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『腸活』のすすめ~腸とメンタルの深い関係とは?腸内環境がうつ病や発達障がいに影響しているって本当?

腸内環境を整えることで、メンタルが安定するということをご存じですか?私も腸活を始めてから、イライラすることが減り、子どもたちにも「ママ、穏やかになったね」と言われています。

腸内環境の悪化は、うつ病や精神疾患、発達障がいにも影響を及ぼすと示唆されています。消化器官のひとつである腸。なぜメンタルと関係があるのでしょうか?詳しくみていきましょう。



『腸脳相関』とは?


『腸脳相関』は双方向の関係性のこと!

『腸脳相関』とは、脳と腸が密接に関連していること。「腸→脳」といった一方向的な関係でなく、「腸⇔脳」といった相方向的な関係性があります。つまり、互いに影響を及ぼし合っているんです。

例えば、自律神経が乱れてぜんどう運動が鈍くなることで便秘を引き起こす(脳→腸)、腸内環境が乱れてセロトニンの合成がうまくいかずに精神的に不安定になる(腸→脳)といった感じです。


腸は脳に情報を送っている?!

腸にはたくさんの神経細胞が存在していますが、それらは独自のネットワークを形成しており、『腸官神経系』と呼ばれています。

脳からの指令を受けなくても腸管の運動・分泌・血流を制御することができ、生命維持にとって大切な機能を果たしています。

さらに腸は、迷走神経という太い神経を通して脳に情報を送っているということが分かってきました。腸から脳に送られる情報量は9割。実は脳から腸へ送られるよりも多いんです。

腸から送られる情報が感情に影響を与え、メンタルを大きく左右すると言われています。さらに近年では、腸内細菌が腸脳相関に関与しており「腸-脳-腸内細菌相関」という新しい概念に進化してきています。



メンタルに大きく関係しているセロトニン


セロトニンは神経伝達物質のひとつ。腸、血液、脳で分泌され、様々な指令を伝える働きがあります。腸内では腸を動かす際に使われます。

また、脳内では「ハッピーホルモン」と呼ばれ、精神を安定させる役割があります。不足すると不安やうつ、パニック症などの精神症状を引き起こすと言われています。

セロトニンの働きは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を制御すること。脳はストレスや緊張を感じるとセロトニンを分泌して自律神経のバランスを整えます。

ノルアドレナリンとは?
交感神経の活動を高める神経伝達物質で、副腎皮質から分泌されるホルモン。過剰に分泌されると不安・恐怖・焦燥感などが現れます。

ドーパミンとは?
中枢神経に存在する脳内の神経伝達物質。ドーパミンが分泌されるとやる気や幸福感を得ることができますが、過剰に放出されると過覚醒の状態となり、統合失調症や依存症などを引き起こす可能性があります。




腸を整えればメンタルが安定する?


セロトニンの90%が腸に存在しています!

体内には約10㎎のセロトニンが存在するのですが、90%が腸に、8%が血液に、2%が脳という分布になっています。脳よりも腸に多く存在しているんですね!


セロトニンの素が腸から脳に送られる!

セロトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンが ヒドリキシトリプトファン( 5-HTP )に変換されてから合成されます。そのトリプトファンが5-HTPに変換される場所が腸なんです!

つまり、腸内で作られたセロトニンが脳内に送り込まれるのではなく、腸内で変換された5-HTPが脳に送られてセロトニンが合成されるというメカニズムです。

腸内環境が悪化すると、トリプトファンから5-HTPへの変換がうまくいかず、脳にセロトニンの素が届きにくくなります。


腸内環境が乱れるとセロトニンが不足します!

トリプトファンから5-HTPに変換される時にビタミンB6が必要です。このとき使われるビタミンB6は腸内細菌が合成するものが主となっています。

腸内環境が悪化するとビタミンB6の合成がうまくいかずに不足するため、 トリプトファンから5-HTPへの変換 に支障をきたしてしまうんです。

興味深い実験

腸内細菌をもたない無菌マウスを使った研究では、腸内細菌をもつマウスに比べてストレス耐性が弱く、多動や攻撃的な行動がみられました。無菌マウスに通常の腸内細菌を移植したところ、それらが正常化したという報告があります。




腸内細菌とうつ病、自閉症などとの関係とは?


近年、うつ病や発達障がいと腸内細菌との関係性が注目されるようになり、様々な研究が行われています。まだまだ解明されていないこともありますが、多くの論文が腸内環境がこれらの症状に影響を与えていると伝えています。


うつ病との関係

うつ病には腸内細菌が関係しているとされ、様々な研究が行われています。うつ病の人は、大腸内のビフィズス菌や乳酸桿菌 などの善玉菌が健康の人に比べて少ないと言われています。

また、下痢や便秘、腹痛が続く過敏性腸症候群を発症している割合も高いと言われ、発症率は健康な人の約3倍だという報告もあるんです。


自閉症との関係

自閉症の人は、下痢や便秘など消化器に関するトラブルを抱えているケースが多くみられます。特に障がいの程度が重い人ほど、その症状も重い傾向があるようです。

腸内細菌を調べると、自閉症児は健常児に比べて悪玉菌の菌種が多く、また、悪玉菌であるクロストリジウムやルミノコッカスなどの数も多いという結果が出ています。

さらに自閉症児に腸内細菌移植を行ったところ、消化器症状の8割が消失し、自閉症の行動異常も改善したとする報告もあります。

発達障害とは?

