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骨粗しょう症とは?手遅れにならないために。原因・症状・検査・治療・予防などを分かりやすくまとめました!

年配の方で、骨粗しょう症によって骨折して歩行が困難になる方が増えています。命に直結する病気ではないものの、寝たきりや車椅子生活にならずに自分の足で歩き、好きな場所へ行けたら幸せですね。

骨粗しょう症は初期症状がほとんどないため、気づいたら骨がもろくなって骨折してしまった…というケースが多いんです。

骨を丈夫にするには、どのようなことに気を付けたら良いのでしょうか?本記事では、骨粗しょう症について分かりやすくまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。



骨粗しょう症とは?


骨粗しょう症とは?

骨粗鬆症とは、骨密度が低下して骨折しやすくなる病気です。日本には約1000万人以上の患者さんがいると言われています。

古い骨は破骨細胞によって壊され、新しい骨が骨芽細胞によって作られています。骨形成と骨吸収が繰り返されて骨の強度が保たれているんです。

このバランスが崩れて破骨細胞の働きが骨芽細胞よりも強くなると、壊される骨の量が新しく作られる骨の量を上回り、骨量が減少してしまいます。


骨粗しょう症になりやすい人って?

次の項目に当てはまる方は、骨粗しょう症のリスクが高いと言われています。

①加齢
②女性
③偏った食事
④運動不足
⑤喫煙
⑥過剰な飲酒
⑦高身長
⑧家族歴

①加齢
②女性

性ホルモンが減少する50歳前後になると、破骨細胞と骨芽細胞のバランスが崩れて急激に骨量が減少します。特に閉経後の女性はその傾向が顕著。50歳以上の女性の24%、80歳以上の女性の約半数が骨粗しょう症であると言われています。

更年期以降、卵巣機能の低下によって女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少することがその理由です。 エストロゲンには、 骨の形成を促進する働きがあります。

③偏った食事
④運動不足

骨を形成するためには、カルシウムやビタミンDなどの栄養素が必要です。しかし、偏った食生活や運動不足は、骨形成に必要な栄養素の不足や骨の刺激不足を引き起こすため、骨密度の低下につながります。

身長が高い人も骨量が少ないため、骨粗鬆症になるリスクが高いです。また、家族歴がある場合も骨粗鬆症になりやすいと言われています。

⑤喫煙
⑥過剰な飲酒

タバコに含まれるニコチンは骨形成細胞の働きを妨げるため、骨密度の低下につながります。多量のアルコールを常時摂取している人も要注意です。

若い人も骨粗しょう症になるの?

若年性骨粗しょう症と呼ばれる病気があります。遺伝的な要因、疾患や薬の副作用などが原因だとされています。


骨折しやすい部位とは?

骨粗しょう症になると、次に挙げる箇所が骨折しやすいです。

①背骨(椎体)
②太ももの付け根(大腿骨)
③手首(前腕骨)

増加しているのが背骨の骨折です。気づいたら背骨がつぶれていることが多い脊椎圧迫骨折は、動きが制限されたり痛みが伴ったりするために、精神的に参ってししまいがち。痛みによって夜眠れず、ますますふさぎ込む方もいいます。

痛みによって背中を丸めていると、胸やけや逆流性食道炎を起こしやすかったり、胃が圧迫されることで食欲が落ちたりします。肺活慮も低下します。

これまでのように活発に動けなくなることで体力も落ちてしまい、ますます骨が弱くなるという悪循環を引き起こすんです。

太もものつけ根を骨折すると歩行が困難になるため、寝たきりにつながりやすいです。



骨粗しょう症はどうやって調べるの?


