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腸活のススメ!腸を整えて健康に!!腸と免疫力との深い関係とは?


同じ環境下にいても、病気にかかりやすい人とかかりにくい人、軽症で済む人と重症化する人がいます。この違いのひとつは、一人ひとりの免疫力の差によるもの。

万一ウイルスや細菌などが体内に侵入しても、免疫力が高ければそれらをやっつけてくれます。免疫力が低下していると、外敵に負けてしまうんです。

免疫は、腸と密接な関係があります。腸が元気だと免疫力も高いと言われています。その理由とは?腸を整える方法って?今回は、腸と免疫力との関係についてみていきましょう。



免疫力とは?


免疫力とは?

健康への関心が高まり、ウイルスなどの病原菌から身を守るために「免疫力を上げましょう!」と言われています。メディアなどで取り上げられることも増えましたね。そもそも、免疫力とは何でしょうか?

免疫力とは、病原菌やウイルスなどの異物から体を守る機能のこと。「免疫力を上げる」とは、免疫細胞を活発化させてしっかり働くようにすることです。免疫には次の二種類があります。

〇自然免疫
生まれつき備わっている仕組み。
体内に異物が入り込んだときに真っ先に動いて攻撃します。

〇獲得免疫
生まれつき備わっているものではなく、後天的に獲得された免疫反応。
過去の記憶をもとに異物と戦います。


免疫細胞にはたくさんの種類があります!

免疫細胞には以下のように、たくさんの種類があります。それぞれに役割があり、力を合わせて外敵からカラダを守っています。

〇自然免疫
好酸球、好中球、好塩基球、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)

〇獲得免疫
B細胞、形質細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞、メモリーB細胞


免疫力を上げるためには?

免疫力を上げるために大切なことは次の4つ。生活習慣を整え、ストレスをためないことが大切なんです。本記事では、「なぜ腸内環境を整えると免疫力が上がるのか?」について詳しくみていきましょう。

①健康的な食事
(腸内環境を整える)
②良質な睡眠
(自律神経を整える)
③運動・入浴
(代謝・体温を上げる)
④ストレスをためない



免疫力と腸との関係って?


免疫力を上げるために、なぜ腸内環境を整える必要があるのでしょうか?その答えは

①免疫細胞の6~7割が腸に存在しているから
② 腸内の免疫細胞は、良質な腸内細菌によって強くなるから
③腸を整えるとストレスが緩和されるから


免疫細胞の6~7割が腸に存在している!!

ウイルスや細菌の多くは、口や鼻から体の中に入ってきます。腸に至るまでの消化管は、常に感染の危険にさらされていることになります。

これらの外敵からカラダを守るためのバリア機能として、およそ70%の免疫細胞が腸に集まっているんです。これを「腸菅免疫」と呼んでいます。

腸に達したウイルスや細菌は、腸壁にあるパイエル板に取り込まれます。侵入したものを有害だと判断すると、パイエル板の中の免疫細胞がグロブリンA(IgA) という免疫物質を出して排除します。


腸を整えるとストレスが緩和される!!

免疫力を下げる大きな要因としてストレスがあります。腸を整えることでストレスが緩和されると言われている理由をみてみましょう。

幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の約90%が腸に存在しています。セロトニンが増えると、精神状態が安定します。逆に不足すると、慢性的ストレスや疲労、意欲低下、うつ症状、不安感やイライラ感の原因となります。

試験期間中の医学部学生に乳酸菌を4週間摂取したもらった実験の結果

〇不安や不眠スコアが大幅に改善されました。
〇唾液中のコルチゾールというストレスホルモンの増加が抑制されました。

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腸が整っている状態とは?


腸と細菌

私たちの腸内には、体内に棲む細菌の9割が生息していると言われています。 その数はなんと約100兆~1000兆個。重さにして約1㎏~2㎏にもなるんです!!

菌種は約1,000種類と、多種多様。 同じ種類の菌たちが塊となり、腸壁にびっしり張り付いています。その様子がお花畑 (flora)にみえることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。

腸内細菌の形成パターンは、一人ひとり異なります。「腸内フローラが整っている」とは、腸内細菌のバランスがとれている状態のことを指します。

腸内フローラの原型は3歳までに作られる?!

赤ちゃんは産道を通るときに、母親から腸内細菌をもらいます。それが赤ちゃんの腸内で増殖し、3歳くらいまでに腸内フローラの原型が作られます。そのパターンは一生変わらないと言われているんです。


善玉菌・悪玉菌・日和見菌って?

「腸内フローラが整っている」とは、腸内細菌のバランスがとれている状態のこと。腸内細菌は「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3つに分類されます。

理想的な割合は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7だと言われています。

〇善玉菌
悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、腸の運動を促す菌

〇悪玉菌
腸内で有害物質を作り出し、お腹の調子を悪くする菌

〇日和見菌
善玉菌と悪玉菌のうち、数が多いほうの味方につく菌

〇善玉菌

善玉菌は腸内で発酵活動を行います。乳酸や酢酸を作り出して腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えます。代表的なのは、ビフィズス菌や乳酸菌などです。

〇悪玉菌

悪玉菌は腸の中で腐敗活動を行います。毒性物質を作り出して腸内をアルカリ性にします。代表的なのは、大腸菌(毒性株)やウェルシュ菌、ブドウ球菌などです。

一見悪者に感じますが、肉類などのタンパク質を分解して、便として処理排泄するという大切な働きもあります。あくまでもバランスが大切なんです。

〇日和見菌

善玉菌が増えると日和見菌は善玉菌の味方につくので、腸内環境を整えておくことが大切だと言われる理由がここにあります。

発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!