自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。

文部科学省「発達障害者支援法概要 2発達障害の定義」より参照




腸が整っている状態とは?


腸内環境がメンタルと深い関係があることがお分かりいただけたと思います。整っている腸とはどのような状態なのかをみていきましょう。


腸内フローラって?

私たちの腸内には、体内に棲む細菌の9割が生息していると言われています。 その数はなんと約100兆~1000兆個。重さにして約1㎏~2㎏にもなるんです!!

菌種は約1,000種類と、多種多様。 同じ種類の菌たちが塊となり、腸壁にびっしり張り付いています。その様子がお花畑 (flora)にみえることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。

腸内細菌の形成パターンは、一人ひとり異なります。「腸内フローラが整っている」とは、腸内細菌のバランスがとれている状態のことを指します。

腸内フローラの原型は3歳までに作られる?!

赤ちゃんは産道を通るときに、母親から腸内細菌をもらいます。それが赤ちゃんの腸内で増殖し、3歳くらいまでに腸内フローラの原型が作られます。そのパターンは一生変わらないと言われているんです。


善玉菌・悪玉菌・日和見菌

「腸内フローラが整っている」とは、腸内細菌のバランスがとれている状態のこと。腸内細菌は「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3つに分類されます。理想的な割合は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7だと言われています。

〇善玉菌
悪玉菌の侵入や増殖を防ぎ、腸の運動を促す菌

〇悪玉菌
腸内で有害物質を作り出し、お腹の調子を悪くする菌

〇日和見菌
善玉菌と悪玉菌のうち、数が多いほうの味方につく菌

〇善玉菌

善玉菌は腸内で発酵活動を行います。乳酸や酢酸を作り出して腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えます。代表的なのは、ビフィズス菌や乳酸菌などです。

〇悪玉菌

悪玉菌は腸の中で腐敗活動を行います。毒性物質を作り出して腸内をアルカリ性にします。代表的なのは、大腸菌(毒性株)やウェルシュ菌、ブドウ球菌などです。

一見悪者に感じますが、肉類などのタンパク質を分解して、便として処理排泄するという大切な働きもあります。あくまでもバランスが大切なんです。

〇日和見菌

善玉菌が増えると日和見菌は善玉菌の味方につくので、腸内環境を整えておくことが大切だと言われる理由がここにあります。

発酵と腐敗のメカニズムは同じ?!

発酵も腐敗もその仕組みは同じ。与える影響によって呼び方が異なるだけなんです。
〇発酵 微生物が人間に有益な物質をつくりだすこと。
〇腐敗 微生物が人間に有害な物質をつくりだすこと。





腸内環境を整えるには?


それでは実際、腸を整えるために何をしたらいいのでしょうか?腸内環境は食事や運動、睡眠などの影響を受けます。腸内フローラのバランスを保つには

〇自律神経を整える
〇生活習慣を整える

がポイントです。「生活習慣を整える」については、①善玉菌を増やす食事への配慮、②質の良い睡眠、③適度な運動の三点を見直しましょう。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓↓

腸を整えるには?腸内環境の状態はどう判断するの?『腸活』の2つの方法って?




まとめ


  • 『腸脳相関』とは?
    腸と脳の双方向の関係性のこと 
    互いに影響し合っている
  • 腸と脳とメンタルヘルスの関係
    〇メンタルに大きく関係しているセロトニン
    〇セロトニンの90%が腸に存在している
    〇セロトニンの素が腸から脳に送られる!
  • うつ病の人は
    〇大腸内のビフィズス菌や乳酸桿菌 などの善玉菌が健康の人に比べて少ない
    〇過敏性腸症候群を発症している割合も高い
  • 自閉症の人は
    〇下痢や便秘など消化器に関するトラブルを抱えているケースが多い
    〇悪玉菌の菌種が多い
    〇悪玉菌であるクロストリジウムやルミノコッカスなどの数が多い
  • 腸内環境が整っている状態とは? 
    腸内細菌のバランスがとれている状態のこと 
  • 理想の割合は
    善玉菌:悪玉菌:日和見菌= 2:1:7
  • 腸を整えるには?
    〇自律神経を整える
    〇生活習慣を整える



おわりに


「腸活」という言葉が流行るほど、カラダや心の健康のために腸を整えることが大切だということが広く知られるようになりました。

今回は、腸とメンタルヘルスの関係について書きましたがいかがでしたか?その他にも、免疫力アップ、ダイエット効果、美肌効果などがあり、どれも魅力的です。

今回の記事を参考に、ぜひ腸活に取り組んでみてくださいね!!

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