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秋田県産のいぶりがっこの効果効能は!? 美味しくて、身体にもいい「発酵×燻製」で 腸内環境を整える♪

秋田と言えば、寒い冬を思い浮かべる人も少なくないと思います。
寒い時期に欲するものと言えば「こたつ」ですが、昔は囲炉裏で暖をとっていました。

そんな囲炉裏を家族で囲んで暮らしていた時代に、「いぶりがっこ」が作られるようになりました。
今では、目にすることも多くなってきましたが、食べてみると、燻しの香りと、ポリポリとした触感に箸が止まらなくなることも。

いぶりがっこの美味しさの秘訣は、「燻し上げてから、ぬか床に漬ける2重方式」。手間ひまかけられた食べ物は美味しさも倍に膨れ上がりますね。

「燻し上げてから、ぬか床に漬ける」ことで、栄養価もグンっと上がっていきます。燻しで殺菌効果を上げ、ぬか床で乳酸菌を取り入れて腸内の免疫力アップ。

発酵食品のすばらしさは、日々の生活から感じることが出来ます。
「発酵食品って一体何なんだろう?」と中々ピンと来ない人も少なくないと思いますが、ぜひ一度食べて実感してみて下さい。

発酵食品は食べれば食べるほど、身体がちゃんと教えてくれます。
今回は、そんな話題の「いぶりがっこ」についてお伝えしていきましょう。
美味しさの虜になってしまうかも♪


1.いぶりがっことは

秋田県が名産のいぶりがっこ「燻した漬物」という意味を表しています。

秋田の方言
「がっこ」とは漬物
「いぶり」は燻す

秋田の冬は積雪も多く日照時間が短いためしっかりと大根を天日干しすることが難しい環境にありました。

そのため、家に吊るして干す習慣があり、家々には、暖を取るために囲炉裏がありその煙で大根が燻されました。これがいぶりがっこの始まりとされて、室町時代にまで遡ります。

いぶりがっこの作り方はこちらをご参照ください。
秋田の名産「いぶりがっこ」美味しさの秘密は燻製と乳酸菌!?燻しと発酵のパワーで免疫力アップ!!


2.大根の効果・効能は?

いぶりがっこの主となる大根は、身体にもうれしい効果がたくさんあります。

・大根に含まれる2つの主な栄養素
①食物繊維
②ビタミンC


2-1.食物繊維の効果・効能

食物繊維には3つの作用があります。
人の消化酵素では分解できない成分を持っている食物繊維は、大腸にまで届いて、腸内環境を整えてくれる働きがあります。


効果① 整腸作用

たんぱく質や炭水化物などは「消化酵素」によって消化されていきますが、食物繊維は消化・吸収されずに小腸を通って大腸まで到達する成分を持っています。そして、大腸まで届いた食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内を整えて排便を促してくれます。
実は、食物繊維とは野菜に見える筋そのものを示しているわけではないのです。


効果② 血糖値の上昇を抑える

血糖値とは、血液中のブドウ糖濃度のことを示し、食べ物がブドウ糖に分解されて血液中に入り込むことで上昇していきます。血糖値が上がると「インスリン」が分泌されて、ブドウ糖を体内に取り込むことで、身体の状態を良くしてくれます。食物繊維は食後の「血糖値」の上昇を緩やかにしてくれる働きがあります。


効果③ コレステロール濃度を低くする

コレステロールを体外へ排出し、吸収を防ぐ働きもあり、血中のコレステロール濃度を低下させる効果もみられます。悪玉コレステロールが増加すると、血栓になりやすく動脈硬化や脳梗塞を引き起こす可能性が高くなります。
低くなることで、そのリスクを低減させることが出来るのです。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の効果の違い

・水溶性食物繊維の効果
水に溶けやすく、水分を含んでコレステロールやナトリウムなどの有害成分を吸着させて食物繊維と一緒に排泄する役割があります。脂質であるコレステロールが減少するので、ダイエット効果も見られます。また、栄養素が小腸に吸収されるスピードを緩めて、食後に血糖値が急激に上がるのを防ぎます。腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整える役割も持っています。
(イモ類、こんにゃく、わかめ、大豆)

