「水」の種類とは?それぞれどんな特徴があるの?水の選び方って?3つの分類方法から分かりやすく説明します!
ふだん何気なく口にしている「水」。私たちのカラダは、体重の約60%が水分でできています。体内の水の多くは、細胞内にあるんです。カラダを構成する細胞。水が健康や美容と深い関係があることが分かりますね。
水には種類があります。それぞれの特徴を知ることで、目的に応じて選ぶことができると良いですね。
こちらの記事も参考にしてください!!
「水」はカラダにどんな影響を与えるの?健康や美容、ダイエットと水分との関係って?1日に必要な量とは?効果的な摂り方とは?
この記事の目次
- 1.水の種類とは?
- 2.原水の採水場所による分類
- 3.硬度(ミネラル分の含有量)による分類
- 4.原水と処理方法による分類
- 5.水の選び方とは?
- 6.まとめ
- 7.おわりに
水の種類とは?
水の分類方法には、次のような3つの条件があります。
原水の採水場所による分類
硬度による分類
処理方法による分類
原水の採水場所による分類
原水をどこで採取するかによって、次の7種類に分けられます。採水する深さや温度、溶存物質によって分類されているんです。
①浅井戸水
②深井戸水
③湧水
④鉱泉水
⑤温泉水
⑥伏流水
⑦鉱水
①浅井戸水
浅い井戸から取水した地下水のこと。
②深井戸水
深い井戸から取水した地下水のこと。
③湧水
自然に湧き出た地下水のこと。
④鉱泉水
水温が25℃未満の、自然に湧き出た地下水のこと。
溶存鉱物質等により特徴付けられます。
⑤温泉水
水温が25℃以上の、自然に湧き出た地下水のこと。
溶存鉱物質等により特徴付けられます。
⑥伏流水
河川水等の地表水が周辺の砂層などの中に浸透して流れる水のこと。
⑦鉱水
ポンプで取水した地下水のこと。
溶存鉱物質等により特徴付けられます。
硬度(ミネラル分の含有量)による分類
硬度とは?
硬度とは、水1000ml中に溶けているミネラル(カルシウムとマグネシウム)量を表わした数値のこと。水は、ミネラル含有量により主に「硬水」と「軟水」とに分けられます。簡単に言うと次の通りです。
〇軟水
ミネラル含有量が多い水
〇硬水
ミネラル含有量が少ない水
WHO(世界保健機関)の基準は?
〇軟水
硬度0~60mg/l 未満
〇中程度の軟水
硬度60~120mg/l 未満
〇硬水
硬度120~180mg/l 未満
〇非常な硬水
硬度 180mg/l以上
一般的に日本では?
〇軟水
硬度0~100mg/l
〇中硬水
硬度101~300mg/l
〇硬水
硬度 301mg/l以上
原水と処理方法による分類
水は、原水と処理方法によって次の4つに分類されます。農林水産省が定める「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」でも規定されています。
①ナチュラルウォーター
②ナチュラルミネラルウォーター
③ミネラルウォーター
④ボトルドウォーター
①ナチュラルウォーターとは?
ナチュラルウォーターとは、水質や水量が安定した特定の地下水を水源とし、ろ過や沈殿、加熱殺菌以外の科学的処理を行っていない水のことです。原水に溶け込んでいるミネラル分が少ないので「ミネラル」とは明記されません。
②ナチュラルミネラルウォーターとは?
ナチュラルミネラルウォーターとは特定の原水から採水した水で、最低限のろ過、沈殿、加熱殺菌処理しか行っていません。
ナチュラルウォーターとの大きな違いは、原水の時点でミネラル分が溶け込んでいること。品質管理に手間がかかるため、お値段は高めです。
天然水とは?
一般的に、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーターを天然水といいます。天然水は農林水産省のガイドラインにより、特定の水源から採水された原水を用いることが定められています。
③ミネラルウォーターとは?
ナチュラルウォーターやナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させるための処理(オゾン殺菌や紫外線殺菌、ミネラル分の調整や複数の原水のブレンドなど)を行っている水のこと。処理方法には一定の基準が定められています。
④ボトルドウォーターとは?
ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター以外の「飲用可能な水」のこと。ろ過や加熱殺菌処理などに関しての基準がありません。次に挙げる水が、ボトルドウォーターに当てはまります。
〇RO水
〇アルカリイオン水
〇水道水
〇海洋深層水
〇炭酸水
RO水の特徴
RO水は、RO膜という特殊なフィルターを使ってろ過された水のこと。不純物や有害物質とともにミネラル分も取り除かれてしまうため、一般的にはミネラルを添加しています。
採水地の水質を問わず、同じ品質の水を提供することが可能。雑味のない味なので、ウオーターサーバーなどに利用されることが多いです。原水は水道水や河川水を使用するため、コストカットによって安い価格で提供することができます。
アルカリイオン水の特徴
アルカリイオン水は、水道水などをアルカリイオン整水器によって電気分解して生成したもの。pH9〜10の弱アルカリ性電解水のことを指します。
家庭用アルカリイオン整水器で作ることができます。スーパーやネット通販などでペットボトル飲料として販売されています。まろやかな口当たりが特徴で、胃腸症状の改善に有効であることが薬事法で認められています。
水道水の特徴
水道水は、地表水(河川・ダム湖・湖沼など)・伏流水・地下水などを水源としています。 採取された水は、浄水場で処理を行った後に水道水として供給されます。
日本の水道水は水道法に基づく水質検査により、51項目もの水質基準項目をクリアすることが定められています。
浄水処理には、大きく分けて次の4種類の方法があります。
急速ろ過後に塩素消毒
緩速ろ過 後に塩素消毒
膜ろ過 後に塩素消毒
塩素消毒のみ
水道水はカラダに悪いの?
