「水」はカラダにどんな影響を与えるの?健康や美容、ダイエットと水分との関係って?1日に必要な量とは?効果的な摂り方とは?
健康やダイエットをテーマにしたテレビ番組や雑誌の記事などで、専門家や有名人などが「水分をしっかり摂りましょう」と話しているのを見かけます。多くの方が、水分摂取の大切さを感じているのではないでしょうか?
一方で、おぼろげに分かってはいてもその理由などをしっかり理解しているという人は少ないでしょう。今回は、水がカラダに与える影響をみていきたいと思います。
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「水」の種類とは?それぞれどんな特徴があるの?水の選び方って?3つの分類方法から分かりやすく説明します!
この記事の目次
- 1.水とカラダの関係とは?
- 2.代表的な体液「血液」「尿」「汗」の役割とは?
- 3.水の効果・効能
- 4.どのくらいの量を飲めばいいの?
- 5.効果的な摂り方とは?
- 6.まとめ
- 7.おわりに
水とカラダの関係とは?
水はカラダの主成分です!
人のカラダは成人の場合、体重の約60%が水分で構成されています。飲用した水分は腸で吸収され、体液になります。
体液は、細胞内液(約40%)と細胞外液(約20%)とに分類されます。細胞外液はさらに、間質液(約15%)と循環液(約5%)とに分けられます。血液やリンパ液は循環液です。
〇新生児 約80%
〇乳児 70%
〇幼児 65%
〇成人男性 約60%
〇成人女性 約55%
〇高齢者の場合50~55%
体内における水分の役割とは?
体液は、私たちの生命に大きく関わっています。 その役割は次の3つです。
①運搬
②体温調整
③環境維持
①運搬
酸素や栄養分を身体中の細胞に届け、老廃物を尿として体外へ排出します。
②体温調節
体温が上がると、皮膚への血液の循環を増やします。汗を出して熱を逃がし、体温を一定に保ちます。
③環境維持
新陳代謝がスムーズに行われるよう、体液の性状を一定に保ちます。
代表的な体液「血液」「尿」「汗」の役割とは?
代表的な体液「血液、尿、汗」について、もう少し詳しくみていきましょう。
①血液
血液は、体重の約8%(約1/13)。血液の半分以上が血しょうと呼ばれるもので、その90%は水分です。つまり、血液の半分以上が水で出来ています。
体内の水分が不足すると、血液中の水分も減少します。すると、いわゆるドロドロの状態になります。粘度が高くなると、酸素や栄養の「運搬」がうまくいきません。
その結果体調不良になったり、血管が詰まりやすくなったりと、病気を引き起こしてしまうんです。
②尿
尿には、大切な役割が2つあります。
〇体内の老廃物を排出する
〇体内の水分量を調整する
ひとつ目の役割は、体内の老廃物を外に出すということ。成人の1日あたりの尿量は約1.2リットル。老廃物をしっかりと排出するためには、約0.5リットルの尿が必要だと言われています。
ふたつ目の役割は、体内の水分量を調整するということ。体内の水分量が少なくなると、腎臓は尿量を減らして水分不足を防ごうとします。尿量が少なくなると老廃物が溜まりやすくなり、体調不良の原因となるんです。
水分不足の見分け方とは?
尿の状態が濃い黄色で泡立っていたら、体内の水分量が不足していることが多いので注意しましょう。
③汗
汗の99%は水分です。汗の役割は体温調整。皮膚から水分を蒸発させる際に、熱を放出しているんです。発汗後に水分をとらないと、脱水症を引き起こします。次のような症状が現れるので注意しましょう。
口が渇く
尿量が減少する
全身の倦怠感
頭痛がする
めまいがする
吐き気がする
意識が朦朧とする
水の効果・効能
水を飲むとどのような効果・効能を得られるのかをみていきましょう。
①むくみを解消する
②ストレスを軽減する
③便秘を解消する
④ダイエット効果
⑤美肌効果
⑥冷え性改善
①むくみを解消する
むくみは、皮膚と皮下組織に水や老廃物がたまった状態のこと。血液やリンパ液の流れが悪くなると、カラダの末端まで循環できなくなってむくみが発生します。
水分が不足したり、塩分を摂りすぎたりすると、身体は水分をためこもうとします。水を飲むと血行が良くなり、余分な水分を体外に排出するのでむくみを解消することができます。
②ストレスを軽減する
水を飲むことで、気持ちの高まりを一時的に鎮めることができます。リラックスしたいときには、コップ一杯の水を飲むと良いでしょう。その理由は次の2点です。
〇脳に集まった血液を胃腸に導くから
〇水に含まれるカルシウムやマグネシウムに鎮静作用があるから
③便秘を解消する
便秘の原因のひとつが、便が硬かったり量が少なかったりして、腸内を移動しにくくなること。水分をしっかり摂ることで次のような効果が期待できます。
〇水分を含んで便が軟らかくなる
〇水に含まれるマグネシウムには、腸に水を集める働きがある
〇炭酸水には胃腸を刺激する働きがある
〇胃に水が入ることによって、下にある大腸が刺激される
④ダイエット効果
水は、健康だけでなくダイエットにも効果を発揮します。次のような理由が挙げられます。
〇食前に水を飲むことで食欲を抑えることができる
〇ジュースなどと違ってゼロカロリーである
〇むくみを解消する
〇便秘を解消する
⑤美肌効果
水はさらに、美肌効果ももたらします。肌のターンオーバーに関係するからなんです。水分を補給すると、血液が循環して老廃物を排出し、新陳代謝が活発になります。
新陳代謝がアップすると、お肌のターンオーバーが正常に働くので、肌荒れやニキビなどを防いで美肌を保つことができるのです。
ターンオーバーとは?