不溶性食物繊維の効果
水分を吸収し便の体積が増えることで大腸が刺激され、腸の蠕動運動が起こり排便が促されます。蠕動運動が起こることで、消化管を通るスピードを早めていきます。さらに、有害物質を便に吸着させて体外への排出を促してくれます。大腸がんのリスクが減少するともいわれています。腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整える役割も持っています。
(大根・ごぼう・ココア・きのこ)


2-2.ビタミンCの効果効能

大根の葉っぱにはビタミンCも多く含まれていて、含有量は100gあたり53mg。ビタミンCは体内の細胞と細胞を結びつけるコラーゲンというたんぱく質を作るために必要な栄養素です。肌の状態が気になる人は、皮膚のコラーゲンを生成するためにビタミンCを多めに摂ると効果的です。


効果① 抗酸化作用

体内で増えていく「活性酸素」を抑えて、皮膚のしみやしわ、動脈硬化や生活習慣病から体を守る働きをしてくれます。身体を錆つかせず、酸化を抑える働きがあるため老化防止にもつながります。


効果② メラニンの発生を抑える

日焼け防止や美白効果もあります。


効果③ ストレスの低減

ビタミンCが不足するとストレスが溜まりやすい体質になると言われています。抑うつや不安を感じやすい場合はビタミンCを摂ることで予防することが出来ます。


3.グルタミン酸の力で旨味が引きあがる

いぶりがっこは燻製にしてから、ぬか床につけていきます。
燻製をすることにより、グルタミン酸が発生していぶりがっこの風味と美味しさをさらに引き上げてくれます。

旨味成分の代表格でたんぱく質を構成するアミノ酸の中の一種のグルタミン酸は身体の中でも組成されており、体内では約2%含まれています。また、たんぱく質は、鎖状につながり20種類のアミノ酸から構成されています、人の体や細胞を作るための主要な部分でもあります。

お母さんが赤ちゃんに飲ませる母乳には、グルタミン酸が非常に多く含まれています。母乳は赤ちゃんを育てるには欠かせないもの、グルタミン酸と母の愛で倍に美味しさを感じますね。

燻製をすることで、美味しさがアップするだけでなく、さらにうれしい効果もあるようです。
燻製の面白さお伝えしていきましょう。

〇燻製とは?
燻製は、サクラの木などの木材を燃やした煙を塩漬けにした肉やチーズにゆっくりと燻して独特の風味をもたせ、保存性を持たせたものです。

*石器時代から利用されている保存技術
煙で燻すことで、煙に含まれるフェノール類のおかげで殺菌ができます。

・2つの効果
①殺菌・防腐効果がある。
燻製をすることで、木材のチップから発生する成分が、肉や魚など腐敗させる菌を滅菌したり殺菌する効果を持っています。
②食品の水分を抜くことが期待できる。
下ごしらえをした材料に一度塩漬けをして、塩の浸透圧で水分を抜いて燻製がしやすい状況にしていきます。塩味をつけることで、味を安定させて滅菌・殺菌処理をしていきます。

・3つの燻製方法
冷燻法
温度が15~20度で保ち長時間燻製する製法が、この冷燻法です。燻製釜の温度は低温にキープする必要があるため、気温の高い夏などはあまりおススメ出来ません。水分がしっかりと抜けるので、1ヵ月ほどの間保存が可能です。スモークサーモン・生ハムなど
温燻法
もっとも一般的な方法で、一番行われている製法です。30~80度で2~5時間ほど燻製します、50%以上の水分が残るため保存はあまりききません。キットなども販売されているので、自宅でも簡単に作ることが出来る燻製です。ベーコン・ロースハム
熱燻法
90~140度で10~30分ほどで燻製が出来る手軽な燻製法です。柔らかい触感と香りや色合いはいいですが、保存はあまりききません。ガスレンジなどで行います。