水道水に含まれる残留塩素の量はごくわずかであり、摂取しても人体への悪影響はないと言われています。一方で、浄水処理後の水道水を水道管へ通した際に、微量の鉄さびや鉛などの不純物が後から含まれる危険性も指摘されています。
また、消毒のために含まれる塩素のニオイが気になるなどの理由で、浄水器を使用している人も多いです。
海洋深層水の特徴
海洋深層水とは、水深200mより深いところにある海水のこと。太陽の光が届かないためプランクトンや細菌などが極めて少なく、年間を通じて水質の変化がないことが特徴です。
また、水温が約9度と一定のため窒素・リン・ケイ素などの無機栄養塩が多く、必須微量元素やさまざまなミネラルがバランス良く含まれています。
炭酸水の特徴
炭酸水は、二酸化炭素(炭酸ガス)を含む水のこと。天然炭酸水と人工炭酸水とがあります。
天然炭酸水とは?
〇自然に湧き出た二酸化炭素を含んだ水
〇ミネラル成分が含まれている
〇炭酸の強さは産地によって異なる
〇口当たりがまろやかなのが特徴
人工炭酸水とは?
〇人工的に作り出された炭酸水
〇二酸化炭素を圧入して作られている
〇炭酸の強さを調整できるのが特徴
水の選び方とは?
どのような基準で水を選ぶかは、その人によって様々だと思います。主に次の3つが挙げられるのではないでしょうか?
①コストパフォーマンス
②飲みやすさ
③効果・効能
コストパフォーマンスとしては?
コストパフォーマンスとしては、蛇口をひねるだけで出てくる水道水、次いで先ほど説明したRO水がお安いでしょう。
水道水の成分やニオイが気になる場合は浄水器を使っても良いのですが、コスパ的にはプラスになります。価格や性能はメーカーによって異なりますので、情報を集めて比較検討することをオススメします。
飲みやすさとしては?
雑味がなく安定した味を求めるならばRO水。 自然なおいしい水にこだわるのであれば天然水。日本はほぼ軟水なので、硬水よりも軟水の方が飲みやすいと感じる方が多いでしょう。
効果・効能で選ぶなら?
採水地によって含まれるミネラル分が異なるため、体に与える効果もそれぞれです。代表的なものを挙げてみましょう。
〇胃腸を整えたいとき
→アルカリイオン水、炭酸水、硬水
アルカリイオン水には、下痢や胃もたれ、消化不良などの胃腸症状をやわらげる働きがあります。日常的に500ml〜1,000mlのアルカリイオン水を飲むと良いと言われています。
胃の中に到着した炭酸水は、胃腸の血管を拡張させます。これにより胃粘膜にも刺激が加わり、腸管のぜん動運動を活発化させ、便秘を解消します。
硬水にはマグネシウムが多く含まれています。下剤として使用されているマグネシウムも、便秘解消に効果を発揮します。
〇血流を改善したいとき
→炭酸水
炭酸水を飲むと血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、多くの酸素を運ぶため血流がよくなります。血流が良くなると肩こりの改善などにもつながります。
〇食事の美味しさを引き立てたいとき
和食は日本産の軟水
洋食は外国産の硬水
軟水がいいか?硬水がいいか?
日本の水はほぼ軟水です。口当たりもやわらかいため、飲みやすいと思います。硬水は苦みや独特な風味を感じることが多く、飲みにくいという声をよく聞きます。
軟水は肌や胃腸に優しいと言われます。個人差はあると思いますが、私はヨーロッパに旅行した際に、硬水の影響で髪や肌がごわついて驚きました。
硬水はミネラル分を多く含むため、ミネラルの効果・効能を得たい方にオススメです。ただし、摂り過ぎると腸を刺激し、便がゆるくなることがあります。
市販のペットボトルの水が腐らないのはなぜ?
ペットボトルの水は、不純物や雑菌の混入を防ぐために殺菌処理をしてから出荷しているため、未開封の水が腐ることがないのです。
まとめ
- 水の分類方法とは?
原水の採水場所による分類
硬度(ミネラル分の含有量)による分類
処理方法による分類 - 原水の採水場所による分類
①浅井戸水
②深井戸水
③湧水
④鉱泉水
⑤温泉水
⑥伏流水
⑦鉱水 - 硬度による分類
〇軟水 ミネラル含有量が多い水
〇硬水 ミネラル含有量が少ない水 - 原水と処理方法による分類
①ナチュラルウォーター
②ナチュラルミネラルウォーター
③ミネラルウォーター
④ボトルドウォーター - ボトルドウォーター の種類
〇RO水
〇アルカリイオン水
〇水道水
〇海洋深層水
〇炭酸水 - 水の選び方とは?
①コストパフォーマンス
②飲みやすさ
③効果・効能
おわりに
健康志向であったり、美容への意識が高かったりすると、「水分摂取に気を配っている」という声をよく聞きます。水の質や量、飲み方などにこだわる方が多いんです。私もふだん発酵食品を手作りしており、発酵菌と水との関係は深いため、浄水を使っています。
ひと口に「水」といっても、その種類は様々。それぞれ特徴が異なります。私たちが水を選ぶ基準も、コスパ、飲みやすさ、効果・効能など一定ではありません。
どのような種類があって、どのような特徴があるのかを知り、目的に応じて選べるようになると良いですね。今回の記事をぜひ参考にされてください。
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