発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。



腸を整えるには?


腸内環境は食事や運動、睡眠などの影響を受けます。腸内フローラのバランスを保つには

①自律神経を整える
②善玉菌を増やす食事への配慮

の2点が効果的です。


①自律神経を整える

自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、バランスよく働くことでカラダの調子を整えています。

自律神経は、腸の活動をコントロールしています。腸の蠕動運動は、交感神経が優位な時は停滞し、副交感神経が優位な時は活発化します。自律神経のバランスが乱れると腸の動きも乱れます。

〇交感神経
昼間活発になる
交感神経が優勢だと心身が活動的な状態

〇副交感神経
夜間活発になる
副交感神経が優勢だと心身がリラックスした状態

自律神経のバランスが崩れる大きな原因は色々ありますが、特に影響を及ぼすのがストレス生活習慣の乱れだと言われています。

ストレスは交感神経を優位にします。強いストレスにさらされ続けると、副交感神経への切り替わりがうまくいかなくなり、常に緊張状態になってしまうんです。

睡眠不足や昼夜逆転など、生活習慣が乱れると体内時計が狂ってしまい、副交感神経から交感神経への切り替わりがうまくいかず、倦怠感が抜けなかったり、やる気や集中力が低下したりなどの影響が出てきます。

腸を健康に保つには、上手にストレスと付き合うことや生活習慣を見直すことが大切なんです。

早起きのススメ!!
早起きをして朝日を浴びると体内時計がリセットされると言われています。


②善玉菌を増やす食事への配慮

食事によって腸内環境を整えるには、次の2つの方法があります。

①善玉菌そのものを摂取して補う方法
②善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法

①善玉菌そのものを摂取して補う方法

善玉菌を含むものをプロバイオティクス、善玉菌のエサとなるものをプレバイオティクス、両方を合わせて摂ることをシンバイオティクスと呼びます。善玉菌は、発酵食品から摂ることができます。

たとえば乳酸菌は、乳酸を作り出すことで 腸内を酸性に保ち、 悪玉菌の増殖を抑制して腸内環境を改善します。

発酵とは?
微生物(酵母・カビ・細菌など)の働きによって、有機物(タンパク質・デンプン・糖など)が分解され、別の物質に変化すること。

②善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法

善玉菌の栄養源は食物繊維やオリゴ糖などです。食物繊維は2種類あり、善玉菌を増やす効果がより高いのは水溶性食物繊維だと言われています。

〇水溶性食物繊維
水に溶ける
便をやわらかくする

〇不溶性食物繊維
水に溶けない
便の量を増やし、腸を動かす

発酵食品も栄養源として有効です。生菌の一部は生きたまま腸に届き、腸内環境を整えます。ところがほとんどの菌は、胃液などの影響によって腸まで直接届くことは難しいと言われています。

乳酸菌はいわゆる死菌になっても、 腸に棲みついている乳酸菌のエサになり、腸内環境のバランスを善玉菌優位にします。

麹菌は代謝の過程で、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、イノシトールなどのビタミン類を生成します。また、麹の酵素はオリゴ糖を生み出します。オリゴ糖は胃酸や消化酵素でも分解されずに大腸まで届き、腸内にすむ善玉菌の栄養源となってそれらを増やす働きがあります。

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発酵食品を効果的に取り入れましょう!!


カラダに良い作用をもたらす発酵食品。その効果・効能を最大限に受け取るためのポイントは2つ。

①適量を長く続けること
②他の発酵食品と組み合わせて摂ること

①適量を長く続けましょう
発酵食品がカラダに良いとはいえ、一度に多くの量を摂り過ぎることは禁物です。成分によっては摂り過ぎることで、逆にカラダに害を及ぼすことさえあるんです。
発酵食品は薬ではないので、即効性があるというよりは、長く続けることで体質が改善されていきます。まずは一ヶ月。焦らず長い目で摂り続けましょう。

④ほかの発酵食品と組み合わせて摂りましょう
発酵食品は、数種類のものを組み合わせて食べるとさらに効果が得られると言われています。ヨーグルトや納豆、味噌など、色々な発酵食品を日々の食卓に取り入れるといいでしょう。



まとめ


  • 免疫力とは?
    病原菌やウイルスなどの異物から体を守る機能のこと
  • 免疫の種類
    〇自然免疫
    好酸球、好中球、好塩基球、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)
    〇獲得免疫
    B細胞、形質細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞、メモリーB細胞
  • 免疫力と腸との関係とは?
    ①免疫細胞の6~7割が腸に存在している
    ② 腸内の免疫細胞は、良質な腸内細菌によって強くなる
    ③腸を整えるとストレスが緩和される
  • 腸内フローラが整っている状態とは?
    腸内細菌(悪玉菌、善玉菌、日和見菌)のバランスがとれていること
  • 腸内フローラのバランスを保つには?
    ①自律神経を整える
    〇ストレスをためないこと
    〇規則正しい生活をすること
    ②善玉菌を増やす食事への配慮
    〇善玉菌そのものを摂取して補う方法
    〇善玉菌のエサを摂って腸内細菌を育てる方法
  • 発酵食品を効果的にとり入れるポイント
    ①適量を長く続けること
    ②他の発酵食品と組み合わせて摂ること



おわりに


「腸活」という言葉が流行るほど、カラダや心の健康のために腸を整えることが大切だということが広く知られるようになりました。

免疫力と腸にも深い関係があることが、お分かりいただけたのではないでしょうか?病原体を避けることが難しい昨今。自己免疫を高めることが注目されています。

今回の記事を参考に、ぜひ腸内環境を整えてくださいね!!

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