私たちの肌は、4週間ごとにターンオーバー(表皮がはがれて生まれ変わること)を繰り返しています。新陳代謝がうまくいかずにターンオーバーが乱れると、肌トラブルにつながってしまいます。
⑥冷え性改善
体内の水分量が減ると血液の循環が悪くなり、冷え性につながります。
⑦疲労回復
水分不足で血流が滞っていると、体内に酸素や栄養素をスムーズに運ぶことができず、老廃物をためこむことになります。それにより細胞が活性化せず、代謝が悪くなり、疲労の蓄積にもつながります。水分を意識的に摂取して血液をサラサラにすることで、疲労の回復が期待できます。
また、運動前に水を飲んでおくことで疲労を遅らせたり、回復を早めたりする効果が期待できます。
1日にどのくらいの量を飲めばいいの?
結論からお伝えすると、成人の方で1日約1.2リットルの水を飲む必要があると言われています。その根拠をみていきましょう。
人は呼吸、消化活動、発汗、毛穴からの蒸発などによって、1日に平均1.5~2リットルの水分を失います。水分不足にならないために、失った分を補給する必要があるんです。その量は2.5リットルと言われています。
1リットルは食事などから摂取し、0.3リットルは体内で作られます。残りの1.2リットルは飲み水で補わなければなりません。
体重から見てみると
体重1キロにつき約35 mlの水が必要(成人)
50キロの人で1.7リットル
60キロの人で2.1リットル
70キロの人で2.4リットル
80キロの人で2.8リットル
効果的な摂り方とは?
水を効果的に飲むポイントがあります。順番にみていきましょう。
①こまめに飲む
②冷やし過ぎない
①こまめに飲む
一度に大量の水を飲んでも尿として排出されてしまい、効果が得づらくなってしまいます。コップ1杯程度の量を、こまめに飲むようにしましょう。
1日7~8回に分けるといいですね。おすすめは、水分が不足しがちなタイミングでの摂取です。のどが渇いたという自覚がなくても、飲むようにしましょう。体内の水分量が低下しがちなタイミングを挙げておきます。
〇起床時
〇入浴後
〇運動後
〇就寝前
②冷やし過ぎない
暑い日や運動後は冷えた水を飲みたくなりますが、冷たい水はカラダに負担がかかります。冷え性や便秘の原因となる可能性も。
カラダに優しいのは、常温の水か白湯。常温の水は吸収スピードはゆっくりですが、消化器官への負担はほぼありません。
白湯は身体を内側から温めることにより、代謝や免疫力を上げたり、内臓機能を活発化させたりする効果が期待できます。
水を摂り過ぎるとどうなるの?
水分摂取が大切だということがお分かりいただけたと思います。それでは逆に、水を摂り過ぎるとどうなるのかをみていきましょう。水分を大量に摂取し過ぎると血中ナトリウム濃度が低下し、次のような症状が現れます。
〇めまい
〇頭痛
〇頻尿
〇疲労感
〇浮腫
〇下痢など
めまいなどに加えて、多尿や頻尿の症状がある場合は水中毒を疑ってください。さらに重症化すると次のような症状が出ます。
〇錯乱
〇嘔吐
〇意識障害
〇呼吸困難
〇脳浮腫によるけいれん
〇肺水腫
〇うっ血性心不全など
まとめ
- 水とカラダの関係とは?
カラダの主成分は水である
体液の役割とは?
①運搬
②体温調整
③環境維持 - 水の効果・効能とは?
①むくみを解消する
②ストレスを軽減する
③便秘を解消する
④ダイエット効果
⑤美肌効果
⑥冷え性改善 - 1日に飲むべき水の量は?
成人で1.2リットル - 水を効果的に摂るポイントとは?
①こまめに飲む
②冷やし過ぎない
おわりに
健康志向であったり、美容への意識が高かったりすると、「水分摂取に気を配っている」という声をよく聞きます。水の質や量、飲み方などにこだわる方が多いんです。私もふだん発酵食品を手作りしており、発酵菌と水との関係は深いため、使う水にはこだわっています。
カラダの主成分は水分です。体液として重要な役割を担っており、健康や美容などへの影響は大きいです。水分が不足しないよう、適量を把握することが大切。
水分の役割や摂り方のポイントを知り、効果・効能を高められると良いですね。今回の記事をぜひ参考にされてください。
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