏から薪ストーブに代わったことがきっかけで、いぶりがっこは、一時期作られなくなりました。そして、それを復活させたのが漬物業を営んでいた秋田県湯沢市にある「きむらや」さん。

山の中にあった小屋の中全体を囲炉裏にして、そこに大根を吊るして、下の面で薪を焚いて燃やしていきました。そこから研究を重ね「いぶりがっこ」が出来上がったのです。


2-2.材木の種類

ベースとなるのがサクラとナラの木で、そこにイタヤ、ケヤキなどを使用しています。サクラはお香のような香りで、少量入れるだけでもいい香りがしてきます。

ナラは薪の定番で、香りもよく長く燃える材質です。また、ナラやケヤキなどの広葉樹はヤニがすくないのが特徴的です。
(杉や松などの針葉樹はヤニが出やすく、鼻に刺激臭がくるので、いぶりがっこには合わない素材です。)


2-3.米ぬかで漬ける

米ぬか、塩、ザラメで漬け込んでいきます。燻した大根を敷き詰めていき、最後に重石をかけていきます。この時の材料の配合によって、発酵速度が決まって来るのでとても重要な場面となります。

2か月以上かけて乳酸発酵をさせていきます。その後、重石は沈み方を見ながら場所を置き換えていきます。
始めは重い重石で早めに大根の水分を出していきます、大根が浸るスピードがとても大切になります。塩分と糖分の濃度が高い水分に大根が浸かることで、樽の中の雑菌が死滅して、乳酸菌だけが残る状況になります。

こうして、段階的に浸かるスピードを緩くしていきます。漬物の良い点は熱を加えなくても、乳酸菌水に浸っていることで衛生的にもよい環境にいられることです。

*秋田の漬物は冬の寒さを活用して低温発酵させたものが多く、低温でゆっくりと発酵させることで酸味がつきづらく塩の角がとれてまろやかな風味になります。

参照:いぶりがっこ②いぶし小屋へ!その1 | なんも大学 (nanmoda.jp)

・乳酸菌
酸に弱い・熱に弱い、生きたまま腸に届かないモノもある乳酸菌を産生しています。

*胃の中はPH2.2という強い酸性の濃度となっていて、ヨーグルトなどは途中の胃酸で溶けてなくなってしまいます。ただ、乳酸菌は死菌しても、その残骸が善玉菌のエサとなり腸内の善玉菌の増殖を助けてくれます。

*納豆以外の乳酸菌が入った食べ物
ヨーグルト・チーズ・キムチ・味噌・醤油等

・免疫力に関わる細胞の6割が腸にあります。
腸には「善玉菌・日和見菌・悪玉菌」があります。「2:7:1」の割合で存在していますが、善玉菌が優位になると、日和見菌は善玉菌に味方をしはじめます。善玉菌が優位になることで、免疫力がアップして、腸内環境を整えて便通の改善もしてくれます。


3.いぶりがっこの作り方

秋田のいぶりがっこは「いぶし小屋」と呼ばれる専門の小屋の中で作られます。たくさんの大根を小屋の天井から吊るして、下の面で丸太を燃やして煙で大根を燻していきます。燻すことで、水分が抜けてシワシワの状態になっていき、大根は茶色に変わっていきます。大体5日程度燻していきます。
水分が抜けたら、2~3か月ほど米ぬかやザラメ、塩などに漬け込んでおきます。

作り方
①大根を冷たい水で洗い、燻製にするために大根を縄編みしていきます。
②昔の家では、囲炉裏で燻していましたが、今は「燻し小屋」の中でしっかりと水分を抜いてから行っていきます。サクラの木や広葉樹などの木を燃やし、しっかりと香りをつけるために5日ほど燻していきます。
③ぬか床に漬け込んでいきます、砂糖や塩も混ぜて約2か月間しっかりと漬け込んでいきます。


4.手軽に自宅でも出来るいぶりがっこの作り方

いぶりがっこと言えば、最近では一度は食べたことがあるメジャーな食べ物です。そのまま食べるものから、アレンジレシピまであり、さまざまに楽しめる食材の1つではないでしょうか。


①たくわんを干す


②フライパンにアルミホイル敷きその上にサクラチップを置く


③網を置いて、干したたくわんを置く


④強火で2~3分、煙が出てきたら、弱火にして20分ほど燻していきます


⑤火を止めて、10分ほど時間を置いてからフタを開けて完成です


燻製とは?
燻製は、サクラの木などの木材を燃やした煙を塩漬けにした肉や魚にかけて独特の風味をもたせ、ゆっくりと燻すことで、保存性を持たせたものです。

①燻製をすることで、殺菌・防腐効果がある。木材のチップから発生する成分が、肉や魚など腐敗させる菌を滅菌したり殺菌する効果を持っています。
②食塩と、燻製をすることで、脱水効果が期待できる。下ごしらえをした材料を一度塩漬けをして、水分を取り除いて燻製がしやすい状況にしていきます。塩味をつけることで、味を安定させて滅菌・殺菌処理をしていきます。

冷燻法
温度が15~20度で保ち長時間燻製させられるのが、この冷燻法です。水分がぬけるので、1ヵ月ほどの間保存が可能です。スモーカー内の温度は低温にしておくため、気温の高い夏などはあまりおススメ出来ません。スモークサーモン・生ハムなど

温燻法
30~80度で2~5時間燻製します。50%以上の水分が残り柔らかめな出来上がりとなります、ただ水分の残りが多いので保存はあまりききません。また、短時短でつくることが出来るので、手軽に作ることが出来る燻製です。ベーコン・ロースハム

熱燻法
90~140度で10~30分ほどで燻製が出来る手軽な燻製法です。香りや色合いはいいですが、保存はあまりききません。簡易的なスモーク・ガスレンジなどで行います。


5.まとめ

  • ぶりがっことは
    秋田県の横手市で作られており、「がっこ」とは秋田の方言で漬物と呼ばれ、「いぶり」は燻すの意味からきており、いぶりがっこで「燻した漬物」という意味になります。
  • いぶりがっこを復活!?ある漬物屋さんのお話し
    昭和30年代に入ると、囲炉裏から薪ストーブに代わったことがきっかけで、一時作られなくなりました。そして、それを復活させ漬物業を営んでいた、秋田県湯沢市にある「きむらや」さん。
  • いぶりがっこの作り方
    秋田のいぶりがっこは「いぶし小屋」と呼ばれる専門の小屋の中で作られます。たくさんの大根を小屋の天井から吊るして、下の面で丸太を燃やして煙で大根を燻していきます。
  • 手軽に自宅でも出来るいぶりがっこの作り方
    簡単即席いぶりがっこは、自宅のフライパンで作ることができます。


6.おわりに

秋田の名産のいぶりがっこ。「燻して、漬ける」ことで、美味しさと栄養価を高めてくれます。自宅で作るいぶりがっこは、お手軽に出来る調理法。ぜひ一度、お試しください。

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