骨粗しょう症を調べる4つの方法

骨密度検査で調べます。次の方法があります。

①DXA法(2重エックス線吸収法)
②MD法(Microdensitometry法)
③QUS法(定量的超音波測定法)
④QCT法(定量的CT測定法)

①DXA法(2重エックス線吸収法)

一般的な方法で、最も正確に骨量を調べることができます。2種類のエックス線を当てて背骨や太もものつけ根、前腕などの骨密度を測定します。

②MD法(Microdensitometry法)

手の骨密度を調べる方法です。手の横にアルミニウム板を置き、そのままにエックス線を当てて撮影。 レントゲン濃度を比べて骨量を計測します。 「DXA装置はないけれどレントゲン撮影装置はある」という医療機関でよく用いられています。

③QUS法(定量的超音波測定法)

かかとの骨に超音波を当てて骨量を測定する検査。エックス線を使用せず、骨量そのものを測定しているわけではないため、診断には使われません。主に検診で用いられる簡易的な方法です。

④QCT法(定量的CT測定法)

CTを用いて、腰椎の3次元的な骨量を測定します。DXA法に比べて放射線被ばくがやや多い方法です。


骨粗しょう症と診断される基準って?


若い人の平均値を100%とした時に、自分の骨量が何%かをみます。骨密度が若い人の80%未満になると要注意、70%以下に減ると骨粗しょう症と診断されます。



骨粗しょう症の初期症状って?


骨粗しょう症は初期段階だと自覚症状がほぼないため、気づきにくい病気であると言われます。知らない間に病状が進み、骨折に至るケースも。次のような兆候がみられたら、検査を受けてみましょう。

①身長が低くなった
②背中や腰が曲がってきた
③背中や腰が痛い

一つの指標として、40歳のころと比べて身長が2㎝縮んだら骨粗しょう症の可能性があると言われています。リスクが高くなる閉経後の身長低下と骨折の関係性は、身長低下が2cm以上あると背骨の骨折は13.5倍、4cm以上では20.6倍になるという報告も。



骨粗しょう症の3つの治療法


「骨粗しょう症」の治療法は、大きく分けると3つ。薬物治療投与をしながら、運動療法と食事療法を同時に行っていくというのが一般的です。骨折している場合は、骨折に関する治療も必要になってきます。

①薬物による治療
②運動による治療
③食事による治療


①薬物による治療

薬物には次の種類があります。

①骨吸収を抑える薬
②骨形成を促進する薬
③骨吸収を抑制し、骨形成を促進する薬
④骨の栄養素

①骨吸収を抑える薬

骨吸収とは、古い骨を破骨細胞によって壊すこと。それを抑える薬です。

女性ホルモン製剤(エストロゲン)、ビスフォスフォネート製剤、SERM(塩酸ラロキシフェン、バゼドキシフェン酢酸塩)、カルシトニン製剤、デノスマブ

骨形成を促進する薬

骨形成とは、 新しい骨が骨芽細胞によって作られること。 その骨芽細胞を増やす薬です。

テリパラチド(副甲状腺ホルモン薬)

③骨吸収を抑制し、骨形成を促進する薬

抗スクレロスチン抗体

④骨の栄養素

カルシウム、活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、


②運動による治療

骨は、長軸方向に負荷がかかるほど強くなります。 微量の電流が骨に伝わって骨をつくる細胞が活発になるからです。また、 その刺激の繰り返しが多いほど骨を強くします。

例えば水中と陸上での運動を比較すると、後者の方が重力がかかるため、水泳よりも陸上でのウォーキングやジョギングなどが効果的だといえるでしょう。

軽いダンベルを持って自分の体重プラスの負荷をかけながらウォーキングを行うダンベルウォーキング、 片方の脚で左右各1分間立って1日3セット行うダイナミックフラミンゴ療法などがおススメです。 骨に直接刺激を与える筋力トレーニングもぜひ取り入れてください。


食事による治療

骨粗しょう症の治療として摂っていただきたい栄養素は次の通りです。

〇カルシウム
〇ビタミンD
〇ビタミンK
〇タンパク質

カルシウムは骨を構成する重要な成分。治療のために必要なカルシウムの量は、一日当たり700~800㎎だと言われています。

そのカルシウムを吸収するためにはビタミンDが必要です。ビタミンKやビタミンDは、骨へのカルシウムの取り込みを助けます。

カルシウムを含む食品
牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜、大豆、大豆製品

ビタミンDを含む食品

サケ、ウナギ、サンマなどの魚類、きのこ類

ビタミンKを含む食品

納豆、緑色野菜、果物と野菜

たんぱく質を含む食品

肉、魚、卵、豆、穀類など

リン酸塩の摂り過ぎに注意しましょう!!