4.腸内環境を整える

いぶりがっこは、ぬか床につけて乳酸菌発酵をさせていきます。
お漬物に含まれる乳酸菌はヨーグルトと同等と言われていて、さらに「腸まで届く乳酸菌」として、活発に働いて排便を促してくれます。
ぬか床には、葉酸などのビタミンB群やビタミン、ミネラル、タンパク質なども含まれていて、大根の食物繊維との相乗効果でさらに良好にしてくれます。

・ビタミンB群
皮膚や粘膜を保護する働きや、新鮮な血液を作り出す働きがあるため、美肌効果や肌をキレイな状態に保つ効果があると言われています。

・乳酸菌ってなんだろう?
酸に弱い・熱に弱い・生きたまま腸に届かないモノもある
(ヨーグルトなど無形のものは胃酸で溶けやすく、漬物などの固形のものは直接腸まで届くと言われています。)


*胃の中はPH2.2という強い酸性の濃度となっていて、ヨーグルトなどは途中の胃酸で溶けてなくなってしまいます。ただ、乳酸菌は死菌しても、その残骸が善玉菌のエサとなり腸内の善玉菌の増殖を助けてくれます。

・納豆以外の乳酸菌が入った食べ物
ヨーグルト・チーズ・キムチ・味噌・醤油等

〇免疫力に関わる細胞の6割が腸にあります。
腸には「善玉菌・日和見菌・悪玉菌」があります。
「2:7:1」の割合で存在していますが、善玉菌が優位になると、日和見菌は善玉菌に味方をはじめます。善玉菌が優位になることで、免疫力がアップして、腸内環境を整えて便通の改善もしてくれます。

〇悪玉菌って悪いもの!?
悪玉菌は悪いと思われがちですが、実はお肉などのたんぱく質を分解する働きがあります。善玉菌だけになれば身体が健康になるわけではなく、バランスが取ることで理想的な腸内環境となっていきます。


5.いぶりがっこは高カロリー!?

いぶりがっこは見た目はカロリーが低そうな食べ物のイメージを持ちやすいが、実は、含まれている栄養素のほとんどが炭水化物で糖質であり、カロリーも高いのです。
でも、栄養価が高く、旨味を感じるいぶりがっこは身体を整えてくれるうれしい存在。ちょっとずつ少しずつ、旨味を感じながら食する時間は贅沢ですね。

カロリーたくわん      27kccal
いぶりがっこ     60kcal

たくわんといぶりがっこの違いは?

〇たくわんとの違い
たくわんは大根を1ヵ月ほど干してから、塩・ぬか・唐辛子・昆布で5日~1週間ほど漬けていきます。
冷暗所に2~3週間置いて保存してから食べ始めます。
燻して、砂糖を含めることで、いぶりがっことなるようですね。


6.まとめ

  • いぶりがっことは
    秋田県の横手市で作られており、「がっこ」とは秋田の方言で漬物と呼ばれ、「いぶり」は燻すの意味からきており、いぶりがっこで「燻した漬物」という意味になります。
  • 大根の効果効能は?
    大根に含まれる主な栄養素
    ・食物繊維
    ・ビタミンC
  • グルタミン酸の力で旨味が引きあがる
    いぶりがっこは燻製にしてから、ぬか床につけていきます。その燻製によって、グルタミン酸が発生していぶりがっこの風味と美味しさをさらに引き上げてくれます
  • 腸内環境を整える
    いぶりがっこは、ぬか床につけて乳酸菌発酵をさせていきます
  • いぶりがっこはカロリーが高め!?
    いぶりがっこは見た目はカロリーが低そうな食べ物のイメージを持ちやすいが、含まれている栄養素のほとんどが炭水化物で糖質であり、カロリーも高い食べ物です。


7.おわりに

いぶりがっこは、燻し上げてからぬか床に漬ける、うま味成分が2度凝縮される食べ物です。長期保存が出来て、旨味を感じて、身体にもいい食品は、自宅に常備しておくと、とても助かりますね。
昔ながらの梅干しや、ひしお、お味噌などもそうですね。
身体の状態も整えて、常に手元に置いておける食品は最高の体のパートナーです。
毎日の献立に、いくつか食卓に並ぶだけで腸内の状態も改善されていきます。
ぜひ、ご自宅の保存食に「いぶりがっこ」を♪

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