リン酸塩は、カルシウムの吸収を妨げます。インスタント食品、加工食品、 インスタント食品、加工食品、スナック菓子などに多く使われています。



予防のためにできること


年齢を重ねるほどリスクが高まる骨粗しょう症。手遅れにならないためには正しい知識を知って、日常生活の中で出来ることを取り入れましょう。日々の積み重ねが健康を作ります。予防については、以下のことを意識してみてください。

〇必要量のカルシウムを摂る
〇カルシウムの吸収を助ける
ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムを摂る
〇必要量のタンパク質を摂る
〇禁煙
〇アルコールの過剰摂取を控える
〇運動をする
〇日光浴をする
〇転倒に気を付ける
〇定期的に骨密度検査を受ける

日光を浴びるとビタミンDが?

人間の皮下脂肪には、日光(紫外線)を浴びることによってビタミンDに変わる物質が含まれています。骨粗しょう症予防には、ウォーキングを日中に行うのがおススメです。



まとめ


  • 骨粗鬆症とは?
    骨密度が低下して骨折しやすくなる病気
  • 骨粗しょう症になりやすい人
    ①加齢
    ②女性
    ③偏った食事
    ④運動不足
    ⑤喫煙
    ⑥過剰な飲酒
    ⑦高身長
    ⑧家族歴
  • 骨折しやすい3つの部位
    ①背骨(椎体)
    ②太ももの付け根(大腿骨)
    ③手首(前腕骨)
  • 骨密度検査の4つの方法
    ①DXA法(2重エックス線吸収法)
    ②MD法(Microdensitometry法)
    ③QUS法(定量的超音波測定法)
    ④QCT法(定量的CT測定法)
  • 骨粗しょう症と診断される基準
    骨密度が若い人の80%未満になると要注意
    70%以下に減ると骨粗しょう症
  • 骨粗しょう症の3つの初期症状
    ①身長が低くなった
    ②背中や腰が曲がってきた
    ③背中や腰が痛い
  • 骨粗しょう症の3つの治療方法
    ①薬物による治療
    ②運動による治療
    ③食事による治療
  • 薬の4つの種類
    ①骨吸収を抑える薬
    ②骨形成を促進する薬
    ③骨吸収を抑制し、骨形成を促進する薬
    ④骨の栄養素
  • 運動は長軸方向に負荷をかけるものが効果的
  • 摂った方がいい栄養素
    〇カルシウム
    〇ビタミンD
    〇ビタミンK
    〇タンパク質
  • 予防のために
    〇必要量のカルシウムを摂る
    〇カルシウムの吸収を助ける
    ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムを摂る
    〇必要量のタンパク質を摂る
    〇禁煙
    〇アルコールの過剰摂取を控える
    〇運動をする
    〇日光浴をする
    〇転倒に気を付ける
    〇定期的に骨密度検査を受ける



おわりに


昨年、母が腰椎を圧迫骨折しました。骨粗しょう症が原因でした。骨粗しょう症は自覚症状がなく、骨折して初めて気づいたのです。

腰椎の圧迫骨折は痛みがひどくて活動も制限されるため、精神的な落ち込みも相当でした。幸い寝たきりにならずに済みましたが、もっと早く知識を知って予防に努めていれば…との思いがあります。

年齢を重ねて症状が出てから対応するのではなく、若いうちから知識をもって予防に努めることが大切だと感じました。

健康を作るのは日々の積み重ね。豊かな老後生活をおくるためにも、今回の記事を参考にして日常生活で出来るところから取り組んでみてくださいね。


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